むらもと農園 農園便り

 2015(平成27)年までは 定期お届けの野菜セットにお入れしていた紙の「農園便り」の内容を基にしつつ、 ウェブサイト用に一部書き換えたものです。 2018(平成30)年7月からは書き下ろしです。

<平成24年2月15日−平成27年9月10日、平成30年7月3日−平成31年3月10日 邑本太一 記>

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平成31年3月10日/旧暦二月四日(日)

冬野菜もそろそろ終わり

 今期の冬野菜は平戸市田平町で栽培しました。 元々土壌が野菜栽培に適している上に、前の耕作者が アスパラガス栽培のために堆肥を毎年たっぷり投入していたおかげで、 大根も人参も小松菜も水菜も春菊もほうれんそうも じゃがいももキャベツもブロッコリーも大変良くできました。 2015年まで野菜セットの定期宅配をしていた時にこれだけ良く できたならば、皆様に大変喜んでいただけたことでしょう。 今期はそういう、畑の都合に合わせて受け取ってくれる 安定的な供給先がなかったので、収穫できずに畑に残してしまったり、 収穫して出荷しても店で売れ残って廃棄されてしまったりという 野菜が多く、大変もったいない状況でした。
 行き先(販売先)が確保できずに収穫を遅らせているうちに 収穫適期が終わってしまい、じゃがいもは地中で芽を出し、大根や人参、 チンゲンサイ、水菜は「とう」が立ちました。チンゲンサイの「とう」は おいしいのですが、店で販売してもなかなか売れないので、あまり 収穫できないまま花盛りになっています。
 小松菜とほうれんそうは慣行栽培並みの価格で販売すれば 店でも売れたのですが、収穫とその後の調製に手間暇がかかる割に単価が 安いので後回しにしているうちに巨大化して販売不適になりました。 キャベツとブロッコリーは小松菜やほうれんそうに比べると収穫と包装に 要する手間暇が少ないので、畑に残して土に返すよりは少しでも多く どなたかに食べていただいた方が良いと思い、途中から価格を下げて 地元の店でどんどん販売するようにしました。

 有機栽培は連作障害を回避するために多品目少量栽培をするので、 農薬と化学肥料を使う慣行栽培に比べると効率が悪く、慣行栽培の相場に 合わせた価格では経営が難しいです。かと言って少し高めの価格にすると、 地元の店ではあまり売れません。都会と違って直売所に旬の野菜が 大量に供給されるし野菜を自給したりもらったりする人も多いので それは仕方がありません。一方、宅配便業界の労働条件改善のために 運賃が上昇したため、都会の消費者の方々に個別に宅配便で送る という方法も難しくなりました。
 今年の夏からは「平戸つる草」を主作物として栽培しつつ、 秋冬を中心に野菜の栽培も続けたいと思っています。しかし生鮮野菜は 所得の源にするのが上述の通り難しいので、有機栽培野菜の地元での 普及・啓蒙活動と思って地道に少しずつ続けていきたい というのが今の心境です。「平戸つる草」の栽培は夏だけなので、 通年で農業経営が成り立つようにするための秋冬の作目を要します。 その、秋冬の作目としては生鮮品ではなく何らかの加工等をして 出荷時期を調整できるものを確保する必要がありそうです。 手始めに大根と人参の切干を作った他、干しキャベツの試作など しています。

チンゲンサイの花などの写真 小松菜、チンゲンサイ、ブロッコリー、キャベツの一部
3月9日、平戸市田平町


平成31年1月15日/旧暦十二月十日(火)

鹿町町大屋の農地返却、当サイトのURL変更

 今期の冬野菜は平戸市田平町で栽培しています。春からは そこで栄養機能食品「マックビー」の原料の「平戸つる草」を栽培 します。平戸つる草も野菜と同様に、農薬と化学肥料を使わずに栽培 します。野菜栽培も続けますが、野菜は販売・流通面で困難な状況 にあり規模を縮小します。
 主たる栽培場所を田平町に移すのに伴い、2015年まで主たる 栽培場所としていた佐世保市鹿町町大屋の農地60aを今春返却 します。再び作付けする場合のために、休耕中も周囲の電気柵の 維持・管理として、草刈りとバッテリーの充電をしてきましたが、 今春電気柵も撤去して完全撤退します。

 ヤフーのジオシティーズが3月末で廃止されるため、当 ウェブサイトは geocities から XREA に引っ越しました。 新しいURLは http://jbrbb342.g2.xrea.com/ です。
 今年の9月30日までは従来のgeocities のURLにアクセスしても 自動的に新しいXREA のURLに転送されます。10月以降は転送され ませんので、閲覧ソフトのお気に入りに登録して下さっている方は 恐れ入りますが登録のし直しをお願いします。

中切草刈りの写真 返却に当たって草刈り中
1月8日、鹿町町大屋中切(しかまちちょう おおや なかのきれ)


平成30年12月2日/旧暦十月二十五日(日)

冬野菜が出揃ってきたけれど

 今年の秋冬野菜は平戸市田平町で栽培しています。人参の間引菜、 大根の間引菜、小松菜に続いて水菜、チンゲンサイ、春菊、青首大根、 青長大根、人参、馬鈴薯(じゃがいも)が収穫時期を迎えました。

 従来耕作してきた鹿町町の圃場とは土質が異なるので、野菜の育ち具合も 違うだろうと予想していましたが、やはり違いました。元肥として 鹿町町の圃場と同程度の量の鶏糞堆肥を施用したところ、予想以上に 窒素分がよく効いて葉が育ち過ぎました。大根や人参を葉付きで 出荷しようとすると、葉が長過ぎて持て余してしまいます。ただ、 幸いにして窒素過多による病気や虫の大発生は起きておらず 大事には至らずに済んでいます。
 野菜の中味にも少し違いがあります。従来の鹿町町の圃場の大根は 比較的ずんぐり型で辛味が強かったですが、田平の大根は長くて辛味が あまり強くありません。青長大根(長江青長)は上半分が内部も緑色で 緑色の大根おろしができますが、鹿町町で育てた時は辛味が大変強く 一度にあまり多くは食べることができないほどでした。それに対して 田平の青長大根は辛味があまり強くなく、たくさん食べられます。 その代わり内部の緑色が鹿町町産より薄いです。鹿町町産は 小さい大根の中に成分が濃縮されていたという感じです。
 それでは田平町産は中味が薄いのかと言うとそういうわけでは ありません。鹿町町産の大根は辛味が強く、煮るとその辛味が苦味に 感じられて食べにくかったです。田平町産はそういうクセがなく、 世間一般の有機栽培の大根の味と同程度になっていると思います。

 12月中にはキャベツも収穫できるようになる見込みです。そうすると じゃがいも、にんじん、だいこん、キャベツ、小松菜、みずな、春菊 の野菜セットの販売が可能になります。ここで問題となるのが 宅配便の運賃です。宅配便業界の労働条件改善のため、 3年間の休止の前に比べると運賃が大幅に値上がりしています。 2015年末までは九州内全域に500円の運賃でお送りできていましたが、 今は比較的小さい箱でも1,199円です。東京までだと1,048円だったのが 今は1,631円です。いずれも8%消費税込みです。3年前までのような 中味1,500円+運賃実費では運賃の比率が高くなり過ぎます。そこで、 一度にお送りする野菜の量を多くして運賃の比率が低くなるように しようかと思っていますが、野菜の量を多くし過ぎると箱の大きさと 重量が増すので運賃が一段階高くなってしまう可能性があります。 3年前まではかなり大きく、重くなっても黙認してくれていましたが、 今は厳格にサイズ分けをするそうです。葉付きの大根、人参は 難しそうです。宅配便利用の個人向け生鮮野菜販売は もはやかなり困難で、別の販売方法を確保する必要がありそうです。

小松菜、大根などの写真 小松菜、大根など
11月25日、平戸市田平町


平成30年11月9日/旧暦十月二日(金)

秋冬野菜収穫開始

 今年の秋冬野菜は平戸市田平町(たびらちょう)で栽培しています。 来春からその地で「平戸つる草」の栽培をするべく今年の夏から準備を進めて きました。かつてアスパラガスが栽培されていたパイプハウスの骨組みを、 つる性植物の誘引に利用する予定です。その圃場にまずは秋冬野菜を栽培 しています。人参、馬鈴薯、大根、小松菜、水菜、チンゲンサイ、春菊、 キャベツ、ブロッコリー、ほうれんそう、そら豆、えんどう豆などいろいろ 植えています。

 アスパラガスの栽培を終えた後3年間休耕地になっていたのを、 今年から平戸つる草栽培に取り組まれた方が借り受けられ、その一部の 4棟の耕作を分担させていただくことになりました。3年間休耕されて いたので、露地なら化学肥料も農薬も完全に抜けているところです。 しかしパイプハウスの被覆POフィルムが半分くらいは破れながらも、 残る半分くらいは残存して雨避けハウス状態になっていました。 6月の初めに残っていた天井フィルムを全部除去し、雨に当ててきました。 農薬と化学肥料を普通に使う慣行栽培が主流の店で野菜を販売する際、 これまでの鹿町町の圃場の収穫物には「5年間以上農薬、化学肥料を 使っていない農地で育てました」と記載した、「いのしし印」の表示を 貼り付けています。田平町で栽培した分には雨避け状態だったことを 考慮して「1年間以上農薬、化学肥料を使っていない農地で育てました」 という「バッタ印」の表示を新たに作り、それを貼り付けて区別することに しました。

 田平町の圃場での最初の収穫物は人参の間引菜。次は大根の間引菜、 その次は小松菜です。コオロギによる幼苗の食害で人参、水菜などの 欠株が多くなりましたが、コオロギ以外による食害は今のところ あまりなく、比較的順調に育っています。
 田平の圃場の周囲にはイノシシ対策のワイヤーメッシュ柵が設置されて いますが、囲う範囲が大変広く長い距離の柵のいずこかがイノシシに 破壊されて日常的に侵入されていました。そこで今回秋冬野菜を栽培する 圃場だけを新たに電気柵で囲いました。電気柵のおかげで今のところ 獣害はありません。
 鳥害は今のところありませんが今後発生するおそれはあります。既に ヒヨドリのあの下品な鳴き声が聞こえます。新暦1月になるとみかん類を 食べ尽くしたヒヨドリがキャベツやブロッコリーの葉を食べに来る 可能性があるので、防鳥網の準備が必要だと思っています。

人参、大根などの写真 人参、大根、玉ねぎ苗など
10月30日、平戸市田平町


平成30年10月19日/旧暦九月十一日(金)

夏野菜終了

 旧暦九月は晩秋ですが、すっかりそれらしい気候になりました。晴天時の昼間は 暖かくても、夕方になると急速に気温が下がり朝は服を一枚多く着ないと寒いです。 脳みそが腐りそうなくらい暑くてたまらなかったあの夏の日々が懐かしいです。
 今秋は茄子が好調でしたが、10月6日(旧暦八月二十七日)に台風25号の強風に 見舞われて果実が傷だらけになりました。更に、台風の打撃を受けて少し弱った ところにスズメガの幼虫が1株あたり1匹くらい発生して、葉を派手に食べられて しまいました。食害発生初期に一度捕殺したのですが見落としが多数あったようです。 秋冬野菜の作業や牛乳配達で目を離していた間に幼虫が急速に大きくなり、一日に 食べる葉の量も急速に増え二回目の捕殺時には既に大部分の葉が食べ尽くされて いました。気温が低くなり今後の復活は期待できないので、今年の茄子の収穫は これでほぼ終了でしょう。オクラも終わりました。ピーマンと伏見甘長唐辛子は まだ収穫できていますが、気温の低下とともに果実の肥大が遅くなるので 収穫量も減ってきています。

 今年の秋冬野菜は平戸市田平町(たびらちょう)で栽培しています。 江迎湾を挟んで向こう岸なので地図上の直線距離は近いのですが、陸路で行くと 片道12.2km、自動車で22分くらいかかります。これまで耕作してきた鹿町町 の農地は石が多く作土が浅く、しかも水はけの悪い圃場が多くて野菜栽培には 不利なため、今年初めて田平町の畑を利用することにしました。 私が当初農地探しをした19年前に比べて今は耕作放棄地が大幅に増えており、 借用可能な農地も多くなりました。
 田平の圃場は水はけが良い半面、土が乾燥し易いです。10月7日から18日まで 雨がほとんど降らなかったので14日から17日まで、生育途上の大根などの秋冬野菜に 水やりをしました。田平町内の久吹(くぶき)ダムを水源とする灌水設備があり、 それを利用しています。

伏見甘長の写真 伏見甘長唐辛子
ししとうの京野菜版のようなもの
10月2日、口ノ里春田276イ


平成30年9月9日/旧暦七月三十日(日)

オクラとニガウリ

 6月からズッキーニ、きゅうり、ピーマン、茄子などの夏野菜を収穫・販売しています。 ズッキーニは既に終了しきゅうりも盛期を過ぎて、今はオクラ、ニガウリ、茄子、 ピーマン、エンサイ、つるむらさきなどを収穫しています。
 週2日は牛乳配達なので3年前までに比べると作付面積が小さく、収穫量も少ないです。 また、宅配便業界の労働条件改善のため3年前までのような運賃では戸別宅配が できそうにありません。そのため今のところ小売店の生産者直売コーナーだけで販売して います。具体的には、佐世保市江迎町のスーパーまつばや江迎店に週2ないし3回、 佐世保玉屋近くのベジライフに週1回くらい出品しています。

 まつばや江迎店は近いので自分で容易に搬入できて良いのですが、 有機栽培だからということでそれ相応の価格でご購入下さる層のお客様は 少ないようです。6月には生産者直売コーナーにきゅうりが大量に出品されていて、 その頃他の生産者よりも少しだけ価格を高く設定したきゅうりは、 ほとんど売れませんでした。
 8月から現在に至るまではオクラがなぜかよく売れています。よく売れるといっても 栽培株数が少なく収穫量も少ないので2ないし3日に一回、150g入りを2ないし3袋出品 するだけです。それでも出品当日に全部売れてしまうことが多く、これはニガウリ、 茄子、ピーマンにはない現象です。
 私個人としては茄子やピーマンの方が夏野菜の定番で、よく食べられてよく売れるもの と思っていましたが、実際にはそうではないようです。妻に言わせればオクラは生で 食べられるから好まれるのだろうということです。しかし、まつばやでの販売は お客様が売場で商品を自由に手にとって店内の一般の商品と一緒にレジに持って行く という完全なセルフ販売なので、どういうお客様が買って下さっているのか把握できず 真相は不明です。
 オクラほどではないですがニガウリも意外とよく売れています。オクラもニガウリも 私自身が茄子やピーマンほどには多く食べようと思わないので、世の人々も同様だろうと 思っていましたがこれは全くの誤解だった可能性がありそうです。栽培技術上は茄子や ピーマンの方が寒い時期からハウス内に踏込温床を作って育苗しないといけないし、 定植後も整枝や誘引など手間暇がかかるし、肥料分を多く必要とする一方で 虫の食害を受け易いので堆肥を長期熟成させないといけないし、と大変なので オクラやニガウリよりも価値が高いと思います。しかし食べるだけの人にとっては そうではないようです。
 3年前まで野菜セットの定期宅配販売をしていた時には、オクラやニガウリが 毎週たくさん送られてきたら受け取る側は迷惑だろうと思って、少なめに作付けして 少なめにお送りしていました。それで特に苦情もなかったのでそれでいいと思っていましたが、 本当は皆さんオクラやニガウリがもっと欲しかったのかも知れません。 スーパーまつばや江迎店での販売は経営的には厳しいですが、こうして勉強になる という面はあります。

 一方、ベジライフは対面販売だしそもそも野菜に関しては農薬や化学肥料を使わずに 栽培した野菜を販売するのが前提の店なので、スーパーまつばやよりも確実に販売する ことができます。その代わり地理的に距離が遠いので、私が自分で野菜を搬入したことは 今年はまだ一度もありません。妻が佐世保方面に用事がある時に運んでもらっています。 (当地鹿町町も平成の大合併で佐世保市になりましたが、佐世保市の中心街までは遠いので あまり多くない量の野菜の出荷だけのために行くことは難しいです。)

 Facebookでも「邑本太一」の登録名で農業を中心とした情報発信を始めました。 Facebookを利用されている方はそちらもどうぞご覧ください。

茄子の写真 真黒なす
在来固定種の長卵型茄子
9月28日、口ノ里春田276イ


平成30年7月3日/旧暦五月二十日(火)

営農を再開

 平成27年(2015年)末をもって生業としての農業を一旦終了しましたが、今夏2年半 ぶりに再開しました。

 平成28年(2016年)3月から今年(平成30年)1月まで肥料、農薬など農業資材の販売に 関わる仕事に従事しました。農業の経験を生かせると思って選んだ仕事でしたが、求め られる受注金額の水準が私(邑本太一)にとっては高くて到底達成できそうになく、 向いていないと判断しました。化学肥料と農薬は平成10-11年(1998-1999年)の農場勤務 (島原半島)では使いましたが、平成12年(2000年)1月からの自営農業では使用経験が なく知識も少なかったので、このたびの仕事のためにあらためて勉強しました。 実際の使用状況についてこの2年弱の仕事を通じて見聞を広めることもできました。 また肥料、農薬以外の農業資材についても世の中には種々便利な物があるのだということ を知りました。 この間の仕事で接した農家はほぼ全員が化学肥料と農薬を駆使する「慣行農法」の方々 でしたが、経営全般に関しては学ぶところが多かったです。

 今春からは毎週2日牛乳配達の仕事をしつつ、残りの日々に有機農業をしています。 単なる再開ではなく、この2年間に思い至った反省点を踏まえて必要な改善をしていく つもりです。
 今のところ販売は小売店への出荷のみです。宅配便を利用した個人のお客様への 販売については、休止していた2年半の間に宅配便業界の労働条件の問題提起と その改善という大きな動きがあり、以前よりも運賃が高くなっているので、 先週運賃の見積もりを依頼したところです。


平成27年9月1日/旧暦七月十九日(火)

野菜の定期宅配の終了の可能性について

 野菜の定期宅配をご利用下さっている皆様には、毎週、又は二週間に一回お送りする野菜を、 畑の都合を受容して選り好みや返品をせず全てお受け取り下さっていることについて、 大変感謝しております。おかげさまで、これまで15年間有機農業を続けてくることができました。 ありがとうございます。
 しかしながら、ご利用いただいております野菜の定期宅配を9月中か、最大限延長しても10月までで 終了させていただく可能性が高くなってきました。皆様には大変ご迷惑をおかけして申し訳ございません。 理由を詳しくお知りになりたい方は、以下の文章をお読み下さい。

少し詳しいご説明

 当農園は、10年間の会社勤めと1年半の農場勤務(島原半島)を経て私(邑本太一)が 2000年1月に自営の有機農業を開始し、2004年に妻が加わったものです。農園名はむらもと農園 としていますが、法人化はしておらず個人経営で労働力も夫婦二人だけでやってきました。 出荷先はほとんどが皆様への定期宅配で、ごく一部を直売所などに出荷しています。
 農業所得は徐々に増えてきましたが、家計費を完全に賄うことができるまでにはなかなか 至りませんでした。機械の更新に備えて本来保留しておくべき減価償却費も生活費として 使ってしまう状況が続いており、根本的な改善が見通せませんでした。そのため昨年の夏から 妻が農業以外のパートタイムの勤め仕事に出るようになりました。休日には妻も時々農作業を 手伝ってくれますが、基本的には農作業は私が一人でやるようになりました。
 2003年までは私一人でやっていたのですからその頃に戻ったわけですが、当時は必要なかった イノシシやカラスへの対策が今は必須となっているし、管理する農地の面積も増えたので なかなか手が回りません。いつも仕事に追いかけられていて日程に余裕がないため、 天候に恵まれなくて作業が遅れるとその影響が大きくなりやすいです。その結果、昨冬は ハクサイ、キャベツ、ブロッコリーがネキリムシに食べられ全滅してお届けできなくなり、 今春の端境期には約1か月に渡って野菜のお届けを休止しました。また、今夏は茄子の葉が テントウムシダマシに食べられて収穫開始が1か月以上遅れたし、玉ねぎが早期に多く腐って減り、 8月下旬に在庫切れとなりました。

 それで結論としては、私も生業としての農業をやめることを考えています。 自給農業は続けていきたいと思います。かつてガンジーが説いた、如何なる職業の人も 各人において可能な範囲で食糧を自給するべしという指針を実行したいと思います。 そしてそのことの普及に努めたいと思います。

 甘藷、里芋、枝豆は定期宅配のために十分な量を作付けしていますが、秋冬野菜は 8月中旬以降の雨の多い天候の影響を受けて作付け場所の準備が進んでいません。そのため 11月にはお届けできる野菜が里芋と甘藷だけになる見込みです。

もっと詳しいご説明について

 野菜の定期宅配をご利用下さっている方には、ご希望があればお送りします。

9月1日(火)にお届けした野菜
南瓜(タキイ交配 ほっこり姫) 1kg、
胡瓜(タキイ交配 夏ばやし)400g 又は 馬鈴薯(普賢丸)500g 又は オクラ200g、
ピーマン(タキイ交配 京みどり)150g、
伏見甘長唐辛子100g、
茄子(タキイ交配 長岡長)300g、
にんにく1球、
つるむらさき350g 又は エンサイ200g 又は モロヘイヤ150g
  (7品目、1,500円+送料九州内500円)

ピーマン、茄子などの写真 ピーマン、伏見甘長唐辛子、茄子など
9月6日、ナ11


平成27年8月14日/旧暦七月一日(金)

梅雨明け十日

 九州北部が梅雨明けしたとみられると7月29日に発表されました。その後8月11日まで 雨が一滴も降らず暑い日々が続きました。雲が多めで時々日差しの弱くなる日もありましたが、 PETボトルに入れた水が日なたではすぐにお湯になるような状況で、梅の土用干しも比較的良く できたと思います。

 野菜畑は基本的に日当たりの良い場所なので、昼間の農作業は直射日光の下ですることに なります。夏は水やり用のホースを取り扱う程度の軽作業でも、すぐに汗びっしょりになります。 里芋などの株元に敷くために草を運ぶ作業も、猛暑の中ではなかなか大変です。 そこでなるべく朝夕の比較的気温の低い時間帯に農作業をします。夏は昼間の時間が長く、 言い換えれば夜の時間が短いので、早朝と夕方に仕事をすると夜に確保できる睡眠時間が どうしても短くなります。なるべく昼寝をして睡眠時間を確保したいのですが、昼間は昼間で することが意外と多くあるので、なかなか昼寝ができません。それでも、雨に妨げられず作業が はかどるので、気分が高揚して一日4時間睡眠で連日頑張ることができました。おかげで、 梅雨の間ずっとできずにいた生姜や里芋、甘藷(一部)の草取りと中耕・土寄せが完了しました。 しかし連続6日間が限界でした。7日目には農作業の合間や食事中にうとうと居眠りをして、 何をするのも全くはかどらなくなってしまいました。

 8月12日には、梅雨明け後初めて雨が降りました。今年の梅雨は雨の日数が多かった代わりに 一度に大量に降る大雨はあまりなかったです。例年梅雨の間には何回か大雨洪水警報が発表されて、 そういう大雨を利用して水田に水を張るのですが、今年の梅雨は大雨警報の発表もありませんでした。 その代わり12日の雨が大雨になりました。大雨洪水警報も発表されて、110mm以上降りました。 深さ110mmの缶が満杯になってあふれてしまったので、110mmを超えて実際に何mm降ったのかは不明ですが、 松浦や平戸の観測値から推測すると120mmくらいだった可能性が高そうです。
 雨のおかげで12日は久しぶりの休息日となりほっとしました。12日の雨は八重山諸島から台湾を経て 中国大陸に上陸した台風13号が熱帯低気圧になり、西向きから東向きに向きを変えて温帯低気圧になり 前線を伴って対馬海峡へとやってきたことによるもので、一週間くらい前から週間予報で予想が 告げられていました。この雨の前までに秋冬野菜予定地の耕起を終えたかったのですが、 現に生育中の野菜のための作業など他の仕事を優先させた結果、できませんでした。

 秋冬野菜といっても範囲が広く、最初に作付けする秋作馬鈴薯(じゃがいも)と人参の 圃場の準備は順調で、人参は例年より早く既に播種して連日の水やりによって出芽しました。 馬鈴薯予定地も耕起済みです。問題はそれ以降の大根、蕪、小松菜、水菜、キャベツ、 ブロッコリーなどの圃場です。こちらは種類が多く収穫期間も長いので面積が多く必要です。 昨年の南瓜の跡に緑肥として植えた白クローバーの地上部をハンマーナイフローターで 切り刻むところまでは終わりました。12日の雨の水分がある程度抜けたら最優先の仕事として 耕起したいと思っています。ただ、それだけでは面積が足りないので追加の圃場を選ばないといけません。

8月14日(金)にお届けした野菜
南瓜(タキイ交配 ほっこり姫) 700g、
胡瓜(タキイ交配 夏ばやし、同 つばさ)500g、
ピーマン(タキイ交配 京みどり)150g 又は 伏見甘長唐辛子150g、
茄子(タキイ交配 長岡長)300g 又は オクラ(八丈オクラ)100g、
玉ねぎ(タキイ交配 ネオアース)600g、
つるむらさき300g 又は エンサイ300g 又は モロヘイヤ150g、
中力小麦粉(チクゴイズミ)500g
  (7品目、1,500円+送料九州内500円)

里芋の写真 生姜と里芋
中耕、土寄せが終わり一部に草を敷いたところ
8月8日、ナ3


平成27年7月24日/旧暦六月九日(金)

台風9号の影響

 前回7月10日付けで、雨が多すぎて里芋、生姜、甘藷、大豆(枝豆)などの周りが草だらけに ならないようにするための中耕や草かすりができないと書きました。その後も雨が多くて土が なかなか乾かないので、鍬を使ったり耕したりするような作業はなかなかできません。 唯一大豆(枝豆)の中耕・土寄せだけは何とか敢行しました。この大豆は6月に播種して10月に 枝豆を収穫する普通期栽培の秋大豆(品種名:フクユタカ)です。
 7月14日から21日まで収穫・お届けした枝豆は、枝豆専用の早生品種(品種名:富貴)です。 枝豆の収穫適期はもともと短いのですが、夏に収穫する早生品種は気温が高いため豆の肥大・ 成熟が速く、秋大豆より収穫可能期間が短いです。そのため、7月10日、24日にお届けする隔週 お届けのお客様へは、残念ながらお送りすることができませんでした。7月21日収穫分も既に 老化気味の莢があって、あまり良い状態ではありませんでした。逆に7月14日収穫分はまだ豆の 肥大が不十分な莢が多く、収穫適期の数日前でした。適期収穫ができたのは7月17日お届け分だけ でした。一週間又は二週間に一回お送りするお客様に、適期収穫の野菜をお届けすることに 関しては、胡瓜やズッキーニよりも枝豆(早生)の方が難しいです。

 7月16日から17日にかけて台風11号が室戸岬から米子へと四国・中国地方を北上し、 関東や近畿地方で大雨が降ったと報道されました。大雨の被害を受けられた方にはお見舞いを 申し上げます。当地では幸い11号の被害はありませんでしたが、その前の台風9号が7月11日から 13日にかけて東シナ海から黄海を経て朝鮮半島へと進んだ時に、南寄りの強風が吹き荒れて その影響を受けました。里芋の葉が破れたり一部千切れて飛ばされたり、トマトと胡瓜の支柱が 傾いたり倒れたりしました。そのため14、17両日にお送りした胡瓜は果実の表面がこすれて 傷付いて外観品質が悪かったです。傷が著しくて許容範囲を超えていると判断したものは廃棄 しました。
 しかし、最も影響が大きかったのはズッキーニでした。ズッキーニは南瓜の仲間で茎が 地面に匍匐(ほふく)するのですが、葉と葉の間(節間)が伸びないので南瓜と違って茎が つる状にはならず、つるなし南瓜とも呼ばれます。普通の南瓜は葉の付け根から不定根と 呼ばれる根が伸びて地中に入り込み、イカリのような役割を果たして風にも強くなるのですが、 ズッキーニは不定根を伸ばしません。そのため強風によって匍匐した地上部全体がよじれたり 裏返ったりして、傷みやすいです。収穫期が終わりに近づいて株が疲れていたところに 台風9号の強風が吹いたので、急速に弱って雌花が咲かなくなりました。そして7月14日で ピタリと収穫が終わってしまいました。

石木ダム建設強行問題について

 長崎県と佐世保市が長崎県東彼杵郡川棚町に建設しようとしている石木ダムの問題が今、 正念場を迎えています。データを元に客観的に判断すれば明らかに不要なダムです。 だから、アウトドア用品メーカーパタゴニア日本支社も、建設反対運動を支援してくれています。 パタゴニア日本支社による支援活動の一環として新聞に掲載された意見広告の内容が、 「石木川まもり隊」のウェブサイトで読めるようになっているので、是非お読み下さい。

 石木ダムによって水没する予定の県道の付け替え道路を作る工事が6月12日に始まりました。 ダムを作るために長崎県が追い出そうとしている13世帯約60人の人たちが抗議するのを、 長崎県職員が陰湿な言葉による暴力でいびっているビデオ映像を先日見ました。 私が住む集落にもいるような普通のおばちゃんたちが、ヘルメットと作業服で身を固めた県職員から 陰湿にいびられながら、必死に耐えて立ちふさがっている様子は、本当に気の毒な限りです。 県職員というのは家族を養うために県という組織の言うことを聞かないといけないのかも知れませんが、 そのために納税者であり自分たちの給料の出所でもある住民をあのように情け容赦なくあしらって 良いはずはありません。かつて石垣新空港建設のために、石垣島のおじい・おばあ達が機動隊に 実力をもって強制排除される様子の記録映画を見たことがありますが、あれはもう35年かそれ以上前の 出来事です。しかしそれと同じようなこと(農地・宅地・13世帯60人の住居の強制収用)を 長崎県はこれから実行しようとしているわけで、時代錯誤としか言いようがありません。

 上述の意見広告の内容を読んでいただければ治水・利水のいずれの面でも石木ダムは必要ない ということがご理解いただけると思います。それなのになぜ長崎県と佐世保市は石木ダム建設にこだわるのか、 その背景は今年6月15日に発行された「石木ダムの真実 ホタルの里を押し潰すダムは要らない!  ふるさとを守れ!13世帯、執念の戦い」(石木ダム問題ブックレット制作委員会編、花伝社、1,080円) に書かれています。amazonのインターネット通販で送料無料で購入できますので、こちらも是非お読み下さい。

 石木ダムは自分には関係がないと思っていはいけません。佐世保市民の税金が約300億円、 長崎県民の税金が90億円超、そして日本国の国庫からも126億円使われることになっています。 ゼネコンを潤すために税金を無駄使いする財政的余裕は、佐世保市にも長崎県にも日本国にも ないはずです。インターネットによるオンライン署名ができるようです。是非ご協力下さい。 よろしくお願いします。

7月24日(金)にお届けした野菜
中玉トマト(サカタ交配 シンディースイート) 350g、
胡瓜(タキイ交配 つばさ)250g、
ピーマン(タキイ交配 京みどり)150g 又は 伏見甘長唐辛子150g 又は ニンニク1球、
馬鈴薯(普賢丸)600g、
玉ねぎ(タキイ交配 ネオアース、同 猩々赤)800g、
つるむらさき200g 又は モロヘイヤ150g、
切干大根(タキイ交配 大師)40g
  (7品目、1,500円+送料九州内500円)

枝豆の写真 収穫期の枝豆(富貴)
7月14日、ナ3


平成27年7月10日/旧暦五月二十五日(金)

圃場外での農薬使用について

 6月9日付けで、電気柵沿いの除草剤使用について書きました。前回は行数が足りなくて 詳しく書けなかったので、今回補足説明をします。
 現在当農園で耕作している圃場は口ノ里春田と大屋中切の2か所にあります。いずれも 一年中イノシシが来るので、それぞれ外周約500mずつを一年中電気柵で囲って通電しています。 両方合わせると約1kmです。電気柵の柵線(電線)に草が触れると漏電して電圧が下がり、 イノシシなどの動物の侵入を防ぐ効果が低くなります。従来は春、夏、秋は3週間に1回、 エンジン付き刈払機(草刈機)で電気柵全域即ち1kmの草を刈り払っていました。金属製の 普通の刈払い刃は草がよく切れるので作業がはかどりますが、電気柵のFRP製の支柱に誤って 触れると支柱が瞬間的に切れてしまいます。柵線も瞬間的に切れます。そういう事故を 防ぐためには、金属の刃ではなくナイロン製のひもで草を叩き切るコードカッターを使うのが 有効ですが、コードカッターは金属刃に比べると作業時間が長くかかり2倍くらい要します。 また、道路沿いなどで小石が多いところでは小石がたくさん跳ね飛ばされて、顔に当たったり 襟元から服の中に入ったりします。道路沿いにはガラス片も落ちているのでガラス片も 飛んできます。保護具(お面と前掛け)を着用しても脇から飛び込んできます。 飛散した小石が自動車の窓ガラスに当たって割れる危険性もあります。金属刃の時よりも エンジンの回転数を上げないといけないので、燃料の消費量も多くなります。また、 コードカッターはクズなどのつる性の草が生えている時は巻き付いて運転不能になるので 使えません。その代わりコードカッターは地表面も一緒に叩きながら草を切るので、 草を生え際から完全に叩き切ることになり、コードカッターによる草切りを何回も継続する と次第に草が弱って少なくなっていきます。そこで、昨年までは、春と秋にコードカッターで 草を徹底的に叩き切って弱らせておき、クズの多くなる夏は金属刃で乗り切るという方法を 取ってきました。いずれも頻度は3週間に1回です。
 世間の多くの人は電気柵沿いには年に何回か除草剤を散布しています。それに対して 当農園では、たとえ作物に吸収されない場所であっても草を枯らすような薬剤は根本的に 使わない方針でした。それは自然環境への悪影響を防ぐためでした。しかし、除草剤を 使わずに刈払機で草を刈る方法は、化学物質による汚染はなくても燃料として石油を多く 消費しているし、作業効率が悪いことにより農業経営が成り立ちにくくなる要因となって、 農業の持続可能性を損なっているとも言えます。あまり理想的にやり過ぎて農業を続け られなくなるよりは、作物に吸収される心配のない場所には除草剤を使う方が賢明でしょう。 そこで6月9日付けでお書きしたように今夏から除草剤を使うことにしました。 圃場とは離れた全く別の場所にある農機具保管小屋の周辺も、小屋の外壁の波板を 切らないようにコードカッターで草切りをしていましたが、そこにも今夏から除草剤を 使います。
 但し除草剤を使うと言っても悪徳企業の製品はなるべく避けたいので、世間の多くの 農家が愛用している「ラウンドアップ」という除草剤は使いません。ラウンドアップは 葉にかけると根まで枯死して便利です。しかしラウンドアップは、遺伝子組換えの菜種や とうもろこしの種子を販売して遺伝子汚染を起こしているモンサント社の製品です。 だから使いません。

7月10日(金)にお届けした野菜
ズッキーニ(ダイナー、オーラム) 800g、
胡瓜(タキイ交配 つばさ)600g、
中玉トマト(サカタ交配 シンディースイート)200g、
玉ねぎ(タキイ交配 ネオアース、同 猩々赤)800g、
馬鈴薯(普賢丸)600g、
切干大根(F1 福太郎)40g 又は 中力小麦粉(チクゴイズミ)500g 又は 人参(タキイ交配 いなり五寸)B級品1kg
  (6品目、1,500円+送料九州内500円)

大豆の写真 大豆(枝豆)
二葉の次の初生葉が展開したところ
7月6日、ナ7


平成27年7月7日/旧暦五月二十二日(火)

梅雨の中休みに期待

 今年の梅雨は中休みがほとんどなく、あってもせいぜい2日間くらいしか続きません。 そのため里芋や生姜や甘藷や大豆(枝豆)などの周りが草だらけにならないようにするための 中耕も草かすりも、なかなかできません。第二陣の胡瓜を植えるためのうね作りもしたい のですが、これもできる日がなかなか巡ってきません。日が照らなくても雨が降れば雑草は どんどん生長するので、このままではやがて手に負えない状況になってしまいます。 そうならないよう、三日間以上連続する梅雨の中休みを待ち望んでいます。
 水稲を植える予定だった田の耕起は今年は野菜の中耕よりも優先度を低く設定していて 後回しなので、当然まだできていません。田植え終了の目安の時期と言われる半夏生(7月2日) も既に過ぎて、今年は田植えをあきらめました。来年、夏野菜を植えたいと思っている場所の 水はけ向上策としての、緑肥セスバニア播種は何とか今月中にしたいものだと思っていますが、 こちらの耕起もまだできていません。耕起に備えてハンマーナイフローターで草を刻む作業は 既に2回実施しましたが、2回とも耕起にまで至らないうちに次の雨が降ってきました。 そして草がまた伸びました。従って耕起が実現する時にはその前に3回目となる草刻みをする ことになります。

 日照不足のため今日はズッキーニの収穫量が少ないです。特に、黄色の「オーラム」が 少なかったです。そのため、緑色の「ダイナー」のみのお届けになる場合があります。

7月7日(火)にお届けした野菜
ズッキーニ(ダイナー、オーラム) 700g、
胡瓜(タキイ交配 つばさ)600g、
玉ねぎ(タキイ交配 ネオアース、同 猩々赤)800g、
馬鈴薯(普賢丸)600g、
切干大根(F1 福太郎)40g、
つるむらさき 200g 又は エンサイ(空心菜)150g
  (6品目、1,500円+送料九州内500円)

里芋などの写真 里芋など(手前、ナ3)、ズッキーニ・南瓜(奥、ナ4)
7月2日


平成27年6月26日/旧暦五月十一日(金)

梅雨の晴れ間と瓜類の収穫量の難しい関係

 ズッキーニと胡瓜はいずれもウリ科で、水分と日光が特に大好きです。梅雨の晴れ間が 少しあると急に果実が肥大します。収穫が一日遅れると巨大果になってしまうので、通常 二日に一回以上の頻度で収穫しないといけません。今の時期は曇雨天で日の照らない日が 多い中でたまに梅雨の晴れ間(本来の「五月晴れ」)があるので、晴れた日の後だけ突然 収穫量が増えて、それ以外の日は収穫量が少ないです。
 定期宅配をご利用下さっている皆様に野菜をお送りする日が、ちょうどその収穫量が 多い日に当たってくれれば良いのですが、なかなかそうはなってくれません。 ズッキーニも胡瓜も貯蔵性が高くないので、発送日でない日の収穫物は近隣の直売所や スーパーの地元産品売り場で販売しています。ただ、近隣の店では有機栽培の野菜に特別の 対価を支出しようというお客様があまりいないので、近隣での販売は社会貢献活動のような ものです。

6月26日(金)にお届けした野菜
さやいんげん(初みどり2号)400g、
大根(タキイ交配 三太郎)1本、
玉ねぎ(タキイ交配 ネオアース、同 猩々赤)300g、
ズッキーニ(ダイナー、オーラム) 1.2kg、
胡瓜(タキイ交配 つばさ)1.2kg、
馬鈴薯(普賢丸)300g、
スイスチャード(ブライトライト)3枚
  (7品目、1,500円+送料九州内500円)

つるむらさきなどの写真 つるむらさき、オクラ、ピーマンなど
6月29日、ナ11


平成27年6月9日/旧暦四月二十三日(火)

梅雨らしくあり過ぎる梅雨

 5月19日と20日に奄美と沖縄が梅雨入りしたと見られると相次いで発表され、 前線が南西諸島方面に停滞するようになってくれたので、当地は5月19日から29日迄 晴天傾向が続きました。5月18日迄の多雨傾向のために遅れていた、土を耕すことを 伴う作業がある程度はかどりました。しかし全部は終わらないうちに5月30日以降再び 雨の日数と量が多くなりました。6月2日には九州北部が梅雨入りしたと見られるとの 発表があり、その後いかにも梅雨らしい状況です。当面の野菜作付け予定地は概ね 準備が進んでいますが、来年以降の野菜栽培ために今夏緑肥のセスバニアを作付け したいと思っている圃場と、今夏水稲を作付けする予定の田の耕起がまだできていません。 水稲は小面積の作付で野菜の端境期に赤米を少しお入れする以外は定期宅配野菜の供給にも 関係ないので最悪6月下旬耕起、7月中旬田植えという日程でも良いと思っています。 しかし来年の野菜のためのセスバニア作付けは、何とか適期に実行したいです。 そのために、6月中旬迄に雨の降らない日々が一週間続いてくれることを願っています。 九州付近に停滞している梅雨前線が再び沖縄付近まで南下して一週間滞在してくれて、 しかも台風が来なければそれが実現します。普通の年なら充分可能性のあることなので、 期待したいと思います。

 梅雨前線が九州に停滞すると良いことはないのかというと決してそういうわけでは ありません。世間の多くの農家は6月中旬頃が田植えの最盛期なので、雨は好都合です。野菜栽培に おいても、甘藷(さつまいも)、里芋、生姜などは梅雨の雨のおかげで活着したり 初期生育が旺盛になったりします。この時期高温少雨だと初期生育が大幅に遅れて、 その後の生育にも影響が残ります。甘藷の苗は晴天続きだと毎日二回水をやって一週間 かかっても活着しなかったのが、5月30日に一日雨が降ったらすんなり活着してくれました。 梅雨前線が停滞して植付直後に一日雨が降ってその後数日間も曇雨天なら、甘藷の苗の 植付後の水やりは不要です。甘藷が乾燥に強いというのは根が充分に張ってからの話であり、 植付直後は雨又は水やりが必要です。

 4月28日(旧暦三月十日)に種子生姜を植えたところ、一か月経過しても地上に葉が 出てきませんでしたが、6月6日(旧暦四月二十日)にようやくちらほらと出芽しました。 昨年は4月16日(旧暦三月十七日)に植えて6月2日(旧暦五月五日)にちらほら出芽したので、 大体同じくらいだったと言えそうです。同じ日に種芋を植えた里芋は5月20日頃迄に多くが 出芽したので、5月が終わっても出芽しない生姜にはやきもきさせられました。5月の後半に 10日間雨が降らなかったり、逆に大雨でうね間通路にたっぷり水が溜まったりしたので、 地中で腐って枯死したのではないかと心配になりましたが、ちゃんと生きていました。 生姜はイネ科なので針のような葉が地表に突き出てくるのですが、植付後40日近く経過 してから針のような葉が出てきたのを見つけた時は、長く待たされた分喜びが大きかった です。小学三年生の時に初めてグラジオラスの球根を植えて地上に葉が出たのを見つけた 時の感動も、このようだったのだろうと思います。

 春作馬鈴薯(じゃがいも)の茎葉が予想より早く枯れてきたので、6月7日に収穫を 始めました。品種は普賢丸です。茎葉が早く枯れた直接の原因は、テントウムシダマシの 幼虫の大量発生です。葉の大部分が食べ尽くされてしまいました。早く枯れた分生育期間が 短くなったので、全体的に芋が小ぶりで収穫量がかなり少ないです。5月後半の高温少雨の 影響があったと思いますが、根本原因は元肥の米糠を土に混ぜ込む時期が遅かったという ことだろうと思います。食味は良好です。

 ズッキーニが盛んに結実するようになりました。しかし梅雨空で日照時間が少ないと 実がなかなか太りません。雨の後で水分が充分にある時に一日晴れると急に太ります。 そのため日による収穫量の変動が激しいです。それに応じて、皆様にお届けするズッキーニの 量も多くなったり少なくなったりします。

 ところで、お届けする野菜は全て5年間以上農薬、化学肥料を使っていない圃場で育てて います。従来は圃場から離れた、耕作に供しない区域についても一切の農薬を使っていません でした。しかし今夏から、圃場をイノシシなどから守るために周囲に設置している電気柵 のうち、道路沿いなど圃場から離れている部分には除草剤(バスタ)を使うことにしました。 電気柵沿いの草払いの頻度(3週間に一回)と労力、燃料消費などを勘案して決めました。

6月9日(火)にお届けした野菜
キャベツ(タキイ交配 初夏のかほり)1kg、
大根(タキイ交配 三太郎)1本、
玉ねぎ(タキイ交配 マッハ)800g、
ズッキーニ(ダイナー、オーラム) 850g、
胡瓜(タキイ交配 つばさ)300g 又は 甘藷(なると金時)300g、
切干大根(タキイ交配 初神楽) 40g
  (6品目、1,500円+送料九州内500円)

胡瓜とトマトの写真 胡瓜(左)とトマト(右)
カラス対策のため防鳥網で周囲を囲っています。
6月8日、ナ2


平成27年5月26日/旧暦四月九日(火)

ズッキーニ収穫開始

 夏野菜(果菜類)の収穫一番乗りは今年もズッキーニでした。前回5月12日付けで 書いた予想通りに、播種の遅れをかなり取り戻すことができました。昨年に比べて 新暦の播種日は20日遅れでしたが、緑色の「ダイナー」の収穫開始は13日遅れ、 黄色の「オーラム」の収穫開始は8日遅れでした。旧暦の日付で比べると、播種は 一日遅れだったのが、収穫開始は逆に「ダイナー」で六日、「オーラム」で十一日、 昨年より早くなりました。

 ズッキーニの他、胡瓜、南瓜、トマト(中玉)も既に定植したことを前回 書きましたが、育苗ハウスに残っていた茄子、ピーマン、伏見甘長唐辛子も5月24日に 露地の圃場に定植しました。5月12日未明の暴風で育苗ハウスを被覆しているPOフィルムが 大破したため撤去し、それ以降は踏込温床による下からの加温と、不織布べた掛けによる 保温だけで温度管理をしてきましたが、無事定植に至りました。甘藷(さつまいも)も 5月23日に一回目の苗採取をして、102本植えました。

 5月12日未明の暴風では、南瓜にも被害がありましたが、完全に失われたのは根元から 千切れて吹き飛ばされた2株だけで済みました。その他に、弱って生育の悪いのが2株ありますが、 それ以外は2週間経過しても正常に育っています。苗のまわりの敷草も半分くらい吹き飛ばされ ましたが、21日に新たな草を敷いて復元しました。南瓜はこれからつるが伸びていくので、 つるの伸び方に応じて草を敷く範囲を増やしていきます。

 沖縄の梅雨入りが遅れて九州に前線が停滞したり低気圧が通過したりして雨が多く 困っていましたが、5月19日と20日に奄美と沖縄が梅雨入りしたと見られると相次いで発表され、 前線が南西諸島やその更に南に停滞するようになってくれたので、当地は19日以降晴天傾向が 続いています。23日(土)は雨の予報でしたが、当地ではほとんど降りませんでした。 雨を当てにして甘藷(さつまいも)の苗を植えたので、雨が降らなかったために連日水やりを しています。その代わり水はけが悪い圃場もだいぶ乾いてきました。

 5月8日にそら豆の収穫を始めて、最盛期の5月20日前後には一口あたり1kg以上お送り しました。しかしそら豆の収穫期はあまり長くなくて、おそらく5月29日(金)が今期の 最終収穫になると思います。そら豆は完熟前の未熟な豆を収穫するので、収穫後の保存も 長くはできません。完熟してカチカチの豆になってから収穫すれば1年以上保管できますが、 ソラマメゾウムシが発生して不良品が多く発生するし、莢から豆を取り出すのに手間暇が かかるので、今は完熟豆の収穫は翌年の種子用のみにしています。

5月26日(火)にお届けした野菜
キャベツ(タキイ交配 初夏のかほり)≧450g、
そら豆(さぬき長莢早生)1kg、
玉ねぎ(タキイ交配 マッハ)900g、
ズッキーニ(オーラム、ダイナー) 2本、
切干大根(タキイ交配 健白)50g
  (5品目、1,500円+送料九州内500円)

ズッキーニと南瓜の写真 定植から一か月経過後のズッキーニ(手前)と南瓜(奥)
5月29日、ナ9


平成27年5月12日/旧暦三月二十四日(火)

果菜類定植

 3月8日に種芋を植えた春作の馬鈴薯(じゃがいも)は4月27,28日に 中耕と土寄せをしました。今のところ順調に育っています。馬鈴薯の 生育は短期集中型で、収穫は6月の予定です。
 茄子、ピーマン、胡瓜などの夏野菜は、育苗用の踏込み温床と 育苗ハウスの準備を3月29日に開始し、4月5日に播種しました。播種日は 新暦では昨年(3月16日)より20日遅れですが、旧暦では昨年が二月十六日、 今年が二月十七日だったので一日遅れです。冬野菜と違って夏野菜は播種の 遅れの影響が元々深刻化しにくいので、旧暦の日付がほとんど同じである ことにも助けられて、遅れの影響は意外と少なくて済むのではないかと 思います。4月28日には胡瓜、ズッキーニ、南瓜を露地の圃場に定植しました。 定植と同時に保温のための不織布をかぶせましたが、苗が活着して生長を 再開したので5月10日に不織布を撤去し、株元に草を敷きました。5月10日 にはトマト(中玉)を定植しました。茄子、ピーマン、伏見甘長唐辛子は 胡瓜、トマトなどと同じ日に播種しましたが生育が比較的緩慢なので、 4月29日にポリポットに鉢上げし、引き続き育苗ハウス内で育てています。

 この上の行まで5月11日に書いていたところ、5月12日の未明に 寒冷前線が通過して強風が吹いて一時激しく雨が降りました。雨は25mm程度で 総雨量としてはほどほどでしたが、風が強かったです。平戸松浦地区に前夜から 早朝にかけて暴風警報が出ていましたが、家にいたら暴風とまでは感じません でした。しかし風向(南寄りの風)の関係で家ではわからなかっただけで、 一部の圃場では実際に暴風が吹いたようです。育苗ハウスを被覆している POフィルムが破れて半分くらい剥ぎ取られた状態になりました。POフィルムは 塩化ビニールと違って劣化しにくいとのことですが、ハウスの骨組みが 錆びているのでこすれて破れたものと思われます。2004年から使っていて もう12年目なので、小さい破れや擦り傷が増えて破れやすくなっていたの でしょう。育苗ハウスの役目を果たさない状態になりましたが、幸いにして 既に外気温がそれなりに高い時期になっているので、温床を切り返して 再び昇温させつつ不織布による被覆で保温して、残っている茄子やピーマン、 甘藷などの育苗を続けたいと思います。
 5月12日未明の暴風では、南瓜にも被害がありました。うね上に敷いた草の 多くが吹き飛ばされ、更に南瓜の苗自体も一部が根元から千切れて吹き 飛ばされてしまいました。しかし南瓜はやや多めに植えたので、吹き飛ばされ なかった苗が生き延びてくれれば支障はありません。強風で揺さぶられて 根が傷んで後で枯れるという場合もあるので、そういうものが出ないことを 願っています。

5月12日(火)にお届けした野菜
甘藷(さつまいも タマオトメ)500g、
そら豆(さぬき長莢早生)400g、
大根の間引菜 200g、
玉ねぎ(タキイ交配 マッハ)600g、
いちご(ハートアクア) 100g、
切干大根 30g、
小麦粉(チクゴイズミ)500g
  (7品目、1,500円+送料九州内500円)

ズッキーニ、南瓜の写真 手前:ズッキーニ 奥:南瓜
保温用の不織布を撤去して草を敷いたところ
5月11日、ナ4


平成27年4月3日/旧暦二月十五日(金)

大浦ごぼう収穫

 昨年の3月に播種した大浦ごぼうの収穫を3月23日に始めました。 今回の大浦ごぼうは地上部はよく育ちましたが、地下の食用部分の 出来具合はあまり良くありませんでした。地面から10cmくらいの深さ のところで根の先が焼けたようになって枝分かれしたり、枝分かれしなく てもところどころ根の表面が焼けたように黒っぽい色になっていたりするもの が多いです。大浦ごぼうは元々短くて不規則な形で見栄えがあまり良くない ものですが、それにしても大変見栄えの悪い状況です。そのようになった原因は いくつか考えられますが、夏に何回か大雨があって一時的にうね間に水が 溜まったり、逆に高温少雨の時に水やりが生姜や里芋の後回しになって カラカラに乾いてしまったりしたことが思い当たります。
 ごぼうは厳寒期に一旦地上部が枯れて3月に再び葉が出てくるのですが、 本当は葉が出る前に収穫するのが理想的だと思います。収穫最適期を過ぎて いることも外観品質低下の一因かも知れません。葉の枯れる頃が一番 おいしい時期だろうとも思うのですが、その頃は他の野菜が何種類も あって野菜セットに入れるに当たってのごぼうの出番が作りにくいです。 逆に3月下旬以降は他の野菜の多くがとう立ちして収穫できなくなっても、 ごぼうは4月中旬までとうが立たず収穫可能なので、端境期対策でごぼうの 収穫は後回しにしたいという事情もあります。昨年の10月13日付けでお書き した、野菜セットの定期宅配を継続するための課題にも当てはまることです。
 その昨年10月13日付けでお書きした、年会費制でそれを毎月一回の 年間12回分割払いにして頂くという変更案は当面実現を見合わせたいと 思います。端境期の影響をもう少し小さくすることを前提条件にした方が 良いと思うからです。

 予想していたよりも少し早く、3月29日に馬鈴薯(じゃがいも)の 芽がちらほらと地上に出てきました。この、春作馬鈴薯の収穫は6月の 予定です。3月29日には夏野菜育苗用の踏込み温床と育苗ハウスの準備も 始めました。遅れていましたが何とか3月中に着手することができました。

日本国の農業予算について(結論)

 1月20日付けから3月20日付けまで5回に渡って日本国の農業政策に ついてお書きしました。結論としては今の日本国政府の政策によって日本の 農業が良くなって、現在と将来の農業生産者と消費者の全てが幸せになる ということはあまり期待できないと思います。

 農道や水利設備などの大掛かりな農業基盤の修理や改良は、昔は農村に 人が大勢いたので経済合理性とは無縁の人海戦術でできたと思いますが、 今は人が少なくなって個々の農業経営者の手に負えるものではなくなって います。ですから国や県、市町村などの事業としてやって頂くしかないと 思います。しかし、特定の作物を作付けした場合にお金を交付するという 制度は、もう全廃した方が良いのではないかと思います。長崎県は 県が推進するいちご、アスパラガス、ブロッコリーなど特定の野菜の 作付けに対してお金を配っています。これは、県の奨励に従っていちご、 アスパラ、ブロッコリーを栽培しても経営が成り立たないから、交付金に よって収入の不足を補うということでしょう。交付金なしで経営が成り立た ない作目を県が奨励するというのは奇妙なことです。

 キューバと同じように農地は全て国有にして、農業をしたい人に 貸し付ければ良いと思います。農業をしている限りは農地を取り上げられる ことがなく、農業をやめた時に農地を国に返却するという制度にすれば、 農業をしたい人は農地を所有しなくても安心して農業を続けることができ ます。農地の個人所有をなくすことによって耕作放棄地の有効活用も し易くなるはずです。農道やため池、水路などを含む土木的基盤の修理や 改良は当然、所有者の国(農林水産省)がすることになります。農業予算は それだけにして、あとは農業をする人が自立して経営するようにすれば 良いと思います。そうすれば農水省と県と市町村の農業担当職員を大幅に 減らすこともできて、交付金だけでなく人件費も減らすことができます。
 特定の作物の作付に対する交付金を廃止し、西川前農林水産大臣に 政治献金をしていた団体に交付されていたような補助金の類も全部廃止する べきです。そうやって農業予算を削減し、農業以外の省庁の予算と人員も 大胆に削減し、介護福祉のように国民の生存に直接必要なことの予算を 確保しつつ国債残高を減らして頂きたいと思います。

4月3日(金)にお届けした野菜
甘藷(さつまいも タマオトメ)600g、
里芋(赤芽大吉)子芋500g、
大根(F1 福太郎)葉付3本(>>2.1kg)、
葉玉ねぎ(タキイ交配 シャルム)600g、
大浦ごぼう 300g、
切干大根 30g、
玄米餅(モチミノリ)4個(190g)
  (7品目、1,500円+送料九州内500円)

小松菜の花の写真 採種用小松菜の花
花粉の交雑防止のため周辺では水菜、蕪、チンゲンサイなど、小松菜以外の アブラナ科野菜の花が咲かないように管理しています。
3月30日、ナ9


平成27年3月20日/旧暦二月一日(金)

春のタネ蒔き開始

 春が来ていよいよ野菜のタネ蒔きや種芋の植付を始める時期になり ました。3月1日から4日にかけて雨が多く降って遅れていましたが、8日に 人参、小松菜、小蕪のタネ蒔きと馬鈴薯の種芋植付をすることができました。 その後雪が降ったりしてなかなか芽が出ませんでしたが、19日に小松菜と 小蕪が出芽しました。人参の出芽にはもう少し日数がかかります。馬鈴薯 の出芽は4月に入ってからです。
 3月13,14日には小松菜、小蕪の第二陣とほうれんそう、セット栽培玉ねぎ、 大根、大浦ごぼうなどのタネを蒔き、昨秋播種の葉ねぎ(九条太)を移植 (仮植え)しました。
 こうして着々と今年の新たな作付けをしつつありますが、収穫は早くても 4月下旬です。それまでは昨年から育てて越冬した野菜や秋に収穫して 貯蔵してきた芋類が頼りです。そのうち秋作の馬鈴薯(じゃがいも)は 3月20日発送分をもって在庫切れとなり終了です。馬鈴薯のこの次のお届けは 3月8日に植えた春作で、6月収穫予定です。甘藷(さつまいも)も残り少なく なりました。里芋は乾くと食用不適になるので少しずつ掘り進めてきました が、これも残り少なくなっています。一方、昨年の3月に播種した大浦ごぼうを 来週あたりから掘り始めるつもりです。10月播種のキャベツ、そら豆、 そして11月播種のえんどう豆類の収穫は4月後半頃からの見込みです。

農業の補助金について

 日本政府の平成26年度からの農業政策の中の一つに「日本型 直接支払」というのがあります。安倍首相は国会答弁の中で如何にも 素晴らしい制度であるかのように話していましたが、私はあまり期待できない と思います。「直接支払」という名前ですが民主党政権時に実施された戸別 所得補償と違って、各農業経営体に直接支払われるものではありません。 各農家の農地の管理や耕作の状況に応じて積算される金額が集落の組織に 対して交付されるものです。この制度によって安倍首相が言っている通りに 農業が良くなる地域もあるのかも知れません。しかし私が営農している地域 においては、あまり良い制度だとは思えません。税金由来の交付金を配る側も 受け取る側もやたらと事務的な手間暇がかかって、公務員の人件費増大と 農業者の本業圧迫になっていると思います。
 集落の組織で取り組まないといけないので、規約を作り役員を選出し役員会を 何回も開催し、役所に提出する書類を毎年たくさん作らないといけません。 しかもその書類の様式がころころ変わって、更には農林水産省が作って配布 した書式を年度末近くになって長崎県が独自に改変して長崎県版を使うよう 要求したりするので、私自身も地元集落の組織の役員の一人として今月は 多大な負担を強いられています。日本型直接支払には大きく分けて三つの 制度がありますが、私が役員の一人になっているのはそのうちの「多面的 機能支払」というものです。多面的機能支払の交付金で何をやるかと言うと、 都会なら市町村がやっているような道路や水路の修理が主体です。実施できる 案件は広い集落の中のほんの一部なので、私自身が直接恩恵を受ける事業は ほとんどありません。それでも都会の道や溝と違ってこの制度を利用しないと 自分たちが全ての費用を負担して実施しないといけないので、感謝して活用 するしかありません。私自身も自分が直接恩恵を受けなくても、集落の中で 農業をさせて頂いているのは集落の皆さんに間接的に少なからずお世話に なっているおかげであることを考えて、当然のこととして加わっています。 自分の本業の農作業を後回しにして、締め切りに間に合わせました。おかげで 夏野菜の育苗の準備が大幅に遅れました。本来なら今日あたり茄子やピーマンの タネを蒔いたり甘藷の種芋を伏せ込んだりしたい時期ですが、今年はまだ 育苗ハウスにPOフィルムを張り終えていませんし、その前にするべき踏込み 温床の準備もしていません。そもそも踏込み温床に使う草を集めて運ぶこと すらできていません。幸いにして明日以降しばらくは天候に恵まれそうなので、 これから大急ぎで準備を進めようと思っていますが、遅れは完全に取り戻せる ものではありません。
 日頃勤め仕事に出ている兼業農家の人はなかなかこういう役員を引き受ける ことができません。それでもやってくれている人たちが何人もいます。私 のような毎日農業をしている者は率先してやらざるを得ません。しかし 自営農業には有給休暇がありません。農作業を休んだ分は年間の農業所得の 減少に直結します。霞ヶ関の農林水産省の皆様は、こういう複雑な制度が 農作業の妨げになることをどう思っているのでしょうか。

3月20日(金)にお届けした野菜
さつまいも(タマオトメ)600g、
里芋(赤芽大吉)子芋600g、
馬鈴薯(普賢丸)600g、
人参(タキイ交配 恋ごころ)350g、
大根(F1 福太郎)葉付1本、
葉玉ねぎ(タキイ交配 シャルム)400g、
小松菜又は水菜の「とう」330g
  (7品目、1,500円+送料九州内500円)

馬鈴薯植え付けの写真 馬鈴薯(じゃがいも)種芋の植え付け
3月8日、ナ1


平成27年3月6日/旧暦一月十六日(金)

小松菜の「とう」の収穫最盛期

 チンゲンサイの「とう」は皆様にあまり多くお届けできないまま、 収穫期がほぼ終わりました。「とう」は初めに収穫する茎(主枝)の 先端のものが太くて、その後発生する側枝のものは細いです。か細いもの ばかりになったら収穫期終了です。チンゲンサイの「とう」のお届け量が 少なかった原因は、本来のチンゲンサイの収穫期に収穫して皆様にお届けした 株数が比較的多かったために「とう」が立つ株数が少なかったことと、 ヒヨドリが葉を食べる時に落としたフンが付着して収穫不適になったものが 多かったことです。ヒヨドリは今もまだチンゲンサイの葉を食べています。 しかしそのおかげで、初夏に収穫する予定のキャベツをヒヨドリから 守ることが比較的容易になっています。
 チンゲンサイに続いて小松菜の「とう」が収穫最盛期を迎えました。 小松菜は虫食いが多くて本来の小松菜としての収穫を見合わせた株数が 多かったので、「とう」を立たせる株が豊富です。小松菜の生育中に 土壌中の未熟有機物の分解が進んで虫が大幅に減ったので、虫の付着した 収穫不適品が少なく、今週からたくさんお届けできるようになりました。

TPP時代の日本国の農業政策について

 前回2月20日付で、TPPへの参加や米の輸入抑制措置撤廃が 避けられないのならば、せめて後世の人たちがやっぱり日本で食糧を 自給しようと思った時に食糧生産の場として復活させることが可能な農地を、 ちゃんと残してやりたいものだと書きました。

 安倍首相は、農業の6次産業化と農産物の輸出拡大によって農業を 成長産業化して農家の所得を倍増させると言っています。しかしそれで 国民の多くが幸せになるとは思えません。6次産業化は消費者の食の 外注化(調理済み惣菜などの「中食」や加工食品の利用)と表裏一体 なので、病人増加の要因になると思います。輸出の拡大によって良質の 農産物は国内外のお金持ち向けになり、庶民はポストハーベスト農薬や 食品添加物のたくさん入った輸入農産物由来の食品を多く食べることに なるでしょう。残留化学合成物質そのものの影響だけでなく、身土不二 から外れることが病気増加の要因になります。
 仮に日本の全ての農業従事者が最低賃金に相当する所得を得るように なったら、都市部の低所得者はまともな食べ物を買えなくなるのでは ないかと思います。そもそも食糧供給を担う農業を商工業と同じように 市場経済の中に位置付けることに、根本的に困難があると思います。 農家も消費者も全て幸せになるということが、市場経済の下で可能 なのでしょうか? 農業経済学はその方法を提示することができる のでしょうか? 甚だ疑問です。

 あらゆる職業の人が少しずつでもいいから食糧を自給するべし というガンジーの主張に沿うのが、最も賢明な道なのではないかと 思います。都市が発展し過ぎた今の日本ではすぐにはできない人が 多いと思いますが、それを実行する人が増えることを願います。
 地方創生と称して国の機関や民間の産業を東京から地方に移そう という政策は基本的に良いことだと思います。しかし地方の中でも 例えば佐世保市の市域の中での、旧佐世保市市街地への一極集中と 僻地の衰退という問題を、同時進行で解消する必要があると思います。
 旧北松浦郡から佐世保市に編入された吉井、世知原、江迎、鹿町の 各町では兼業農家による稲作が盛んです。従来の国の政策では そういう小規模兼業農家には農業をやめてもらい、「担い手」と 称する少数の「認定農業者」や「農業生産法人(有限会社など)」に 農地を集積して経営効率を上げることを促してきました。しかし あまりうまく行っていません。規模拡大をしても、アメリカ大陸や オーストラリアの大規模農業とは全く比べものになりません。 FTAやTPPで貿易自由化を進めながら、そういう中途半端な 規模拡大をしてもあまり効果はないでしょう。

 これからはむしろ、農業所得への依存度が低い小規模兼業農家が 稲作農業を続けやすいようにしてやるのが良いのではないかと 思います。農村部から短時間で通勤可能な仕事場が増えるように 政策面で促せば良いと思います。 多数の小規模兼業農家が稲作を続けてくれれば、 将来世代のために食糧生産用の農地を維持することができるし、 住居や職場が市域の広い範囲に分散すれば、水不足や地元由来の 大気汚染も改善されると思います。佐世保市の合併地域を含む 長崎県北の僻地や佐賀県北部を結ぶ松浦鉄道のような公共交通機関の 乗客も増えて路線が維持されれば、国内外からの観光客来訪の 促進材料にもなります。

3月6日(金)にお届けした野菜
さつまいも(タマオトメ)800g、
里芋(赤芽大吉)親芋800g 又は 子芋600g、
馬鈴薯(普賢丸)600g、
人参(タキイ交配 夏紅五寸、同 恋ごころ)350g、
大根(F1 福太郎)葉付1本、
葉玉ねぎ(タキイ交配 シャルム)300g、
小松菜の「とう」300g
  (7品目、1,500円+送料九州内500円)


平成27年2月20日/旧暦一月二日(金)

旧暦新年

 旧暦、明けましておめでとうございます。「旧暦」は中国の「農暦」に 由来する優れた太陰太陽暦です。しかし明治時代に、政府が公務員に給料を 月給制で支払うようになり、閏月のある年に月給を年13回支給しないといけない のが不都合で、太陽暦である新暦に移行しました。
 「旧暦」が通用するのは東アジアだけなので、グローバル化時代の到来を 控えて新暦への移行はいずれ避けられないことだったでしょう。しかし漁業や 農業だけでなく日常生活においても、季節感を意識しやすい旧暦をもっと多くの 人たちが理解して積極的に認識するようになって頂きたいと思います。

 太陰太陽暦である旧暦の太陽暦の要素は二十四節気と七十二候です。 「立春」は二十四節気の一つですから太陽暦の要素であり、新暦での日付は 毎年同じか又は1日ずれる程度です。一方旧暦の日付は月の満ち欠けで決まり、 一日は必ず闇夜で十五日(十五夜)か十六日頃が満月です。そして一か月は 二十九日か三十日間です。今年は新暦2月18日が旧暦の大晦日で、日付は 十二月三十日でした。旧暦には十二月三十一日は存在しません。そして今年は 新暦2月19日が旧暦の一月一日でした。旧暦では一、二、三月が春ですから、 これでいよいよ春になったわけです。旧暦一月とは、二十四節気の中の一月の 中気である「雨水」を含む月のことであり、その前の旧暦十二月は十二月の 中気である「大寒」を含む月です。「大寒」と「雨水」の間の「立春」は 中気ではないただの節気なので、十二月に属する年もあれば一月に属する年も あります。この冬は「立春」が旧暦十二月十六日、「雨水」が旧暦一月一日 でしたから、「立春」の旧暦での日付が最も早い年です。ということは、 「立春」を過ぎてもなお雪が降ったり寒さが厳しかったりするのがごく自然な 年と言えるでしょう。それでも旧正月を迎えて暦の上で本当の春になったので、 いよいよ春の到来を感じられるような日が増えてくることでしょう。

 チンゲンサイに続いて金町小蕪と小松菜、そして外観不良が増えて 収穫を中止していた在来固定種の宮重大根にも「とう」が立ち始めました。

後世への遺産となる農地の保全について

 前回2月3日付で、TPP交渉における米の強制輸入量上積みや、宅地や 商業地への転用による日本国内の優良農地の減少や「食糧安保」などについて 書きました。経済活動のグローバル化は日本だけでなく世界全体の流れで、 もはや避けられないことなのでしょう。そう考えればTPPへの参加も、 それに伴う米の輸入抑制措置撤廃も避けられないのだろうと思います。 そうであるならばせめて、50年後、100年後、200年後の人たちが食糧の供給元を 選択する自由を保障してやりたいものだと思います。
 今は経済合理性ばかりが優先されて、健康や生命(いのち)よりも お金が大事とか、お金で健康が買えるとかいう勘違いが横行しています。 身土不二、食べ物の陰陽を考慮して健康を維持すること、フードマイレージ 低減などの発想は少数派で、政治家にも官僚にも認知されていません。 しかし今はまだ未熟な科学が将来もう少し高度なものに進歩したり、 お金で食糧や健康が買えないという手痛い経験を人類が踏まえたりして、 日本の人民が今よりも賢明になったならば、日本で食糧を自給しようという 機運が劇的に高まるかも知れません。その時に食糧生産の場として復活させる ことが可能な農地をちゃんと後世への遺産として残してやりたいものです。
 政治家や経済界の人たちは日本には資源がないとよく言いますが、 それは鉱物資源だけに限った話です。鉱物資源は食糧になりません。 食糧生産に必要な太陽光と雨と適度な温度という三つの資源に関しては、 日本は大変豊かに恵まれています。それを利用できる農地を現代の浅はかな 文明の価値観だけで判断して放棄し破壊するのは、極めて愚かでもったいない ことです。

 「生命よりもお金」から「お金よりも生命」への変革を望むに当たって、 政治家や官僚には期待できません。一般消費者が一人でも多く目覚めて、 購入時の選択は投票と同じだと認識して自ら行動することに期待するしか ないでしょう。そして、消費者が望むか望まないかに関わらず国際間の 取り決めによる義務として毎年一定量の米を輸入するというミニマムアクセスは 撤廃するべきです。最悪でも現状維持にとどめて、決して増やさないように するべきです。TPP参加に伴って関税の大幅引き下げかミニマムアクセス増加の いずれかを選択しないといけないのなら、関税引き下げを選んで頂きたいと 思います。

2月20日(金)にお届けした野菜
さつまいも(タマオトメ)700g、
里芋(赤芽大吉)親芋800g 又は 子芋600g、
馬鈴薯(普賢丸)600g、
人参(新黒田五寸、タキイ交配 夏紅五寸、同 恋ごころ)300g、
大根(F1 福太郎)葉付1本、
金町小蕪(自家採種)250g、
葉玉ねぎ(タキイ交配 シャルム)300g、
小松菜の「とう」250g 又は 切干大根(総太り宮重)30g
  (8品目、1,500円)


平成27年2月3日/旧暦 十二月十五日(火)

チンゲンサイの「とう」が立ち始める

 前回、1月20日付でお書きした予想の通りにチンゲンサイの「とう」が 立ってきました。昨年の9月までにタネ(種子)を蒔いたアブラナ科野菜は ほとんど全てにこれから「とう」が立って花が咲き、その後種子ができます。 野菜の種類によって「とう」の食味は違いますが、苦味のあるものが多いです。 「とう」はミネラル分が豊富だと言われますが、含有するミネラルの組成や 濃度などによって苦味の強弱が異なるのかも知れません。
 現代の日本人は花粉症の人が多いようですが、花粉症の原因は「塩切れ」 だそうです。ミネラル欠乏とも言えるでしょう。塩化ナトリウム99%の精製 された食塩を使っているとNa以外のミネラルが不足するでしょうし、自然海塩を 使っていても減塩するとミネラル不足になり易いでしょう。砂糖などの甘味料の 摂り過ぎも塩切れを招きます。自然海塩を積極的に摂取し、甘いものを食べない ようにして、春にはアブラナ科野菜の「とう」や、ワラビやタラの芽や野草 (なずな、ノビル、スイバなど)を食べ、晩春にタケノコを多く食べて、 できれば主食を白米ご飯やパンではなく玄米ご飯にすれば、 花粉症は改善されるのではないかと思います。
 チンゲンサイの「とう」は立ち始めましたが、茎が収穫に適した長さに 伸びたものは2月3日の時点ではまだ少ないです。皆様にお届けできるのは 2月6日以降です。

日本国の米の需給について、そして石木ダムのこと

 前回1月20日付で、佐世保市域の農家の水稲作付け意欲減退について 書きました。その後、TPP交渉において甘利大臣が米輸入のミニマム アクセスの上積みに相当する施策の受け入れについて表明したと、1月31日の 西日本新聞が報じました。それが実行されると、毎年義務として輸入する米の量が 今より増えることになります。佐世保市域の農家の水稲作付面積が減少 していても、日本全国では米の消費量減少のためにまだ米の需給が だぶついていて、米価は生産原価未満の水準にまで下がっています。 こういう状況下でも小規模な兼業農家や自分や親戚の食べる分(縁故米) だけ栽培している人にはあまり影響がありません。大変なのは、 米生産で生計を立てている大規模農家です。農水省は小規模農家から 大規模農家に農地を移して規模を拡大し生産コストを下げることを 目指すと言っていますが、日本国政府の実際の政策は大規模農家の 経営を難しくしようとしています。
 また、主食の米を国内で自給する 能力があるのにミニマムアクセスによる強制輸入量を更に増やす というのは、食糧安保の発想が欠如しているということです。 今の日本の国会議員や官僚に「身土不二」をわかってもらおうなどとは もはや全く期待できませんが、せめて「食糧安保」くらいは意識して もらいたいです。

 一方1月27日の新聞によると、大面積の農地を宅地や大型商業施設 用地などに転用する際の許可の権限を、国から県や一部の市に移管して転用し易くする ことが検討されているそうです。そうなる前においても既に、平野部の 作業効率の良さそうな農地が宅地や道路、新幹線などの用地に転用されて どんどん潰されています。JR大村線の列車に乗ると、ここ2年間くらいで 大村市付近の平坦部の農地が随分減少していることがわかります。 長崎県内の人口が減少傾向である中で大村市は例外的に人口が増えて いますが、県内の他の地域で空き家が増えているのに、大村市内の優良農地を 破壊して住宅を新設するというのは困ったことです。平野部の作業効率の 良い農地を潰しておいて、他方では中山間地域の小さい圃場を少しだけ 大きめの圃場に作り変えるという圃場整備を、税金をたくさん使って やっています。そんな圃場整備をやっても、南北アメリカ大陸やオースト ラリア大陸の大規模農業とは全く比べ物にならない小規模なものです。 日本国も地方自治体も到底返済できそうにないような借金を抱えている というのに、こんなお金の使い方は無駄としか言いようがありません。
 長崎県と佐世保市が長崎県東彼杵郡川棚町(ひがしそのぎぐん かわたな ちょう)に作ろうとしている石木ダムも同様です。佐世保市の水が足りない と言うのなら、旧北松浦郡地域の吸収合併で増えた新たな領地に住居や 事業所を分散化させて、水のあるところで住んだり働いたりするように 促せば良いのに、実際は市役所が率先して中央(旧佐世保市の本庁)への 一極集中を進めて、吸収された地域はすっかりさびれてしまいました。 そうしておいて、巨額の税金を投じ、水道料金を値上げして、抵抗する 川棚町の地元住民から農地や宅地を強制収用してダムを作ろうとしています。 日本国も長崎県も佐世保市も、政策が支離滅裂で狂っています。 土から離れて、コンクリートの中に長い間いると気が狂うのではないかと 思います。

2月3日(火)にお届けした野菜
さつまいも(タマオトメ)800g、
里芋(赤芽大吉)親芋+子芋=800g 又は 子芋600g、
馬鈴薯(普賢丸)600g、
人参(新黒田五寸、タキイ交配 夏紅五寸、同 恋ごころ)250g、
大根(F1 福太郎)葉付1本、
金町小蕪(自家採種)250g、
葉玉ねぎ(タキイ交配 シャルム)350g、
青長大根(長江青長) 1本
  (8品目、1,500円)


平成27年1月20日/旧暦十二月一日(火、大寒)

春に向けて「とう」立ちの兆しの雰囲気あり

 年による差はあるものの一年の中で最も寒い頃の目安と言える 「大寒」を迎えました。しかし冬至から約一か月経過し、太陽の高度が 少しずつ高くなり始めており、昼間の時間が少しずつ長くなり始めても います。植物たちはその変化を感じ取って春に向けての活動を始めています。 まずはチンゲンサイが「とう」を立たせるための準備に入ったような雰囲気を 漂わせています。まだ節間伸長などの明瞭な外観変化はありませんが、 何となく上方に背伸びしようとしているような雰囲気が感じられます。 「とう」が立ち始めると「とう」以外の部分は硬くなっておいしくなく なります。そのためチンゲンサイの収穫は中止しました。例年並であれば 「立春」の頃にはチンゲンサイの「とう」の収穫が始まります。

 ブロッコリーが無事に育っていればこれから収穫の最盛期を迎える ところですが、残念ながらブロッコリーはありません。昨秋からお知らせ している通り、今期は8月の多雨の影響で圃場の準備が遅れて有機物の 分解が間に合わなかったため、定植後のブロッコリーとはくさいの苗が ネキリムシに切り倒されて全滅しました。冬の間に収穫する分のキャベツも 同様ですが、キャベツの場合は10月に播種して初夏に収穫する作型があり、 そちらは一部未完熟圃場に定植した分が消滅したものの、別の場所に 植えた分は無事に育っています。
 前回1月6日付けでお書きした、葉ねぎ(九条太)の収穫終了と、 それに代わる葉玉ねぎ(タキイ交配 シャルム)の収穫開始は、1月 16日(金)発送分からとなりました。

 紅心大根ではない普通の大根は先週まで在来固定種の「総太り宮重」 をお届けしていましたが、めぼしいものを取り終えたため1月20日(火) はF1の「タキイ交配 初神楽」をお届けします。
 F1品種の大根は一般の 市場に大量に流通させることを前提に種苗会社が育種をしているので、 葉を食べることは想定されていません。葉が大きくておいしそうに ふさふさしていると、栽培時に株間を広く取らないといけないので、 面積当たりの収穫本数が少なくなります。葉が小さければ株間を狭く して同じ面積でもより多くの本数を植えることができます。そのため F1品種の大根は一般的に葉が小さいです。しかし葉が小さいと光合成を する葉の面積が少なくなるので、葉緑素の存在密度を高くして光合成の 効率向上を図っているようです。F1品種の大根の葉は小さい代わりに 緑色が明らかに濃いです。その代わりごわごわしています。ごわごわ していますが、食べられないわけではないので葉付きでお送りします。 23日(金)以降当分の間は「初神楽」か、又は同じくF1の「福太郎」の いずれかをお送りする予定です。

佐世保市域の米生産量について
 米の消費量が減り続けているため市町村ごとに水稲の作付目標 面積を定めて、それを超えないように調整すれば各農家の作付面積10aを 超える分について10a当たり7,500円の交付金が支払われます。これは 自民党麻生太郎政権から民主党鳩山由紀夫政権への政権交代に伴って 始まった戸別所得補償制度の15,000円/10aというのが、自民党政権に 戻って半額に減額され、将来は廃止されることになっています。しかし 交付金が10a当たり15,000円であっても7,500円であっても米価が安くて 経営は成り立ち難く、 佐世保市域の水稲の作付希望面積は年々減っています。
 私は就農2年目の2001(平成13)年に初めて当時の北松浦郡吉井町で 田を借りて自給用(自家消費用)の水稲を作付けしました。しかし、 翌2002年は行政機関(吉井町役場、長崎県庁)による減反の締付けが 強くて同じ場所での水稲栽培はできませんでした。 その年は北松浦郡佐々町に住んでいた人が 佐世保市内に所有していた田で、その人に代わって水稲を作付けする という形で栽培することができました。その頃はまだ農家の水稲作付け 意欲が高かったので、行政機関は減反破りのヤミ作付けがないように 規制するという構図でした。しかし今ではそれが様変わりしています。
 今は吉井町も鹿町町も吸収合併されて佐世保市の一部になっています が、佐世保市では市(佐世保市地域農業再生協議会)が呼びかける 作付目標面積よりも、農家が作付けを希望する面積の方が少ないので、 もっと植えていいですよと市が呼びかけています。それでもここ数年、 市が目標とする作付面積よりも実際の作付面積が少ないので、従来 毎年1月に市(佐世保市地域農業再生協議会)が行なっていた各農家への 作付希望調査が今年は中止になりました。1月の作付希望調査は各農家の 作付希望が多い場合にそれを減らすように要請するのが目的だったので、 作付意欲減退で不要になったというわけです。
 私の場合も水稲の栽培 面積を増やしてもそれによって生計を成り立たせるのは困難だと思う ので、水稲栽培を増やすことは難しく、逆に面積を徐々に縮小して、 自給用(自家消費用)の規模をあまり大きく超えないようにしています。

1月20日(火)にお届けした野菜
さつまいも(タマオトメ)700g、
里芋(赤芽大吉の親芋)1個(1.3kg以上)、
馬鈴薯(普賢丸)600g、
人参(新黒田五寸、タキイ交配 夏紅五寸、同 恋ごころ)280g、
大根(タキイ交配 初神楽)葉付1本、
金町小蕪(自家採種)100g(2ないし3個)、
葉玉ねぎ(タキイ交配 シャルム)2本(200g以上)、
紅心大根 葉なし1個
  (8品目、1,500円)


平成27年1月6日/旧暦十一月十六日(火、小寒)

ネギの仲間について など

 明けましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になり ありがとうございました。本年も皆様に、より満足していただけるような 野菜をお届けできるよう、努力していきます。今年もよろしくお願い 申し上げます。

 多雨傾向が続いたために遅れていた玉ねぎとキャベツの苗の定植は、 前回12月23日付けでお書きしたように雨の合間に何とか植え始めて、 年末までに終了することができました。中耕・土寄せをしてキャベツの うねを高うねに仕上げるという作業は、もう少し土が乾くのを待ってから する予定です。玉ねぎは定植(移植)による植え傷みで葉の一部が黄変 していますが、雨や雪で水分が補給されているのでいずれ活着して新しい 葉が出てきて再び緑色になることでしょう。キャベツは植え傷みと厳しい 寒さのために葉がアントシアニンによると思われる赤色味を帯びていますが、 これもいずれ活着して再び緑色になっていくことと思います。

 玉ねぎと同じユリ科のニンニクは種球を植えてその後は移植しませんが 葉の一部が黄色くなっています。こちらは寒さが厳しい時に起きる恒例の 現象です。春になって気温が上がれば新しい葉が出て再び緑色になります。
 同じくユリ科の葉ねぎ(九条太)は12月中旬からお届けしていますが、 強風で葉が折れています。今冬は覚えているだけでも既に二回暴風雪警報が 出ました。折れた葉は元に戻らないし、葉ねぎは冬の間にもうあまり 多くの新しい葉を出さないし、春になったらネギ坊主が出てきて根元付近の 白い部分を含めて葉が硬くなるので、葉が折れていても収穫しています。
 葉ねぎ(九条太)を収穫し尽くしたら、次はセット栽培による葉玉ねぎを 収穫する予定です。通常の玉ねぎは9月に播種して育てた苗を12月に定植して 6月に収穫しますが、セット栽培玉ねぎは3月に播種して6月に直径2ないし3cm くらいのセット球という小さい玉ねぎを収穫し、それを8月末に再び植えて 育てます。玉ねぎのセット栽培ではセット球を8月末に植えるというその時期が 重要なのですが、今期は昨年8月の多雨のために植える場所の準備が遅くなり、 セット球の植え付け時期が1か月遅れました。1か月も遅れたら大きく丸い 玉ねぎとしての収穫は期待薄ですが、葉ねぎのように利用する葉玉ねぎとして なら収穫できるので、そのつもりで育てています。今のところ葉ねぎ (九条太)よりも葉が青々として若々しいです。

 秋作馬鈴薯(じゃがいも)は12月19日朝の霜で葉が半分くらい枯れて、 12月27日に収穫しました。今期は芋の肥大期にあたる11月から12月にかけて 雨が多く日照が少なかったので、収量が少なくてしかも腐れなどの不良率が 高いのではないかと懸念していました。実際に収穫してみたら収量は通常より 2割くらい少なかったですが、不良率が低くて品質は良好です。収量が多く ても不良率が高いというのよりはずっと良いので、総合的には今期の秋作 馬鈴薯は比較的良好だったと評価したいと思います。

 人参の局部的腐れのことを前々回12月9日付けと前回12月23日付けで 書きました。腐れの発生率はその後増加してはいないようですが、一旦 腐ったものが治るということはないので、収穫時にそれなりの割合で 局部的に腐った不良品が出てくるという状況は変わりません。そのため 充分な数の良品を確保することが難しいので、お届けする人参の量が 少なめになってきました。今年の8月に播種する分の人参は、栽培面積を 今期よりも増やしたいと思います。

1月6日(火)にお届けした野菜
さつまいも(タマオトメ)500g、
里芋(赤芽大吉の子芋)500g、
馬鈴薯(普賢丸)500g、
人参(新黒田五寸)300g、
大根(総太り宮重)葉付1本、
金町小蕪(自家採種)140g(2ないし5個)、
チンゲンサイ1株(250g以上)、
葉ねぎ(九条太)200g、
紅心大根 葉付1本
  (9品目、1,500円)

葉玉ねぎの写真 右は葉玉ねぎ(タキイ交配 シャルム)
左はニンニク
1月7日、ナ9


平成26年12月23日/旧暦十一月二日(火)

キャベツ・玉ねぎ定植

 11月25日以降の雨の多い傾向がまだ続いています。当初はこれほど長く 続くとは思っていなかったので、玉ねぎとキャベツの苗の定植は雨の降らない日が しばらく続いて土壌の水分が適度に減ってからするべく、待っていました。 しかし苗の育ち具合との兼ね合いで待つことのできる限界に達してきたので、 雨の合間に何とか植えることにしました。
 玉ねぎは比較的水の抜けやすい場所を 選んで、全体の3分の1くらいを植え終わりました。
 キャベツはうねをもう一回 耕して高うねにしてから植える予定でしたが、水分が多くて耕すことができ なかったので、未完成のやや低いうねにキャベツの苗を北枕に寝かせて並べて、 うねの肩の部分から土をとってキャベツの根の部分にかぶせました。その翌日 予報通りまた雨が降ったしその後も曇雨天ばかりなので、そういう特殊な植え方 でも干からびることなく無事に活着しつつあります。今後土が乾いたらうね間を 中耕、土寄せしてうねを整えるつもりです。そうすれば元の予定通りの高うねに なるという計画です。キャベツの収穫開始は早くて4月、通常通りなら5月の予定です。

 10月20日に播種した小松菜を11月28日から12月12日迄お届けしましたが、 カブラハバチの幼虫による虫食いが増えて収穫不適になりました。 16日(火)発送分は水菜が収穫できたので水菜をお届けしました。水菜も カブラハバチの幼虫の食害が激しくて、収穫可能なのはごく一部の場所だけなので、 その次の19日(金)は少ししか確保できませんでした。そこで19日発送分は 10月1日播種の小松菜をお届けしました。その分は虫食いは比較的少ないものの 小松菜としては巨大でした。巨大でもスジはないので食味に問題はないのですが、 大きくて戸惑われたことと思います。23日(火)発送分はチンゲンサイの 虫食いの少ないものを選んで収穫することができたので、小松菜ではなく チンゲンサイをお送りします。26日(金)以降も小松菜、水菜、チンゲンサイ の中から虫食いの少ないものを探して収穫したいと思いますが、どうしても 許容範囲内のものが確保できない場合は、葉菜類が葉ねぎだけになる可能性も あります。
 大根はなるべく葉付きでお送りするようにしているので、葉のきれいな ものを選んで収穫しています。その結果、葉のきれいな大根が残り少なくなって きました。逆に葉のきれいな大根を後回しにしていると、吹雪や強烈な霜で葉が 傷んでしまうこともあるので、後回しは得策ではありません。

 秋作馬鈴薯(じゃがいも)は12月19日朝の霜で葉が半分くらい枯れたので、 収穫を始めたいと思っています。馬鈴薯は水洗いすると腐る可能性が高いので、 ある程度土が乾いて芋への土のこびり付きが少ない状態で掘りたいのですが、 雨が多くて土がねちょねちょしており、なかなか掘ることができずにいます。 それでも何とか今週収穫を始めるつもりです。

 人参の局部的腐れのことを前回12月9日付けで書きました。今期人参は 3品種育てており、品種によって腐れの有無に差があるだろうかと思って、 今月は毎回一品種だけを選んで収穫しています。その結果、いずれの品種でも 腐れが発生していました。圃場内の場所による差も今のところ見られません。 人参を育てているのは水溜まりのできにくい圃場ではありますが、あまりに 雨の量と日数が多いために腐りやすくなっているのではないかと思います。

12月23日(火)にお届けした野菜
さつまいも(タマオトメ)600g、
里芋(赤芽大吉の子芋)600g、
人参(新黒田五寸)600g、
大根(総太り宮重)葉付1本、
金町小蕪(自家採種)250g(5ないし7個)、
チンゲンサイ1株(250g超)、
葉ねぎ(九条太)200g、
紅心大根 葉付1本 又は 赤米200g
  (8品目、1,500円)

キャベツの写真 定植2日後のキャベツ(初夏のかほり)
左隣はそら豆、右は小松菜
12月21日、ナ9


平成26年12月9日/旧暦 十月十八日(火)

冬にしては予想外の多雨傾向続く

 11月25日未明に91mmの大雨が降って以来、雨の量と雨天の日の日数が 多くて困っています。11月25日から12月8日迄の14日間のうち、雨が降らなかった のは3日間だけです。11月25日に続いて30日にも一部の圃場が冠水しました。 日照時間も少なくなっていて、11月27,29日、12月8日の三日間以外は、 日照時間がほぼ0でした。
 11月24日迄に玉ねぎの苗を定植するためのうねを作り終えていたのですが、 25日に完全に水没してその後なかなか乾かないので、玉ねぎの苗を植えることが できずにいます。他の野菜ではポリマルチは使わないのですが、玉ねぎだけは ポリマルチ(黒)でうねを覆ってから植えます。穴あきポリマルチを張った 後で大雨が降って水没したので、植える部分の土がなかなか乾きません。また、 うね間通路を歩くとマルチの裾を押さえている土が靴底にくっついて除去されて しまい、マルチがはがれてしまいます。ですからもう少し土が乾くのを待たないと いけません。
 来年の初夏に収穫する予定のキャベツは定植直前にうねの最終仕上げをする 予定でしたが、これも水分過多でできずにいます。
 玉ねぎもキャベツも苗が 良く育っているので早く植えたいのですが、今の時期は温度が低くて元々土が 乾きにくい上に雨が頻繁に降ってますます乾かないので、もうしばらく先送り するしかありません。12月9日に一日だけ晴れて、10,11日は再び雨という予報 なので本当に困ってしまいます。

 11月中旬の少雨・乾燥状態で虫食いの増えた水菜、小松菜、蕪が11月25日 以降の雨のおかげで復活することを期待していました。新たな虫の発生はあまり ないようですが、既に発生していた虫(カブラハバチの幼虫)はそのまま残って いるので残念ながら虫食いは徐々に増えています。10月20日に播種した小松菜の 収穫を11月28日に始めて、初めは虫食いが少なかったのですが12月9日お届け分は 虫食いが増えて出荷許容範囲の限界に至りつつあります。チンゲンサイも姿は 充分大きくなっているのですが、虫食いが多いため収穫を見合わせています。

 冬の間に収穫する予定だったハクサイ、ブロッコリーと、3月中旬から 4月上旬にかけて収穫する予定だった大根は、11月25日未明の大雨で水没したり、 ネキリムシに切り倒されたりして全滅しました。ネキリムシの発生原因は 梅雨入り前に混ぜ込んだ豚糞堆肥が未完熟だった上に、その後何回も大雨で 冠水して分解がうまく進まなかったことにあるかも知れません。その圃場は 今住んでいる家から近いし、道路に面していて自動車を直接乗り入れることが できて便利なのですが、大雨が降ると上流に降った雨水の流入により年に何回も 水没するので野菜栽培には残念ながら不適当なようです。水稲と大豆はよく できたのですが、水稲と大豆では経営が成り立たないので来年は休耕しようと 思います。

 雨の合間に里芋の収穫はできるので、少しずつ掘っています。土の水分が 多くてねちょねちょなので、作業性が悪く時間が長くかかります。土の付着が 多すぎるので、水洗いしてお送りします。

 秋作馬鈴薯(じゃがいも)の収穫もそろそろ始めます。霜で茎葉が枯れる 前にもうひとしきり日差しを浴びて光合成をしていただきたいのですが、 曇雨天続きで葉緑体は操業度の低い状況が続いていそうです。このままだと でんぷんの生産量が少なくて小さい芋ばかりになるのではないかと思います。

 人参は充分肥大したものと肥大途上のものが混在しており、よく肥大 したものを選んで収穫しています。今期は品質が比較的良いと思っていたら、 12月上旬の後半から局部的な腐れが見られるようになりました。腐れのない ものを選んでお送りします。今期の人参は水はけの良い圃場に植えているので、 大雨でも水溜まりはほとんどできないのですが、冬にしてはあまりに雨が 多いので過湿になって腐り易くなっているのかも知れません。

12月9日(火)にお届けした野菜
大生姜(長崎1号)250g以上、
ピーマン(タキイ交配 京みどり)11個(230g)、
さつまいも(タマオトメ)600g、
里芋(赤芽大吉)600g以上、
小松菜(自家採種)220g、
大根(総太り宮重)葉付1本、
金町小蕪(自家採種)5個(300g)、
人参(タキイ交配 夏紅五寸)410g以上
  (8品目、1,500円)

馬鈴薯などの写真 馬鈴薯(じゃがいも)
その奥は葉ねぎ、セット栽培玉ねぎなど
12月11日、ナ9


平成26年11月25日/旧暦 十月四日(火)

季節はずれの大雨降る

 甘藷(さつまいも)の収穫は、目標としていた勤労感謝の日(11月23日) よりも早く終了しました。天候に恵まれたおかげもありますが、一株当たりの 収量が昨年の半分くらいしかなかったので、所用時間が短かったためでもあります。 収量が少なかったのは8月の日照時間が短く気温が低かったのが原因だと思います。 通常なら光合成が最も盛んなはずの8月に、あまり光合成ができなかったので でんぷんの生産量が少なかったものと思われます。
 昨年産のさつまいも(タマオトメ)は収穫時に傷口から出てくるヤラピンの 白い液体が垂れて流れた跡が芋の表面に残ることが多かったので、本年産の タマオトメに貼り付ける説明書ではヤラピンについても触れることにしました。 ところが本年産のタマオトメはヤラピンの付着があまり多くないようです。 収穫時にヤラピンの白い汁が出てはいるのですが、収穫直後に水で洗う時に 洗い流されて残らないことが多かったようです。もしかしたら昨年産のタマオトメで ヤラピンの跡が黒く残っていたのは、水で洗わずに保管して春になってから洗った分 だったのかも知れません。本年産はほぼ全て収穫直後に水で洗ったので、 ヤラピンの付着は水洗後に再び付着した分であり、土の粒子が混入していないので 無色透明のニスや接着剤が垂れた跡のように見えます。ちなみにヤラピンは ポリフェノールの一種であり、健康のために悪いものではありません。

 先週から、間引き菜ではない成長した大根のお届けを始めました。 間引きの時期にはカブラハバチの幼虫が多く葉の虫食いも多かったですが、 その後虫が減って葉付きでお送りできる状態になりました。水菜、小松菜、 蕪は依然として虫食いが多く、ごく一部の虫の少ない場所のみ収穫可能です。 虫が多いのは8月の多雨の影響で作付け場所の準備が遅れて、草の残骸や鶏糞、 米糠が完全に土に帰らないうちにタネを蒔いたのが原因だと思います。しかし それにしてもその影響が長く続いているのは、11月中旬以降降水量が少なかった ことも関係している可能性がありそうです。前線と低気圧の通過により11月25日 未明に91mmというたっぷりの量の雨が降りました。これは降り過ぎではあるのですが 葉菜類にとっては恵みの雨だったので、今後野菜の元気さが向上して状態が 良くなることを期待しています。

 11月25日未明の大雨は91mmのうちの大部分がほんの2時間くらいの 短い間に降ったので、一部の野菜畑は水溜まりができたり冠水したりしました。 夏の間に大雨で何回も冠水した圃場も冬は冠水するほどの大雨が降らないと 判断して10月にホウレンソウを播種したのですが、そこが今回冠水しました。 ホウレンソウはまだ小さいので、大部分が完全に水没しました。 気候変動が進行して冬にも大雨が降り易くなっているのかも知れません。 困ったことです。原発再稼動の議論の中で、原発が止まっていても電力は 足りているのだから再稼動には反対だと言う意見があるようですが、それは ちょっと思慮が浅いのではないかと思います。原発は一旦故障したら甚大な 環境汚染を引き起こすので、原発の再稼動は論外だと思いますが、火力発電も また温室効果ガスを大量に出すので減らしていくべきでしょう。原発は全廃して、 その分の電力の消費量を減らすようになお一層の節電を徹底することが必要だと 思います。家電品を節電型のものに置き換えていくなどというのではまだまだ 甘いのであって、電化製品への依存を減らしていくべきだと思います。電化製品や 自動車の利用を減らすと家電品メーカーや自動車産業が儲からなくなって日本全体が 不景気になるから良くない、などと言っていたら、今世紀末迄に温室効果ガスの 発生量をほぼ0にすべしという、人類に突きつけられた課題は達成できないと 思います。

11月25日(火)にお届けした野菜
大生姜(長崎1号)350g、
ピーマン(平安栄光)4個(140g)、
さつまいも(タマオトメ)600g、
里芋(赤芽大吉の 親芋 又は 親芋+子芋)800g、
水菜230g、
大根(タキイ交配 健白)葉付1本(600ないし700g)、
人参(新黒田五寸、タキイ交配 恋いろ、同 夏紅五寸)530g
  (7品目、1,500円)

甘藷の収穫 甘藷(さつまいも)の収穫
奥の枯れた色の作物は大豆
その背後の石垣の上は里芋
11月16日、ナ7


平成26年11月11日/旧暦 閏九月十九日(火)

里芋お届け開始

 旧暦の閏九月は二十四節気の中で九月の中気である霜降と十月の中気である 小雪のいずれも含まない月です。旧暦では七、八、九月が秋、そして十、十一、 十二月が冬ですから、九月と十月の間の閏九月は秋なのか冬なのかよくわからない 月です。太陰太陽暦である旧暦における太陽暦の要素である二十四節気の中の立冬は 中気ではない普通の節気なので、年によって旧暦九月、閏九月、十月のいずれかに 入るのですが、閏九月がある年は必ず閏九月に入ります。閏九月は秋から冬にかけての 時期であるというのが最も適当かも知れません。
 そんな閏九月にあって野菜の種類も夏野菜から冬野菜への交替が進んでいます。 猛暑が去って涼しくなってから元気を取り戻したピーマンも、更なる気温の低下に 伴って果実の肥大速度が遅くなって収穫量が少なくなりました。ピーマンは夏野菜 ではありますが例年12月に霜で枯れるまで細々と収穫が続きます。茄子は夏に テントウムシダマシやスズメガの幼虫に食べられて葉がほとんどなくなって、 その後新しい葉が出てきましたが、果実を太らせるまでには至らぬまま気温が下がって 生長がほぼ止まってしまいました。茄子はピーマンよりも少し早く低温で枯れるので、 復活しないまま収穫終了となりそうです。

 甘藷(さつまいも)は霜に遭うと腐り易くなるので、毎年勤労感謝の日 (11月23日)迄に掘り終えるようにしています。今年は収穫作業が遅れているので これから挽回したいと思っています。昨年はなると金時とタマオトメを半々くらいずつ 作付けしましたが、今年はほとんど全部タマオトメです。なると金時は焚き火で焼くと 絶品ですが、蒸すとべちょべちょした感じになってタマオトメより食味が劣るのと、 収量が少ないことがほぼやめにした理由です。

 今週から里芋をお送りします。里芋は初夏に植え付けた種芋の真上に親芋が できて、親芋の周りに子芋、子芋の外側に孫芋ができます。従って親芋は種芋では ありません。種芋は干からびたようになって、食べる対象にはなりません。 お送りする里芋は「赤芽大吉」という品種で、親芋と子芋の両方を食用にする 親子兼用種です。なるべく親芋と子芋の両方を混ぜて包むようにしたいのですが、 親芋は大きいのでお送りする量を決めて計量する際、一包みの中身が親芋一個だけ になる場合もあります。週によって親芋だけの週と子芋だけの週に分ける可能性も あります。親芋は下の方がほくほくして柔らかく、上の方はやや硬い傾向があります。 親芋を複数回に分けて調理する場合、縦に切って毎回上部と下部の両方が料理に 含まれるようにすれば、偏りを防ぐことができます。切った親芋は切り口にラップを かぶせて冷蔵可能です。

 これから主役になるはずの大根、水菜、小松菜、蕪などは虫食いが多いです。 8月の多雨の影響で作付け場所の準備が遅れて、草の残骸や鶏糞、米糠が完全に 土に帰らないうちにタネを蒔いたのが原因だと思います。生育途中で土の浄化が 進めば虫は減っていくので、今後の改善に期待しています。

11月11日(火)にお届けした野菜
大生姜(長崎1号)350g、
ピーマン(タキイ交配 京みどり)7個(170g)、
伏見甘長唐辛子110g、
玉ねぎ(タキイ交配 ネオアース)600g、
さつまいも(タマオトメ)600g、
里芋(赤芽大吉の子芋)600g、
大根の間引菜400g
  (7品目、1,500円)

秋冬野菜 水菜、小蕪、小松菜、大根など
11月12日、ナ9


平成26年10月28日/旧暦 閏九月五日(火)

草刈に追われない季節

 晩秋から初冬にかけての今の時期は、草の生長が緩慢になるのでほっとします。 春から秋にかけてはイノシシ対策の電気柵に草が触れて漏電しないように、 三週間に一回草刈り(草の刈払い)をしないといけませんでしたが、これからは その頻度を大幅に減らすことができます。また、電気柵の内側の不作付部分を 草ぼうぼうにしていると、イノシシがハプニング的に電気柵の内側に入ってしまった時に イノシシが草むらを昼間の潜伏場所にして電気柵の内側に長期滞在し、夜間に作物を 食害します。それを防ぐために夏期は不作付部分の草の管理にも多大な労力を要しますが、 今の時期にはそれからも解放されます。
 自給自足には好適でも生業としての農業にはあまり適さない農地約50aを、今年の 初めに元の所有者に返却して経営の効率化を図りましたが、それでもまだ当農園の 耕作地は1ha以上あります。2か所に分かれていてそれぞれを約500mの電気柵で囲って います。いずれも棚田を畑として使っており、計20枚あります。農薬を使わないで 栽培するために輪作をしており、しかも圃場(田)によって作目の適・不適があるので、 季節ごとにその時の作付け状況を見ると何も栽培していない不作付地が多く、 同時に全部に作付けすることはありません。そのため野菜の供給量の割に 日々管理するべき農地の面積が多く、経済的な効率が悪くなっています。 草刈りをしなくて良い期間は、この面積に起因する効率の悪さを気にしなくて 済みます。
 とは言え、現時点ではまだ草刈りをしなくて良い期間には入っていません。 既に延びている草を一通り刈ってしまって初めて、しばらくの間草刈りから解放 されます。草刈りを集中的に済ませればすっきりしますが、なかなかそうも行きません。 今はさつまいも・里芋の収穫、水菜・小松菜・蕪・人参などの間引き、玉ねぎの 定植場所の準備などしないといけないことがたくさんあるので、天候等に応じて 少しずつ進めていくことになります。

 先週から大根、水菜、小松菜、蕪の間引き菜の収穫を始めました。しかし 8月の多雨の影響で作付け場所の準備が遅れて、草の残骸や鶏糞、米糠が完全に 土に帰らないうちにタネを蒔いたので、やはりカブラハバチやコナガの幼虫など、 虫の発生が多いです。場所によって虫の発生状況に差があるので、虫の比較的 少ない場所を選んで収穫しています。

10月28日(火)にお届けした野菜
大生姜(長崎1号)350g、
ピーマン(タキイ交配 京みどり)6個(170g)、
伏見甘長唐辛子120g、
玉ねぎ(タキイ交配 ネオアース)600g、
にんにく小1球(30g程度)、
甘藷(さつまいも タマオトメ)600g、
水菜300g 又は 小松菜300g
人参の間引菜230g
  (8品目、1,500円)


平成26年10月13日/旧暦九月二十日(月)

産消提携のあり方について

 9月の後半に栗をお送りしました。私たちが2006(平成18)年から借りて耕作 している鹿町町大屋字中切の棚田の中の一枚に栗の木が2本あります。米の減反政策 による転作で地主さんが20ないし30年前に植えたようです。その栗が今年は豊作で質・量 共に上出来でした。8月に雨が多かったことや、栗の木の近くに水稲の水苗代を作って 水を溜めたおかげで土壌中の水分量が適度な水準に保たれたおかげだろうと思います。 栗はたくさん収穫したのですが、野菜セットに栗をあまり多く入れると中身価格が 通常の1,500円よりも高くなってしまい、自分は野菜(蔬菜)を申し込んでいるので あって栗のために高くなるのは困ると思われる方もいらっしゃるのではないかと思って、 お送りする量は少なめにしました。野菜の量が多かった日には栗は入れませんでした。 そのため隔週お届けの方の中には、栗をお入れできなかった方もおられます。 野菜の収穫量が少ない日に栗をお入れしようと思って栗をたくさん保管していましたが、 栗は2週間でだめになってしまいました。過去に妻が家の中に放置していた栗を一年後に 茹でたらちゃんと食べられたと言っていたので、初め室内でザルに入れて保管して いました。しかし収穫直後の栗は水分が多くてザルの中でも蒸れて結露して、カビの 発生が危惧されました。そこで網袋に入れて軒下に吊るしたのですがこれが良くなかった ようです。予想外に速く乾燥が進んで、中身が収縮して鬼皮と果肉の間に隙間ができ、 果肉の真ん中に空洞ができ、更に果肉が黒っぽく変色したものもありました。栗は 種子だから貯蔵性が高いだろうと思っていましたが、そう簡単ではないようです。 自然の状況下の栗は腐葉土や落葉の上に落下して適度な湿度が保たれるから生き延びて 発芽するのでしょう。来年は保存せずにどんどんお送りしつつ、自分たちでもどんどん 食べてしまおうと思います。
 保存せずにどんどんお送りしたり食べてしまったりする方が良いというのは、 栗だけでなく野菜(蔬菜)にも言えることです。野菜セットの中身価格を変動させると 計算が煩雑になり間違いの元にもなり易いので、野菜の収穫量が多い時には保存性の 高い野菜を後回しにして結果的に貯蔵してしまうことが多いです。しかしそのために 長期保管中に少しずつ腐って南瓜や玉ねぎや芋類の損失が増えることになります。

 1970年代に始まった日本の有機農業の産消提携を見習って1990年代から増えてきた アメリカ合衆国のCSAという産消提携の小規模農業は、前払いの年会費制だそうです。 年会費制であれば毎回の供給量が変動しても対価のやり取りに関しては支障が生じません。 アメリカ合衆国のCSAは消費者が主導して農場を設置し、生産者を雇って栽培してもらう という考え方のようです。日本の有機農業では元々独立して存在していた生産者と消費者が 結びついて提携しているので、一年分の前払いでは消費者側の抵抗感が大きくなると思うし、 生産者側も負債を抱えているようでストレスが多くなるかも知れません。 そこで趣旨としては年会費制であるけれども、実際のお支払いは毎月一回の年間12回 分割払いをして頂くというのが良いのではないかと思っています。当農園に当てはめれば、 隔週お届けだと月2回の時と月3回の時がありますし、毎週お届けでは月4回の時と月5回の 時がありますが、いずれの月もお支払額は同額で、一回のお届け量が多い時期も少ない時期も 同額です。年間を通じて見れば帳尻が合います。従って年の途中で一時的にお届けを 休止しても精算(減額)はしません。生産者としてはそれでは気の毒に思うので、一時休止 した方には野菜の収穫量が多い時に多めにお入れして可能な範囲内で調整しようと努める ことになるでしょう。そうすれば消費者も損をしたという気持ちが強くならないし、 生産者としても年間の予算に狂いが生じずに済みます。そして何と言っても、南瓜や 玉ねぎや芋類や栗などの無駄な損失が減ります。貯蔵できない野菜も、収穫せずに圃場に 残して老化してだめになるという損失が減ります。年の途中で外国に移住されたり 自炊のできない住居に移られたりする方からは、やむを得ないので残りの期間の分の 分割払いはいただけないでしょう。このような方法に変更することも模索したいと 思っています。

10月10日(金)にお届けした野菜
大生姜(長崎1号)350g、
ピーマン(平安栄光)9個(400g)、
ピーマン(タキイ交配 京みどり)9個(320ないし330g)、
伏見甘長唐辛子200g 又は にんにく2球(80ないし90g)、
枝豆(フクユタカ)茎葉を含めて1kg以上、
玉ねぎ(タキイ交配 ネオアース、同 猩々赤)600g、
  (6品目、1,500円)


平成26年9月23日/旧暦八月三十日(火)

大根、水菜など播種

 7月31日から1か月以上続いた雨の多い天候が9月4日にようやく終わったら、 今度は9月5日から25日までの2週間雨がほとんど降りませんでした。雨続きの天気の 間に土壌中に蓄えられた水も、地表や植物の葉から蒸発して徐々に減っていき10日間 くらい経過すると野菜は水不足になります。そこで今回は11日めから水やりを始めて、 4日間かけて茄子、ピーマン、人参、生姜、里芋などに順繰りにスプリンクラーや潅水 チューブで水やりをしていきました。あと1日くらいで全域に一通り水をやり終えそうだ というところで9月19日に雨が22mm降り、雨不足は解消されました。それくらいの量の 雨が降るとわかっていたなら後半の2日間は水をやらなくても良かったのですが、 未来の雨量はわからないので仕方ありません。
 水やりをすると雨が降るというのはよくあることで、まるで霊験あらたかな雨乞いの 祈祷のようです。いつも、もうそろそろ降るのではないかと期待して限界ぎりぎりまで 待ってから水やりを始めるので、降らなかった日数がかなり長くなっており雨が降る 可能性がもともと高い時期にさしかかっているという要因もあると思います。

 長雨で遅れていた秋冬野菜予定地の準備は本来の時期より1か月強の遅れで 9月2日に耕起して開始しました。草の残骸が早く分解されて土に帰るように何回も 繰返し耕しましたが、晴天続きで土が乾くと微生物による分解が進まないのでまだ 草の残骸がたくさん残っています。冬の間に収穫するキャベツは準備が間に合わなくて 今期は中止が確定しました。大根や水菜、蕪なども草の残骸が多すぎて本当はまだ 播種できないような状況ですが、0という事態は回避したいのでとにかく播種する ことにしました。台風16号の影響で23日以降降雨が予想されておりその前に蒔かないと 更に遅れてしまうので、9月22日に大根、紅心大根、青長大根、水菜のタネを蒔きました。 草の残骸が多いと窒素飢餓で生育不良になったり、亜硝酸態窒素の含有量が増えて 虫がたくさん集まってきて虫食いだらけになったり、大根が二股になったりする可能性が 高くなります。一方で播種時期が遅くなると大きく育たないうちに春になってトウが 立ってしまいます。それを考慮してとにかく蒔きました。

 9月14、15日に甘藷(さつまいも)と里芋を試し掘りしましたが、いずれも まだ芋があまり太っていませんでした。10月に入ったらまた掘ってみようと思います。 生姜はそれなりによく肥大してきたので、9月12日からお送りしています。生姜は これから当分の間継続してお入れするので、ためこまずにどんどん使って下さい。

9月23日(火)にお届けした野菜
大生姜(長崎1号)200g、
南瓜(タキイ交配 ほっこり姫)1個(500g以上)、
ピーマン(タキイ交配 京みどり、平安栄光)8個(270ないし280g)、
エンサイ200g 又は つるむらさき200g 又は 伏見甘長唐辛子200g、
馬鈴薯(男爵)600g、
玉ねぎ(タキイ交配 ネオアース、同 猩々赤)600g、
栗300g
  (7品目、1,500円)

枝豆・里芋 左上(下段):枝豆(大豆)、右下(上段):里芋
9月18日、ナ7・5


平成26年9月9日/旧暦八月十六日(火)

秋冬野菜の作付準備ようやく開始

 雨続きの天候がようやく終わりました。9月4日に寒冷前線が通過して27mm 降ったのを境に、空気が入れ替わり天気の傾向も変わって5日からは晴れるように なりました。

 晴天傾向になったおかげで、秋冬野菜の作付け準備をようやく始めることが できました。ありがたいことです。じゃがいもや大根、蕪、水菜などの予定地を 9月2日に耕うん機で耕起しました。本来の時期よりも1か月強の遅れです。昨日、 8日に二回目の耕うんをしましたが、草の残骸が多いので今日(9日)も耕すつもり です。何回も繰返し耕すことによって草の残骸と土をよく混和して微生物による 分解を促します。本格的な準備を始めることができたのは良いのですが、1か月 遅れですから野菜の種類によってはもはや間に合わないものもあります。冬の間に 収穫するキャベツは今期はなさそうです。収穫開始が遅れるものもあります。 ブロッコリーの収穫開始は年明けになりそうです。大根や蕪は少し遅めになりそう ですが、年内に収穫することはできると思います。ただ、草の分解が間に合わなくて 大根の二股が多くなるかも知れません。

 夏野菜のうちトマトは長雨の間にほとんどが枯れたのでおそらくこのまま 終了となるでしょう。胡瓜は何回も冠水して弱ったので収穫量が少なくなっています。 最後に播種した地這栽培の胡瓜がこれから収穫期に入りますが、植えた本数が少ない ので収穫量は少ない見込みです。茄子はスズメガの幼虫らしきものに葉を食べられたり 葉ダニらしきものが発生したりして葉が少なくなり、今週からしばらく収穫休止です。 これは日照不足が影響しているのではないかと思います。オクラはカメムシが幼果の 汁を吸っているようで果実表面の凸凹が著しいので先週から収穫を見合わせています。
 じゃがいもは先週までお届けしていた春作の「普賢丸」が終了となり、今週からは 春作の「男爵」をお届けします。「男爵」が終わったら次は秋作の「普賢丸」ですが、 雨の影響で種芋の植え付けが予定より半月くらい遅れそうで、まだ植えていません。 秋作じゃがいもの収穫は12月の予定です。
 生姜と里芋とさつまいもは現在生育中であり、雨が多かったおかげで葉は良く 茂っています。地下の目的物の出来具合は掘ってみないとわかりません。そろそろ 試しに少し収穫してみるつもりです。
 枝豆の収穫は例年通りなら10月の中旬頃ですが、今年は早く蒔いたので収穫時期も 若干早くなるかも知れません。

9月9日(火)にお届けした野菜
胡瓜(タキイ交配 夏太郎、同 つばさ)2本、
南瓜(タキイ交配 ほっこり姫)1個(550g以上)、
ピーマン(タキイ交配 京みどり、平安栄光)11個、
伏見甘長唐辛子200g(18本)、
エンサイ180g、
つるむらさき200g 又は モロヘイヤ100g、
馬鈴薯(男爵)600g、
玉ねぎ(タキイ交配 ネオアース、同 猩々赤)600g
  (8品目、1,500円)

生姜 生姜。
中央やや右よりの後方(下方)の木2本は栗。
9月18日、ナ4(栗はナ12)


平成26年8月26日/旧暦八月二日(火)

秋雨前線の長期停滞

 前回、8月12日付けのお便りを書いた時点では、秋雨前線の停滞による 曇雨天がこれほどまでに長く続くとは全く予想していませんでした。当初の予報より 一日早く8月14日から雨になり、秋冬野菜予定地の準備はハンマーナイフローターで 草を切り刻むところまでしかできませんでした。その後今日(8月26日)まで13日間、 ほとんど毎日雨が降っています。降らなかったのは23日(土)だけです。累積雨量は 363mm以上になりました。長雨二日目の8月15日に短時間の大雨があり、雨量測定容器が 満量になって溢れた可能性があるので363mm「以上」です。幸いにして土砂崩れなどの 災害には至りませんでしたが、胡瓜や茄子、ピーマンなどの夏野菜全ての圃場が、 大雨で上流から流れてきた水によって一時的に冠水しました。特に胡瓜畑は何回も 冠水した上、日照不足という悪条件も加わって胡瓜が弱ったようで、胡瓜の収穫量が 急減しました。そのため通常よりも大きくなったものや外観品質のやや劣るものも お送りする場合があります。

 例年なら8月のお盆の前までに済ませる秋冬野菜栽培予定地の耕起が、今年は まだ全くできていません。明日(8月27日)からは晴天傾向になりそうらしいので、 順調であれば8月30日か31日に耕起作業に着手できると期待しています。耕起から 作付けまでの日数が短くなりますが、耕起後の耕うん頻度を高くして残さや草が 土に帰るのを促進するという方法で、可能な範囲で最善を尽くして挽回したいと 思います。

 さつまいもの草取りや生姜、里芋の敷き草も延期になったままです。こちらは もう、収穫時期が近付いてきているのでやらずに済ませることになる可能性が高く なりました。生姜と里芋の敷き草の最大の目的は猛暑の時期の乾燥防止ですが、 猛暑は早々に去ってしまいました。雑草の繁茂抑制という目的もありますが、 こちらはどうしても必要な時は刈払機(エンジン付きの草刈り機)で刈って逃げ切る という可能性があります。うまく逃げ切れなかった時は収量減となりますが、 8月上旬までの草の管理が今年は完璧だったので比較的大丈夫なのではないかと 思います。さつまいもの草取りは、さつまいものつるが繁茂していて刈払機が 使えません。長雨のために草取りができなくなったのは早期に苗を植え付けた 区域なので、さつまいもの収穫を早めにすることで対応できることを期待しています。

8月26日(火)にお届けした野菜
胡瓜(タキイ交配 夏太郎、同 つばさ)750g(3ないし4本)、
南瓜(タキイ交配 ほっこり姫)1個(500g以上)、
ピーマン(タキイ交配 京みどり、平安栄光)5個(170ないし200g)、
エンサイ170g 又は モロヘイヤ100g、
つるむらさき220g 又は モロヘイヤ100g、
馬鈴薯(普賢丸)800g、 玉ねぎ(タキイ交配 マッハ、同 猩々赤)600g、
茄子3本(350ないし400g)、
伏見甘長唐辛子80g 又は オクラ130g 又は にんにく1球
  (9品目、1,600円)

枝豆 枝豆(大豆)
8月21日、ナ7


平成26年8月12日/旧暦七月十七日(火)

今年の夏は短期間ではかなく終了か

 梅雨明け後の猛暑は多くの年なら8月上旬の立秋(今年は8月7日)の頃まで 続きますが、今年は7月30日までの10日間で終わってしまいました。7月31日以降は 台風12号、11号の影響で大雨が降ったり北寄りの涼しい強風が吹いたりして、 蒸し暑さが和らいでいます。来週には秋雨前線が停滞してその影響を受ける可能性が あると聞いているので、そうなると今年の夏の一番暑さ厳しき時期は短期間で はかなく終わるということになります。体力的には楽で助かりますが、暑くあるべき時に あまり暑くないと、例えば梅の土用干しがあまりできなかったりして困ることもあります。
 台風12号では雨が6日間で245mmも降り、この時期としては降り過ぎですが強風が 吹かなかったのは幸いでした。一方台風11号では雨はほとんど降りませんでしたが、 北寄りの強風が二日間に渡って吹き、ピーマン、伏見甘長唐辛子、胡瓜に影響が 及びました。ピーマンと伏見甘長唐辛子は長時間に渡って激しく揺さぶられて 一部枯死しました。枯れないながらも弱っている株もあり、最終的な影響は もうしばらく様子を見ないと断定できません。

 例年なら8月のお盆の前までに秋冬野菜栽培予定地の耕起を済ませるのですが、 今年はまだ全く耕起していません。前作の残さを覆いつくして草が生い茂ったままの 状態です。これから着手しようとしていた時に台風12号と11号がやってきて、すっかり 遅れてしまいました。まずハンマーナイフローターで前作の残さと草を切り刻んで、 その後耕うん機で耕起します。それを遅くとも今週末(8月16日)までには済ませたいと 思います。
 8月末にじゃがいもの種芋を植える場所すら準備できておらず、遅れ具合は実はやや 危機感を抱くべき状況です。お盆どころではありません。唯一例年より早く進んでいるのは 人参栽培場所の準備で、こちらは既に7月24日に第一陣のタネ蒔きを済ませました。 しかし、毎日水やりをしてようやく芽が出始めた時に台風12号の大雨が降って、強い雨に 叩かれたり一時的に水没したりして、著しい出芽不良となりました。ごく一部を除いて 蒔き直しです。これも今週中に済ませたいと思っています。
 今週中と言っても火曜日(今日)と金曜日の昼過ぎまでは野菜の収穫と荷造りに 費やすので、農作業ができるのは土曜日までに4日間しかありません。ハンマーナイフ ローターで草を切り刻むのに半日、耕うん機で耕すのに2日、人参の蒔き直しに半日 かかるとして、機械の故障などの支障がなく順調ならば3日で終わる計算になります。 そういう作業の合間に乾き具合によっては胡瓜、ピーマン、茄子などへの水やりを するので、ポンプへの燃料補給やスプリンクラーの移動などに時間を取られて、実際には 4日かかるでしょう。天候に恵まれればちょうど8月16日(土)に終わりそうです。
 さつまいもの草取りがまだ半分残っており、里芋や生姜の株元に草を敷くこともまだ できておらず、そういうことも本当はお盆前に済ませたかったのですが、こちらは お盆明けにずれ込むことが確実になりました。これらの作業は遅くなったら作業が やりにくくなったり草が増えて所用時間が増大するだけで、収穫不能になるわけでは ないので、秋冬野菜作付け予定地の準備よりは緊急性が低いです。最終的にどうしても 手が回らない場合はあきらめて省略することになります。台風12号が来なかったならば さつまいもの草取りはほぼ確実に終わっていたと思うのですが、台風で葉が吹き飛ばされ なかっただけ幸いだったと思わないといけません。

8月12日(火)にお届けした野菜
胡瓜(タキイ交配 つばさ、同 夏太郎、同 夏ばやし)600g(3ないし4本)、
南瓜(タキイ交配 ほっこり姫)1個(950g以上)、
ピーマン(タキイ交配 京みどり、平安栄光)200g(6個)、
モロヘイヤ80g 又は オクラ(八丈オクラ)100g(7本)、
つるむらさき200g 又は エンサイ250g、
馬鈴薯(普賢丸)600g、 玉ねぎ(タキイ交配 マッハ、同 猩々赤)600g、
茄子2本(280ないし350g) 又は 切干大根45g、エゴマの葉
  (9品目、1,700円)


平成26年7月29日/旧暦七月三日(火)

梅雨が明けて猛暑到来

 九州北部が梅雨明けしたと見られると7月21日に発表されました。 それからまだ8日しか経過していないのですが、もう半月くらい経過したかのような 印象です。農作業が急に忙しくなったからです。
 梅雨が明けたら一転して猛暑による乾きの日々となり野菜への連日の水やりが 必須です。水やりは圃場の場所や水源の状況などに応じて、ポンプを使って散水ノズルや スプリンクラーで散水したり、水源からの高低差を利用して15cmくらいの間隔で小さい穴の 開いたプラスチック製の潅水チューブで給水したりしています。ホースやパイプで水を 送るのは簡単そうに思えますが実際にはなかなか予想通りにはいかず、各場所ごとに 初めは手直しを要することが多くなかなかはかどりません。22日に水やりを始めて、 今ようやく各圃場でほぼ順調に水やりができるようになったところですが、まだ一部 改善の余地が残っています。

 梅雨末期の雨天続きで土の水分が多い状態が続いて土を耕す作業ができずに いましたが、梅雨が明けて土が乾いたので人参や今期最後の胡瓜の播種予定地などを 耕しました。梅雨入り前に前作の残さや草などを土に返して一旦作付け準備を終えていた 圃場ですが、梅雨の間に再び草が生えたのでそれをまた土に返すためによく耕しました。 その中でも草の量が比較的少なかった圃場を選んで、7月24日に今期最後の胡瓜と、 今期最初の人参のタネを蒔きました。耕した圃場は特に乾き易いので、タネを蒔いた後は ほぼ毎日水をまいています。

 梅雨明けから新暦8月中旬のお盆の頃までは体力的に一年の中でも最も辛い時期 です。動かずにいるだけでも汗が吹き出すような蒸し暑い時に、草を刈ったり土を 耕したりするからです。石油で動く刈払機や耕うん機などを使うのではありますが、 そういう機械を取り回すのもかなりの運動量になります。午前中の作業だけで早くも 作業着が汗でびしょ濡れになり、一旦脱ぐと汗臭くて再び着るのが不快です。 こういう時期は細かい手作業だけをしていたいところですが、草がよく伸びる時期 なので草刈りはしないわけにいきません。
 また、9月下旬から大根、小松菜、蕪、 はくさい、キャベツ、ブロッコリーなどの秋冬野菜を植える場所を耕して前作の 残さや草を土に返す作業は、どうしてもこの時期になってしまいます。準備があまり 早すぎると雨によって肥料成分が流亡するし、逆に少し涼しくなるまで待っていたら 秋冬野菜の作付けに間に合わなくなります。化学肥料と農薬を使う農法であれば、 前作の残さや草は全部刈り取って圃場外に搬出して短期間で準備することもできると 思いますが、私たちは前作の残さや草を土に返すことによって農薬不要を実現して いるのでそうはいきません。この真夏の辛い作業を体力的能力の面で何歳まで、 あと何年間できるだろうかと思いますが、取りあえず今年はとにかくやらなければと 思って毎年やっています。

7月29日(火)にお届けした野菜
胡瓜(タキイ交配 青涼白いぼ、同 つばさ、同 夏ばやし、同 つや太郎)1.2kg(6ないし7本)、
中玉トマト(サカタ交配 シンディースイート)500g(13ないし14個)、
ピーマン(タキイ交配 京みどり、平安栄光)150g(5個)、
伏見甘長唐辛子150g(14ないし17本) 又は オクラ(八丈オクラ)150g(9ないし10本)、
つるむらさき250g 又は エンサイ200g、
馬鈴薯(普賢丸)800g、 玉ねぎ(タキイ交配 マッハ、同 猩々赤)500g、
モロヘイヤ100g 又は 切干大根30g   (8品目)

里芋 里芋
灌水チューブで水やり中
7月31日、ナ5


平成26年7月15日/旧暦六月十九日(火)

いよいよ梅雨前線がご来訪

 前回7月1日付けで「今のところ空梅雨です」と書いたところ、その後 梅雨前線が今年初めて九州北部まで北上して、2日から4日にかけて108mm、 6日から8日にかけて142mmの雨が降りました。
 6日には胡瓜畑が冠水し、出芽12日後 だった幼苗は一時完全に水没しました。そこは田を畑として利用している転作田ですが もともとザル田で水が抜け易いので、上流からの水の流入(洪水)が終わったら すぐに冠水も解消して、根に酸素が供給されたものと思われます。おかげで今のところ 立ち枯れなどの深刻な後遺症は見られません。

 10日には台風8号が九州南部を横断し当地でも暴風警報が発表されましたが、 幸い風はあまり吹かず雨量も15mmにとどまって被害はありませんでした。台風対策 として茄子やピーマン、トマトなどの支柱の強化や、春から初夏にかけて夏野菜の 苗を育てた育苗ハウスのPOフィルムの除去など最低限のことはしましたが、台風が いつ来ても慌てなくて良いように日頃から備えをしておくことの必要性を再認識 しました。台風がよく来る琉球列島や五島列島、伊豆・小笠原諸島などの人たちは きっとそれがよくできているのだろうと思います。
 野菜や米などの栽培植物を含む 植物たちも、たまには台風に遭遇することによって台風に耐えられる性質を遺伝的に 保持していると言われます。長年に渡って台風が来ないと台風によく耐える遺伝的 性質を持った個体の割合が低くなり、その後久方ぶりに台風が襲来した時の被害が 大きくなるのではないかと思います。そういう意味でたまーには台風も来ないと 良くないのですが、そうは言ってもやはり「今はまだ備えが完璧ではないから 来ないで欲しい」というのが本音です。

 梅雨の本格化に伴い一部の野菜が収穫終了となりました。例年に比べて好調 だったズッキーニは今度こそ終了です。6月29日以降雌花がほとんど咲かなくなり ました。
 人参は裂根や部分的腐れによる不良率が5割以上に達し、良品を求めて 抜いていくうちにどんどんなくなり11日迄に取り尽くしてしまいました。過去の 腐れの原因は大雨による過湿が原因だと思っていましたが、今年はうね間通路に 水が溜まるような大雨が降らないうちに腐れが多発したので、過湿以外に原因が ありそうです。ほとんど収穫皆無に近かった昨年よりは良かったですが、不良率 5割超では効率が悪すぎてむなしいので何とかする必要があり、今後の研究課題 です。
 さやいんげんはつるありのケンタッキー101がもうしばらく収穫できそうだ と思っていましたが、カメムシによる吸汁害が急に増えてふにゃふにゃの不良莢 ばかりになってしまい、11日で終了となりました。

 トマトとピーマン、伏見甘長唐辛子の収穫が本格化してきました。ピーマンは 11月迄続く予定ですがトマトの最盛期は7月末頃迄です。ちなみにトマトは雨よけ なしの露地栽培であり立ち枯れが発生し易いため大玉トマトではなく中玉トマト のみ育てています。小さめのトマトですが品種の分類としてはミニトマトではなく 中玉トマトです。
 茄子も収穫期に入ったのですが、テントウムシダマシ(ニジュウ ヤホシテントウ)の幼虫及び成虫による葉や果実表面の食害が急増して、葉が かなり減ったため早速不調に陥っています。テントウムシダマシは土の状態が 良好であっても来るらしく、一匹ずつプチュプチュと潰して退治するしかなさそう です。

7月15日(火)にお届けした野菜
胡瓜(タキイ交配 青涼白いぼ、同 夏ばやし、同 つや太郎、同 つばさ)500g(4ないし5本) 又は 伏見甘長唐辛子150g(12ないし13本) 又は 茄子(真黒茄子)2本(250g) 又は オクラ(八丈オクラ)150g(12本)、
ピーマン(タキイ交配 京みどり、平安栄光、タキイ交配 ニューエース)150g(3ないし5個)、
中玉トマト(サカタ交配 シンディースイート)500g(13ないし14個)、
つるむらさき200g 又は エンサイ200g 又は モロヘイヤ120g、
馬鈴薯(普賢丸)800g、 玉ねぎ(タキイ交配 マッハ、同 猩々赤)600g(小7ないし8個)、
にんにく小1球(30g程度)、 切干大根50g   (8品目)

ピーマン ピーマン
左は固定種の平安栄光、右はF1の京みどり
7月9日、春田276-イ


平成26年7月1日/旧暦六月五日(火)

梅雨前半は少雨

 梅雨入りしたと見られるとの発表から約1か月経過しました。当地では その間曇天の日が多く梅雨であることに疑いの余地はありません。しかし雨の 量は少なく今のところ空梅雨です。時々降る雨によってズッキーニ、さやいんげん、 胡瓜はそれなりに成りましたが、茄子、ピーマン、オクラは水不足で生育が遅れ気味 です。水やりをすれば生育が早まると思いますが、降水量が少ないため水源の水量が 少ないことと、空梅雨の状況が続いているうちに野菜全般の草取りや果菜類の 支柱設置、里芋・生姜の中耕などを進めたいという事情による労力の制約とにより、 水やりはごく一部にするにとどまっています。

 前回、6月17日付でズッキーニがお届け休止と書いたところ、その後 ズッキーニにとって適度な降雨と日照の恵みがあって復活しました。しかし 先週少々油断していて定期宅配の発送日である火・金曜日の間の、出荷のない 水曜日と木曜日の収穫を休んだところズッキーニの果実の肥大が予想外に進んで へちまのような巨大ズッキーニが多数できてしまいました。巨大果を成らせた ために成り疲れして雌花が咲かなくなりました。少雨の影響もあると思います。 今年は今のところ洪水になるような大雨が降っていないおかげでズッキーニは 例年になく好調でした。皆様の中にはもういらないと思われている方もおられる かも知れません。ですからこのまま収穫期終了となっても、あまり心残りは ないという感じです。
 さやいんげんはつるなしいんげん(初みどり2号)の収穫期がほぼ終わって、 先週からはつるありいんげん(ケンタッキー101)をお届けしています。 つるなし、つるありというのはいんげんの植物体の形の違いで、食べるに 当たってはどちらもスジ無しのさやいんげんであり、違いを意識する必要は ありません。ただ、莢の外観は若干異なります。初みどり2号に比べて ケンタッキー101は凸凹がやや多いです。
 初夏どりのキャベツは立派に結球したのがまだ多数残っているのですが、 モンシロチョウや蛾の幼虫に食べられて外葉の大部分がなくなり、気温上昇に 伴って結球部の表層部が部分的に腐ったりその一歩手前の変色を生じたり するものが増えてきました。外側が傷んでいるものは内部も部分的に傷んで いることがあるので、良さそうなものをお送りしても中が不良品だったと いうことが起きる可能性があります。そのため今期のキャベツのお届けは 6月24日で終わりにしました。
 人参は高温のためか土の中で腐り始めるものがちらほら出てきました。 今は良品を選んでお送りしていますが、雨の降り方によっては湿害で腐って 突然終了となる可能性があります。

7月1日(火)にお届けした野菜
胡瓜(タキイ交配 夏ばやし、同 つや太郎、同 青涼白いぼ)500g(3ないし4本)、 さやいんげん(ケンタッキー101)400g、ズッキーニ(オーラム、ダイナー)2本(500g以上)、 馬鈴薯(普賢丸)600g、人参(タキイ交配 恋ごころ)600g(5ないし6本)、 中玉トマト(サカタ交配シンディースイート)8個(250g)又は伏見甘長唐辛子10本(120g)又は 茄子2ないし3本(330g以上)、つるむらさき200g又はエンサイ75g又は馬鈴薯200g追加、 スイスチャード5枚(80gないし100g)、エゴマの葉(岐阜白川種)6枚   (9品目)

ごぼうの花の写真 大浦ごぼうの花
採種用として根を収穫せずに残して咲かせているもの。
枝の先端の花が先に咲き、根元に近い位置の花は遅く咲きます。
トゲのある球体だけで花びらのカスの付いていないものはこれから咲く蕾です。
6月28日、ナ9


平成26年6月17日/旧暦五月二十日(火)

さやいんげん収穫開始

 梅雨入りしたと見られるとの発表から二週間余り経過しました。 その間雨の量は少なかったですが曇天の日が多く日照時間も少なかったです。 野菜は雨が適度に降って日照時間も長ければ良く育つというものが多いです。 それは水と日光があってこそ光合成ができるからです。この二週間はそれとは 逆の条件だったので、多くの野菜にとってはあまり喜ばしい状況ではなかったと 思います。
 先週までたくさんお届けしたズッキーニが今週はお届け休止となりました。 少雨と低日照の影響を受けて成り疲れしたようです。一方さやいんげんは少雨と 低日照の悪影響が少なく、今のところ虫食いがほとんどなく良品を順調に収穫 することができています。現在収穫しているのはつるなしいんげん(初みどり2号) ですが、20日(金)頃からはつるありいんげん(ケンタッキー101)も収穫 することになりそうです。つるなし、つるありというのはさやいんげんの植物体の 形の違いで、つるありいんげんはアサガオのようにつるが伸びるのに対し、 つるなしいんげんは草丈50cmくらいの自立型です。食べるに当たってはつるなしいんげんも つるありいんげんも、どちらもスジ無しのさやいんげんであり、違いを意識する必要は ありません。

 低日照ながらも雨の降らない日もそれなりにあったので、昨日(16日)までに 無事に麦、玉ねぎ、馬鈴薯(じゃがいも)の収穫を済ませることができました。 玉ねぎは例年通り小さめです。来年こそはもう少し大きく育てたいと思います。 玉ねぎとは対照的に今期の馬鈴薯は生育が旺盛でした。ただ、栄養状態が良すぎた 傾向があり、収穫直前にテントウムシダマシが大発生して葉が食べ尽くされました。 それでも芋は良く太っているし食味も良いので、テントウムシダマシの大発生自体は 芋の品質や収穫量に特に支障を生じているわけではありません。しかし過去に栄養状態が 良すぎた時には、ジャガイモガの幼虫が収穫後(保管中)の芋に多数発生して 多くの芋が腐ったことがありました。それが今回起きないか心配が残るところです。

 今日17日から明日18日にかけて久しぶりにまとまった量の雨が降る可能性が あるようです。洪水にならない程度に20mmくらいの適度な量の雨が降ってくれれば、 成り疲れしたズッキーニが復活したり、生育が緩慢な状況の茄子、ピーマンなどが 大きくなってくれるのではないかと思います。

6月17日(火)にお届けした野菜
キャベツ(タキイ交配 初夏のかほり)1玉(1.4kg以上)、 胡瓜(タキイ交配 夏ばやし、同 つや太郎)700g(3ないし4本)、 さやいんげん(初みどり2号)400g、玉ねぎ(タキイ交配 マッハ)500g(小6ないし7個)、 馬鈴薯(普賢丸)800g(4ないし5個)、人参(タキイ交配 Dr.カロテン5)200g(小さめ2ないし3本)、 エゴマの葉(岐阜白川種)   (7品目)

いんげんの写真 さやいんげん
左はつるあり、右はつるなし
6月14日、ナ4


平成26年6月3日/旧暦五月六日(火)

梅雨入り

 九州北部が梅雨入りしたと見られると、6月2日(旧暦五月五日)に 気象台が発表しました。平年より3日早い梅雨入り発表で、麦や玉ねぎ、馬鈴薯 (じゃがいも)の収穫がまだ終わっていません。しかし例年梅雨の前半は梅雨の 中休みが比較的多くあるので、その中休みを有効活用して済ませていきたいと 思います。玉ねぎと馬鈴薯(じゃがいも)は一部を収穫したので、今週から お届けします。
 胡瓜、南瓜、茄子、ピーマン、オクラ、つるむらさき、エンサイ、モロヘイヤ などの夏野菜は少雨でいま一つ元気がありませんでしたが、梅雨入りを機に これから旺盛に育ち始めると思います。

 今年はこれまでのところズッキーニが順調で、5月27,30両日は1kg以上ずつ お届けしました。梅雨に入って雨の日が増えると過湿になって一株、また一株と 順次枯れていくのが例年のズッキーニの恒例なので、今週以降は収穫量の見通しが 不透明です。とは言え6月の前半は引続きお届け量が多くなる可能性があります。 ズッキーニはウリ科ですが、種としては形状の似ている胡瓜よりは南瓜に近いです。 そのため「つるなしかぼちゃ」とも呼ばれます。しかし食味の方は南瓜よりも ずっとすっきり傾向で、煮ると南瓜よりは胡瓜に近い味です。でも胡瓜と違って 生で食べるという話はあまり聞きません。もちろん生で食べても健康上の支障は ないと思うので、生で食べてみたい方は試してみられて良いと思います。 加熱調理の場合、最も簡便なのは厚さ1cmくらいの輪切りにして菜種油かオリーブ油を 塗り、ガスレンジのグリルで焼いて塩、胡椒で味付けするというのが一例です。 但しこの方法はたくさんの量を食べるのにはあまり適しません。キャベツと一緒に 適宜蓋をして蒸すようにしながらじっくり炒めるとカサが減るので、たくさん 食べられてしかも大変おいしいです。どちらかというと和風よりは洋風の味付けに 向いているようで、煮干しをダシにして煮て醤油で味付けしたらあまり似合いません でした。カレーの具には良く適します。シチューやスープにも良いと思います。 ところで、これは南瓜や胡瓜と同様のことですが皮は微量栄養素の宝庫です。 ズッキーニの皮は決してむかないで皮ごと調理なさって下さい。

 甘藷(さつまいも)の苗床にカラスとネズミ(モグラではありません)が 侵入して種芋が割と深刻な食害を受けたということを、5月9日付と20日付の お便りに書きました。損失を補うためにやり直しの育苗に着手しましたが、 被害を受けた苗床でも二品種のうちタマオトメは予定の半分くらいの本数の 苗が残っています。そこで、6月2日に約40本の苗を採取して本圃場に植えることが できました。

6月3日(火)にお届けした野菜
キャベツ(タキイ交配 初夏のかほり)、ズッキーニ(ダイナー、オーラム)、 胡瓜(タキイ交配 夏ばやし、同 つや太郎)、緑のリーフレタス(グリーンウェーブ)、 赤いリーフレタス(レッドファイヤー)、大根(タキイ交配 三太郎)、 馬鈴薯(男爵)   (7品目)

南瓜の写真 南瓜(ほっこり姫)
5月29日、ナ8


平成26年5月20日/旧暦四月二十二日(火)

ズッキーニ収穫開始

 小型の育苗ハウス内の踏込温床で播種して育苗してきた夏野菜は胡瓜、 ズッキーニ、南瓜、トマトに続いて茄子、ピーマン、伏見甘長唐辛子、 オクラ、モロヘイヤ、つるむらさき、エンサイも露地の圃場への定植が 完了しました。

 夏の果菜類の中で最初に収穫を始めることができたのは、予想通り ズッキーニでした。ズッキーニは表皮が緑色の「ダイナー」と黄色の 「オーラム」の2品種を育てています。植えた本数はオーラムの方が多いの ですが、収穫開始時期がダイナーの方が少し早く、今のところ収穫量は ダイナーの方が多いです。なるべくダイナー(緑)とオーラム(黄)の 両方を混ぜてお届けするようにしますが、オーラムの収穫数が少ない場合は ダイナーだけになる場合もあり得ます。
 今回ズッキーニを育てている圃場は南からの強風の影響を受けにくく、 土の保水性が良いので今の天候の条件においてはズッキーニに適している ようです。梅雨に入って降水量が増えると過湿になって一株、また一株と 順次枯れていくのが例年のズッキーニの恒例です。ですから梅雨入り前が ズッキーニの旬と思って味わって頂けると幸いです。
 ズッキーニとは対照的に胡瓜は今回植えた圃場の水はけが大変良くて、 このところの天候の下で土が乾く傾向が強いためあまり調子が良くありません。 梅雨に入ってからの大雨で冠水しないということと、しぶといカラスがいない ということを基準に選んだ現時点で最良の場所であり、過度に乾く時には 水やりをして対応します。胡瓜は長期間収穫を続けられるようにするために、 複数回に分けてタネを蒔いています。1回目の分は今雌花が咲き始めつつある ところです。2回目の分は先週定植しました。今週後半には3回目の分のタネを 蒔き、6月に4回目を蒔く予定です。

 甘藷(さつまいも)の苗床の防獣網がカラスに食い破られて種芋の一部が 食害を受けたということを、前回5月9日付けで書きました。対策として 防獣網の上に中古のいりこ用漁網をかぶせたところ、その後は侵入されなく なりました。しかしあまりに厳重に囲ったために網とその中の保温用不織布を めくって苗床の状況を点検するということがあまり頻繁にはできなくなりました。 そして一昨日久しぶりに網と不織布をめくって中を見たところ、何と種芋の 大部分がネズミに食べられていました。なると金時はほぼ全滅、タマオトメも 大部分がやられました。ある程度伸びていた芋のツル(茎葉)も、種芋が 食べられてしまうと根がないので干からびて枯れていました。3月17日から 2か月かけて育ててきて、順調なら今月末から苗の定植をするはずたったのに 今からまたやり直しです。

5月20日(火)にお届けした野菜
キャベツ(タキイ交配 初夏のかほり)、ズッキーニ(ダイナー、オーラム)、 そら豆(さぬき長莢早生)、リーフレタス、スイスチャード、 大根(タキイ交配 三太郎)又は金町小蕪   (6品目)

ズッキーニの写真 ズッキーニ(ダイナー)
5月25日、ナ11


平成26年5月6日/旧暦四月八日(火)

端境期から抜け出す

 10月播種のキャベツがようやく収穫開始となりました。過去には暖冬で 4月上旬から収穫できた年もあったので、それに比べると一か月遅れです。
 そら豆とスナップえんどう、絹さやえんどうも収穫期に入りましたが、 スナップえんどうは生育状況が良くなく先週少し収穫しただけでほぼ終わって しまいました。絹さやえんどうは比較的良く育ったのですが、莢が大きくなると 同時に中の豆も太り始めてあまり絹さやらしくありません。それでも莢ごと 食べるのに支障がないのでお送りします。昨年のえんどう豆は良く育ちましたが カラスの食害が甚だしく大部分を食べられてしまい、ほんの少ししか収穫できま せんでした。昨年えんどう豆を植えた場所のカラスは、防鳥網に引っかかりながら でもしぶとく侵入を強行するので、今年のえんどう豆は全く別の場所で育てました。 そのおかげで今回はカラスの食害がありませんでしたが、代わりにえんどう豆の 生育が少し変でした。なかなか都合良くは行かないようです。
 3月播種の小松菜、小蕪、大根は虫食いが多めですが、虫の活動自体はほぼ 終息しているので現時点で野菜の成分に亜硝酸等の問題はないと判断して収穫し お届けします。

 小型の育苗ハウス内の踏込温床で播種して育苗してきた夏野菜は、4月14日に 胡瓜、ズッキーニ、南瓜を、4月27日にトマトを露地の圃場に定植しました。 最初に収穫に至るのはズッキーニである可能性が高いです。茄子、ピーマン類は 4月14日にポリポットに鉢上げして引続き育苗中です。5月上旬のうちに定植したいと 思っています。
 3月17日に踏込温床上で種芋を伏せ込んだ甘藷(さつまいも)は、茎葉が 育ってきたので4月19日に種芋を露地の苗床に移植しました。ところが4月23日に カラスの食害を受けて種芋の本数即ち苗の株数で2割の損失が生じました。 カラスに狙われることは経験に基いて予想していたのでカラス避けのために イノシシ用の防獣網を転用して張っていました。昨年まではそれで大丈夫でしたが、 今年は何とその防獣網を食い破って侵入されました。対策として防獣網の上に 中古のいりこ用漁網をかぶせたところ、その後は侵入されなくなりました。 漁網も強度的には防獣網より優れているわけではないと思いますが、防獣網 よりも目がかなり細かいので破りにくいのでしょう。ちなみにこの圃場は昨年 えんどう豆を育ててほとんど全部カラスに食われてしまった場所です。そこの カラスは大変しぶといです。
 2月24日に種芋を植え付けた春作馬鈴薯(じゃがいも)は「男爵」、「普賢丸」 いずれも中耕と土寄せを済ませました。生育は順調ですが、少々生育が旺盛すぎる 傾向が見られます。あまり栄養状態が良すぎるとジャガイモガが芋に産卵して、 収穫後に芋が蛾の幼虫に食べられて腐るという事態が懸念されるので気になる ところです。元肥の菜種油粕の量は過剰ではなかったと思うので、大丈夫である ことを願っています。
 4月16日には生姜、5月3日には里芋の種芋を植え付けました。これはいずれも 10月頃から収穫します。

5月6日(火)にお届けした野菜
甘藷(タマオトメ)、キャベツ(タキイ交配 初夏のかほり)、大根の間引菜、 小松菜、そら豆(さぬき長莢早生)、絹さやえんどう(仏国大莢)   (6品目)

ズッキーニの写真 ズッキーニ
5月3日、ナ11


平成26年4月8日/旧暦三月九日(火)

「とう」の収穫時期も終了

 3月29日から30日にかけて62mmというたっぷりの雨が降った後、晴天傾向が 続きそうだったので、「春に三日の晴れなし」というのには例外もあるのだなと 思っていました。しかし急に予報が変わってその新たな予報通りに4月3、5日に 雨が降りました。3日の降水量は2mmと少なめで済んだので、5日に降らなければ 夏野菜予定地に糠をまいて耕そうと思っていました。残念ながらその希望は叶わず 14mm降って、土の水分量が再び増えてしまいました。週間予報では次の雨は12日と なっていますが、11日に早まるかも知れません。10日の朝までに夏野菜予定地の 土がそれなりに乾いて、耕してもねちょねちょにならない状態になってくれることを 願っています。

 前回の3月25日付お便りで予告した露地栽培野菜の端境期(はざかいき)が いよいよやってきました。秋に播種(タネ蒔き)した小松菜、はくさいなどは、 「とう」の収穫期さえも終わりました。大浦ごぼうは4月4日に収穫終了となりました。 秋作馬鈴薯(じゃがいも)は4月11日発送分で終了の見込みです。大根はとう立ちの 遅い品種(F1成味2号、F1大吉)を収穫中ですが、4月10日を過ぎるとこれも「とう」が 立ち始める見込みです。
 これから新たに収穫できる予定の野菜は、まず10月播種のキャベツです。これは もう少しで結球を始めそうな状況です。そら豆は引続き開花中です。スナップえんどうと キヌサヤは3月30日に花が咲き始めました。3月に播種した人参、小松菜、小蕪、大根、 リーフレタス、スイスチャードは幼苗が生育中です。幼苗の生育は緩慢なので、 間引き菜収穫まではまだもうしばらくかかります。
 小型の育苗ハウス内の踏込温床で播種して育苗中の夏野菜は、4月2日までに胡瓜、 ズッキーニ、南瓜、トマトをポリポットに鉢上げしました。茄子、ピーマンは幼苗の 生育が緩慢なので、鉢上げに適した大きさに育つまでもうしばらくかかります。 甘藷(さつまいも)は3月17日に踏込温床上で種芋を伏せ込んで、今順次出芽中です。 なると金時よりもタマオトメの方が出芽が早いです。トロ箱では窮屈な大きさにまで 茎葉が育ったら、種芋を露地の苗床に移植します。その後伸びてくるツル(茎葉)を 切り取って、苗として本圃に植え付けます。
 2月24日に種芋を植え付けた春作馬鈴薯(じゃがいも)のうち「男爵」は既に芽が 出揃って茎葉伸長中、「普賢丸」は順次出芽中です。茎葉が出揃って15cmくらいの 高さに育ったら中耕と土寄せをします。土寄せは例年5月初めの大型連休の頃ですが、 今年は少し早めになるのではないかと思います。収穫は梅雨入りの頃の見込みです。

4月8日(火)にお届けした野菜
甘藷(タマオトメ)、馬鈴薯(普賢丸)、大根(F1大吉)、 大根のハリハリ漬け、黒米   (5品目)

キャベツの写真 10月播種のキャベツ
4月23日、ナ4


平成26年3月25日/旧暦二月二十五日(火)

露地栽培野菜の端境期近づく

 新暦4月は露地栽培野菜の端境期(はざかいき)です。秋に播種(タネ蒔き) した小松菜、はくさい、蕪、大根、人参などが3月から4月にかけて「とう」を立てて 花を咲かせます。一方で小松菜、蕪、大根、人参などの春蒔き栽培は播種が早すぎると 大きく育つ前に「とう」が立ってしまうので、播種は3月に入ってからです。その分が 収穫できるのは5月頃です。
 4月に収穫できる露地栽培野菜はアスパラガス、そら豆、スナップえんどう、 キヌサヤ、10月播種のキャベツです。しかしアスパラガスは一昨年頃から不調で今年も ありません。キャベツは冬の低温の影響で生育が遅れていて収穫までもうしばらく かかりそうです。そら豆は今、花が咲いているところです。スナップえんどうやキヌサヤは まだ開花していません。昨年の4月は里芋と葉玉ねぎがありましたが、今期の里芋は 低収量だったため既に底をつきました。葉玉ねぎはセット栽培玉ねぎの生育が昨期は 遅かったため4月にもまだ収穫していましたが、今期は昨期より順調だったため既に 収穫とお届けが終了してしまいました。
 昨年の4月は甘藷(さつまいも)、里芋、葉玉ねぎにタケノコ、フキ、黒米などを 加えて何とか野菜セットをお届けし続けましたが、今年は継続してお届けできそうな 野菜が甘藷(さつまいも)しかありません。4月の初めまでは馬鈴薯(じゃがいも)と 大根(成味2号、大吉)と切干大根、大根のハリハリ漬けもあります。ですから今号の お便りが隔週お届けの皆様に行き渡る頃までは何とか継続できるのではないかと思い ますが、その後は野菜セットのお届けを一時休止させて頂く可能性があります。 甘藷(さつまいも)はまだたくさんあるので、甘藷だけ5kg又は10kg単位でお送りする ことはできます。

3月25日(火)にお届けした野菜
甘藷(なると金時)、馬鈴薯(普賢丸)、人参又はブロッコリー又は黒米、 葉ねぎ(九条太)、大根(F1成味2号)、小松菜又はハクサイの「とう」   (6品目)

育苗ハウスの写真 育苗ハウスの中の踏込温床
手前に写っているポリポットの苗は茄子、ピーマン、伏見甘長唐辛子。
南瓜、胡瓜、ズッキーニは既に屋外(露地)の圃場に定植し、トマトは定植に備えて 昼間外に出しています。
4月15日、春田276-イ


平成26年3月11日/旧暦二月十一日(火)

人参・小松菜・小蕪のタネ蒔き

 前回2月25日付けで、雨の多い傾向が2月18日で一旦終わったと書いたところ、 翌26日に42mmというたっぷりの量の雨が降りました。3月1、4日にも計13mmの降雨 があり、人参等の播種時期が遅れました。2月24日に日没後までかかって人参の うね作りだけでも済ませておけば良かったと少しだけ思いました。しかし春蒔きは 秋蒔きと違って播種の遅れをその後の生育である程度取り戻すことができるので、 あまり気にしないことにします。
 人参のタネは3月8日に蒔きました。翌9日までにセット栽培玉ねぎ(シャルム)と リーフレタス、小松菜、金町小蕪のタネも蒔きました。

 3月7、8日には4、5月に野菜などを作付けする予定の圃場に菜種油粕や米糠 をまき、耕して土に混ぜ込みました。今後何回も耕すことによって油粕や糠の 分解を促します。作付け時に未分解のものが残っていると虫が発生し易くなる からです。

 動物性の肥料は昨年まで自給鶏糞しか使っていませんでした。しかし それだけでは足りなかったし養鶏自体を昨年9月にやめたので、今年から豚糞堆肥を 作ることにしました。第一陣として2月25日に2トン積みトラック一台分の豚糞を もらってきました。草と混ぜて堆肥にします。また、今年は下肥(しもごえ)の 活用についても実践と研究を進めます。下肥とは要するに人糞堆肥のことです。 ちり紙や殺虫剤、便器洗浄用の薬品などの混入したし尿は使いません。不純物なしの 100%ヒトのし尿を熟成させた純良下肥です。

 お届けする大根の品種が今週から変わります。3月7日発送分までは「F1福太郎」 でしたが、11日以降発送分は「F1成味2号」又は「F1大吉」となります。この二品種は とうの立つ時期が遅いので、4月上旬までお届けできる予定です。

3月11日(火)にお届けした野菜
甘藷(タマオトメ)、馬鈴薯(普賢丸)、ブロッコリー(タキイ交配 チャレンジャー)、 人参(タキイ交配 夏紅五寸)、葉ねぎ(九条太)、セット栽培玉ねぎ(タキイ交配 シャルム)、 大根(F1成味2号)、小松菜の「とう」   (8品目)

豚糞の写真 3月11日に追加で2台分もらってきた豚糞。
豚の糞に水分調整用のおがくず(のこくず)を混ぜて発酵させたものに、 豚の尿を浄化処理する際に発生する沈殿物を加えたもの。供給元の養豚場では 堆肥と呼んでいますが、臭気が残っているので完熟堆肥ではありません。
3月12日、春田276-イ


平成26年2月25日/旧暦一月二十六日(火)

春作馬鈴薯植付、夏野菜育苗準備

 2月初めからの雨の多い傾向は2月18日で一旦終わりました。19日からは毎日 ある程度の時間日が照るようになり、2月24日は一日中晴天でした。一日中日が 照っていたのは2月に入ってからでは16日と24日の二日間だけです。土がようやく 適度に乾いてきたので23、24日に昨年の野菜の栽培跡の一部を耕しました。
 24日には春作馬鈴薯の種芋約25kgを植え付けました。昨年は普賢丸という品種 だけを植えましたが、中身の食味は良くても皮が渋いのが気になるので、今回は 久しぶりに男爵も育ててみることにしました。男爵の種芋を5kg購入してそれを 植えました。暖地二期作用品種である普賢丸やデジマやニシユタカと違って男爵は 休眠期間が長いので二期作ができず、種芋の自給ができません。従って北海道産の 種芋を購入して春に植えるのが一般的です。

 前回、2月11日付けで書いたように自作地を元の所有者に返却しました。 そのためそこに設置していた育苗用小型ハウスを別の場所に移設しました。 もともと中古品をもらったのがその後9年経過し更に老朽化しました。垂直の支柱 2本と倒壊防止用の筋交い1本は竹による代用品です。5%から8%への消費税増税を 控えていることでもあり、移設を機に新品に買い替えることも考えました。しかし 買い替えると古い分が廃棄物になり、処分するのに手間暇と場合によってはお金も かかるので、引続き古いのを使うことにしました。移設後のハウスの中に夏野菜 育苗用の踏込み温床を作るべく竹で枠を作り、草をカッターで刻んでその中に 入れました。3月になったらこれに米糠を混ぜ込んで水を掛けながら根気良く 踏みます。そうすると2日くらいで温度が上がるので、その上にトロ箱利用の育苗箱を 並べて夏野菜の種子を蒔きます。

2月25日(火)にお届けした野菜
甘藷(なると金時)、馬鈴薯(普賢丸)、葉玉ねぎ(タキイ交配 シャルム)、 大根(F1福太郎)、小松菜又はハクサイの「とう」、ごぼう(大浦太)   (6品目)

育苗ハウスの写真 育苗ハウスの骨組と踏込み温床の枠
3月3日、春田276-イ


平成26年2月11日/旧暦一月十二日(火)

真冬に戻る

 1月24日から2月3日の節分まで、春を先取りした暖かい日々でした。 例年なら徐々に咲き進む梅が今年は一気に花盛りになりました。この暖かさが そのまま続くとチンゲンサイに続いて小松菜や大根も例年より早くトウが立って しまうと心配していたら、立春の2月4日から一転して真冬に戻りました。 それと同時にほぼ毎日雨が降るようになり、農作業がはかどらないし日が照らない ので気持ちも晴れません。夫婦間の口論が増えてストレス解消のために食生活が乱れ、 その結果早起きができなくなって体調も乱れて悪循環になり、ろくなことが ありません。

 日本国が財政破綻して日本銀行券が紙切れになり石油や穀物の輸入が 途絶する日に備えて、食糧と燃料(薪)を自給して自動車なしで生活するのに 適した土地(離農跡地)約1haを結婚前の2004年に購入しました。田と畑と山林と 宅地が飛び地にならずに隣接しているので自動車に頼らない生活には適しているの ですが、傾斜地で田畑に直接自動車を乗り入れたり横付けしたりすることができず、 平時に石油を使って生業としての農業をするには不利です。
 山林部分にお稲荷さんの荒れた祠跡があって信仰上の問題が生じてきたのを きっかけに熟考した結果、その土地は一括して元の所有者に返却するのが適当である との結論に達しました。こちらの都合で不要なものを受け取って頂くのだから無償で 返却することにして、先月その手続きを完了しました。これで10年ぶりに自作地を 持たない100%借地の小作農に戻りました。
 お稲荷さんの影響が徐々に薄れて夫婦間の 摩擦が減っていくと同時に、条件不利地を維持管理する労力が軽減されて経営効率が 改善されると思います。その結果として皆様にお届けする野菜がより良くなって、 皆様に従来よりも満足して喜んで頂けるようになることを願っています。

2月11日(火)にお届けした野菜
甘藷(なると金時)、馬鈴薯(普賢丸)、里芋(赤芽大吉)、はくさい(タキイ交配 無双)、 葉玉ねぎ(タキイ交配 シャルム)、小松菜   (6品目)

玉ねぎの写真 玉ねぎ
収穫は5月末から6月初めにかけての予定
1月31日、春田276-イ


平成26年1月28日/旧暦十二月二十八日(火)

春の兆し

 今年は新暦1月31日が旧暦の元日です。旧暦では一月から三月までが 春ですから、旧正月こそが謹んで「新春」のお喜びを申し上げる時ということに なります。その旧正月に合わせるが如く週間天気予報では気温の上昇が予測されて います。一方植物たちは人間界の暦を見なくてもちゃんと季節の巡りを感知していて、 着々と迎春準備を進めています。梅は蕾が次第に大きくなってきています。 9月上・中旬に播種した在来種のチンゲンサイは既にトウが立ち始めました。 10月上旬に播種したF1種のチンゲンサイもトウの立つ兆しが生長点(芯の部分)に 見られます。トウ立ち前のチンゲンサイのお届けは、今週(1月28、31日)で終了 となる可能性が高いです。

 昨秋のコオロギによる幼苗食害の影響で今期は人参の収穫可能量が少ないです。 そのため二股など外観のよろしくない人参もお届けする可能性があります。 ご迷惑をおかけして申し訳ございません。今年は昨年の反省を生かして より良き野菜をお届けできるように努めます。

 玉ねぎの苗の定植は1月24日に終わりました。定植後に適度な量の雨が降って くれてありがたかったです。今の時期はカラスの食糧事情が厳しいため、 植えたばかりで根の張っていない玉ねぎの苗をカラスが引き抜いてしまいます。 引き抜いて試食するものの好物ではないと見えて、周辺に散乱させます。 それを予防するために地上15cmくらいの高さのところにナイロン製の釣り糸を 張り巡らせました。グリンピースやスイートコーン、西瓜など甘味の強いものは カラスが特に執拗に狙うので釣り糸だけでは守ることができませんが、 玉ねぎの苗は釣り糸で守ることができています。

 旧正月になって暦の上で春になっても、夜明け頃に晴天でしかも風がないと 霜が降りるので野菜の葉が凍結して収穫できません。そのため発送当日ではなく 前日の夕方に収穫します。皆様へのお届け予定数量に応じた量を収穫しますので、 お届けの休止や変更をご希望の場合は発送日の前日の朝までにお知らせ下さい。

1月28日(火)にお届けした野菜
甘藷(タマオトメ)、馬鈴薯(普賢丸)、里芋(赤芽大吉)、人参(新黒田五寸)、 大根、チンゲンサイ、葉ねぎ(九条太)   (7品目)

中切の写真 晴天時には「光の春」の兆しが感じられます。
1月29日、中切。手前からナ1、ナ3、ナ4など。


平成26年1月14日/旧暦十二月十四日(火)

新暦の新年

 新暦新年になりました。野菜の定期宅配をご利用下さっている皆様には、 昨年中大変お世話になりありがとうございました。本年もどうぞよろしく お願い申し上げます。

 12月27日から29日にかけて強い寒気が南下して大変厳しい寒さと なりました。あまりに寒くて馬鈴薯(じゃがいも)や里芋の収穫も玉ねぎの 苗の定植もできずにいました。幸いその後寒さが緩んで12月31日から1月7日迄 穏やかな天気となったので、馬鈴薯の収穫を終えることができました。玉ねぎの 定植もはかどりました。特に1月1日から4日迄は気温も比較的高くこの時を逃したら 玉ねぎの定植が当分できない可能性もありそうな貴重な天気だったので、 年始休暇は元日の午前だけにして玉ねぎの苗取りと定植をしました。

 大根(紅心大根ではない普通の大根)の収穫圃場を1月4日発送分から 変えました。現在お届けしているのは10月1日播種分です。12月にお届けした 分に比べると外観品質が良いです。
 1月4日からチンゲンサイのお届けを始めました。チンゲンサイや小松菜は 収穫最適期の大きさにとどまってくれている期間が短く、適当な大きさになったと 思ったらすぐにそれを通り越して巨大になってしまうことが多いです。しかし 今は気温が大変低いので生長がかなり緩慢で、適度な大きさにとどまってくれて います。

 厳寒期は朝、霜や雪のために野菜の葉が凍結して収穫できないことがある ので、発送当日ではなく前日の夕方に収穫します。皆様へのお届け予定数量に 応じた量を収穫しますので、お届けの休止や変更をご希望の場合は発送日の 前日の朝までにお知らせ下さい。

1月14日(火)にお届けした野菜
甘藷(タマオトメ)、馬鈴薯(普賢丸)、人参(新黒田五寸)、 大根、紅心大根、小松菜、チンゲンサイ、葉ねぎ(九条太)   (8品目)

木灰混ぜ込みの写真 3月播種の葉菜類などの予定地に木灰を混ぜ込みました。
1月19日、ナ4


平成25年12月29日/旧暦十一月二十七日(日)

冬至を過ぎていよいよ厳寒期入り

 12月22日の冬至を過ぎて昼間の時間が減少から増加に転じました。 しかし気温が低下から上昇に転じる時期はまだあと一か月くらい先になる ことでしょう。12月27日から29日にかけて強い寒気が南下して厳しい寒さと なっています。当地でも27日から時々雪が舞っていますが今のところ積もる ところまでは至っていません。馬鈴薯(じゃがいも)の収穫、玉ねぎの苗の 定植、里芋の収穫などするべきことはたくさんありますが、あまりに寒いので 全身を動かし続ける草刈りや木の伐採・焼却などしかする気になりません。 農地に日陰を作っている木の伐採・焼却は最も暖まるので良いのですが、 27日以降は西高東低の冬型気圧配置が強まり風が強いのでできずにいます。 しゃがんでするような仕事は先送りしていますが先送りにも限度があります。 馬鈴薯と里芋の収穫は1月の前半くらいまで、玉ねぎの定植は1月末くらいまでに 済ませたいと思っています。

 厳しい寒さのために野菜の生長も止まっています。10月3日播種の チンゲンサイはもう少しで収穫できそうなところまで育っていますが、 もう少しというところで止まってしまい収穫開始は年明けにずれ込みました。 キャベツやはくさいは結球直前で足踏みしています。一方10月17,18日に 播種して12月6日から収穫している小松菜は生長停止のおかげで巨大にならずに 済んでいます。

 厳寒期は朝、霜や雪のために野菜の葉が凍結して収穫できないことが あるので、発送当日ではなく前日の夕方に収穫します。皆様へのお届け予定数量に 応じた量を収穫しますので、お届けの休止や変更をご希望の場合は発送日の 前日の朝までにお知らせ下さい。

12月29日(日)にお届けした野菜
甘藷(タマオトメ)、馬鈴薯(普賢丸)、人参(新黒田五寸)、 大根、紅心大根、水菜、小松菜、葉ねぎ(九条太)   (8品目)

小松菜の写真 10月18日播種の小松菜
12月23日、ナ2


平成25年12月17日/旧暦十一月十五日(火)

秋作馬鈴薯収穫

 前回12月3日付けで、小松菜は10月17,18日播種分の生育待ちですと お書きしましたが、その後12月5,7,8日によく晴れたおかげで光合成が進んだと 見えて、急速に生長し10日から収穫できるようになりました。6日も本来は 晴天だったのですが中国から粒子状物質PM2.5を含む煙霧が飛来して、日差しが 遮られていました。

 チンゲンサイは主力のはずだった9月7日播種分が、定植直後にコオロギに 食べられてごく少数しか収穫できなくなりました。10月3日播種、11月2,4日定植 の分は現在生育中です。寒いので生育が緩慢ですが少しずつ大きくなっています。 年末年始の頃には収穫を始められるのではないかと思います。
 キャベツとブロッコリーも定植直後のコオロギの食害が深刻でしたが、 チンゲンサイと違って遅蒔き限界時期が早いので同じ品種の蒔き直しはできません でした。そのため12月末から3月までに収穫できるキャベツとブロッコリーは ごく少数です。ご迷惑をおかけして申し訳ありません。

 12月8日に馬鈴薯(じゃがいも)の収穫を始めました。当地では馬鈴薯を 春と秋の二回作付けします。春作は茎葉が自然に枯れて芋が完熟してから収穫 しますが、秋作は霜という外部要因で茎葉が枯れることによって芋の生成が 強制的に終了させられます。ですから茎葉が生存している限りは収穫をできるだけ 遅くする方が質・量共に優れるので、収穫初期においては出荷に必要な量を 少しずつ掘ります。今年の秋作馬鈴薯は秋雨前線や台風による大雨の影響で 種芋の植え付けが10日間以上遅れたためか、芋が小さくて一株あたりの収量が 少ないです。植えた種芋の重さの3倍くらいの収量しかなさそうです。食味は 悪くありません。馬鈴薯は耕うん機に装着する馬鈴薯掘り取り機か鋤を使えば 効率よく収穫できるのですが、機械に投資するためにはそれ相応の栽培面積を 要します。しかし馬鈴薯は連作するとそうか病などの連作障害が出易いので、 殺菌剤や殺虫剤を使わない栽培では面積を増やすと数年で植える場所が なくなってしまいます。そのため今のところはほどほどの面積で栽培して、 一株一株鍬で掘り上げています。鍬で掘ることの利点は一株ごとの生育状況が よくわかることであり、次期用の種芋を選ぶのに好都合です。

12月17日(火)にお届けした野菜
甘藷(タマオトメ)、里芋(赤芽大吉)、馬鈴薯(普賢丸)、人参、 小松菜、大根の間引き菜、ピーマン、葉ねぎ(九条太)   (8品目)

秋作馬鈴薯収穫の写真 秋作馬鈴薯の収穫
馬鈴薯は水で洗うと腐りやすいので、芋にこびりついた土は 馬鈴薯の葉やボロ軍手などでこすり落とします。 土の水分が多い時は、こびりついた土がなかなか落ちないので 手間が多くかかります。
12月16日、ナ3


平成25年12月3日/旧暦十一月一日(火)

甘藷収穫終了

 甘藷(さつまいも)の収穫が11月30日に終わりました。今年の甘藷は 全て自給種芋から苗を育てて植えました。種芋から伸びたつるを切って苗として 植え付けました。苗を採取した後、新たに延びたつるをまた切って苗にする ということを繰り返して、5月末から7月始めにかけて4回に分けて植えました。 6月中旬迄に植えたものが良く育っており、7月の初めに植えた分は生育期間が やや不足して収穫量が少なかったです。甘藷は雨不足(乾燥)に強いとよく 言われますが、水分がないと枯れてしまいます。そのため土の水分が少ない時は 水を求めて根を地下深くまで伸ばします。植え付け直後は根の量が少ないので、 特にその傾向が強いと思われます。今年は梅雨の雨が早い時期に集中し梅雨明けが 早かったので、6月中旬以降に植えてしかも土が乾き易かった場所では、芋が 細長くなる傾向が見られました。芋が長いと鍬で掘る時に芋の下の方を鍬で 傷付けて出荷不適になる可能性が高くなります。野菜の栽培においては水はけが 良くてしかも保水性も高い土が求められますが、乾燥に強いと言われる甘藷も 特に生育初期においてその例外ではありません。

 小松菜は9月22日播種分が終わって、10月17,18日播種分の生育待ちと なっています。水菜は現在収穫中の分がなくなり次第終了です。チンゲンサイは 9月7日に播種してコオロギに食べられずに残ったごく少数の分を11月29日に 収穫してお送りしましたが、一回で一旦終了しました。小さめのものが少し 残っているので成長し次第収穫してお届けします。また10月3日播種、11月 2,4日定植の分が現在生育中です。タアサイはコオロギの食害による消失が多く、 お届けするとしても一回だけになりそうです。キャベツとはくさいはこれから 結球しようとしているところです。
 九条ねぎ(葉ねぎ)が生長してきたので、12月前半のうちに収穫・お届けを 始められるのではないかと見ています。馬鈴薯(じゃがいも)は12月中旬から 少しずつ収穫していく予定です。

12月3日(火)にお届けした野菜
甘藷(タマオトメ)、里芋(赤芽大吉)、人参 水菜又はタアサイ、紅心大根   (5品目)

水菜、小松菜の写真 水菜、小松菜など
コオロギ食害のため欠株多し
11月1日、春田283-1


平成25年11月15日/旧暦十月十三日(金)

窒素過多か? 里芋は失敗

 里芋の収穫を始めました。8月から9月にかけての頃にハスモンヨトウの 幼虫が多数発生して、里芋の葉の大部分を食べてしまいました。そのため これからいよいよ光合成産物を芋に貯えようという時期に葉が少ししかない状態に なりました。その後新たな葉が出てきましたが、損失を光合成によって充分に 取り戻すことはできなかったようです。親芋が通常の子芋くらいの大きさで、 子芋が通常の孫芋くらいの大きさです。食味は良いのですが、あまりに小さくて 一株あたりの収穫量も大変少ないので、あまり多くはお届けできません。
 里芋の葉にハスモンヨトウの幼虫が大量発生した原因は、直接的にはハスモン ヨトウの成虫のヨトウガ(夜盗蛾)が里芋の葉に多数産卵したからです。多数の 産卵を招いた根本原因は種芋植え付け時の元肥の菜種油粕の量が多すぎたこと による窒素過多である可能性が高いと推測しています。基盤整備田であるため 水はけが大変悪く、適切な時期に追肥をしようとしても土の水分が多すぎて追肥を 土に混和することができない可能性が高いと思い、元肥の量を多くしました。 元肥を控えめにしておいて仮に追肥ができなくて生育が少々劣っても、その方が まだましだったと思われます。来年は元肥を多くしないようにしたいと思います。

 甘藷(さつまいも)だけはたくさんありますが、里芋は少ないし小松菜と 水菜もあまり残っていません。チンゲンサイは早く蒔いた分がコオロギに 食べられて消えて、遅くに蒔き直した分は11月2,4日に定植したばかりです。 11月末までにお届けする野菜は何とか確保できても、12月にはどうなることやら 見通しの不透明な状況です。「テマヒマ」第二号に掲載されて何件か新規の 野菜宅配のご用命を頂きましたが、野菜が足りないので一件もお届けを開始 できず全部保留になっています。

11月15日(金)にお届けした野菜
甘藷(タマオトメ)、里芋(赤芽大吉)、ピーマン(タキイ交配 京みどり)、 伏見甘長唐辛子+小茄子、水菜、小松菜、人参の間引き菜   (7品目)

秋作馬鈴薯の写真 秋作馬鈴薯
収穫は12月の予定
11月6日、ナ3


平成25年11月1日/旧暦九月二十八日(金)

田畑輪換の効果か? 水菜・小松菜良好

 コオロギに食べられずに生き延びた小松菜や水菜が収穫期を迎えました。 10月下旬からお届けしている小松菜と水菜は、8月30日の大雨で水没して一旦は 秋冬野菜作付けをあきらめた口ノ里春田(クチノサト ハルタ)の圃場で育てた ものです。この圃場はそもそもは水稲を栽培する予定でしたが、田植え直前の 時期になって水稲作付け面積を年初の予定の半分に減らしたのに伴い、作目を 水稲から野菜に変更しました。そのため初夏から何回も耕して準備してきたので、 作物残さや草が充分に土に帰っていて亜硝酸態窒素がほとんど存在していないの でしょう。小松菜や水菜に発生し易いカブラハバチの幼虫が今のところごく少数 しかいません。昨年水稲を栽培して今年は畑にしたので、田畑輪換の良き効果が 表れた可能性もあります。コオロギの食害さえなかったら年末まで長期間に渡って たっぷりと食べて頂くことができたのに、コオロギに食べられて減ったのが残念 です。予想外に品質が良いので、今後も田畑輪換で二年に一回葉菜類を栽培する のも良いかも知れません。10月に台風による大雨で洪水が起きて水没したら葉菜類は どうなるか、という問題はありますがとにかく何年間か試行してみても良さそうに 思えます。

 枝豆の収穫とお届けは10月25日迄で終わりました。今年の枝豆は生育初期の 少雨のために株張りが小さく一株当たりの莢の個数が少なかったです。また、 せっかく着いた莢も中の豆の肥大が不調でした。これは10月8日に長崎くんちの 日程を順延させた台風24号の暴風で葉が多数吹き飛ばされたため、光合成の能力が 不足したことによると思われます。

 甘藷(さつまいも)は今のところタマオトメだけを収穫し、お届けして います。気温の低下に伴い、今後収穫する分は甘味が増してくるのではないかと 期待しています。なると金時は近日中に掘り始めて、11月下旬頃からお届けできる ようになる見込みです。

 里芋は8月から9月にかけての頃にハスモンヨトウの幼虫が多数発生して、 葉が大幅に減りました。そのためこれからいよいよ光合成産物を芋に貯えようと いう時期に葉が少ししかない状態になりました。その後新たな葉が出てきましたが、 損失を光合成によって取り戻すのにはしばらくかかるだろうと思い、収穫開始を 遅らせています。11月中旬頃には収穫を始めたいと思っています。

11月1日(金)にお届けした野菜
甘藷(タマオトメ)、ピーマン(タキイ交配 京みどり)、 伏見甘長唐辛子、水菜、小松菜、人参の間引き菜、 玉ねぎ、つるむらさき  (8品目)

大豆の写真 台風襲来前の大豆(枝豆)
10月3日、春田282-ロ


平成25年10月18日/旧暦九月十四日(金)

コオロギの食害

 ブロッコリーやキャベツ、蕪、大根などのアブラナ科野菜の幼苗をコオロギが 食べて消滅させてしまうという食害は、例年10月に入ると急減します。ところが今年は 10月上旬にも食害が比較的多く発生しました。夜の気温がなかなか低くならなかったのが 最大の原因だと思いますが、圃場によっては作付け準備が遅れたために未熟有機物が 土壌中に多く残存していたことも、コオロギを呼ぶ要因になった可能性があります。 8月30日の大雨を受けて急遽代替地として準備を始めた大屋中切(オオヤ ナカノキレ) の圃場がそれです。チンゲンサイ、はくさい、キャベツ、ブロッコリーの苗を大屋中切に 植えたところ、コオロギやネキリムシに食べられてチンゲンサイはほぼ全滅、キャベツと ブロッコリーも半分以上消滅しました。はくさいは比較的食害が少なく生存率が高いです。
 8月30日の大雨で水没して一旦は秋冬野菜作付けをあきらめた口ノ里春田 (クチノサト ハルタ)の圃場にも一部作付けすることにして直播栽培の野菜を播種した ところ、大根、水菜、タアサイ、小松菜、金町小蕪の一部がコオロギの食害を受けました。 こちらは早くから準備をしてきたので未熟有機物の残存はごく少なかったはずですから、 夜の気温が比較的高くて10月になってからもコオロギが活発に活動したのが原因でしょう。
 定植前の苗の苗床は防虫網でコオロギから守ることができますが、定植後や直播栽培の ものは面積が広いため防虫網は現実的ではありません。そのため定植時期を9月末か 10月初めにしたり、直播栽培の播種時期を秋分かそれ以降にしたりして、コオロギの食害を 防いできました。しかし今年はそのような対策があまり有効ではありませんでした。 10月になっても食害が発生したので、圃場の周囲に米糠入り水槽を配置してコオロギを 捕殺しました。食害が発生する前から米糠入り水槽を多数配置しておけば食害を減らすことが できたかも知れません。これが今秋の大きな反省点です。

 いずれにしても今年の冬はキャベツとブロッコリーが大幅に不足しそうです。夏は茄子が 不足したし、胡瓜も早く終わってしまい、冬はキャベツとブロッコリーが不足するというのは 甚だ困った事態です。猛暑や短時間集中豪雨や秋の高温化という傾向は来年以降も続く 可能性が大きいと思うべきでしょう。このまま今の形態の農業経営を続けることが妥当 なのかどうか、思案せざるを得ない状況です。

 枝豆の収穫を始めました。今年の枝豆は生育初期の少雨の影響で株張りが小さいです。

10月18日(金)にお届けした野菜
甘藷(タマオトメ)、枝豆(フクユタカ)、ピーマン(タキイ交配 京みどり)、 伏見甘長唐辛子、水菜又は小松菜の間引き菜、紅心大根の間引き菜、 玉ねぎ、つるむらさき、エンサイ  (9品目)

秋冬野菜の写真 口ノ里春田の圃場
手前から人参、大根、タアサイ、水菜、小松菜、金町小蕪など
10月21日、春田283-1


平成25年10月1日/旧暦八月二十七日(火)

鶏飼育終了、甘藷収穫開始

 8月30日の大雨で冠水してもピーマンや伏見甘長唐辛子、オクラ、つるむらさきの 枯れた本数は少数でした。しかし9月下旬からピーマンと伏見甘長唐辛子にヨトウムシ (夜盗蛾の幼虫)が多く発生し、果実に穴を開けるようになりました。大雨で根が弱って 虫が寄り付き易くなったのだろうと思います。ヨトウムシの食害が増えると収穫量が 減るので、ピーマンと伏見甘長唐辛子のお届けを休止することになる可能性があります。 8月末から休止している茄子のお届けをまだ再開できずにいるのに、ピーマンと 伏見甘長唐辛子も休止するようでは皆様に更にご迷惑をおかけして大変申し訳ありません。
 トマトと胡瓜は既に終了しているので、これで夏野菜はさっぱりという状況になって しまいました。せめてもの救いは甘藷(さつまいも)を例年より早くお届けできること です。5月31日に苗を植えたタマオトメを9月28日に少し収穫しました。植えたのが 早かったのと秋の日照時間が長かったことのおかげで、芋が順調に太っています。 収穫後10日間くらい経過すると甘味が増しておいしくなるので、仮に早期にお送り した場合は10月8日頃まで室温で保管してからご調理頂くのが良いと思います。
 春作馬鈴薯(じゃがいも)のお届けは終了しました。私自身は芽が出ても食味は 良いので芽を除去して食べれば良いと思うのですが、妻は芽が出た芋は出荷するべきで ないと強く主張します。そのため、鹿町町の隣の江迎町のスーパーマーケットの 地元農産物販売コーナーにせっせと出荷してさばきました。秋作馬鈴薯は今順次 地上に出芽しているところで、収穫は12月の予定です。

 餌の確保等の問題のために平成24,25年に新たなヒナを導入しなかったので、 ニワトリが年寄りばかりになって卵をほとんど産まなくなり産卵箱からの卵の回収数が 連日0だったので、卵のお届けを長期間にわたって休止しておりました。鶏舎のある 土地を返却することになったのを機にニワトリの飼育は一旦やめることにして、 9月26日に全ての鶏を鶏肉加工場に引き取って頂きました。従って、今後少なくとも 15か月間は卵のお届けはできません。卵をご購入下さっていた方にはご迷惑をおかけ して申し訳ありません。

 9月7日から13日にかけて播種して育てたキャベツ、ブロッコリー、はくさい、 ちんげんさいの苗を9月28日に定植しました。また、9月20日から26日にかけて大根、 蕪、小松菜、水菜、タアサイ、玉ねぎなどのタネをたくさん蒔きました。連日 水やりをして無事出芽しました。

10月1日(火)にお届けした野菜
ピーマン(タキイ交配 京みどり)又はにんにく、伏見甘長唐辛子、南瓜、 玉ねぎ、オクラ、つるむらさき  (6品目)

甘藷収穫の写真 甘藷(さつまいも)収穫
9月28日、ナ5


平成25年9月20日/旧暦八月十六日(金)

トマト終了、茄子休止

 8月30日に平成18年の台風13号直撃以来7年ぶりの記録的短時間豪雨が降り、 夏野菜栽培中の圃場も洪水に見舞われました。うねより高くあぜの高さまで冠水して 根元より上まで水没したので、ピーマンや伏見甘長唐辛子、オクラ、つるむらさきは 根腐れして枯れるのではないかと心配しました。こういう場合、雨が上がって晴天に なった時に枯れることが多いのですが、幸いにして雨が上がってから二週間経過しても 枯れた本数は意外と少なかったです。
 ちょうど上記の大雨の頃から茄子のお届けを休止しています。これは雨の影響と いうより8月の猛暑の影響だと思われます。葉ダニが発生して葉が落ちてしまい、 実がならなくなりました。枯れたわけではないので今後復活する可能性は残っています。
 トマトは大雨で冠水したせいかどうかわかりませんが大雨の頃にほぼ全数が枯れて しまいました。胡瓜はもっと早くに酷暑の中で枯れてしまったので、果菜類の中で まだ収穫が続いているのはピーマンと伏見甘長唐辛子とオクラだけです。

 馬鈴薯(じゃがいも)は以前一部の方からもっと多く欲しいとのご要望があった ので、今年の春作では多めに作付けしてたくさん収穫できました。しかし今度は 多すぎて余ってしまったので、鹿町町の隣の江迎町のスーパーマーケットにできた 地元農産物販売コーナーにせっせと出荷してさばきました。小さめのものは煮て ニワトリにやりました。うちのニワトリは年寄りになって卵をあまり産まなくなり、 産卵箱から卵を回収する頻度を減らしたら回収する前にニワトリが自分たちで卵を つついて割って食べてしまうようになりました。馬鈴薯やらつるむらさきやら エンサイやら南瓜やらと餌をたくさん食べて、産んだ卵も自分たちで食べています。 それでも足りなくて穀物を欲しがるので農協から飼料用の輸入大麦を買ってきて やっています。穀物価格の上昇と円安のために輸入大麦が値上がりして経費が かさむので、早く肉にして食べてしまわないといけません。しかし暑くて肉など 食べる気になりません。

 9月6日から13日にかけて人参、キャベツ、ブロッコリー、はくさい、 ちんげんさいのタネを蒔いたり、秋作馬鈴薯(じゃがいも)の種芋やセット栽培 玉ねぎのセット球を植えたりしました。9月23日の秋分の頃には大根、蕪、小松菜、 水菜、タアサイなどのタネをたくさん蒔きます。

9月20日(金)にお届けした野菜
ピーマン(タキイ交配 京みどり)、伏見甘長唐辛子又はにんにく、馬鈴薯(普賢丸)、 玉ねぎ、オクラ、南瓜、つるむらさき、エンサイ、穂紫蘇  (9品目)

秋冬野菜散水の写真 葉ねぎを植えたり、
大根を播種したり
したところに散水中。
9月27日、ナ3


平成25年9月3日/旧暦七月二十八日(火)

7年に1回の大雨

 8月23日以降秋雨前線や台風の影響で雨が降るようになりました。野菜への 水やりは23日以降休止しています。

 秋雨前線が朝鮮半島から九州へと南下してきた8月25日には、大雨で水路があふれて 人参や大根、キャベツ、ブロッコリーなどの秋冬野菜を育てる予定だった口ノ里春田 (クチノサト ハルタ)の圃場(春田283-1)が水没しました。人参用として作って あったうねの上面まで完全に冠水しました。春田283-1は田を畑として使う転作田 であり、大雨洪水警報が発表されて降水量が100mmを超えるくらいの大雨が降ると 洪水になることがわかっていたのですが、畑として使うために周囲に排水用の溝を 掘って、更に高うねを立てれば野菜栽培に使えるだろうと見ていました。しかし 残念ながら8月25日の雨でその判断が誤りであったことが判明しました。上流からの 水の流入量は二か所の排水口からの排水能力をはるかに超えていました。せっかく 米糠と自給鶏糞を混ぜ込んでおいたのですが、春田283-1での秋冬野菜栽培は諦めざるを 得なくなりました。
 口ノ里の隣の大屋地区の中切(ナカノキレ)の転作田を急遽 代替地として準備することにしました。今年こそは8月中に人参のタネを蒔くことが できると思っていましたが、結局今年も9月にずれ込みました。

 8月30日(金)には秋雨前線が対馬海峡付近に停滞していたところに南の台風15号 から暖かく湿った空気が流れ込んで、25日よりも激しい大雨が降りました。 この雨では春田283-1が再び水没しただけでなく、 25日には水没しなかった夏野菜栽培中の圃場(春田276-イ)も洪水に見舞われました。 春田276-イも転作田ですが、基盤整備により上流からの水が容易には圃場内に流入 しない構造になっています。ところが30日の大雨はあまりに時間雨量が多かったために 上流からの水が圃場内に流れ込んで、あぜの高さまで冠水しました。茄子と里芋は 一時的冠水で枯れはしないと思いますが、ピーマンや伏見甘長唐辛子、オクラ、 つるむらさきなどは根腐れして枯れる可能性があります。その場合、雨が上がって 晴天になった時に枯れることが多いです。今回は冠水の後ずっと雨続きなのでまだ 結果は明らかになっていません。
 8月30日の大雨は当地では2006(平成18)年9月17日の台風13号直撃以来であり、 この14年間ではその台風13号の豪雨に次ぐ二番目の記録的短時間豪雨だったと 思われます。当地での雨量は測定用の缶からあふれてしまい測定できませんでしたが、 近隣の松浦や平戸の雨量から推測すると300ないし400mmだったと思われます。 春田276-イは今後野菜栽培の主力圃場として利用していく予定でしたが、 7年に一回の大雨で冠水するとなると計画の見直しが必要になりそうです。

9月3日(火)にお届けした野菜
ピーマン(タキイ交配 京みどり)、伏見甘長唐辛子、馬鈴薯(普賢丸)、玉ねぎ、オクラ、 つるむらさき、エンサイ、モロヘイヤ  (8品目)

春田276-イ洪水の写真 洪水の様子
8月30日、春田276-イ


平成25年8月16日/旧暦七月十日(金)

高温少雨の日々

 戻り梅雨のような気象状況になって山口や島根で水害が発生した7月26日から 8月1日にかけても、当地では雨は降りそうで降りませんでした。しかし戻り梅雨の 最終盤の8月2日から5日にかけてようやく降ってくれました。当地の雨量は166mmでした。 たっぷりの量ですが、梅雨明け発表の二日前の7月6日に101mm降って以来、8月1日迄の 26日間の雨量がわずか1mmだったので大地がカラカラに乾いていて、8月2〜5日の166mmの 雨は大部分が土に吸収されたようです。雨の後も川の水量や湧き水の量はあまり増え ませんでした。その後10日間くらい経過して、川や湧き水の水量は8月1日以前と同じ くらいにまで減少しました。
 今のところは潅水チューブによる水やりを何とか続けることができていますが、 雨の降らない日々が更に続くと圃場によっては水源が枯れてしまうかも知れません。 その時は、圃場の地面よりもある程度以上高いところにある水を落差を利用して 自然流下で引き込むという現在の方法では使えずにいる分の水を、エンジン付きの ポンプで汲み上げて使おうと思っています。燃料と手間暇が余計にかかりますが、 そんな状況はそう長くは続かずにいずれ雨が降ってくれるでしょう。

 一時は収穫量が多すぎて困ったくらいだった胡瓜の収穫期がほぼ終わりました。 酷暑で株が弱ったようでウリバエが多数発生し、今週前半までで終わってしまいました。

 循環農法の師匠である赤峰勝人先生の講演が8月10日に佐世保玉屋でありました。 私(太一)は当然行くつもりで楽しみにしていましたが、当日の朝にする予定だった 水やりの作業が難航して終わらず、他にも遅れている仕事がたまっていたので講演に 行くどころではないと思い、妻(克子)に一人で行ってもらいました。
 翌日は赤峰先生をお迎えしての圃場見学会が佐世保市内であり、それには参加しました。 茄子の整枝方法などについてご指導を頂きました。しかし一番の効用は赤峰先生の氣を 直接受けるということだったのだと思います。こうして時々は直接師匠にお会いして 薫陶を受けることが大切なのだと克子が力説してくれました。

8月16日(金)にお届けした野菜
茄子(タキイ交配 長者)、中玉トマト(サカタ交配 シンディースイート)、 ピーマン(タキイ交配 京みどり)、伏見甘長唐辛子、馬鈴薯(普賢丸)、玉ねぎ、オクラ、 つるむらさき、エンサイ又はモロヘイヤ、エゴマの葉  (10品目)

甘藷の写真 甘藷(さつまいも)
8月19日、ナ5
雨不足のため、甘藷にも時々水やりをしています。


平成25年7月26日/旧暦六月十九日(金)

水やり

 梅雨明け発表の二日前の7月6日に101mm降って以来、7月25日迄の19日間に降った 雨はわずか0.5mm弱でした。実質的には全く降っていないと言って良い状況です。その間 晴天が続いて連日強烈な太陽光が降り注いだので、土はカラカラに乾きました。 7月13日から25日迄は潅水チューブを使って昼夜連続で野菜への水やりを続けました。 潅水チューブというのは薄い合成樹脂で作られた長い筒に10cmくらいの間隔で0.03mmの 穴が開いているものです。これに直径15mmのホースで給水して穴から水を噴出させます。 秋や春にはスプリンクラーを使いましたが、今回夏野菜を植えている主な圃場は取水場所 からの高低差が小さいため水圧が確保できず、スプリンクラーを使うためにはポンプが必要 である上、夏野菜には背丈の高いものが多くてスプリンクラーよりも潅水チューブの方が 都合が良いので、潅水チューブを使っています。水源は上の農地から流れてくる水路や川 なので水に細かい土の粒子が混入しており、潅水チューブの穴が徐々に詰まります。そこで 一日に二回くらい給水ホースから潅水チューブを外して溜まった泥を水と一緒に排出します。 これを何か所もするので水やりには手間暇がかかります。しかしそれでも給水量が雨には 到底かなわず、何とか枯らさずに維持しているという感じです。しかも、南瓜や甘藷(さつまいも) などにまではなかなか水やりをすることができず、南瓜はかなりの収量減となりそうです。 甘藷もあまりに水が不足すると葉の枚数が増えないので、その結果収量が減ります。ちなみに 仮にポンプとスプリンクラーを使うならば、スプリンクラーの移動や一時間半毎のガソリン補給 が必要であり、やはり水やりには手間暇がかかります。
 今日26日は梅雨前線の再来(朝鮮半島から南下)に伴い雷雨の可能性があるということ なので、突然の大雨に備えて水やりを停止しています。潅水中に大雨が降ると送水用のホースや 潅水チューブに泥水が入って詰まる恐れがあるからです。今日どの程度の量の雨が降って くれるのかわかりませんが、もし不発であれば28日(日)にも再び梅雨前線が今度は朝鮮半島 へと北上する途上で通過するらしいので、その時に期待したいと思います。その時にも降らなければ、 もう梅雨前線は来ないでしょうからひたすら水やりでしのぐしかありません。

7月26日(金)にお届けした野菜
胡瓜(タキイ交配 青涼白いぼ)、茄子(タキイ交配 長者)、中玉トマト(サカタ交配 シンディースイート)、 ピーマン(タキイ交配 京みどり)、伏見甘長唐辛子、馬鈴薯(普賢丸)、玉ねぎ、オクラ、 つるむらさき、エンサイ  (10品目)

灌水チューブによる水やりの写真 灌水チューブによる水やり
7月31日、春田282-ロ、大豆(枝豆)


平成25年7月12日/旧暦六月五日(金)

梅雨明け

 梅雨入りしたものと見られるという気象台からの発表が平年より約10日早かった のに続いて、梅雨明けしたものと見られるという発表も平年より11日早く7月8日に なされました。旧暦では六月一日でした。梅雨明けの発表と同時に早速猛暑が訪れました。 特に8、9日は身体がまだ蒸し暑さに充分慣れていなかった影響もあってか、水分をたくさん 摂ったつもりでも小便が少ししか出なかったり、頭痛がしたり全身の疲労を感じたりしました。 熱中症の前段階である「かくれ脱水」になりかけていたか、若しくはなっていたと思います。

 梅雨の間に農地の中も外も草だらけになったので、梅雨明け後の最初の主たる仕事は 草払いです。エンジン駆動の刈払機で刈り払います。妻の克子の場合は排気ガスが比較的臭くない 4サイクルガソリンエンジンの刈払機を使いますが、振動のために1時間くらい使うと手がしびれる と言って休憩します。私(太一)の場合は長時間使うことが多く石垣の上の方まで刈払機を掲げて 使うことも多いので、排気が臭い代わりに重さが比較的軽い2サイクルエンジンの刈払機を使っており、 手のしびれはない代わりに時々排気ガスで気分が悪くなります。今の時期は一日3時間くらいは 刈払機による草払いをしないと、梅雨の間の草払いの遅れを取り戻すことができません。梅雨明け 直後の8、9日は気温の高い午後にも草払いをしたのが、体調に大きく影響したと思います。 10、11日は草払いを午前中に限定したところ、8、9日のような気分の悪さには見舞われずに済み ました。

 今日は野菜の収穫と荷造りが中心ですが、明日からは草払いに加えて土を耕す作業を しないといけません。まずは胡瓜の第四陣を植える予定の場所や甘藷(さつまいも)のうね間に 草が多く生えてしまったので、胡瓜予定地を再び耕してうねを作り直したり、甘藷のうね間を 中耕したりします。その次は8月に人参を播種する場所や9月から大根などを育てる場所を耕して 準備します。秋冬野菜を植える場所の準備のための耕起や耕うんの作業は、梅雨明け直後から 8月にかけての最も暑い時期にすることになるので、排気ガスと土煙と汗の混じったものが目に 流れ込んで毎年結膜炎のような症状に悩まされます。一旦それが発症すると秋に涼しくなるまで 治らないので、今年はできることなら発症せずに済んで欲しいと切望しています。そのために 耕うん作業は午前中に限定したいと思っています。

 夏野菜の収穫が本格化しつつありお届けしたい野菜の種類と量が増えたので、 今週(7月9、12日)は中身価格を通常の1,500円ではなく1,700円にさせて頂きました。 7月16、19日もお届け量が1,500円分より多くなる可能性があります。が、キャベツが今週で 終了したので1,500円に収まるかも知れません。

7月12日(金)にお届けした野菜
胡瓜(タキイ交配 青涼白いぼ)、茄子(タキイ交配 長者)、中玉トマト(サカタ交配 シンディースイート)、 ピーマン又は伏見甘長唐辛子、キャベツ(タキイ交配 初夏のかほり)、馬鈴薯(普賢丸)、玉ねぎ、オクラ、 さやいんげん(ケンタッキー101)、つるむらさき又はモロヘイヤ又はエンサイ  (10品目)

採種用人参の写真 種子のできた人参の花
日数が経過すると種子が自然に落下してしまうので、完熟した花から順次早めに採取(採種)します。
7月12日、セ7


平成25年7月2日/旧暦五月二十四日(火、半夏生)

「ばっかり食い」について

 当農園は露地野菜を多品目少量栽培して、食べて下さる方々に長期間に 渡って継続して直接販売するのが本業です。年ごとにいずれかの野菜が不作 ですが、その代わりに何か別の野菜が豊作で補ってくれます。梅雨の時期は 冠水や過湿の影響があります。野菜(正確には蔬菜)の多くは明治以降に 西洋から渡来したものであって、梅雨が苦手なので梅雨の影響はある程度 仕方のないことです。一昨年は春作馬鈴薯(じゃがいも)が大雨で冠水して ほぼ全滅しました。昨年はズッキーニが湿害で全滅して収穫皆無、胡瓜も 湿害で不調でしたが、代わりにさやいんげんや玉ねぎ、馬鈴薯が良くできました。
 それに対して今年はズッキーニも胡瓜もさやいんげんも馬鈴薯も良くできました。 玉ねぎは昨秋の育苗が不調で定植した本数が少なかったですが、それなりの収穫物を 得ることができています。また、冬の寒さが厳しかったことの影響で収穫期が後ろに ずれ込んだキャベツがまだ収穫できています。これだけ皆揃って良くできるのは 珍しいことです。但し春蒔き人参が湿害で腐ってほぼ全滅に近い状況です。 今回の人参は水はけの特に悪いところに植えたわけではなかったので、予想外の 被害です。人参は栽培に特に手間暇がかかっているので大変残念です。

 人参以外の野菜がよくできているので、6月はお届けできるものを全部お入れ すると野菜セットの量が多くなりすぎる状況となりました。鮮度がすぐに低下する いんげんやズッキーニ、胡瓜などのお届けを優先した結果、玉ねぎや馬鈴薯、 にんにくのようにしばらく保存できる野菜は、お届け開始を延期しました。 たくさん食べて下さる方には中身価格1,500円という通常の枠に縛られず、 一回当たり2,000円分くらいお届けすれば馬鈴薯も玉ねぎも収穫後速やかに お届けすることができましたが、多すぎると困るという方もおられると思うので 今のところ増量はせずにいます。
 ズッキーニや胡瓜やいんげんの収穫量が多い時にもお届け量は少なめに抑えて、 馬鈴薯や玉ねぎを入れて欲しいと思われるかも知れません。商業的にはそれが普通 でしょう。しかし有吉佐和子さんの「複合汚染」やレイチェル・カーソンの 「沈黙の春」から衝撃を受けた消費者の働きかけによって発展した現代日本の 有機農業では、農家が自分で食べるものと消費者に販売するものを別々にしない というのが基本です。折々の自然条件の下で大自然から与えられた食物をいただく という姿勢でいるならば、豊作のものを一時的に「ばっかり食い」するのが自然な 食べ方だと思います。ズッキーニや胡瓜やさやいんげんを「ばっかり食い」すると 言っても、それがずっと続くわけではなくてほんの一時のことです。その時々の 旬のものを食べて、年間を通してみればちゃんとバランスが取れるのではないで しょうか。

7月2日(火)にお届けした野菜
キャベツ(タキイ交配 初夏のかほり)、中玉トマト(サカタ交配 シンディースイート)、 胡瓜(タキイ交配 青涼白いぼ)、さやいんげん(ケンタッキー101)、 大根(タキイ交配 おはる)、馬鈴薯(普賢丸)、 茄子又はピーマン又は伏見甘長唐辛子又はニンニク、 モロヘイヤ又はツルムラサキ又はエンサイ  (8品目)

胡瓜の写真 胡瓜の支柱栽培
青色の網はカラスからの防御用
6月16日、セ9


平成25年6月14日/旧暦五月六日(金)

ズッキーニの収穫最盛期

 平年より約10日も早く梅雨入りして当惑していたら、ちゃんと早速 梅雨の中休みがありました。いかにも梅雨の中休みらしい空模様で、晴れたり 曇ったり少し雨が降ったりと一日の中でも目まぐるしく天気が変化します。 そんな中で裸麦、小麦、玉ねぎの収穫を済ませて、次は馬鈴薯(じゃがいも) 収穫です。ただ、雑草が生えて生長するのも大変速く、あっという間に あちこちが草だらけになるので、無力感にさいなまれがちでもあります。

 梅雨入りによって収穫が終わるのではないかと心配していたズッキーニは、 枯れたり弱ったりする株がありながらも、梅雨の中休みのおかげで延命して 収穫を続けることができています。それでも株数が減っているので収穫量は 徐々に減ると思います。今年のズッキーニは果実の色が緑色の「ダイナー」と 黄色の「オーラム」の二種類を計54株植えました。ズッキーニは雌雄異花なので、 毎朝8時頃までに雄花の花粉を雌花の柱頭にこすりつけて授粉して(受粉させて) います。ズッキーニの花は一日でしぼみます。晴天の日には午前10時頃には しぼんでしまいます。日々開花する雄花と雌花の数の比が1:1とか1:2くらい であればちょうど良いのですが、実際には日によって雄花が多かったり雌花が 多かったりします。雄花ばかり咲いて雌花が咲かないと果実ができないので 収穫量が減って困りますし、逆に雌花がたくさん咲いて同じ日に雄花が少ししか 咲かないと、花粉が不足してせっかく咲いてくれた雌花に授粉できない可能性が あります。ズッキーニと同じウリ科の南瓜や胡瓜、ニガウリ、へちまは昆虫による 受粉がうまくいくので人手による授粉は不要ですが、ズッキーニは経験上 人工授粉してやらないとあまり結実しません。

 ズッキーニに続いて胡瓜とさやいんげんも収穫期を迎えました。今週から お届けします。
 甘藷(さつまいも)の苗が今年は順調に育ったので、昨年よりも早く植え付けを 始めることができました。なると金時とタマオトメの種芋計42本からこれまでに 累計270本の苗を採取して植えました。

6月14日(金)にお届けした野菜
キャベツ(タキイ交配 初夏のかほり)、ズッキーニ(オーラム、ダイナー)、 胡瓜(タキイ交配 青涼白いぼ)、さやいんげん(初みどり2号)、大根(タキイ交配 おはる)、 いちご(ハートアクア)、リーフレタス、 オカノリ又はスイスチャード  (8品目)

南瓜の写真 ミニ南瓜(ほっこり姫)
6月10日、ナ7


平成25年5月28日/旧暦四月十九日(火)

早くも梅雨入り

 九州北部が梅雨入りしたものと見られると5月27日に気象台が発表し、翌28日に 76mmというたっぷりの量の雨が降りました。5月は雨が少なかったので恵みの雨です。 恵みの雨はありがたいのですが、同伴してきた南寄りの強風によって13日前に定植した南瓜の 苗58本のうち6本が根元から千切れて吹き飛ばされてしまいました。9割弱が吹き飛ばされずに 残ったのは幸いだったと思うことにします。
 晴天が続いていた間は水やりをしたりこれから作付けする予定の場所を耕したりで 忙しかったですが、雨が降ったら今度は野菜や草の生長が速くなるので、野菜の手入れや 草刈りに追われることになります。梅雨を控えて晴天が続いている間に済ませておきたい ことを優先してやってきた結果、雨の直後でもできるような仕事が公私共に後回しになって たくさんたまっているので、それも片付けないといけません。多品目栽培の有機農業に 農閑期はなく一年中忙しいですが、その中でも新暦5月は最も忙しいと言えそうです。

 10月にタネを蒔いたキャベツは冬の寒さが厳しかったため予定より1か月遅れて 5月14日に収穫開始となりました。外側に蛾の幼虫がいるので外側の葉を取り除いて 結球部だけをお届けしていますが、結球部に幼虫が入り込んでいる場合もあります。 幼虫が残っていた時はご迷惑をおかけしますが取り除いて下さい。
 キャベツと同じ10月に播種したそら豆も5月14日に収穫開始となりこちらは昨年と ほぼ同じでしたが、晴天続きのためか種実の熟すのが早まったようで、完熟種子に なる前の青果としてのそら豆は昨年より一週間早く5月28日にほぼ収穫終了となりました。 取りそびれて完熟種子になろうとしている豆がたくさんあります。かつては完熟そら豆を 大豆の代わりに味噌の材料として使ったこともありましたが、そら豆の味噌は味にクセが あって大豆の味噌の方がおいしかったので、もう作らないと思います。
 うどん用の小麦と味噌用の裸麦は穂が出るの(出穂)が例年 より半月遅れとなりました。また、例年は小麦よりも裸麦の方が早く出穂するのですが、 今年は逆に小麦の方が早く出穂しました。冬の寒さが厳しかったことの影響でしょう。 しかし出穂後は本格的な梅雨の前に完熟に至るべく、麦が登熟を急いでいるように見え ます。種子である麦の粒に一生懸命養分を送り込んで遅れを取り戻そうとしている様子が、 麦の穂の色の変化から読み取れます。梅雨入りの発表が平年より一週間以上早かったので 梅雨入りには間に合いませんでしたが、当農園の麦秋到来は間もなくです。

 3月に育苗ハウス内の踏込み温床上で播種して育ててきた果菜類の中で、最初に 収穫に至ったのはズッキーニです。5月28日に初収穫となりました。ズッキーニは南瓜の 仲間でつるなし南瓜とも言えますが、食味は南瓜よりもあっさりしていて自己主張が少ない ので、他の野菜と一緒に調理するのに適していると思います。
 スナップえんどうはそら豆より少し早く5月24日にほぼ収穫終了となりました。 グリンピースは残念ながらカラスに食べられて全滅しました。カラスが豆を食べた後の カスとなった莢がうね間通路に落葉の如く敷き詰められた状態になりました。側面と天面を 防鳥網で囲っていましたが網の隙間から侵入して食べ放題でした。皆様にお届けできなくて 申し訳ありませんが、昨秋からのグリンピースに関わる仕事が全て無駄に終わったのも残念 です。しかしカラス害に限らず虫が大量発生して野菜が収穫不能になることに慣れてしまって、 潔く諦めることができるようになっているのは良くないことだとも思います。 人生において忍耐と寛容とあきらめが大事だと思いますが、収穫への執念というものが ある程度は必要かも知れません。ちなみにそら豆はえんどう豆ほどにはカラスの好物では ないようで、網と釣り糸でほぼ100%守ることができました。

5月28日(火)にお届けした野菜
キャベツ(タキイ交配 初夏のかほり)、そら豆(さぬき長莢)、ズッキーニ(黄・緑)、 小松菜、大根、小蕪、スイスチャード、人参の間引き菜  (8品目)

ズッキーニの写真 収穫開始2日前のズッキーニ
5月26日、セ9


平成25年5月10日/旧暦四月一日(金)

旧暦四月、初夏

 3月にタネを蒔いた小松菜、小蕪、大根が収穫できるようになりました。 人参は間引きや草取りをして現在生育中です。馬鈴薯(じゃがいも)は4月27,28日に 中耕と土寄せをしました。
 10月にタネを蒔いたキャベツは結球途上であり来週から収穫できそうです。冷涼な 気候を好むキャベツにとってはあまり快適ではない時期に入りつつあり、腐れ病の発生が 散見されます。現代の慣行農法では防除と称して殺菌剤を散布して対処しますが、 当農園は農薬と化学肥料を使わない有機栽培なので殺菌剤は使いません。水はけの悪い 場所を避けて植えたのですが、水はけの悪い場所に近いので畝をもっと高くしておくべき だったのかも知れません。
 えんどう豆は残念ながらカラスによる食害が始まりました。天面と側面を網で囲って いますが、少しの隙間から侵入して中を歩き回ってちぎって食べています。新たに釣り糸を 張りましたが、カラス対策に費やすことのできる時間には限りがあるので完全な防御には なかなか至りません。今年は比較的よく育っているので、カラスに少し食べられながらも 何とか逃げ切ってある程度収穫できることを願っています。そら豆も同様です。

 大型連休は私たちの仕事には関係ありませんが、連休で世間の日常の慌ただしさが 一時的に止まっていると気分的に少しだけ楽でした。当地では連休後半は晴天が続いて、 南瓜や甘藷(さつまいも)やその他の夏野菜の栽培予定地を耕す作業には好都合でした。 その半面生育中の野菜に水やりをしないといけなくなり、水やりに手間暇を費やすことに なりました。ですから晴天が続くと大変忙しいです。
 3月に伐採したダンジュクが2か月経過して乾いたので、5月2日に焼却しました。灰は ミネラル源として南瓜栽培予定地の土に混ぜ込みました。
 育苗ハウスの中でトロ箱に伏せ込んで根と葉を出させた甘藷(さつまいも)の種芋を、 5月4日に露地の苗床に植え付けました。種芋をカラスに食べられないように網で厳重に 守っています。苗床でつるを伸びさせて、苗として使います。
 育苗ハウス内の踏込み温床上でタネを蒔いて育ててきた夏野菜の苗のうち、胡瓜第一陣、 ズッキーニ、南瓜第一陣、トマトを4月28日から5月9日にかけて露地の圃場に定植しました。 大型連休後半から5月9日にかけて当地では安定した晴天に恵まれて比較的穏やかな天候 だったので、温室から外に出されて環境が激変する苗たちにとっては好都合でした。

5月10日(金)にお届けした野菜
小松菜、大根、小蕪、スナップえんどう又はスイスチャード、甘藷(なると金時)、 里芋(赤芽大吉)、緑米の玄米餅  (7品目)

胡瓜の写真 定植9日後の胡瓜
5月8日、セ9


平成25年4月23日/旧暦三月十四日(火)

露地栽培の蔬菜の端境期

 いよいよ露地野菜の端境期に入りました。アブラナ科野菜の「とう」、ブロッコリー、 人参に続いてキャベツと大根も先週で終わりました。収穫末期となった先週のキャベツと 大根は調理方法によってはスジが残って食べにくかったかも知れません。ぎりぎり大丈夫と 思ってお送りしましたが、ご迷惑をおかけしたかも知れません。スジのあるキャベツや大根 よりも、味に独特のクセのある旬のフキの方がよほどおいしいと思います。
 スジのない新しいキャベツは昨年10月に播種したものが例年なら4月前半から収穫できるの ですが、冬の寒さが厳しかったことの影響で今年はまだ結球が始まったところです。 スナップえんどうとそら豆は若い莢が現在徐々に肥大中です。そして、いちごが少しずつ赤く なってきました。えんどう豆、そら豆、いちごをカラスに盗られないよう今週の初めに防鳥網を 張り巡らせました。但し当地のカラスは非常にしぶといので、網のわずかな隙間から侵入される 可能性もあり、引続き警戒が必要です。

 「野菜」というのは本来野草や山菜のことであり、栽培種は正式には「蔬菜」(そさい)と 称します。前述の端境期というのは露地栽培の蔬菜の端境期です。本来の意味の(狭義の)野菜は 今、フキやヨモギやタケノコが旬ですから端境期ではありません。私たちが皆様方にお届けする ことが期待されているのは狭義の野菜ではなく蔬菜だと思うので、なるべく蔬菜を途絶えることなく お届けしたいと思っています。しかしながら今の時期は露地栽培の蔬菜の端境期なので、フキや タケノコなどの狭義の野菜によって蔬菜の不足を補わせて頂きます。また、それでも不足する場合は 米、雑穀、豆などの穀類で補わせて頂きます。ご迷惑をおかけしますが、ビニールハウスや広域の 流通のなかった昔の日本人の食生活に一時的に近付くのだと解釈して、何卒ご了解のほどお願い 申し上げます。なお、今週お届けするオカノリは狭義の野菜ではなく栽培種の蔬菜です。

 蔬菜の収穫は端境期ですが、植物の生育はこれから旺盛になろうとしているところです。 いよいよ草(雑草)が盛んに伸び始めます。場所によっては既に今年二回目の草払いをしました。 これから10月まで草対策に追われる日々が続きます。木々も新たな葉を出し始めており農地周辺の 山林の緑色が鮮やかになってきました。正に新緑の色です。葉が出るということは枝も伸びると いうことであり、木も竹も到底切り尽くせないほど豊富に増殖します。日本は化石燃料や鉱物資源は 乏しくても、太陽光と水によって生じるバイオマスという資源には非常に恵まれており無尽蔵に近いと つくづく思います。バイオマスエネルギーの効率的な利用法は決して農作物からアルコールを作ること ではなく、山林に勝手に生えてくる木や竹を炭にして燃料として利用することだと思います。

4月23日(火)にお届けした野菜
甘藷(なると金時)、馬鈴薯(普賢丸)又は里芋(赤芽大吉)、小松菜、オカノリ、フキ、 タケノコ、黒米  (7品目)

えんどう豆の写真 えんどう豆の周囲に防鳥網を設置しているところ
4月21日、ナ9


平成25年4月6日/旧暦二月二十六日(土)

夏野菜の育苗開始

 3月5日付以来一か月ぶりのお便りです。二週間に一回書くのを基本にしていたのに、 二週間以上怠っていました。その間農作業は亀の歩みの如く進めておりました。

 2月25日の人参播種に続いて、3月7,8日に馬鈴薯(じゃがいも)の種芋を植え付けました。 そして3月9日から12日にかけて小松菜、蕪、リーフレタス、大根、スイスチャード、 セット栽培用玉ねぎなどのタネを蒔きました。タネの分は既に出芽して生育中です。 馬鈴薯は今順次地上に出芽中です。
 3月23日に育苗用の小型ハウスを設営しました。その中の踏み込み温床の上で夏野菜の 苗を育てます。これまでに胡瓜、ズッキーニ、南瓜、トマト、茄子、ピーマンなどが出芽し、 胡瓜、ズッキーニ、南瓜は4月4日に9cmのポリポットに一株ずつ鉢上げしました。甘藷 (さつまいも)は土を入れたトロ箱に種芋を伏せ込んで、葉が出るのを待っています。

 こうして春からの野菜栽培は着々と進んでいますが、一方で昨年から育ててきた野菜の 収穫が徐々に終わりを迎えて、これからしばらく野菜の種類の少ない時期です。 新暦4月は露地野菜の端境期なのです。この時期は野菜の代わりにワラビやフキや種々の 野草や筍が食べられます。そういうものを食べて、汗をあまりかかない冬の間に体内に溜め込んだ 毒を排泄するようにという、大自然の素晴らしい仕組みなのだと思います。
 露地野菜の端境期である4月に収穫できる数少ない野菜として、アスパラガス、 えんどう豆類、そら豆、10月播種のキャベツがあります。えんどう豆類とそら豆は 現在開花中、10月播種のキャベツはこれから結球を始めつつあるところです。いずれも 収穫までもうしばらくかかります。アスパラガスは多年性ですが昨年まで育てていた場所が 草だらけになって適切な栽培管理ができなくなったので、今年から栽培場所を変えました。 残念ながら今出てきている芽はひょろひょろの細いものばかりで、収穫できるのは来年から となりそうです。
 3月にお届けしたキャベツ、ブロッコリー、アブラナ科野菜の「とう」、人参は収穫時期が ほぼ終わりました。キャベツは小さいのがまだ少し残っているのでそれがある間はお届け しますが、結球部が裂けて「とう」が立ってきたら終了です。大根はとう立ちの遅いF1品種が まだ収穫できていますが、「成味2号」は4月5日で終了し9日からは「大吉」をお届けします。 これもとうが立ってきたら終了です。

4月5日(金)にお届けした野菜
甘藷(なると金時)、馬鈴薯(普賢丸)、ブロッコリー、キャベツ、 大根、ねぎ坊主、人参、玉ねぎ  (8品目)

鶏糞施用の写真 胡瓜栽培予定地に自給鶏糞堆肥を施用
小型のクローラ(無限軌道)運搬車で5杯分(約1.6立米)運び込んで、スコップで全面に 散布してから耕うん機で混ぜ込みました。
3月29日、セ9


平成25年3月5日/旧暦一月二十四日(火)

春作の野菜栽培開始

 2月25日に人参のタネを蒔きました。土の水分が多めであまり良い条件ではありません でしたが、翌日はまた降雨が予想されていたので決行しました。 人参に続いて蕪や小松菜や 大根などのタネを蒔く予定の場所に草が生え始めていたので、草を抑制し油粕などが土に帰るのを 促すために同じく2月25日に耕うんしました。できれば馬鈴薯(じゃがいも)の種芋植え付けも したかったのですが、時間の制約のためあきらめました。その後2月26日と3月1日にたっぷりの量の 雨が降ったため、馬鈴薯の植え付けはまだできていません。3月10日頃迄は雨は降りにくいとの予報 なので、晴天のおかげで土が適度に乾いてくれて3月10日迄に植えることができることを願っています。

 3月3日にダンジュク伐採をしました。佐世保市内から駆けつけてきて加勢して下さった方も 一人おられて大変助かりました。伐採してその日のうちに焼却し、灰を野菜のミネラル源として 活用する予定でしたが、竹や木に比べて燃えにくくて焼却ははかどりませんでした。4月まで放置して 乾いてから焼却したいと思います。ダンジュクは伐採に手間暇がかかる上、焼却も容易ではなくて 実にたちが悪いです。
 2月中旬以降、木の伐採と焼却もしています。降雨後の数日間、土の水分が多くて耕したりうねを 作ったりする作業ができない時に、風が強くなければせっせと伐採、焼却をしています。農地に日陰を 作っている木々を切って燃やし、灰は野菜のミネラル源として活用します。木はダンジュクと違って 伐採当日でもよく燃えます。その代わり木は一本一本が大きくて重いので、これもまたなかなか はかどりません。

 週間天気予報によると3月7日頃から最高気温が摂氏20度くらいまで上がるようです。 暖かくなるとブロッコリーが急激に肥大してそのまま速やかに開花へと向かっていくので、収穫適期が 大変短くなります。暖かさは適度な、ほどほどのものであって欲しいです。

3月5日(火)にお届けした野菜
甘藷(なると金時)、馬鈴薯(普賢丸)、ブロッコリー800g、キャベツ、 アブラナ科野菜のとう(はくさい、小松菜、ちんげんさい、タアサイ、水菜)、 人参  (6品目)

裸麦・小麦の写真 裸麦(左)と小麦(右)
管理機による中耕と土寄せを終えたところ。
3月9日、セ2


平成25年2月15日/旧暦一月六日(金)

ブロッコリー、キャベツようやく収穫開始

 2月1,2両日、最低気温が摂氏10度を上回る季節外れの暖かさでした。そのためブロッコリーの 蕾が一気に肥大し、突然収穫時期が到来しました。2月5日に初収穫でいきなり600gずつという多めの量を お届けしました。2月7日以降は再び寒い日が続いているので、ブロッコリーの蕾の肥大はあまり進まず 落ち着いた状態となっており、今週のブロッコリーの収穫量は先週よりも少なくなっています。
 12月収穫開始予定だったキャベツは寒さのために結球が遅れていて、今期はもう結球しないまま 「とう」が立つのではないかと思い始めていました。しかしこれも2月初めの暖かさのおかげで再び 生育し始めました。一部は結球も進んで収穫可能となりました。
 ちんげんさい、山東菜、タアサイ、赤蕪、大阪しろなは1月下旬から2月上旬にかけて「とう」が 立ち始めました。「とう」には独特の苦味がありますが、苦いのが春の味わいです。汗をあまりかかない 冬の間に身体にたまった毒を排出したり、必要な微量栄養素を補給して花粉症の発症を回避したりという面で 役立つように、大自然の春の旬の食材がちゃんと用意されています。

 ブロッコリーとキャベツが収穫できるようになったのは良いのですが、雨が多いので3月に野菜を 作付けする畑の準備ができません。1月30,31両日に耕した場所を再び耕して、草や作物残さや油粕などが 早く土に帰るようにしたいのですが、土の水分が多すぎるのでそれができません。

2月15日(金)にお届けした野菜
甘藷(なると金時)、馬鈴薯(普賢丸)、ブロッコリー、はくさい又はキャベツ、 アブラナ科野菜のとう(ちんげんさい、山東菜、大阪しろな)、大根、 人参、玉ねぎ  (8品目)

そら豆の写真 そら豆
冬を越えてこれから本格的に生長します。
2月14日、ナ6


平成25年2月1日/旧暦十二月二十一日(金)

光の春 到来

 1月13日から27日迄、雲が多くてあまり日の照らない寒い日々が続きました。 その後1月28日から31日迄の4日間は久しぶりに晴天傾向となりました。28,29両日 はまだ寒かったですが、日差しには太陽のエネルギーが満ち始め、「光の春」の 兆しが感じられました。そして30,31両日は気温も少し上がって昼間は暖かくなり ました。
 寒くても冬至を過ぎて昼間の時間が少しずつ長くなり始めたのをちゃんと感知 して、植物は着々と春に向けた営みを進めています。霜が降りると一部の葉が 凍って融けてしまうのに、そら豆は急に生長を始めたようです。アブラナ科の 野菜の一部はもう「とう」が立ち始めました。食べる野菜としての「とう」の お届けの第一号は山東菜とチンゲンサイです。ブロッコリーも「とう」の一種 ですが、今冬は収穫開始が遅れています。今花蕾が肥大中なので2月中旬から 収穫できるのではないかと期待しています。

 1月28,29両日の晴天のおかげで、秋作馬鈴薯(じゃがいも)の収穫を ようやく終えることができました。昨年から今年に かけて育てている馬鈴薯は普賢丸という品種で、皮に渋味があります。一般的に 野菜の皮はむかずに調理されることをお勧めしますが、普賢丸の皮は渋いので むいた方がおいしく食べられます。
 4日間の晴天の後半の1月30,31両日には、3,4月に人参や小松菜、大根、蕪 などのタネを蒔いたり春作馬鈴薯の種芋を植えたりする場所を耕すことができ ました。

 2月4日は二十四節気の立春ですが、二十四節気は太陰太陽暦である旧暦の 中の太陽暦の要素なので、太陽暦である新暦の日付において毎年ほぼ同じ日付と なります。一方旧暦一月一日(元日)は必ずお月様の見えない新月(闇夜)の日 なので、新暦における日付は毎年異なります。今年は新暦2月10日が旧暦の元日 です。旧暦では一月から三月迄が春ですから、今年は新暦2月10日からが春です。 新暦の元日の頃は暗くて寒くて春の気配など微塵も感じられませんが、旧正月の 頃には梅や菜の花が咲き始め、日差しから光の春を感じることができます。 旧暦でこそ正月に「新春」や「迎春」という表現が適合します。

ダンジュク切り大会 焼芋付き!随時開催
 叢状に生えるダンジュクという柔らかい竹のようなものが、野菜畑に隣接する 耕作放棄地に群生してイノシシの繁殖地形成の原因になっています。ダンジュクを ノコギリや鎌で切って燃やします。焼芋付き。参加ご希望の方は、日程について お問い合わせ下さい。
 場所は佐世保市鹿町町大屋中切(ナカノキレ)。公共交通機関ご利用の場合は、 西肥自動車(Saihi Bus)の佐世保駅前発佐々・楠泊経由江迎行又は佐世保駅前発 佐々・吉井・江迎経由大加勢行の路線バスで大加勢〜江迎間の本ヶ浦下車。 松浦鉄道江迎鹿町駅から西肥自動車の大加勢行又は楠泊経由佐世保行又は 橋の元経由佐々行のバスに乗って、本ヶ浦で下車する方法もあります。

2月1日(金)にお届けした野菜
甘藷(なると金時)、馬鈴薯(普賢丸)、小松菜、 山東菜のとう又はちんげんさいのとう又は玉ねぎ、大根、 人参、葉玉ねぎ  (7品目)

収穫間近のブロッコリーの写真 収穫間近のブロッコリー
青色の網はヒヨドリ対策、点々と見える白いものはナズナの花
2月2日、ナ8


平成25年1月18日/旧暦十二月七日(金)

ヒヨドリ来襲

 低温のため野菜の生育が遅く、全国的に生鮮野菜の出荷量が少ないと報じ られています。当農園でも残念ながら全く同じ傾向です。12月後半に収穫開始の 予定だったキャベツとブロッコリーが、未だに収穫できる状態になりません。 キャベツは結球し始めの状態のまま冷凍されているかの如く、ピタリと生育が 止まっています。ブロッコリーは小さい蕾の原形が姿を現した状態で、大きく ならないままこれもまた冷凍庫に入っているかの如く生育停止です。はくさいは、 少しずつ結球が進んでおり今週(15、18日発送分)は収穫することができました。 しかし大きいものを取り終えて小さいものばかりになったら、来週(22、25日発送 分)は収穫を見合わせることになるかも知れません。
 厳寒期迄にあまり生長しない方が良いそら豆とえんどう豆類(グリンピース、 絹さや、スナップえんどう)は、理想とは逆に生育が順調です。生育が進み すぎると耐寒性が弱くなり、吹雪で部分的に枯れることがあるので、こちらは しばらく生育が止まっていてくれた方が良いのですが、キャベツやブロッコリー と違って着実に生長しています。

 しかし最も困った問題はヒヨドリです。例年よりも早く野菜の葉を食べ始め ました。晩秋の頃からヒヨドリのビービーという下品な声が盛んに聞こえていた ので、この冬は早く野菜畑に来るのではないかと思っていたところ、その悪い 予感が当たってしまいました。ヒヨドリは一年中いるわけではなく、夏は涼しい ところにいて冬に当地にやって来るのでしょう。途中の立ち回り先の住宅地の庭 などで、優しく餌やりなどしておられる方々が多いと聞きますが、そのおかげで 生存率が高くなっているものと思われます。困ったことです。ヒヨドリ対策として 30mm目合いの防鳥網を張っていますが、天面だけでは効果がないので側面にも 張り巡らせます。しかしブロッコリーとキャベツを囲ったら次は小松菜と大根の 葉を食べ始めました。小松菜はまだ全部を覆うことができるに至っていません。 全部を網で囲うことは労力的に難しいので、小松菜は防寒用の不織布を上に かぶせるベタ掛けという方法で済ませようかと思っています。不織布をつついて 破るようであれば、何とかして網で守るしかありません。

1月18日(金)にお届けした野菜
甘藷(なると金時)、馬鈴薯(普賢丸)、はくさい(タキイ交配 無双)、 ちんげんさい、タアサイ、大根(タキイ交配 関白)、長崎赤蕪、 人参(新黒田五寸)、葉玉ねぎ  (9品目)

ヒヨドリ食害の写真 ヒヨドリに葉を食べられたブロッコリー。
網で守らずにいると、葉柄(軸)だけ残して葉を全部食べられてしまいます。
1月14日、ナ8


平成25年1月4日/旧暦十一月二十三日(火) 

新暦新年

 新暦新年明けましておめでとうございます。

 できれば年末までに馬鈴薯(じゃがいも)の収穫を終えたかったのですが、 雨が多くてなかなか掘ることができず、半分くらいは新年に繰り延べとなりました。 里芋の収穫も終わっていませんが、こちらは馬鈴薯を全部掘り終えてからです。
 前回12月18日付けでお書きしたセット栽培玉ねぎは、生長の速かったものを ほぼ取り終えたのでしばらくの間収穫を中断します。代わって1月4日からお届け する「葉玉ねぎ」は、昨年6月頃に収穫した玉ねぎのうち小さくて皆様にお届け することができなかったものを、9月に再び植えたものです。これは玉ねぎと 言うよりネギと思って下さい。
 冬は昼間の時間が短いし悪天候で作業のできない日も多いので、農作業は なかなかはかどりません。一方で冬の間にしたいことは、木の伐採や草集め、 草堆肥作り、小屋の補修、果樹の剪定、ヒヨドリ対策の防鳥網設置、夏野菜育苗 ハウスの準備などたくさんあります。例年、やりたいことが全部はできないうちに 春が来てしまいます。

1月4日(金)にお届けした野菜
甘藷(タマオトメ)、馬鈴薯(普賢丸)、蕪(金町小蕪、長崎赤蕪)、 大根(タキイ交配 関白)、水菜、人参(新黒田五寸)、葉玉ねぎ  (7品目)

馬鈴薯収穫の写真 馬鈴薯(じゃがいも)収穫。
12月10日、ナ7


平成24年12月18日/旧暦十一月六日(火)

玉ねぎ苗と大根の不調

 12月6日に初雪が降り、12月13日迄厳しい寒さが続きました。夏野菜の中でも ピーマンと伏見甘長唐辛子は最後まで寒さに耐えて生き残っていましたが、 13日朝に強烈な霜が降りて完全に枯れてしまいました。いよいよ冬本番だと 思わされましたが、14日から18日朝迄一転して比較的暖かい日々となりました。 12月3,4,5日に定植したキャベツは厳しい寒さのために活着が遅れていましたが、 14日からの寒さの緩みのおかげで活着してくれるのではないかと期待しています。 寒さが緩んでいる間に活着が進んでくれることを願って、残っていたキャベツの 苗を13日に定植しました。今月定植したキャベツはいずれも10月播種で4,5月頃 収穫予定です。

 6月に収穫して吊り貯蔵しつつ少しずつお届けしてきた玉ねぎは、小さめの ものが多く一部の方に不評でした。代わって3月播種、9月初め定植のセット栽培 玉ねぎを今週からお届けします。セット栽培とはセット球と呼ばれる直径2cmくらいの 小さい玉ねぎ(オニオンセット)を一旦掘り上げて倉庫内で夏を越させ、秋に 植え付ける栽培方法です。葉も食べられる状態の場合は葉付きでお送りしますので、 葉とひげ状の根も料理にご利用下さい。一物全体食ができます。
 来年5,6月に収穫する通常の栽培方法の玉ねぎは今が定植の時期です。9月に タネを蒔いて育苗していますが、今年は苗の育ち具合が著しく悪いです。 この苗を植えても今年の5,6月に収穫した分よりも、もっと小さい極小玉ねぎ ばかりになりそうです。極小玉ねぎをペコロスとして歓迎して下さる方は、 残念ながらあまりおられないようです。そこで今年は市販の苗を購入して植える ことにしました。市販の苗は当然化学肥料と農薬を使って育てられているので 極力使いたくないですが、主要野菜である玉ねぎを野菜セットにお入れできない のでは良くないので600本ほど購入して植えることにしました。

 玉ねぎ苗と同じ圃場で育てている大根も今年は著しく不調です。紅心大根は 例年の3倍も播種したのに虫に食べられてほぼ収穫皆無です。毎年タネを自家採種 してきた宮重大根と白首の和歌山大根も今年は虫が多く途中で消滅しました。 F1の青首大根「タキイ交配 関白」だけが辛うじて少し収穫に至っています。 こういう悪条件の時、美味と言われる在来の固定種よりも味が劣ると言われる F1の方が強いです。F1とは一代交配雑種のことであり、雑種だから強健なの です。F1は味が劣ると言っても、市場に出回って一般の店で売られている大根は ほとんど全部F1ですからご安心下さい。在来固定種と比べなければ、まずいとは 感じません。
 玉ねぎ苗と大根を今期育てているこの問題の圃場は、草や菜種油粕などの 有機物が完全に分解されるようにと願って夏に何回も耕しました。高温少雨の時期に 何回も耕したために、土の団粒が壊れてしまったのかも知れません。農薬を使わない 有機農業では未熟有機物が土に残っていると虫が発生して野菜が育たないので、 何回も何回も耕すことになりますが今回は耕しすぎたのかも知れません。夏の 暑い時に汗と土煙と耕うん機の排気の三者によって発症する結膜炎に耐えながら 何回も耕したのに、無駄に終わって残念です。私共の有機農業はこういうことが多く 能率が悪いです。化学肥料や農薬を使わないという点では環境保全型農業ですが、 燃料と労力の面では効率が悪いです。作付けしたのに収穫できないという事態が多く、 こんなことでは経営危機から抜け出せないので何とかしないといけません。

12月18日(火)にお届けした野菜
甘藷(なると金時)、里芋(赤芽大吉)、馬鈴薯(普賢丸)、蕪(金町小蕪、長崎赤蕪)、 小松菜、水菜、コールラビ、人参、葉玉ねぎ(タキイ交配 シャルム)  (9品目)

キャベツ・ブロッコリーの写真 この圃場のキャベツとブロッコリーは、冬に収穫する分です。
順調なら12月中に収穫開始となる予定でしたが、寒さが厳しくなって生長が緩慢になっており 収穫開始は1月になりそうです。
12月18日、ナ11


平成24年12月4日/旧暦十月二十一日(火)

いよいよ霜の時期

 甘藷(さつまいも)の収穫は11月23日に完了しました。初霜の前に掘り終える ことができました。その後急速に寒くなったので、収穫したかんしょは全て家の中に 収容しました。7℃以下にならないように家の中の一番暖かいところを芋のために あてがい、なるべく10℃以上を保つように寒い朝にはストーブで暖めています。 10℃なんて世間では暖房のうちに入らないかも知れませんが、我が家では VIP待遇であり妻は「おいもさま」と呼んでいます。

 稲架で掛け干ししていた水稲(日本晴、にこまる、黒米、赤米、モチミノリ) を11月25日に脱穀しました。その翌日の11月26日には緑米を刈り取って稲架掛け しました。稲刈りがこんなに遅い田んぼは、このあたりでも他に見かけません。 有機栽培は成熟がゆっくりなので元々収穫時期が遅い傾向があると思いますが、 緑米は他の稲に比べて晩生なので、更に遅くなります。

 10月に播種して来年4,5月に収穫するキャベツの苗が、定植時期を迎えました。 10月9日播種の「タキイ交配 春波」を12月3日に定植しました。10月22日播種の 「タキイ交配 初夏のかほり」も今週中に定植したいと思っています。
 この10月播種のキャベツと、そら豆、えんどう豆類(グリンピース、スナップ えんどう、絹さや)は栽培時期が似通っています。そして、生育時期が早すぎては いけないという共通点があります。真冬が来るまでに大きくなりすぎると、 キャベツは結球前に「とう」が立ってしまう恐れがあり、そら豆とえんどう豆類は 耐寒性が弱くなって枯れてしまう恐れがあるからです。冬の寒さが厳しい年には やや早めに播種し、暖冬の年には遅めに播種するのが良いのですが、播種の時点では 寒い冬なのか暖冬なのかわかりません。今年は平年並みか若干遅めくらいの時期に 播種したつもりですが、今のところキャベツはちょうど良い育ち具合です。 そら豆とえんどう豆類は若干早めに育っているように思えますが、極端に早い わけではなく適正な範囲内にあると思います。実はキャベツは暖冬の場合に 備えて11月4日にも播種したのですが、今年の場合これは遅すぎだったようで 寒さで縮こまってなかなか生長しません。

12月4日(火)にお届けした野菜
甘藷(なると金時)、里芋(赤芽大吉の親芋・子芋)、蕪(金町小蕪、長崎赤蕪)、 水菜、タアサイ、人参  (6品目)

小松菜の写真 小松菜
収穫に適した大きさになったと同時にカブラハバチの幼虫による食害が増えて 出荷不適となり、現在は収穫休止中です。
11月19日、ナ8


平成24年11月20日/旧暦十月七日(火)

甘藷収穫続行中

 初霜が降りる前に掘り終えるべく、甘藷(さつまいも)をせっせと収穫しています。 当地では勤労感謝の日である11月23日迄に掘り終えれば、霜の被害を受ける心配はないと 思っています。今年は例年より作付け量が多い上に10月下旬からの多雨のために収穫作業が 遅れており、もしかしたら勤労感謝の日を何日か過ぎる頃までかかるかも知れません。 しかし霜の早く降りる場所(鹿町町口ノ里 関里)は掘り終えて、残っている場所(鹿町町 大屋 中切)は霜が比較的降りにくいところなので大丈夫でしょう。

 甘藷(さつまいも)には多くの品種がありますが、当農園では平成12年からずっと 「高系14号」の一種である「なると金時」を育てています。理由は食味が良くてしかも 貯蔵性が優れているからです。過去には「ベニアヅマ」も何回か育てましたが、冬の間の 貯蔵中に低温で一部の芋が腐ったのでやめました。数年前には「安納芋」も育てましたが、 巨大芋もできる一方で極小の芋が多くて販売用としてはやや扱いにくかったのでこれも やめました。結局「なると金時」が一番良いという結論に達しているのですが、甘藷をたくさん 植えるなら品種数を複数にした方が皆様にも楽しんで頂けて良いだろうと思って、今年は 「タマオトメ」を試しました。結果は今のところなかなか良好だと思います。
 「なると金時」は食感がねっとり系で甘味が強く、焼芋、煮物、味噌汁、肉なしぶた汁、 天ぷら、きんとんなど多くの用途に適しますが、私個人としては茹でたり蒸したりした時は あまり満足感が得られません。それに対して「タマオトメ」は粉質或いはほくほくした食感で、 甘味も充分あります。蒸して食べてみたら、元々が粉質系なのでべちょべちょした感じに ならず大変良好でした。栗のような食感と味ですが、栗より甘味が豊かでおいしいです。 栗饅頭のようです。甘藷の名産地の川越まで江戸から十三里であることから甘藷を十三里と 称して、九里四里うまい十三里(栗よりうまい十三里)と言うそうですが、まさしくその通り です。皆様へはお送りする日によって「なると金時」をお送りしたり「タマオトメ」をお送り したりしますが、いずれの品種であるか納品書に記載しますので違いをお楽しみ頂きたいと 思います。

 生の甘藷は甘くありませんが、甘藷のでんぷんを分解して糖にする酵素が甘藷の中に 含まれており、それが60℃付近の温度で働いて糖ができて甘くなります。従って甘藷を調理 する際は徐々に加熱して60℃の温度をゆっくり通過させることが重要です。電子レンジでは 温度の上昇が急速すぎるので、でんぷん分解酵素が充分に働けずあまり甘くなりません。 また、ガスこんろで調理する際も火が強すぎると甘味が少なくなります。天ぷらの場合は 切る厚さをやや厚め(2cmくらい)にすると、内部がゆっくり加熱されて甘くおいしくできます。
 「タマオトメ」ではまだ試していませんが、「なると金時」の場合私が最もおいしいと思う 食べ方はたき火による焼芋です。それもダッチオーブンという鉄の鋳物製の鍋で焼くのが 一番です。木や竹をひとしきり燃やした後の炭火のような状態のところにダッチオーブンを 置いて焼いた「なると金時」の味を知ってしまうと、ガスこんろの火で蒸した芋は食べる気に なりません。食べる前の香りからして全然違います。この冬、ダッチオーブンでたくさんの 芋を焼く機会があれば、皆様へも一回くらいは焼芋をお届けしたいと思います。

11月20日(火)にお届けした野菜
甘藷(なると金時)、里芋(赤芽大吉)、蕪(金町小蕪、長崎赤蕪)、コールラビ、水菜、 春菊、岡山サラダ菜  (7品目)

収穫途上の甘藷畑の写真 収穫途上の甘藷畑
ここではなると金時346株とタマオトメ40株を育てました。
つる(茎・葉)を刈り取って一旦撤去してから、三股鍬で芋を掘り上げます。掘り終わった うねの上にその後つる(茎・葉)を戻し、ハンマーナイフローターで刻んでから耕うんして 土に返します。
11月19日、ナ1


平成24年11月6日/旧暦九月二十三日(火)

間もなく冬

 秋の日はつるべ落としと言われますが全くその通りです。16時頃太陽はまだ 比較的高い位置にあり、夏の感覚では日没までまだまだ時間がありそうに見えます。 1時間半後に水平線に沈んでしまうとは思い難いです。でも17時半頃になると本当に 日没となるのです。地球が自転する速さは夏と同じなのに秋の日が沈むのはなぜこんなに 速いのか、実に不思議です。
 秋はまた、寒くなる速さも急だと特に今年は感じます。9月20日頃まではまだ扇風機を 使っていたのに、それから1か月半しか経過していない今はすっかり寒くなっています。

 今年は新暦11月7日が立冬ですが、新暦11月14日が旧暦十月一日に当たりその日からが 冬です。それを前にして10月22,23日の雨(19mm)を境に、季節が一気に進んだようです。 10月下旬からは雨の降る日数と雨量が増え、一方で日差しは弱くなっているので生育中の 野菜への水やりは不要になりました。
 10月26,27,28日にも雨がたっぷり(82mm)降り、その次の雨は11月4,5日に29mm降り ました。11月4日の雨の直前の、ようやく土が適度に乾いた貴重な二日間を利用して耕うんと 畝立てを行ない、グリンピース、スナップえんどう、絹さやえんどうのタネ蒔きと、 3月頃収穫予定のブロッコリー(タキイ交配 チャレンジャー)の定植をしました。

 前回10月23日付けでお書きしたように今冬は大根が不調で、無事に育っている本数が 少ないです。その代わり、はくさいが良く育っています。はくさいは移植を嫌う上に コオロギの大好物なので、昨年までは直播きして防虫網で覆ってコオロギからの防衛を 図っていました。しかし強風で網が部分的にめくれた時にコオロギが侵入して幼苗を 食べ尽くされたりして、無事に成長する率が低かったです。これではあまりに効率が悪いし 皆様にも欠品でご迷惑をおかけするので、今年はセルトレイというプラスチック製の育苗用 容器を使いました。従来は市販の育苗用培土は使わないようにしていましたが、収穫に 至らないのでは意味がないので、今回はセルトレイ用の市販育苗培土を使いました。 その結果は今のところ大変良好です。来年はバーミキュライトなどの市販資材を使いつつも 自給草堆肥を加えた、自家配合のセルトレイ用育苗培土の調製を試みたいと思います。
 甘藷(さつまいも)に続いて里芋と生姜の収穫を始めました。甘藷と里芋はこれから たくさん収穫する見込みなので、冬の間中お届けすることになると思います。生姜は 今年は少ししかなく、11月中に一回か二回お送りして終わる見込みです。

11月6日(火)にお届けした野菜
甘藷(なると金時)600g、大生姜100-150g、水菜500g、ちんげんさい450-500g(2株)、 はくさいの間引き菜400g、 人参の間引き菜130g  (6品目)

水菜の写真 小株取りの収穫時期を迎えた水菜
11月8日、ナ11


平成24年10月23日/旧暦九月九日(火)

キャベツ・ブロッコリーは順調、大根は不調、甘藷収穫

 10月3日に甘藷(さつまいも)を初収穫しました。真夏に草取りと水やりを して万全の育て方をすることができたおかげで上出来です。ただ、あまりに大きく なった芋は掘る時に鍬で傷付ける可能性が高く、せっかくの大きい芋を台無しにして しまうことがあります。甘藷は霜で枯れると傷むので、11月中旬までに掘り終える ようにします。今年は昨年と同じ「なると金時」(高系14号)の他に「タマオトメ」 を少し植えました。これまでに収穫した分に関してはいずれもよくできています。

 秋雨前線の停滞によって9月5日から17日迄雨が多く降った後、9月18日からは ずっと少雨傾向が続いています。10月17日に13mm降った以外は10月21日迄に計6mmしか 降りませんでした。そのためせっせと水やりをしましたが、雨にはかないません。 しかも9月24日以降は乾いた北寄りの風が強く吹く日が多く、風による乾燥も加わり ました。今期の秋冬野菜は鹿町町口ノ里 字関里と鹿町町大屋 字中切の二か所で育てて いますが、そのうち中切で育てている小蕪や水菜、タアサイ、キャベツ、ブロッコリー などは今のところ順調に育っており、蕪の間引き菜と水菜を収穫できるようになり ました。しかし関里の大根は残念ながら著しく不調です。大根は例年よりも多く作付け したのですが、大部分がコオロギやネキリムシなどの虫に食べられて消えてしまいました。 虫による食害の発生原因はいくつか考えられますが、今回は少雨と強風による乾燥で 大根の幼苗に活力が不足していた可能性が高いと思います。水やりはしましたが結果的に 量が足りていなかったと言えそうです。せめてもの対応策として2月以降に収穫する品種の 大根は関里ではなく中切で育てることにして、10月21日にタネを蒔きました。関里は 北寄りの風がよく当たりますが南寄りの風は山に遮られてあまり影響を受けません。 中切は北寄りの風が当たらない代わりに、南寄りの風の時は強く吹きます。ということは、 北寄りの風の吹くことが多い冬の野菜は中切に植えて、南寄りの風がよく吹く夏の野菜は 関里に植えるのが良いと言えます。しかし実際には、連作を防ぐために輪作をするので 風のことだけで場所を決めることはできません。

 10月21,22日にはそら豆、小松菜、4月収穫予定のキャベツのタネも蒔きました。
 また、10月22日にはいちごの苗を定植しました。昨年はカラスに食べられてあまり お届けできなかったので、今回は防鳥網で守り易いように直線のうね一本に集約して 105本植えました。
 10月22日夜から23日朝にかけて、朝鮮半島から日本海へと進んだ低気圧から伸びる 寒冷前線の通過によって雨が降りました。雨量は19mmでした。生育中の野菜たちには 恵みの雨でしたが、この先数日間雨が降らなければ水やりを再開しないといけない でしょう。

10月23日(火)にお届けした野菜
甘藷(なると金時)、玉ねぎ、茄子、ピーマン又は伏見甘長唐辛子又はオクラ 又はささげ、つるむらさき、水菜、蕪の間引き菜、 甘柿(新秋、夕紅)  (8品目)

ブロッコリー、キャベツなどの写真 右からコールラビ、ブロッコリー、キャベツ、水菜、蕪など
11月8日、ナ11


平成24年10月9日/旧暦八月二十四日(火)

コオロギがまだ多数生存

 9月4-6日に播種(タネ蒔き)した人参は、コオロギによる食害と思われる 原因で生育本数が減少しましたが、生き残った分を大切に育てるべく草取りや 水やりをしています。
 9月5日に播種したキャベツ、ブロッコリー、春菊、チンゲンサイなどは、 9月上旬・中旬に雨がよく降り、しかも残暑が厳しくなかったおかげでよく育って います。防虫網によるコオロギからの防衛にも成功しました。キャベツ、 ブロッコリー、コールラビを10月7,8日に定植しました。チンゲンサイや春菊も 10月11日頃迄には定植する予定です。
 9月3日に種芋を植えた秋作馬鈴薯は、植え付け直後の9月8,9日に降った秋雨前線 による大雨で一部の種芋が腐ったようで、欠株が多くなりました。無事に出芽した 分は順調に育っています。

 秋分の頃にはすっかり秋らしく気温が下がってきて、夜や早朝は寒い日が 多かったのですが、その後はあまり冷え込まなくなっています。そのため、 にっくきコオロギどもがまだ多数生存しています。10月に入ってもまだ、蕪や大根や 山東菜などの幼苗を夜間にコオロギが食べています。今年は特に大根の食害が多く、 たくさん蒔いたつもりなのに随分減ってしまいました。直播きする大根や蕪などまで 防虫網で覆うことは困難なので、食べられて欠株になったところには、後日何か 他のものを移植するという対応をします。

 冷え込みが弱いとは言っても夏に比べれば着実に気温が低くなっているので、 茄子、オクラ、伏見甘長唐辛子などの夏の果菜類は陰性の度合いが低くなって 中庸に近付き、大きさが小さめになり引き締まってきています。コオロギがまだ 活動していても、コオロギによる茄子の食害は終わりました。気温が下がって、 陰性の強いものは食べたがらなくなったのでしょう。

 前回9月25日付けで書いた9月28日からの雨は、実際には3mmしか降りません でした。その後も雨は1mm未満しか降っていません。おかげで水はけの悪いところの 土も次第に乾いてきました。野菜の苗の定植や水やりの合間に、今後作付けする予定の 圃場の耕うんを進めています。水はけの良い圃場は生育途上の野菜にとっては乾き過ぎ になってきたので、せっせと水やりをしています。
 10月中はまだ野菜のタネ蒔きがあります。そら豆、小松菜、来年4,5月に収穫する キャベツです。えんどう豆はもう少し遅く、11月播種です。

10月9日(火)にお届けした野菜
玉ねぎ(赤・黄)、茄子、ピーマン又は伏見甘長唐辛子又はオクラ、 ささげ、にんにく又はオクラ又は胡瓜、つるむらさき又はエンサイ、韮、 甘藷(なると金時)、甘藷の葉柄  (9品目)


平成24年9月25日/旧暦八月十日(火)

中秋

 9月5-10日に続いて9月14-17日にも秋雨前線の停滞によりたっぷりの雨が 降りました。9月18日から25日迄は3mm弱しか降っていませんが、秋分に至って 太陽の高度が低く日差しが弱いので、土はなかなか乾きません。もともと 水はけが劣る傾向があってしかも日当たりがあまり良くないというような場所は、 一週間経過してもまだ土の水分が多すぎて耕したり畝を作ったりすることが できません。8月末から9月初めにかけての頃ならたっぷりの雨の後でも4日間の 晴天で土がよく乾いたのに、それからわずか1か月経過してすっかり秋らしく なった今は様相が全く異なります。
 9月17日に台風16号が朝鮮半島へ向かって東シナ海を北上した影響で、 西風のよく当たる圃場では強風の被害がありました。小豆と大豆の畑は最も 風当たりが強く、小豆は根元付近で茎が左右に裂けて倒れ、大豆は根元付近で 茎が折れて地上部のほぼ全部が吹き飛ばされるという被害が続出しました。 8月14日付けで書いたように今年の大豆は猛暑で発芽率が低く生育本数が 少なかったのですが、台風被害で更に減りました。残念ながら今年の枝豆の お届けは難しそうです。
 9月4、5、6日にタネを蒔いた人参は良好に出芽したのですが、その後本数が 大幅に減ってしまいました。大雨による湿害か又はコオロギによる食害が原因 だと思われます。今の時点で既に人参の収穫量の不足が予想されるため、内部が 紅色の紅心大根の種子を昨年の2.5倍くらい蒔きました。人参と紅心大根は全く 別物ですが、内部の色は似ているので何も対処をしないよりはましでしょう。
 9月5日に播種したキャベツ、ブロッコリー、春菊、チンゲンサイなどは、 防虫網の効果のおかげでコオロギから守ることができて、順調に育っています。 同じく9月5日に植え付けたセット栽培玉ねぎのセット球(オニオンセット)は、 遮光ネットの防鳥効果のおかげでカラスからの防御に成功し、これも順調に 育っています。
 春作馬鈴薯(じゃがいも)のお届けは9月18日で終わりました。9月3日に種芋を 植えた秋作馬鈴薯は地上に芽が出揃ってきました。ただ、場所によっては出芽の 遅いところがあり、大雨の影響で種芋が腐ったのでなければ良いがと少し心配して います。秋作馬鈴薯の収穫は12月頃の予定です。

 中秋である旧暦八月に入りすっかり秋らしく気温が下がってきました。 胡瓜、オクラ、茄子、ピーマン、ニガウリなどの夏野菜は収穫量が減ったり 大きさが小さくなったりしていきます。梅雨の頃の大雨による湿害で生育本数が 減ったせいもあり、例年より夏野菜の実質的収穫終了が早まりそうです。
 夏野菜の減少に代わってこれから収穫できるようになるのは、まずは芋類です。 10月早々には甘藷(さつまいも)の一部を収穫する予定です。次いで里芋の収穫も 始めます。地上部の生育状況を見る限り、今年は甘藷、里芋共によく育っています。
 芋類に続いて収穫期を迎えるべき秋冬野菜のうち大根、蕪、水菜、タアサイなどと、 来年の5、6月に収穫する玉ねぎは9月22日から25日にかけてタネを蒔きました。

 週間予報によると9月28日からは曇天や雨天になる可能性が高いようなので、 27日迄にキャベツ・ブトッコリー定植予定地の耕うんや馬鈴薯の中耕・土寄せを 済ませたいと思っています。そら豆、えんどう豆、玉ねぎの栽培予定地の準備にも 早急に着手しないといけない時期になっていますが、27日迄にこれも済ませる というのは時間的に難しそうです。

9月25日(火)にお届けした野菜
玉ねぎ、茄子又はにんにく、ピーマン又は伏見甘長唐辛子又はオクラ、 ささげ、にがうり又はにんにく、つるむらさき、エンサイ、韮、 栗  (9品目)

馬鈴薯の写真 秋作馬鈴薯。湿害で出芽せず欠株となったところには、はくさいを植えました。
11月3日、ナ7


平成24年9月11日/旧暦七月二十五日(火)

雨多き秋、雨の合間にタネ蒔き

 前回8月28日付けで、15-20mmくらいの雨が降ってくれればありがたい と書きましたが、実際には28-30日の3日間で52mm降りました。東シナ海を 朝鮮半島へと相次いで北上した台風14号と15号の影響による雨でした。 その後8月31日から9月2日午前までの間に土がある程度乾いたので、2日午後 から4日にかけて、草の残渣や米糠や油粕の分解を促すために秋冬野菜栽培 予定地を耕したり、人参用の畝を作ったり、キャベツ・ブロッコリー用の 苗床を作ったりしました。

 9月3日には、馬鈴薯(じゃがいも)の種芋を植え付けました。当地では 馬鈴薯を春作と秋作の年二回栽培しますが、今回のは秋作で収穫は12月の予定です。
 9月4、5、6日に人参のタネを蒔きました。今回は自家採種の新黒田五寸の他に、 黒田五寸とタキイ交配(F1) 夏紅五寸の市販種子を蒔きました。 人参の収穫は12月頃から3月下旬までの予定です。
 9月5日にはキャベツ、ブロッコリー、春菊、チンゲンサイなどのタネを 苗床(地床)に蒔いて、コオロギから守るための防虫網を設置しました。 また、セット栽培玉ねぎのセット球(オニオンセット)を植え付けて、 こちらはカラスから守るために黒色のラッセル編みの遮光ネットを被せました。 キャベツ、ブロッコリー、セット栽培玉ねぎの収穫は12月末頃からの予定です。
 そして9月6日には昨年9月にタネを蒔いて育ててきた九条ねぎと下仁田ねぎの 苗を定植しました。ねぎの収穫は12月頃からの予定です。
 10月から11月にかけて収穫期を迎えるのは、春から育ててきた里芋、 甘藷(さつまいも)の他、キャベツやはくさいに比べて生育期間の短い チンゲンサイ、小松菜などの小型の葉菜類です。

 9月初めまでに最優先で済ませるべきタネ蒔きや種芋の植え付けなどが終わった ので、次は10月以降に作付けする予定の圃場の耕起や、9月下旬に作付けする 予定の圃場の二回目の耕うんをしたかったのですが、残念ながら天気の変化は 待ってくれませんでした。秋雨前線の影響で9月5、6日に23mm、8-10日には157mmの 雨が降りました。秋の長雨である秋霖(しゅうりん)と言えば、静かにしとしとと 降り続く小雨を思い浮かべますが、今回の雨は梅雨末期のような勢いのある雨 でした。激しい雷雨も何回かありました。

9月11日(火)にお届けした野菜
玉ねぎ(赤・黄)、馬鈴薯(普賢丸)、茄子、伏見甘長唐辛子、ピーマン又はオクラ、 つるむらさき、エンサイ、えごまの葉、 胡瓜又はニガウリ又はナーベラー又はささげ  (9品目)


平成24年8月28日/旧暦七月十一日(火)

秋冬野菜を植える場所の準備

 8月11-14日に222mm、17-20日に68mmの雨が降って土壌が水で潤った ので、8月11日以降は野菜への水やりをせずに済んでいます。その代わり土を 耕す作業が水分過多のためしばらくできず、秋冬野菜を植える場所の準備が 遅れていました。8月21日からの4日間で土が適度に乾いたので、25-27日に 米糠や菜種油粕を撒いて耕うんしました。耕すことによって糠や油粕を土に よく混和し、土壌中の土着微生物による分解を促します。前作の後生やしていた 草がまだ土に帰り終えていないので、今後更に何回か耕して草の分解も進めてから 畝を作ります。台風15号が黄海を北上しているため今日28日は降雨が予想 されていますが、今のところ雨量は5mmです。もう少し追加で降って雨量が 15mmか20mmくらいになってくれれば程よい雨となります。

 ところで今年の梅雨は中休みがほとんどなく、雨天日が多かったです。 そのおかげなのかどうかは不明ですが、当地では今年、野生の百合の花が多く 咲きました。例年ならほとんど見かけない種類の百合の花も咲き、こんな ところにも百合が生えていたのかと驚きました。また、雨の日が多くて 草払いが追い付かず、草ぼうぼうになったところにも百合の立派な花が たくさん咲きました。栽培種の野菜や栽培種の草花は草に埋もれたら到底成長 できませんが、野生の百合は世間で言うところの「雑草」の一員として草々の 中で当たり前のこととして立派に育ち、栽培種の百合も顔負けの美しく立派な 花を咲かせました。但しその状況というのは多種類の草の中に百合が少し混じって 咲いているのであって、百合ばかりの花畑にはなっていません。農業の場合は 人間の欲する野菜や花ばかりを集約的に育てることになるので、土作りとか 草取りなどの手入れとかの課題がやはり必須でありましょう。

8月28日(火)にお届けした野菜
中玉トマト(サカタ交配シンディースイート)、玉ねぎ(赤・黄)、 モロヘイヤ、つるむらさき、エンサイ、えごまの葉、茄子又はオクラ、 ピーマン又は伏見甘長唐辛子又はオクラ、胡瓜又はニガウリ又はナーベラー 又はオクラ  (9品目)


平成24年8月14日/旧暦六月二十七日(火)

秋の空気、感じられる

 九州南部・北部が梅雨明けしたものとみられると7月23日に発表されて以来、 暑くてほとんど雨の降らない日々が8月10日迄の19日間続きました。最も暑かった 時期には最高気温が35℃を超えそうな日に出される高温注意情報が連日発表され、 実際に35℃を超えていました。それでも8月7日の立秋の頃には秋の涼しい空気を 含んだ風が吹き始め、高温注意情報も出なくなりました。そして太平洋高気圧の勢力が 弱まるに連れて梅雨末期に戻ったような天気となり、8月11日から今日14日迄は連日雨が たっぷり降っています。当地でのこの4日間の雨量は222mmでした。茄子、ピーマン、 胡瓜などの夏野菜を植えている転作田のうね間通路には、既にたっぷり水が溜まって います。8月10日まで連日せっせと水やりをしていた渇きの日々が全くうそのようです。

 梅雨明け後の酷暑の中での必須作業である人参、馬鈴薯、キャベツ苗の栽培予定地の 耕起作業は、7月29日と8月5日の二回に分けて何とか完了させました。耕起しても乾いていて 草が土に帰らない状況でしたが、11日からの雨でその問題は解消されました。この雨続きの 天候が終わって4日くらい晴天が続いたら再びよく耕して、草などの分解を促します。そして 8月末には人参とキャベツ、ブロッコリーの種子を蒔き、9月初めには馬鈴薯の種芋を植え付けます。
 梅雨の間に草が増えた里芋、甘藷の草取りと中耕は、7月26日に始めて8月1日に無事終了しました。
 7月28日に大豆の種子を蒔き、7月29-31日にスプリンクラーで散水しました。 しかし残念ながらごく少数しか出芽しませんでした。どうやらあまりの猛暑のために発芽適温を 超えてしまって発芽しなかったものと思われます。今年は梅雨の中休みが少なくて、短い中休みに 里芋や甘藷の一回目の草対策を優先した結果、大豆を適期の7月上・中旬に蒔くことがどうしても できなかったので仕方ありません。

水稲栽培について
 7月17日付けでお書きしたように、目標よりも13日遅れの7月14日に田植えが終了しました。 田植えの所要時間を削減するために、ひもや尺などの目印を使わずに目測だけで植えたので 格子状に植えることができず、手押し式除草機による除草はごく一部しかしませんでした。 そのため田には今、コナギがびっしりと生えています。田植えが遅かったために稲の分げつが 少なく、なおさら草が目立ちます。これでは稲に申し訳ないので来年こそは半夏生までに 田植えを終えなければいけないと思います。
 お米の供給についてのお問い合わせを時々頂きます。お米は主食ですから野菜だけでなく お米も皆様に供給できるようにしたいと従来から思っているのですが、栽培面積の拡大を なかなか実現できずにいます。田植え(手植え)の労力さえ確保できれば栽培面積を拡大で きるのではないかと思っていましたが、水張りや代掻きなど田植え前の準備作業にも限界が あることを今年実感させられました。田の所有者の遊休トラクターを借りているのですが、 このトラクターが車軸オイルシールの不調のため水田では使用不可とされており、水張りと 代掻きは耕うん機とカゴ車輪付き管理機で行なっています。野菜の農作業と並行しての稲作では、 その装備での作業は現在の面積(20a)が限界だと感じました。田植えを半夏生までに済ませる ことにより単位面積当たりの収穫量が増加すれば、少し販売できるようになると思うので 来年はそういう面で努力したいと思います。

8月14日(火)にお届けした野菜
中玉トマト(サカタ交配シンディースイート)、玉ねぎ(赤・黄)、じゃがいも (普賢丸)、モロヘイヤ、つるむらさき、えごまの葉、茄子又はエンサイ、 ピーマン又は伏見甘長唐辛子、胡瓜又はニガウリ又はナーベラー  (9品目)

草取り・中耕後の甘藷の写真 草取りと中耕を終えた甘藷(さつまいも)畑。
スプリンクラーで散水しています。
8月7日、セ2


平成24年7月31日/旧暦六月十三日(火)

猛暑の盛夏

 九州南部・北部が梅雨明けしたものとみられると7月23日に発表されました。 それ以来真夏の暑い日々が続いています。昼間の太陽光はとにかく強烈です。 当地では7月30日の午後ににわか雨が降りましたが雨量はわずか0.8mmでした。 それ以外の日は全く降っていません。
 今の時期の当地の日の出は5:30頃で、農作業は5:40頃から始めています。 10時頃には暑さが厳しくなりますが、暑さに耐えて12時頃まで作業をします。 それというのも、真昼の家の中の暑さで疲労から回復していない身体には午後の 暑さの方が過酷に感じるため、午前中にできるだけ仕事をはかどらせたいのです。 午後の作業は早くても16時頃からです。18時頃からようやく涼しくなりますが、 日没が19:20頃で、20時には暗くなるので通常は20時頃終業です。
 猛暑の夏の恒例になってしまった結膜炎らしき症状が今年も発生しました。 これは高温多湿の日の屋外作業で多量の汗が目に流れ込むことによって発症し、 涼しい日が数日間続くまで治りません。根本原因は食べたり飲んだりしたものに 含まれていた化学合成物質だろうと思います。体内に蓄積した食品添加物などの 毒が目やにによって排泄されるのだと思います。自給農産物だけを摂取していれば 発症しないのではないかと思います。今夏は25年以上ぶりに虫歯の治療も必要になり、 夫婦間の摩擦などのストレス発散のための食生活の乱れを反省させられています。 目と歯に現れた警告を受け止めて初心に帰りたいと思います。
 私の真夏の農作業の中で最も過酷なのは、耕うん機による耕うん作業です。 ディーゼルエンジンの排気と土煙が目に入り、結膜炎らしき症状が助長されるのが 辛いです。ゴーグルを着用することもありますが、視界が悪くなる上に暑苦しいので 気が進みません。ですから真夏にはあまり耕したくないですが、人参、馬鈴薯の 栽培予定地や玉ねぎ、キャベツ、ブロッコリーなどの苗床予定地を梅雨明け後に 耕すのは必須の作業なので、しないわけにはいきません。一回目の耕うん(耕起) の最終期限は7月末頃であり、人参、玉ねぎ苗の予定地は7月29日に耕起しました。 馬鈴薯やキャベツ苗などの予定地も早急に耕起します。

 梅雨の間に草が増えた里芋、甘藷(さつまいも)の草取りと中耕も梅雨明け後に 進めています。里芋と甘藷1か所は7月26-29日に終えて、もう1か所の甘藷は7月30日に 着手しました。
 7月28日には大豆の種子を蒔きました。梅雨入り前に耕しておきましたが、 梅雨の間に草が生えたので7月25日にハンマーナイフローターで再び草を刻んでおいて、 7月28日早朝から改めて耕して、その日の夕方に播種しました。早くも土が乾燥して そのままでは発芽しそうにないので、7月29-31日にスプリンクラーで散水しました。 枝豆の収穫は10月の見込みです。
 梅雨の間の水溜まりと日照不足で不調だった果菜類は、梅雨が明けて元気になって きたものもあります。しかし湿害で枯れて本数が著しく減った胡瓜、ピーマン、南瓜 などは夏中影響が続きます。茄子はこれから少しずつ収穫できるようになってくると 思います。

7月31日(火)にお届けした野菜
中玉トマト(サカタ交配シンディースイート)、玉ねぎ(赤・黄)、じゃがいも、韮、 モロヘイヤ、つるむらさき、オクラ又は胡瓜又はピーマン又は伏見甘長唐辛子又は{茄子 +ニガウリ+ナーベラー}、にんにく  (8品目)


平成24年7月17日/旧暦五月二十八日(火)

いも植え終了! 田植え終了! 半月遅れで

 6月15日以来、梅雨らしく雨がよく降っていると、前回7月3日付で 書きました。その後も雨の日数も量も多いという状況が続いています。 唯一の例外は7月7日から10日までで、その間は梅雨前線が種子島、奄美、沖縄へと 一時的に南下し、梅雨の中休みでした。中休みの最終日の10日には土が適度に 乾いて耕せるようになりました。その時にやりたい作業はたくさんありましたが、 限られた時間の中でやれることには限りがあるので優先度の特に高いものを選び、 里芋と甘藷(さつまいも)の草を削り取って中耕・土寄せをしました。特に里芋は 草に埋もれつつあったので、ぎりぎりのところで救出できたという感じです。 甘藷畑2か所のうちの1か所の中耕・土寄せと、大豆(枝豆)予定地の耕うんは 時間不足でできませんでした。その2か所は7月20日頃に梅雨明けしてくれれば、 その後にやって何とか間に合うと思います。

 その中休みの4日間以外はずっと梅雨空なので日照時間がごく少なく、 野菜にとってはかなり厳しい気象条件で、水溜まりも前回お書きしたような状況が 続いています。胡瓜はごくわずかしか収穫できないまま多くが枯れてしまいました。 茄子はあまり枯れませんが、日照時間が少なく光合成ができないのであまり 生長しません。人参は肥大・成長の完了と同時に腐るので、生育遅れの小さいもの しか収穫できません。
 苗床で苗を育てた甘藷(さつまいも)は、つるが適度に伸びたら切り取って 本圃(芋畑として収穫まで至らせる圃場)に植え付けて、その後再びつるが 伸びるのを待つということを繰り返しました。7月15日に4回目の苗取り・植え付け をして、本圃の全域の植え付けを完了しました。曇雨天が多いのは芋の苗の活着 (根付くこと)には好都合です。空梅雨の年には活着前の芋苗への水やりが大変 ですが、今年は水やりが不要でした。これは梅雨らしい梅雨の恩恵です。

田植えの援農について
 前回7月3日付でお書きしたように、田植えをお手伝いいただくことは 当方の都合で準備が間に合わず、中止にさせて頂きました。田植えは私共 夫婦二人で行ない、7月2日に開始し7月14日に終了しました。田植え終了の 当初の目標日は半夏生である7月1日だったので、目標よりも13日遅れとな りました。一株当たりや単位面積当たりの収量は確実に減少すると思いますが、 植えないよりははるかに良いでしょう。田植えの所要時間を削減するために、 ひもや尺などの目印を使わずに目測だけで植えました。期待通りかなり速く 植えることができました。その代わり格子状に植えることができなかったので、 手押し式除草機による除草が困難です。これは、田植え時期が遅れたことにより 草はあまり繁茂しないだろうと考えて、それでも良いことにしました。 草の主流はコナギ(俗称イモガラ。ホテイアオイに似た形)ですが、コナギは 背が低いので稲がコナギに埋もれてしまうということはないと思います。 しかもコナギは来年の稲作のための良き緑肥となるでしょう。一方、ヒエは 種子がこぼれると来年以降の草対策で苦労することになるので、途中で ヒエだけ手作業で抜き取る予定です。

7月17日(火)にお届けした野菜
玉ねぎ(赤・黄)1kg、じゃがいも1kg、人参、 さやいんげん又は中玉トマト又はピーマン又は伏見甘長唐辛子又はオクラ、 えごまの葉又は切干大根、 つるむらさき又はモロヘイヤ又はヒユナ  (6品目)


平成24年7月3日/旧暦五月十四日(火)

雨ばかりで中休みの少ない梅雨

 6月15日以来、梅雨らしく雨がよく降っています。日照時間はごく少なく、 6月17、20、22日に晴れた以外は、ずっと曇や雨です。田植えの準備や田植えには 大変適した天候が続いていますが、野菜にとってはかなり厳しい気象条件です。 土は水分が飽和状態になっているので、雨が土に吸い込まれていかず うね間通路に水溜まりができます。更に雨量が増えると水溜まりの水位が 高くなってうねの上面付近まで達してしまいます。うね間通路の水は圃場外に 排出するように排水経路を作っていますが、元々が水平な田を畑として利用 しているため勾配がないので、時間当たりの雨量が多くなると排水が間に 合わず、水位が高くなってしまいます。昨年は収穫前の馬鈴薯(じゃが いも)がそのような状況になり、ほとんど全部腐ってしまいましたが、 今年は既に収穫済みなので大丈夫です。しかし現在生育中の野菜には過酷 であり、胡瓜、ピーマンなどの一部が枯れてしまいました。また、野菜を 植え付ける前に土に混ぜ込んだ草の分解が不完全だった部分は、過湿のため 草が腐敗しているかも知れません。そのためか、ヨトウガの幼虫のネキリムシ が活発に活動しており、せっかく順調に育っている苗の茎が切り倒される という被害が散発しています。通常なら日数の経過とともに被害がなくなる のですが、今回はなかなか収まりません。梅雨が中休みに入って、土に 酸素が補給されるのを期待しています。

 今の時期に雨が続いても支障がないのは里芋や甘藷(さつまいも)です。 但し草も多く生えるので、梅雨の中休み又は梅雨明け後の草取りが大変に なりそうです。茄子も水に強く根腐れによる枯死は今のところありません が、日照不足のために生育が進みません。
 今年はさやいんげんが近年になく好調でたくさんお届けしていますが、 さやいんげんにはつるなしとつるありがあります。いずれも莢にスジの ないスジなしさやいんげんであり、食べ方に違いはありません。 6月26日(火)にはつるなしいんげんが収穫最盛期で、一口当たり1kgも お入れしましたが、そのつるなしいんげんは土や敷き草に接触した莢が 多雨のために腐ったり虫に食われたりして不良品が多くなり、6月29日(金) までで収穫終了としました。代わってつるありいんげんが収穫期に入り ましたが、こちらは生育が良すぎて重くなりつるを絡ませている網が 大きくたわんで低くなり、土に接触する莢が多くこれまた不良率が高く なっています。雨の降らない日が一日くらいあれば支柱を追加して 補強したいと思います。

田植えの援農について
 6月30日(土)にお手伝いに来て下さる方がいらっしゃる予定でしたが、 当方の都合で中止にさせて頂きました。来て下さる予定で準備して下さって いた方には大変ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。予定通り 実施するべく28日までせっせと準備を進めていたのですが、夫婦間の些細な 摩擦をきっかけに蓄積していた心身の疲労が噴出してあと一歩のところで 力尽きてしまいました。結局田植え終了の目標日だった7月1日の半夏生を 一日過ぎた7月2日に田植えを開始しました。丁寧に植えていたら終了が 遅くなりすぎるので、敢えて極めて粗雑に植えることにしました。 こんなに粗雑な植え方をするのは初めてで、初めての方に手伝って頂く ことは難しいほど粗雑な植え方です。

7月3日(火)にお届けした野菜
さやいんげん500g、玉ねぎ(赤・黄)600g、じゃがいも600g、 人参300g、胡瓜又は切干大根、オカノリ、ヒユナ  (7品目)


平成24年6月19日/旧暦 四月三十日(金)

梅雨入り

 九州北部が梅雨入りしたものと見られるとの発表が6月8日に ありましたが、雨らしい雨が降るようになったのは6月15日からです。 それまでの間に馬鈴薯(じゃがいも)、玉ねぎ、にんにくの取り入れを 済ませることができました。また、雨の降り始めに合わせて甘藷(さつまいも) の苗を400本くらい植えました。今後苗床の苗のつるが再び伸びたら、 更に200本くらい苗を採取して植える予定です。
 育苗ハウス内の踏込温床上でトロ箱に播種して育苗し、5月24日に 露地の本圃に定植した胡瓜、南瓜、ピーマン、茄子、トマトなどの夏野菜は、 せっせと水やりをして枯らさぬよう維持してきましたが、6月15日からの雨の おかげで完全に活着し、本格的な生育を始めることと思います。
 梅雨の雨が降らなくても、さやいんげんが収穫時期を迎えました。 まずはつるなしの「初みどり2号」です。つるなしいんげんの収穫時期は短くて あっさり終わってしまいますが、その次にはつるありいんげんの 「ケンタッキー101」が収穫期を迎える見込みです。さやいんげんは未熟な豆を 収穫するので呼吸量が多く、消耗による鮮度低下が早いです。ですから 到着後速やかに調理するか又は蒸すなどの下処理をして下さい。どうしても すぐに加熱できない場合は、ポリ袋に入ったまま一時的に冷蔵してなるべく早く 調理して下さい。

 6月18日は日没の頃から大雨が降り、水稲を植える予定の田に水を張る作業を するのに好都合な水の状況となりました。しかし夜なので水張り作業は見合わせ ました。19日の朝も引き続き雨で水が充分ありましたが、野菜の収穫と荷造りを する日なので田の水張りはしませんでした。6月14日までの少雨のために、前年の 稲わらや草がまだ土に帰っておらず、土の水分が増えた状態でもう少し待ってから 水を張りたいという気持ちもあります。台風5号の影響で21日頃にも雨が多く降る 可能性がありそうなので、その時に水を張りたいと思います。その後代掻きをして 数日おいてから田植えをするので、田植え開始は21日ではなく27日頃になりそう です。

田植えの援農募集!
 6月27日頃〜7月1日頃の間、火・金曜日を除いてほぼ毎日実施する予定。そのうちの 一日だけでも手伝って下さる方を募集します。田植機用の育苗箱ではなく昔ながらの 苗代(なわしろ)で育てた成苗を、30cm四方に一本ずつ手で植える、古式田植えです。
 手伝って下さった方には、田植え実質一時間当たり収穫物の玄米1kgを進呈します。 また、収穫したお米を優先的にご購入していただく権利を提供します。これは権利 であって義務ではないので、不要な方はご購入されなくても構いません。
 お米は「なずな農園」の赤峰勝人さんの循環農法の要領で育てます。苗代でも 本田でも農薬(殺虫剤・殺菌剤・除草剤のいずれも)、化学肥料は使いません。

野菜セットとは別枠での販売受付中! 野菜セットと一緒にお届けします。
自然海塩(平戸島の「塩炊き屋」さんの「海の子」) 600g 800円
 海水中のニガリ分(各種ミネラル)が、多過ぎも少な過ぎもしない適度な比率で 含まれています。
黒米の玄米(平成23年産) 200g 360円 1kg 1,800円
 3年間以上農薬・化学肥料を使っていない田で育てて、刈取り後に掛け干し してから脱穀しました。
 普通の白米又は分搗き米3合に、黒米を大さじ1杯くらいの割合で混ぜて 炊いて下さい。赤飯になります。玄米なので炊く前に一晩水に浸けて下さい。 玄米ご飯の場合はうるち玄米に黒米を1割程度混ぜると、粘り気が増して おいしいです。色素は皮にあるので、精白すると失われます。玄米のまま 炊いて下さい。かびや虫の発生を防ぐため冷暗所で保管し、3か月程度以内に 使い切って下さい。冷蔵、冷凍も可能です。

6月19日(火)にお届けした野菜
さやいんげん700g、玉ねぎ(赤・黄)600g、じゃがいも600g、 大根1本、人参3本   (5品目)

馬鈴薯収穫の写真 馬鈴薯の収穫。
6月4日、ナ4


平成24年6月5日/旧暦 四月十六日(火)

梅雨を前にして少雨傾向

 梅雨入りを前にして雨の少ない傾向の日々が続いています。 移植直後の苗など水をやらなければ枯れてしまうような必要最小限の 野菜には水やりをしていますが、できれば水やりをした方が良いという 程度の野菜にまではなかなか行き渡りません。この辺で20mmくらいの雨が 降ってくれれば、人参や大根が太るし胡瓜なども生長すると思いますが、 一方で次の降雨までに耕したい圃場がまだ残っており、その点では少雨傾向が ありがたいです。

 5月初めから収穫してきたキャベツ(10月播種)は、そろそろ収穫時期が 終了します。そら豆もほぼ終わりです。リーフレタスも近日中にとうが 立ち始めて収穫終了となります。
 前回5月15日付けでお書きした予想の通り、玉ねぎは小さめです。 小さくて調理に手間がかかるので恐縮ですが、小さくても生長点は玉ねぎ 一個当たり一個ずつあるので、同じ重さでも小さい玉ねぎなら個数が多くなる分、 貴重な生長点をたくさん食べられることになります。玉ねぎの生長点はりん片の 付け根の、扇の要(かなめ)に相当する部分です。
 6月4日に馬鈴薯(じゃがいも)を収穫しました。昨年は収穫直前に大雨が 続いて冠水し、腐って収穫皆無に近くなりましたが、今年は少雨傾向のおかげで 無事に収穫に至り、しかも品質良好です。少雨のため全体的に小さめですが、 これは仕方ありません。
 育苗ハウス内の踏込温床上でトロ箱に播種して育苗した胡瓜、南瓜、 ピーマン、茄子、トマトなどの夏野菜は、5月24日に露地の本圃に定植 しました。前述の通り時々水やりをしています。

田植えの援農募集!
 6月21日頃〜7月1日頃(6月下旬から半夏生の頃にかけて)の間、火・金曜日 を除いてほぼ毎日実施する予定。そのうちの一日だけでも手伝って下さる方を 募集します。田植機用の育苗箱ではなく昔ながらの苗代(なわしろ)で育てた 成苗を、30cm四方に一本ずつ手で植える、古式田植えです。
 手伝って下さった方には、田植え実質一時間当たり収穫物の玄米1kgを進呈 します。また、収穫したお米を優先的にご購入していただく権利を提供します。 これは権利であって義務ではないので、不要な方はご購入されなくても構いません。
 お米は「なずな農園」の赤峰勝人さんの循環農法の要領で育てます。苗代でも 本田でも農薬(殺虫剤・殺菌剤・除草剤のいずれも)、化学肥料は使いません。

6月5日(火)にお届けした野菜
玉ねぎ、じゃがいも、キャベツ、 リーフレタス、大根、人参、 そら豆又は切干大根、びわ   (8品目)

採種用人参の写真 採種用に選抜して植え直した人参が開花。
6月1日、セ3


平成24年5月15日/旧暦 閏三月二十五日(火)

晩春から初夏にかけての野菜

 冬の寒さが厳しかった影響で成長が遅れていたキャベツ (10月播種)、えんどう豆類、そら豆がようやく順次収穫時期を迎えて います。キャベツは例年より1か月遅れで5月初めから収穫できるように なりましたが、その少し前からモンシロチョウが多数飛来しており、 収穫開始の翌週には外葉がアオムシに食い荒らされてしまいました。 そのため二週目からは外葉を取り除いてお届けしています。取り除く外葉は モンシロチョウの幼虫(アオムシ)やサナギもろとも鶏の餌です。

 育苗ハウス内の踏込温床上でトロ箱に播種した胡瓜、南瓜、ピーマン、 茄子、トマトなどの夏野菜は4月にポリポットに鉢上げして引続き育苗 ハウス内で育てています。5月下旬には定植する予定で、予定地には 5月12日に米糠や菜種油粕を混ぜ込みました。
 3、4月に播種した葉菜類、根菜類のうちほうれんそうの第一陣 (強力オーライ)はトウが立って収穫終了となりました。ほうれんそうの 第二陣(おかめ)は葉色が薄くていま一つ冴えませんが、食味は良いので 取りあえず先週は収穫しお届けしました。アブラナ科の大根、小松菜、 金町小蕪、しろな、山東菜は微少な虫食いが多く見苦しくて恐縮ですが、 何とか許容範囲内と判断した分は収穫してお届けします。人参は13日に 一巡目の間引きを終了しました。
 3月15日に種芋を植え付けた馬鈴薯(じゃがいも)は4月24日から5月12日 にかけて中耕と土寄せをしました。テントウムシダマシ(ニジュウヤホシ テントウ)が散見されますが、今のところ食害は少なく順調に生育して います。収穫は6月後半頃の予定です。昨年は梅雨の大雨で冠水して腐って 皆無作に近かったので、今年はいつも以上に畝を大きく高くして備えて います。
 昨年9月にタネを蒔いて育ててきた玉ねぎは、5月後半から6月にかけて 収穫期を迎える見込みです。冬の低温のために生育が遅れ気味ですが、 例年通りの時期になれば休眠期に入りそれが収穫期となる可能性が高い ので、小さめになりそうです。
 甘藷(さつまいも)は毎年自給種芋を植え継いでいる高系14号(なると 金時と同じ)の種芋36本を育苗ハウス内でトロ箱の土に伏せ込んで芽出し して、5月9日に外の苗床に植え付けました。甘藷の種芋はカラスにしつこく 狙われるのでイノシシ用の防獣網をトンネル掛けして覆い、まだ気温が低い ので保温用の不織布もかぶせています。また、今年はタマオトメという品種の 甘藷も育てることにして、その苗を育てるための苗を4月23日に6本植えました。 高系14号もタマオトメも、この苗を育てて6月につるを採取し本圃に植え付けます。
 夏の葉菜類のモロヘイヤ、つるむらさき、エンサイ、ヒユナ、オカノリは 育苗ハウス内のトロ箱での育苗又は本圃への直播きで4月下旬に播種して 育てています。つるなしとつるありのさやいんげんは4月25日にタネを蒔き ました(直播)。
 本来なら今の時期に収穫できるはずのものとしてアスパラガスといちごが ありますが、アスパラガスは年を経るごとに草がはびこってアスパラガスの 株数が減ってしまいました。いちごはカラスからの防衛になかなか手が回らず カラスにつつかれています。また、果実が土と接触した状態で雨が降ると 腐るので敷き草等の対策も必要です。アスパラガスは来年の復活を目指して 今月中に別の新たな場所に移植する予定です。いちごは今期二巡目の電気柵沿い の草払いが終わったら何らかの対策を講じたいと思っています。来年は対策に 手が回らなくていちごの果実が収穫不能になることを防ぐため、防鳥網を 張り易い直線の一本の畝にまとめて植えて、初めからポリマルチを張っておく ことを考えたいと思います。

5月15日(火)にお届けした野菜
キャベツ、そら豆、山東菜、大根の間引き菜、人参の間引き菜、 切干大根、シフォンケーキ   (7品目)

春蒔きの人参などの写真 左半分は春蒔きの人参。その右の手前はセット栽培玉ねぎの苗床。 その右は春蒔きの小松菜などの跡。
5月29日、セ9


平成24年4月6日/旧暦三月十六日(金)

キャベツもブロッコリーも短期集中で小さめ

 冬の寒さが厳しかった影響でブロッコリーやキャベツの収穫期 到来が例年より二か月以上遅れましたが、収穫終了の時期はほぼ 例年通りとなりました。生育が遅れていても気温が上昇したり昼間の 時間が長くなったりすると、花を咲かせる準備が始まるからです。 冬期の生長が緩慢で葉数が増えないまま春になったため、ブロッコリー もキャベツも小さかったです。ということでブロッコリーもキャベツも 短期集中で、しかも小さめのまま終わりつつあります。キャベツは 今終わろうとしている冬収穫予定だった分の他に初夏収穫予定のものが あり、そちらも例年より生育が遅れています。暖冬の年には4月上旬 から収穫できたこともありましたが、今年は5月になりそうです。
 ブロッコリーは茎の先端にできる大きい頂花蕾の収穫が3月30日に 終了し、今週からは側枝の先端にできる小さい側花蕾のみです。 側花蕾も頂花蕾も食味に違いはありませんが、時期による違いがあり ます。冬には蕾の塊ができてある程度肥大した時点でしばらくとどまって くれるので、適度な大きさでしかもよくしまった蕾が収穫できます。 それに対して春には蕾の生長が速くなり、蕾がまだ小さいうちから 蕾の塊が膨らみ始めて緩くなり、調理時に蕾の粒粒が脱落し易くなり ます。ですから今週からのブロッコリーは茹でるよりも、蒸す方が 都合が良いと思います。側花蕾は小さいので野菜炒めにも向きます。 但し水分含量が少なくて焦げ易いので、軽く炒めたら水を少し加えて 蓋をして弱火で蒸すようにしながら炒めると良いです。

 育苗ハウス内に踏込み温床を作り、草に米糠と水を加えて発酵・発熱 させて胡瓜、南瓜、ピーマン、茄子などの夏の果菜類の種子を3月に蒔き、 育苗を始めました。今後生長度合いに応じてポリポットに鉢上げして、 5月に露地の圃場に定植します。来週にはさつまいもの種芋を温床上で 伏せ込んで、苗にするためのつるを出させます。
 春蒔きの葉菜類、根菜類のタネも3月に蒔き、一部は生育を始めて います。最初に蒔いた小松菜は種子が古くて発芽不能になっていたようで、 芽が出なかったので蒔き直しました。人参は今のところ順調です。とは 言っても間引き菜の収穫が5月初め頃、成長した人参の収穫は更に先で 梅雨に入った頃です。
 3月中旬にはじゃがいもの種芋を植え付けました。収穫は6月後半頃の 予定です。昨年の春作じゃがいもが大雨による冠水のために腐って 皆無作に近かった影響で自給種芋が少ししか確保できなかったので、 今回は市販の種芋を購入しました。今年は大雨対策を万全にして無事に 収穫に至らせたいです。対策の一つとして圃場の上方にある林道の側溝に たまった大量の土砂を除去して、山から流れてくる水の圃場への流入量が 減るようにしました。
 5月後半から6月にかけて収穫期を迎える玉ねぎは、それなりに育って いますが冬の低温のために生育が遅れ気味です。生育が遅れても例年通りの 時期になれば休眠期に入りそれが収穫期となるので、ブロッコリーや キャベツと同様に小さめになる可能性が高いです。

 前線を伴った低気圧が4月3日に朝鮮半島から日本海へと進みました。 日本海を進みながら台風並みに発達したため、北陸や新潟などで暴風 による被害が多数発生しました。当地でも暴風警報が発令されて強風が 吹き荒れました。開花中のそら豆の葉が強風で傷んだり茎が多数折れたり しました。えんどう豆類も風に振り回されたので、これから影響が出て くるかも知れません。5月以降収穫予定の玉ねぎや春蒔きのほうれんそうは、 今はまだしなやかなので強風の影響はほとんどないと思います。夏野菜の 育苗ハウスはPO樹脂のフィルムが一部破れたりはがれたりしましたが、 幸い倒壊は免れ中の苗は無事でした。

4月6日(金)にお届けした野菜
大根(大吉)、人参(夏紅五寸)、キャベツ、 ブロッコリー、春菊、切干大根、 はくさいのとう又はシフォンケーキ、黒米   (8品目)


平成24年3月1日/旧暦二月九日(木)

早くも菜種梅雨

 2月13日以降、雨が多いです。そして2月21日以降は、雨が多すぎます。 3月1日以降は連日雨という予報です。菜種梅雨だそうです。菜種梅雨 というのは菜種など菜の花の咲く頃の長雨ですが、年によって3月だったり 4月だったりします。今年は3月早々にやってきました。
 3月1日になったらもう、じゃがいもの種芋を植えたり春蒔き 人参のタネを蒔いたりして良い時期です。春蒔きの人参や小松菜、 蕪、大根などの予定地には2月11,12日に自給鶏糞を撒いて土に 混ぜ込みました。2月下旬に再度耕して畝を作る予定でしたが、 降水量が多くて土の水分が多すぎるので耕すことができません。 水分過多の時に耕すと土を練ることになり、土壌の団粒(だんりゅう) が壊れて通気性が著しく悪くなり、野菜が健全に育たなくなるから です。一日でも早く畝を作って人参のタネを蒔きたいのですが、 菜種梅雨が終わるまで待つしかありません。じゃがいもの植え付けや セット栽培玉ねぎの播種、ごぼうの播種も同様です。いずれも、 菜種梅雨が終わって一週間くらいかけて土が乾くのを待ってからです。 将来はどこかから中古のビニールハウスの払い下げを受けて雨避けハウス として利用し、長雨でも水分過多にならないようにする必要があるかも 知れません。

 冬の間気温が例年より低い傾向が続いたため、年末年始の頃に 収穫する予定だったキャベツとブロッコリーの収穫期到来が二か月以上 遅れています。そのためお届けする野菜の種類が単調で、ご迷惑を おかけしています。ブロッコリーはようやく少しずつ収穫できるように なってきましたが、冬の低温のために茎葉の生長があまり進まず、 植物体全体が小ぶりなので収穫する花蕾も小さめです。キャベツは 低温による生育遅延のために葉の枚数が少なく結球がなかなか進み ません。しかしこのままでは結球前にとうが立ってしまうかも 知れないので、結球が緩めでも収穫を始めることになりそうです。
 普通のごぼうとは全く違って短くて岐根だらけ、空洞ありの 大浦ごぼうは、2月21,24,28日の三回のお届けで終わりました。 香りが良くて大変おいしかったとのご感想を複数頂きましたが、 姿がグロテスクで嬉しくなかった方もいらっしゃるかも知れません。 そういう方はご安心下さい。次は早くても今年の年末です。

3月2日(金)にお届けした野菜
大根(関白)、青長大根、人参(黒田五寸)、小松菜、 ほうれんそう、さつまいも(高系14号)、 ブロッコリー、切干大根、生姜の甘酢漬け   (9品目)

ブロッコリーの写真 ようやく収穫時期を迎えたブロッコリー。
ナズナと一緒に育っています。
3月27日、ナ7


平成24年2月15日/旧暦一月二十四日(水)

カラスの群が襲来

 そろそろヒヨドリがキャベツやブロッコリーの葉を食べに来る 時期なので防鳥網を張っていると、前回2月2日付でお書きしました。 近隣の山林からヒヨドリの下品な鳴き声が聞こえていますが、 今のところ野菜への食害はありません。その代わり2月3、4日に カラスの大群が一時的にやってきて、1月に玉ねぎを定植したばかり の畝のポリマルチを破ったり苗を引き抜いたりしました。 苗の生育が遅くて定植時期が予定より1か月遅れたために、 まだ根が活着しておらずいとも簡単に引っこ抜ける状態でした。ちょうど 乾いた寒風の吹いている時だったので、引き抜かれた苗は干からびて しまい、引き抜かれた本数もあまりに多かったために、拾って 植え直すのは途中であきらめました。せめて被害数がそれ以上増えない ようにと思い、魚釣り用のナイロン糸(5号)を450mくらい張り巡らし ました。
 今の時期は野鳥の食糧事情が厳しく、カラスが他の季節には食べない ような種類の野菜を食べるのはよくあることです。例えば蕪や大根 なども食べます。しかし、玉ねぎの苗はほんの10本くらいかじった だけで、他はただ引っこ抜いて散らかしているというのが、カラスの たちの悪いところです。釣り糸で効果がない場合は防鳥網を張らないと いけませんが、玉ねぎの畝にまで網を張っていたら網そのものもそれを 張る労力も足りないので困り果ててしまいます。幸い数日後には カラスの大群は来なくなりました。夕暮れ時に、鹿町工業高校近くの 住宅地付近の上空にカラスの大群がいるので、それが昼間はあちこちを 渡り歩いているのでしょう。弁当ガラやPETボトルやポリ袋などのゴミを 他所から運んできて散らかすのも、カラスの困った行動です。 もう来ないで欲しいと切に願います。

2月14日(火)にお届けした野菜
大根(関白)、人参(黒田五寸)、小松菜、 ほうれんそう、さつまいも(高系14号)、 里芋(赤芽大吉)又はゆかり、 コールラビ又は大阪しろな、 葉玉ねぎ   (8品目)

ヒヨドリ避け防鳥網の写真 1月上旬から収穫する予定だったキャベツ、ブロッコリー。
気温が低い傾向が続いているため収穫時期の到来が遅れています。
2月9日、ナ7


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