むらもと農園 農園便り

 定期お届けの野菜セットにお入れしている紙の「農園便り」 の内容を基にしつつ、ウェブサイト用に一部書き換えたものです。

     <平成22年12月3日−平成24年2月3日 太一 記>


平成24年2月2日/旧暦一月十一日(木)

ヒヨドリが襲来する時期

 前回、1月17日付で雨の降らない日々が続いているとお書きした ところ、その直後に充分な量の雨が降りました。1月18-19日に18mm、 22日に14mm、合わせて32mm降りました。これにより、水やりは 全く必要なくなりました。
 それにしても、雨の威力はやはりすごいです。 面積10アール(1000m2)の畑にキャベツと ブロッコリーを植えているとして、そこに32mmの雨が降るという ことは、雨の量は1000×(32÷1000)=32m3=32,000 リットルです。これだけの量の水をホースを使って人為的にまくと いうことは、なかなか大変なことです。 ですから、ホースやポンプがある現代においても、32mmの雨という のは非常にありがたい恵みの雨です。

 5,6月収穫予定の玉ねぎの苗の定植を1月16日に終えて、1月17-31日 には落葉果樹の剪定や整枝をしました。梅は既に蕾が膨らみ始めて いたので、次回は今年の年内(12月)に済ませたいと思います。

 そろそろヒヨドリがキャベツやブロッコリーなどの葉を食べに 来る時期です。今年は地域によってはヒヨドリが少ないのではないか という情報も聞きますが、例年通り来ている地域もあるようです。 当地では少数ながら鳴き声が聞こえるので、既にいるのは間違いないです。 野菜畑に多数飛来するか否かは山の食糧事情と鳥の数次第なので わかりません。しかし、野菜の葉を食べ始めてから防鳥網を張っても しつこく侵入して防御効果が少ないので、食べ始める前に防鳥網を 張らないといけません。そこで先週末から今週にかけてキャベツ、 ブロッコリーに防鳥網を張る作業をしています。幅2m×長さ54mの網を 張るのですが、前回撤収した時に巻き取ったものが円滑にほどけて くれなかったり、網を支えるロープが傷んでいて交換したり、網その ものが破れていて修繕したりするので、なかなかはかどりません。 これまでに3枚張り終えて、更にあと2枚か3枚張る予定です。

野菜の生長点について
 野菜に含まれる種々の微量有用物質は主に皮のすぐ内側に存在する ことは、前回1月17日付でお書きしました。皮と並んで是非とも捨てずに 食べて頂きたいのは生長点です。生長点には現在の科学ではまだ把握 できていない有用物質が含まれていると言われています。分かり易く 言えば生命力の源となる物質です。分析しても検出できないような わずかな量でも、生命の力を維持するのに欠かせないものです。
 生長点はどこにあるかと言うと、大根や人参、小松菜、チンゲンサイ などでは葉の付け根の芯の部分です。次の新しい葉が出てくる部分です。 大根、人参は葉が傷んできたら葉を切り落としてお届けしていますが、 生長点は根の側に残っています。大根や人参の頭の部分を切り取って 水栽培してみると、新しい葉が出てくるのでわかります。コールラビの 生長点は球の上端部です。
 玉ねぎやねぎの生長点はひげ状の根の付け根のすぐ上です。 玉ねぎの玉(球)の上端ではありません。玉ねぎを縦に切って断面を 見ると一枚一枚のりん片の下端が全て根の付け根のところとつながって いることがわかります。扇の要(かなめ)のようなところです。 そこが玉ねぎの生長点です。玉ねぎの下端の根の付け根は硬いので 切り落とす方が多いと思いますが、その時切り方が厚過ぎてりん片が バラバラになるようでは生長点まで失われています。
 生長点ではありませんが、葉玉ねぎや葉ねぎの場合はひげ状の根が まだ生きていて柔らかいので、根も食べられます。天ぷらにすれば 根の付け根の硬いところもろともおいしく食べられます。炒めたり 味噌汁や煮物に入れたりする時は、硬そうなところを細かく刻んで 下さい。白色のひげ状の部分は柔らかいのであまり細かく刻まなくても 支障なく食べられます。

2月3日(金)にお届けした野菜
大根(関白)、人参(黒田五寸)、小松菜、 ほうれんそう、里芋(赤芽大吉)、コールラビ、 葉玉ねぎ   (7品目)

玉ねぎ、えんどう豆の写真 黒色ポリマルチを張ったうね2本は玉ねぎ定植直後。
その間の木灰がかすかに見えるうねは、えんどう豆順次出芽中。
1月18日、春田276-イ


平成24年1月17日/旧暦十二月二十四日(火)

少雨の冬

 昨年12月3日迄の多雨傾向から一転して、12月9日以降は雨の ほとんど降らない日々が続いています。土の水分が少なくなっている上に 平年よりも気温が低いため、キャベツやブロッコリーの生育が遅いです。 1月12日にはキャベツ、ブロッコリー、春菊などに水やりをしました。 冬は水の蒸発・蒸散量が少ないので、今年とは逆に降水量が多いと土が 水分過多になってなかなか乾かず大変困ります。ですから今年のような 少雨の方がありがたいです。
 5,6月収穫予定の玉ねぎの苗の定植を、1月16日にようやく終えました。 玉ねぎの苗は乾燥に強いので定植時にも通常は水やりをしませんが、 今年は土がカラカラに乾いているので植えた後水やりをしました。 玉ねぎの約半分は、前回(1月4日付)ご紹介した鹿町町口ノ里春田 (ハルタ)の、基盤整備田に植えました。

野菜の皮について
 野菜の貯蔵養分であるでんぷんは芋や根の内部に貯えられていますが、 野菜の中に微量に含まれる種々の有用物質は主に皮のすぐ内側に存在 するそうです。ですから、野菜の皮はできるだけむかずに調理することが 大切です。大根、蕪、人参、さつまいもの皮は、むく必要が全くなく、 これをむいて捨てるのは大変もったいないことです。里芋は外側の 毛のようなものを剥ぎ取れば、その内側の茶色の薄い皮をむく必要は ありません。コールラビは大きくなると下の方の皮が硬くなるので、 硬そうな場合は下の方だけむいて下さい。
 皮には土が付いているのでむいて捨てるという方がいらっしゃると お聞きしました。それは大変もったいないことです。肉眼で 見えるような土の粒子が残っていたら、食べる時にジョリジョリと 歯に当たるので良くありませんが、そういう粒子は水で洗えば 落ちます。表面の溝のようなところに入り込んで取れにくい ものは、歯ブラシでこすれば取れます。かすかに色が残って いる程度でも我慢できないとすれば、それは神経質過ぎる というものです。

 水道水のほとんど全ては、土の間を通過したものです。 容器入りのミネラルウォーターも、土の間を通過する間に 土からミネラル分をもらっています。海水中の 塩やその他のミネラル分も土に由来するものです。土は 本質的には決してきたないものではないです。土に接していた皮を 食べられないならば、水道水やミネラルウォーターも飲めない ことになります。雨水なら土に接していませんが、現代の雨水には 中国の工場や自動車の排気に由来して酸性雨や光化学スモッグの 原因になっている、窒素酸化物や硫黄酸化物などが多く含まれていて 有毒です。
 東京電力の放射性物質が土に含まれている可能性が あるから、皮をむいて捨てないといけないという心配も今はある かも知れません。しかし、そのような心配のある場合は皮だけでなく 内部に放射性物質を吸収している可能性が高いので、その野菜 そのものが残念ながら食べられないと思います。だから、土と 接していたからという理由で皮を捨てるのは無意味なことです。

野菜セットとは別枠での販売受付中!
玄米餅(緑米、黒米、赤米) 500g 1,200円
 緑米の玄米餅だけでなく、黒米や赤米の玄米餅もできます。 黒米の玄米餅は黒色、赤米の玄米餅は茶色に近い赤色です。

1月17日(火)にお届けした野菜
大根(関白又は宮重)、紅心大根又は{紅心大根+コールラビ}、 人参(黒田五寸)、小松菜又はチンゲンサイ、 さつまいも(高系14号)、里芋(赤芽大吉)、 葉玉ねぎ(シャルム、博多こがね、博多こがねEX)   (7品目)

茄子予定地の写真 今夏の茄子・ピーマン等栽培予定地
近くの耕作放棄地から草をもらってきて敷きました。
1月18日、春田276-イ


平成24年1月4日/旧暦十二月十一日(水)

連作防止策

 12月4日以降、雨の降り過ぎない天候が続いてくれたおか げで、水分過多だった土が徐々に乾いてくれてありがたいとい うことを前回(12月15日付)書きました。その後1月2日迄、 降水量はほぼ0.0mmでした。冬なので水の蒸発・蒸散量が少なく、 夏のような干ばつにはなっていませんが、それでも生育途上の 野菜にとっては土が乾き過ぎの状態になってきました。 玉ねぎの苗と10月28日播種の小松菜は生長が止まってしまった ので、12月30,31日に水やりをしました。そろそろ一雨欲しいと 思っていたら、1月3日の夜に26日ぶりに一時雨が降りました。 短時間だったので雨量はせいぜい2mm程度だろうと思いますが、 貴重なお湿りでした。4日は時々雪が降っています。優しい 降り方の雨か雪が、降水量にして5mmか10mmくらい降ってくれれば ありがたいです。

 冬に収穫する分のキャベツとブロッコリーは、播種が 遅かったせいもあり収穫期到来が遅れています。4,5月収穫予定の キャベツは12月31日に定植しました。5,6月収穫予定の玉ねぎの苗は 12月21日に定植を開始しました。本数が多いので植え終わるまで にはもうしばらくかかりそうです。

 宮重大根(青首)、金町小蕪、黒田五寸人参の採種(たねとり) 用の株をそれぞれ20本以上ずつ選抜し、採種用の場所に1月3日に 植え直しました。春になったらとうが立って花が咲き、蕪と大根は 6月、人参は7月に種子が採取できます。

 これから2月末迄の間に、ため池の堤や農地周辺の斜面などの 草を刈って集めます。それをカッターで刻んで米糠と混ぜて水を かけて発酵させ、草堆肥にします。本当はこれは最優先の農作業 ですが、タネ蒔きや野菜の手入れと違ってするべき時期の幅が狭く ないので、これまで毎年ついつい後回しにして結局まともにできず じまいになっていました。せっかく手間暇かけて集めてきた草を 充分に活用できないのは大変もったいないことなので、今年こそは しっかり草堆肥を作り、夏の茄子やピーマンなどの追肥を万全に したいと思っています。

 ここ数年、鹿町町大屋中切(ナカノキレ)の転作田約60aを野菜 栽培の主たる圃場として使ってきましたが、ナス科やアブラナ科の 連作を回避するための輪作が手詰まり状態になってきました。特に アブラナ科は大根、蕪、小松菜、白菜、チンゲンサイ、水菜、 タアサイ、キャベツ、ブロッコリー、コールラビなど種類が多くて 使う面積が広いので、植えられる場所が早期に枯渇します。そこで 輪作年限を短縮するために、今年の夏は中切の田に水を張りたいと 思っています(田畑輪換)。せっかく水を張るからには、できれば 水稲を植えたいのですが、かつて耕作放棄されていた時に イノシシから畦(あぜ)を随分壊されているので、畦を修理して 深水にできるように整備することが前提条件となります。
 中切の代わりに今年は鹿町町口ノ里春田(ハルタ)の、麻生太郎 内閣最後の補正予算で基盤整備してくれた27aの田でも野菜を育てる ことにしました。重機(ユンボー)による基盤整備では作土への石の 混入が付き物のようで、春田の基盤整備田も石が多いです。鳩山由紀夫 内閣による「執行停止」の検討対象になって着工が遅れて年度末 ぎりぎりの突貫工事だったので、なおさら石が多いようです。 一年前の冬から春にかけてたくさん拾ったので随分減りましたが、 まだ当分は耕したり畝を作ったりするたびに石を拾うことになりそう です。

1月4日(水)にお届けした野菜
大根(宮重)、人参(黒田五寸)、金町小蕪、 さつまいも(高系14号)、里芋(赤芽大吉)、 葉玉ねぎ(博多こがねEX)、チンゲンサイ   (7品目)

玉ねぎ苗、そら豆の写真 左は5月収穫予定のそら豆
右は5、6月収穫予定の玉ねぎ
1月8日、ナ4


平成23年12月15日/旧暦十一月二十一日(木)

多雨傾向ようやく解消

 12月4日以降の12日間、雨の降り過ぎない天候が続いて くれて助かっています。西高東低の冬型気圧配置や北からの 寒気の流れ込みや気圧の谷の影響により、曇りの日が多く 日照時間は少ないのですが、とにかく雨のあまり降らないで いてくれるのがありがたいです。おかげで水分過多になって いた土が少しずつ乾いてきてくれました。12月15日には 玉ねぎと来年4、5月収穫のキャベツの苗を植えるための、 うねを作る下準備を完了することができました。
 えんどう豆(グリンピース、絹さや、スナップえんどう) は、本来11月中に蒔いておきたかったものなので12月15日 まで待つことができず、12月7日に蒔きました。12月8日に 降雨が予想されていて、実際には雨量は11mmで済んでくれた のですが、前日の7日の時点ではその程度の雨量で済むか どうかわかりませんでした。もし30mmとか50mmとか降られたら、 その後また当分の間はうね作りができず大幅に遅れることに なるので、やや無理をして7日にうねを仕上げてえんどう豆の タネを蒔いてしまいました。まだ土の水分が多かったので土の 大きな塊ができてしまい、あまり良い状態ではありません でしたが、全くだめという状況でもないと判断しました。

 大根、蕪、人参、小松菜、水菜、タアサイ、チンゲン サイに続いて紅心大根、青長大根、コールラビ、葉玉ねぎ、 春菊も少しずつ収穫できるようになりました。キャベツと ブロッコリーは現在生育途上であり、収穫までもうしばらく かかりそうです。
 今週からお届けする葉玉ねぎはセット栽培玉ねぎです。 通常の玉ねぎは9月にタネを蒔いて翌年5、6月に収穫しますが、 セット栽培玉ねぎは3月にタネを蒔いて6月に極小の玉ねぎ (オニオンセット、セット球)を収穫して貯蔵しておき、 それを8月末に植え付けます。順調なら12月には大きい玉ねぎ になるのですが、セット球が小さかったのに加えて天候の 関係で植え付けが遅くなったため、玉の肥大が遅れています。 昨年の9月にタネを蒔いて育てた葉ねぎ(九条ねぎ)の苗が、 今年の夏に草取りが間に合わず草に埋もれて消滅してしまい、 今冬は葉ねぎがありません。そのためセット栽培玉ねぎを ねぎ代わりにもご利用頂けるよう、早めに葉玉ねぎとして 収穫することにしました。

 水稲は11月15日に稲刈りが終了し、掛け干しを経て12月 14日に脱穀を終了しました。黒米、緑米、赤米の玄米と、 緑米の玄米餅は販売できます。今年の水稲は全部苗代で育苗し、 田植えは手植えしました。除草剤を使わないので手押し除草機 による除草と手取り除草をしました。収穫期の多雨のため 倒伏したり土がぬかるんだりしてバインダー(稲刈り機)が 使えなかったので、黒米と緑米と赤米は全部鎌で手刈り しました。昨年初挑戦してうまく行かず今年は見合わせた ポット成苗田植機の利用に来年は再挑戦して、普通のうるち米も 販売できるくらいの量を栽培したいと思っています。

12月16日(金)にお届けした野菜
大根(タキイ交配 関白)、紅心大根、人参(黒田五寸)、 大生姜、さつまいも(高系14号)、里芋(赤芽大吉)、 葉玉ねぎ(タキイ交配 シャルム)、チンゲンサイ又は ほうれんそう又ははくさい間引菜又はタアサイ、小松菜   (9品目)

玉ねぎ苗、セット栽培玉ねぎの写真 左は来年5、6月収穫予定の玉ねぎの苗床
右は葉玉ねぎとして収穫中の、セット栽培の玉ねぎ
12月15日、ナ4


平成23年12月1日/旧暦十一月七日(木)

大根収穫開始

 大根が収穫期に入りました。まだ小さめですが虫も おらず品質は良好です。品種はF1種の「タキイ交配 関白」 です。もうしばらく経つと、在来固定種の「宮重大根」も 一時的にお届けする予定です。また、年末年始の頃には 中が紅色の紅心大根と中が緑色の青長大根もお届けする ことができると思います。他に白首の和歌山大根も少し 植えていますが、これは私たち自身がたくあん漬けにします。 1年以上熟成させる保存漬けにするので、塩辛くて世間の 多くの皆様には喜ばれません。ですから、昨年からは自分 たちの食べる分だけ漬けることにしました。
 蕪はみやま小かぶと金町小蕪の二種類を植えましたが、 作付け面積の少なかったみやま小かぶはほぼ収穫し尽くし ました。金町小蕪はもう少しあります。もっとも、「みやま 小かぶ」は埼玉県飯能市の野口種苗さんが「金町小蕪」から 選抜育種した、いわば兄弟品種なので大きな差はないと 思います。
 葉菜類では小松菜第一・第二陣と水菜がよく育った一方で、 小松菜第三陣は虫食いが多くて失敗です。大根、蕪、 小松菜第一・二陣、水菜、タアサイ、チンゲンサイを植えた 場所は草や菜種油粕を土に返すための日数がある程度確保 できたのですが、小松菜第三陣はその日数が足りなかった ようです。赤峰勝人先生の言われるところの「神虫さん」が たくさん現れて、せっせと糞にして土に返し始めています。 耕す燃料や労力、油粕などをせっかく費やしたのに、無駄に 終わってしまいました。もう少し待ってから蒔くべきでした。 もう一か所別のところに最後に蒔いた小松菜第四陣が少し あるので、そちらに期待したいと思います。
 キャベツ類ではコールラビ(蕪甘藍)がもうそろそろ 収穫できると思います。キャベツは播種直後の気候条件が 厳しくて、冬に収穫する分と4、5月に収穫する分のいずれも 苗の本数が少なめです。それと対照的に2月頃に収穫予定の ブロッコリー(タキイ交配 エンデバー)は苗の出来が大変 良く、たくさん植えることができました。4月に収穫できる ブロッコリーの「タキイ交配 チャレンジャー」は今年は タキイ種苗の品質基準を満たす種子が生産できなかったとの ことで、種子が販売中止になったため育てることができません でした。市販種子に頼っているとこういう時に困るのですが、 自家採種できる在来固定種のブロッコリーは育てにくいので、 自家採種は一年だけでやめてしまいました。

 冬至を3週間後に控えて日照時間が短い上に太陽光の エネルギーも弱いので、風が強く吹かない限り土はなかなか 乾きません。10月から雨の多い傾向が続いており土の水分が 多すぎるので、耕したりうねを作ったりする作業が進みません。 そのためえんどう豆類や麦のタネ蒔きがまだできていません。

 水稲は11月15日に稲刈りが終了し、一部を脱穀しました。 今年の水稲は大豆跡の黒米が上出来、野菜跡地の緑米(もち米) は肥料分が多すぎたようで育ち過ぎ、普通のうるち米のうち 主力の「にこまる」は肥料分不足だったようで不出来でした。

12月2日(金)にお届けした野菜
大生姜(長崎1号)、さつまいも(高系14号)、里芋(赤芽大吉)、 ほうれんそう、蕪(金町小蕪)、大根(関白)、 タアサイ間引菜、人参   (8品目)

定植済みのブロッコリーの苗などの写真 2月頃収穫予定のブロッコリー、3月頃収穫予定の大根など
11月14日、ナ7


平成23年11月12日/旧暦十月十七日(土)

夏野菜から冬野菜へと交替

 9月9日に播種(タネ蒔き)したキャベツ、 ブロッコリー、コールラビ、チンゲンサイ、春菊に続いて、 9月22、23日に播種したブロッコリー、コールラビ、 チンゲンサイ、春菊を11月2日までに定植しました。 また、収穫期間を長くするために時期をずらして播種 している小松菜と大根の最終組を、それぞれ10月28日と 11月2日に播種しました。
 これで、来年3月までに収穫する野菜の播種や 植付はほとんどが完了しました。残っているのは10月9日 播種のチンゲンサイと高菜の定植です。

 来年4月以降に収穫する分としてはキャベツ、そら豆を 10月28日迄に播種しました。えんどう豆類(グリンピース、 絹さや、スナップえんどう)は11月中に播種する予定 です。えんどう豆類は既に畝(うね)の準備が完了して いても良い時期なのですが、雨が多くて作業がなかなか できず遅れています。いちご用の畝も同様です。
 土の水分が多すぎる時に耕したり畝立てをしたりすると、 土をねちょねちょとこねることになり、通気性が非常に 悪くなります。その後乾燥しても通気性はなかなか回復せず、 そこに野菜を植えてもうまく育ちません。ですから今は あせらずに、土がある程度乾くのを待つしかありません。 その間は草払いや稲刈り関連作業など、耕す以外の仕事も たくさんあるのでそういうことをしています。
 11月5日から6日にかけて雨が70mm降り、その後土があまり 乾かないうちに10、11日はまた雨が降りました。幸いにして 雨量は少なかったですが12日は曇りで、土はなかなか乾き ません。週間予報によると17日か18日頃までは雨が降らずに いてくれそうなので、その間に遅れを取り戻したいと 思います。

 草だらけになった玉ねぎの苗床は、克子が少しずつ 草取りをして苗を救出しています。

 収穫の方は、夏野菜が順次収穫期を終えて、徐々に 冬野菜へと交替しています。夏野菜のうちオクラ、 つるむらさき、エンサイは10月末まで頑張っていましたが、 もうほぼ終わりです。ピーマンと伏見甘長唐辛子はまだ収穫 できていますが、気温の低下とともに果実の肥大が遅くなる ので、収穫の量と頻度が少なくなっていきます。
 生姜は12月まで少しずつ継続して収穫してお届けします。 1月以降は低温で傷み易くなるのでお届けしない予定です。 今食べきれない分は1月以降にお使いになる分として、 洗って小分けして冷凍しておくことをお勧めします。 冷凍したものは凍ったまますりおろしてお使い頂くことが できます。
 さつま芋は今月からお届けできるようになりました。 今年は「なると金時」と同じ「高系14号」だけ育てました。 昨年は「ベニアヅマ」と「安納芋」も育てましたが、この両者は 今年は植えませんでした。「ベニアヅマ」は貯蔵性が劣り、早く しわしわになったからです。「安納芋」は美味でしたが芋が 全体的に小さく収量が少なかったし、「高系14号」と比べて 特別美味というわけでもないので、従来からの「高系14号」 だけで良いと考えました。
 里芋は先日ほんの少し収穫してみましたが、まだ芋が 小さいです。土寄せの時期が遅れたせいかも知れません。 本格収穫はもうしばらく待ってからにします。

11月11日にお届けした野菜
大生姜(長崎1号)、さつまいも(高系14号)、小松菜、 水菜、小蕪(みやま小かぶ)、大根間引菜、 伏見甘長唐辛子又はピーマン(京みどり)又はさやいんげん、 つるむらさき又は茄子(長者)、日本南瓜(小菊南瓜)   (9品目)

生育途上の大根の写真 生育途上の大根
11月14日、ナ8


平成23年10月27日/旧暦十月一日(木)

秋冬野菜定植など

 すっかり涼しくなり、秋冬野菜の苗をコオロギに食べら れる心配がなくなりました。10月7日付でご紹介した対策で、 苗の多くをコオロギから守ることができました。 ただ、はくさいはコオロギからは守ったものの生育状況が悪く、 結球せずに終わる可能性が大きそうです。
 はくさいは移植に弱く地床で育苗して移植する方法に適さない ので、昨年までの数年間は直播きしました。しかし直播きでは 大面積を防虫網で囲うことになり、その中のほんの小さな隙間 からコオロギが侵入して全滅することが多かったです。 そのため今年は根を切らずに移植できるセルトレイに自前の 土を入れて集約的に育苗しました。市販の育苗培土とは違って 養分の保持力が少なかったようで、苗の生育が思わしくあり ません。大雨が続いて養分が流亡した可能性もありそうです。 セルトレイよりも多い量の土を調製する必要がありますが、 来年はポリポットを使いたいと思います。

 9月9日に播種したキャベツ、ブロッコリー、コールラビ、 チンゲンサイ、春菊は10月20日までに本圃に定植しました。 一部、ネキリムシ(ヨトウムシ)に切り倒されて消滅し ましたが、それ以外は順調に活着しました。
 9月22、23日に播種したブロッコリー、コールラビ、 チンゲンサイ、春菊も既に定植に適した大きさに生長しました。 10月21日に137mmもの雨が降って、その後25日の午前まで雨や 曇の日が続いたため、植える場所の準備(畝作り)が遅れて いますが、27日か28日には耕して畝を作って定植したいと 思っています。

 玉ねぎの苗床は雨のおかげで草もよく育ち、既に草だらけ になっています。例年通り見事に倒れて機械による稲刈りが 困難な黒米の、手作業による刈取りを27日の午前中までに終 わらせて、27日の午後からは玉ねぎの苗床の草取りに着手す る予定です。と言っても太一は耕うん機と管理機でブロッコリ ー、そら豆などのための畝作りをするし、その後は全く別の場所 でえんどう豆やいちごを植える場所の準備もしないといけない ので、玉ねぎ苗床の草取りは少なくとも27、28両日は克子一人 ですることになります。並行して小豆の収穫(莢をひとつずつ 手で摘む)、大根・小松菜・キャベツ・そら豆の播種もします。 ですから玉ねぎの草取りは今月中はあまりできないでしょう。

10月28日にお届けした野菜
枝豆(フクユタカ)、大生姜、小松菜、大根間引き菜、 人参間引き菜、ピーマン(京みどり)、伏見甘長唐辛子、 つるむらさき又はエンサイ(空心菜)  (8品目)

二葉の展開した大根の写真 大根の二葉が展開したところ
10月6日、ナ8


平成23年10月7日/旧暦九月十一日(金)

コオロギ対策など

 8月31日の人参、9月7日のほうれんそう、 9月9日のキャベツ、ブロッコリー、コールラビ、 チンゲンサイ、春菊、サラダ菜に続いて、 10月1日までに玉ねぎ、葉ねぎ、はくさい、大根、 蕪、小松菜、水菜、タアサイのタネを蒔きました。また、 ブロッコリーとコールラビ、チンゲンサイ、小松菜は収穫時期を 長くするために時期をずらして第二陣のタネ蒔きもしました。 大根は葉もおいしい在来固定種と、とう立ちの遅いF1品種と、 内部が紅色の紅心大根、内部が緑色の青長大根を蒔きました。 蕪は在来固定種の金町小蕪とみやま小かぶです。

 昔の日本人は野菜の中で大根を一番多く食べていたそうですが、 現代人は大根をあまり食べなくなり、それに応じて生産量も 減っているようです。農薬がなかった時代は虫に食べられにくい 秋から冬にかけて大根をたくさん育てて、秋は間引き菜、冬は 生鮮野菜としての大根を食べ、更にはたくあんなどの漬物にして 貯蔵して、春から夏にかけて食べたのだろうと思います。 こうして一年中大根のおかげで生かされていたのだろうと思い ます。今は農薬のおかげでキャベツやレタスやその他多くの 種類の野菜が一年中流通しているので、大根の人気が低下 するのも仕方ありません。
 一方、多くの日本人が好きなカレーの定番材料でもある 玉ねぎ、じゃがいも、人参はこれを読んでおられる皆様にも 特に歓迎して頂ける野菜であろうと思います。ですからでき るだけ長い期間お届けできるようにしたいと思っているの ですが、なかなかできません。じゃがいもは連作障害が 発生しやすい上、水はけが悪いと腐りやすく植える場所が 限られるので、殺菌剤や殺虫剤を使わない有機栽培では 作付け面積をあまり増やせません。人参は 幼苗期の生育が緩慢で草取りと間引きに多くの手間がかかり、 これもなかなか栽培面積を増やせません。玉ねぎは苗床に タネを蒔いて2ないし3か月育ててから定植しますが、苗床の 草取りが間に合わないと草に埋もれて苗が消えたり、 ひょろひょろ苗になって小さい玉ねぎしか収穫できなく なったりします。そのため玉ねぎもなかなか収穫量を増やす ことができずにいるのですが、じゃがいもや人参に比べれば 収穫量を増やせる可能性が少しは高いです。
 そこで今年「も」玉ねぎは多めにタネを蒔きました。 毎年多めに蒔いていますが苗床の草取りが途中で追い付か なくなり、多めに蒔いた効果が上がっていません。 今年こそは草による侵略から100%守りたいと思っていますが、 玉ねぎの芽が出る前から草の芽がたくさん出てきており前途 多難です。ちなみに農薬を使う玉ねぎ栽培では、苗床にも 定植後の本圃にも除草剤を撒くようです。玉ねぎはユリ科ですが、 畑に生えてくる野生の草にユリ科はあまり多くないので、 ユリ科以外のものを選択的に殺す薬によって容易に草対策が できているのでしょう。

 キャベツ、ブロッコリー、春菊、はくさい、チンゲン サイ、コールラビの苗は、コオロギに食べられないように 防虫網で囲っています。虫捕りをする方はご存知かも知れ ませんが、コオロギは歯が鋭くてプラスチックの虫かごを 噛み破ります。ということは当然、防虫網も噛み破ることが できます。ですから防虫網が破られて、中の苗を食べられて しまうこともあります。特に二葉が展開したばかりの はくさいの幼苗はコオロギの大好物で、年によっては全滅 したこともあります。今年はタネ蒔き時期が遅めだったので、 気温が低くなってコオロギの活動が鈍くなっているおかげも あってか、今のところ食べられずに済んでいます。
 コオロギの数が多い時は大根や人参の幼苗も食べられて しまいます。大根や人参にまでは網をかぶせることができ ないので、コオロギ捕獲器を設置しています。魚のトロ箱 くらいの大きさのプラスチックやブリキの容器に水を入れ、 それに米糠を少し入れます。これを圃場に置いておくと、 夜のうちに糠入りの水の中にコオロギが飛び込んで、朝には 溺死しています。以前はもらいもののドライビールや 偽ビール(発泡酒)を使っていましたが、糠入りの水でも 効果があることがわかったので今は糠を使っています。

10月7日にお届けした野菜
大生姜、小松菜、伏見甘長唐辛子又は茄子、にんにく、 オクラ(八丈オクラ)、 さやいんげん又はささげ、エンサイ(空心菜)、 つるむらさき  (8品目)

玉ねぎ苗床の写真 玉ねぎの苗床
10月6日、ナ4


平成23年9月21日/旧暦八月二十四日(水)

秋のタネ蒔きの時期

 一時期絶好調でたくさんお届けした胡瓜が、8月下旬の 秋雨前線停滞による大雨と日照不足の影響で急速に弱って ウリバエにたかられて、全部枯れてしまいました。最後に 播種して今月収穫する予定だった分も枯れてしまったので、 今年の胡瓜は終了です。

 今年は梅雨末期の大雨が例年より早かったため、春作 馬鈴薯(じゃがいも)が収穫前に地中で腐ってしまいほとんど お届けできませんでした。お届けした分も到着直後に腐った ものが多かったかも知れません。秋作用の自給種芋さえも充分に 確保することができませんでした。そのような状況は私たち だけではなかったようで、秋作用に市販される馬鈴薯の種芋が 著しく品薄で早期に品切れとなりました。そのため、種芋を 購入して植えるという方策もあきらめました。
 自給種芋をわずか30個くらい確保できて植えましたが、それから 収穫できる馬鈴薯は最大でも150個くらいなので全部来年の 春作用の種芋にします。従って、今年の秋作馬鈴薯のお届け 可能量は0であることが、現時点で既に確定しています。 ご迷惑をお掛けして大変申し訳ございません。里芋と 甘藷(さつまいも)は現在生育中なので、台風被害が なければお届けできる見込みです。

 9月7日にほうれんそう、9月9日にキャベツ、ブロッコリー、 コールラビ、チンゲンサイ、春菊、サラダ菜のタネを蒔きました。 春菊とサラダ菜以外は17日迄に芽が出ました。
 これから9月末にかけて玉ねぎ、葉ねぎ、大根、蕪、 はくさいなど多くの種類の野菜の種子を蒔きます。

 台風15号が九州の東方を通過して行きました。幸い当地 からは遠いところを通ったので、顕著な被害はありませんでした。 17日から21日までの5日間に69mmの雨が降り、これは野菜に とっては恵みの雨でしたが、北寄りの風がやや強く吹き 黒米と赤米が折れたり傾いたりしました。黒米と赤米は穂が 出ると丈が高くなり倒れやすく、これは宿命のようなもので 仕方ありません。

9月20日にお届けした野菜
ピーマン(タキイ交配 京みどり)、伏見甘長唐辛子、 茄子(タキイ交配 長者、真黒茄子)又はにんにく、 ミニ南瓜(タキイ交配 ほっこり姫)、オクラ(八丈オクラ)、 さやいんげん(ケンタッキー101)又はささげ、エンサイ、 つるむらさき、モロヘイヤ、エゴマの葉(山川エゴマ)、 穂じそ  (11品目)

緑肥ソルゴーのハンマーモア処理の写真 基盤整備後種々の不都合のために何も栽培したことのなかった 田に、緑肥用として栽培したソルゴーと、エノコログサなどの 草の混在したものを、ハンマーナイフローターで刻んでいます。
今後一部を野菜畑として利用したいと思っています。
9月17日、春田276-イ


平成23年9月4日/旧暦八月七日(日)

宇根豊さんのラジオ放送に励まされる

 8月31日に人参のタネを蒔きました。自家採種した分だけ では量が足りなかったので、長崎県大村市の黒田五寸人参原種 育成会さんの生産による種子も購入して蒔きました。人参のタネ は旧暦七月に入れば蒔けるので、今年の場合は新暦7月31日から 播種可能でしたが、結局今年も遅蒔き限界の8月末になりました。 8月下旬は冬に収穫するキャベツ、ブロッコリーのタネ蒔きや、 セット栽培玉ねぎのセット球の植付の時期でもありますが、 これらはまだ栽培場所の準備すら完了していません。
 5月頃から作業が全体的に遅れて後ろにずれ込んでおり、 適期に追い付かないまま秋になってしまいました。 追い付けないならどこかで一時期の分を省略して適正化すれば 良いのですが、そうするとそれに対応する時期の収穫物が なくなるので、なかなか実行できません。

 何で作業が遅れるのかというと、働き方が足りないから かも知れませんが、農作物の栽培に直接つながらない仕事が 多すぎるという事情もあります。イノシシ対策のため、 何も植えていないところも含めて農地全体を囲っている 電気柵沿いの草を2ないし3週間に一回刈ったり、農地内外の 斜面などの草を刈り払ったり、農地の外から攻めてくる竹を 切ったりすることが最優先になっています。そうやって農地の 保全に多大な労力を費やしているのに、何も植えていない農地が 多いです。連作を防ぐために輪作をすると、前後作の時期が なかなかピッタリとはつながらないので、休閑地が多くなり ます。工場で言えば操業度の低い設備が多い状況です。 来年はこれを改善したいと思っています。
 具体的には水稲作付けを増やすことを検討中です。 昨年せっかく入手した成苗田植機を今年は使わず全て 手作業で田植えしたので、栽培面積を増やすことができません でした。来年は成苗田植機を活用して水稲の作付けを 増やしたいと考えています。

 NHKラジオ第2放送の「こころをよむ」という番組で 7月から9月にかけて40分*13回に渡って、宇根豊(うね ゆたか) さんが「田んぼの生きものと農業の心」というテーマで話を しています。宇根さんは島原出身。福岡県の農業改良普及員 を50歳くらいで退職し、福岡で百姓をしています。有機農業 ではなく「虫見板」を使った減農薬稲作の草分けとして有名 な人です。特定非営利活動法人「農と自然の研究所」を10年 間運営し、百姓仕事のうちのお金になっていない部分が適正 に評価されて、生計が成り立つような世の中の実現に向けて 活動してこられました。
 宇根さんのお話を久しぶりに聴いて、励まされました。 今回のラジオ放送では、生産者、消費者の区別なく全ての 人たちに向けて話してくれています。放送はNHKラジオ 第2放送で毎週日曜日の午前6:45-7:25、再放送は翌週 日曜日の13:20-14:00です。
 当地鹿町町は佐世保市に吸収されたと言っても それは名ばかりの僻地で、佐世保の送信所からの電波が 届きません。熊本放送局が広域に向けて高出力で送出して いる873kHzの電波を受信して聴いています。この電波は 九州内の他の多くの僻地でも受信できると思います。 また、9月1日からはインターネットでNHKラジオの番組が 聴ける「ラジルラジル」というのも始まっているそうです。
 既に第9回迄の放送が終わっており、朝の放送は9月25日、 午後の再放送も10月2日で終了ですが、NHK出版からテキストが 800円で発売されており、放送の内容のほぼ全部が本文に 収められています。A5判175頁。テキストだけでも読む価値が あると確信します。

9月9日にお届けした野菜
ピーマン(タキイ交配 京みどり)4個(110-120g)、 伏見甘長唐辛子15本(150-160g)、 茄子(タキイ交配 長者)2本(300g)、 オクラ(八丈オクラ)13本(200g)、 さやいんげん(ケンタッキー101)70g、ささげ90g、 つるむらさき280g、モロヘイヤ80g、エゴマの葉(山川エゴマ)11枚、 にんにく小1球(30g)  <10品目>

出穂した赤米の写真 赤米も出穂しました。
9月10日、春田283-1


平成23年8月22日/旧暦七月二十三日

秋雨前線が停滞

 8月14日以降、雨の降り易い天気が続いています。20日からは 秋雨前線の停滞による雨です。8月14日から22日迄の9日間の雨量は 165mmでした。連日ひたすら続けていた水やりからは解放されましたが、 今度は逆に土が乾かないために秋冬野菜の栽培予定地の準備など、 畑を耕す作業ができなくて困る状況になっています。
 個人的には、まだ何週間も続くと思っていた水やりに追われる 日々が13日に突然終わって、張り詰めていた緊張の糸がプツンと 切れてしまいました。ちょうどお盆でもあるしと思って一休みしたら、 そのまま気合の入らない状態が19日頃まで一週間続きました。 太平洋高気圧の勢力が弱まって、気圧が低くなったことの影響も あると思います。蓄積していた疲労が一挙に表面化したとも言え そうです。
 一週間かかって心身共にようやく復活しましたが、天気は 相変わらず安定せず、雨がやんで農作業をしようとしたらまた 降ってきたというようなことが多く、作業がなかなかはかどり ません。屋根の下の雨天作業場があれば、こういう時に農業機械の 整備や修理をしたり材木で電気柵装置の収納箱や鶏舎の備品を 作ったりすることができるのですが、まずはその屋根を作らないと いけない状況です。今度の冬こそは作りたいと思っています。

今の時期にお届けする可能性のある野菜
胡瓜(タキイ交配 青涼白いぼ、同 夏すずみ)、ピーマン (主に、タキイ交配 京みどり)、伏見甘長唐辛子、オクラ (八丈オクラ)、さやいんげん、ささげ、エンサイ、つるむらさき、 モロヘイヤ、ヒユナ、エゴマの葉(山川エゴマなど)、日本南瓜 (平安小菊)、ミニ南瓜(タキイ交配 ほっこり姫)、中玉トマト (サカタ交配 シンディースイート)、茄子(タキイ交配 長者、 真黒茄子)、玉ねぎ(タキイ交配 ネオアース、同 猩々赤)

出穂した日本晴と黒米の写真 稲の出穂
7月14日の欄に掲載しているのと同じ田。 あれから1か月半でここまで育ちました。
手前は「日本晴」、奥は黒米。 更に奥の赤米はまだ出穂していません。
8月30日、春田283-1


平成23年8月16日/旧暦七月十七日

一転して雨の降りやすい天気に

 残暑お見舞い申し上げます。

 当地では7月8日から8月13日まで雨の少ない状況が続き ました。その間の雨量は37日間でわずか32mmでした。そのうち 台風6号の雨は9mm、台風9号の雨は7mmでした。
 8月14日以降も少雨傾向が続くのかと思っていたら、太平洋 高気圧の周辺部となり東シナ海から湿った空気が流れ込むように なったとのことで、8月14、15両日は一転して断続的に雨が降り ました。この2日間の雨量は65mmでした。これでしばらくは 水やりから解放されます。
 しかし、予報によるとこの先数日間も雨が降りやすい天気が 続きそうなので、今度は逆に土が乾かないために秋冬野菜の 栽培予定地の準備など、畑を耕す作業ができなくて困ることに なるかも知れません。

 胡瓜、トマト、オクラ、伏見甘長唐辛子、ピーマンに 続いて、ようやく茄子も少し収穫できるようになりました。

今回お届けする野菜
胡瓜(タキイ交配 青涼白いぼ、同 夏すずみ)1.5kg、 ピーマン(タキイ交配 京みどり)200g(9ないし10個)、 伏見甘長唐辛子150g(20ないし21本)、 オクラ(八丈オクラ)100g、さやいんげん70g又はささげ80g、 エンサイ150g又はヒユナ130g、つるむらさき250g、 モロヘイヤ150g、エゴマの葉(山川エゴマ)6枚   <9品目>

胡瓜: 先々週まではほぼ100%「青涼白いぼ」 でしたが、先週から「夏すずみ」が混在しています。 いずれも苦味の出にくいタキイ種苗のF1品種ですが、 食感に若干の違いがあるかも知れません。
伏見甘長唐辛子: ししとうの京野菜版のような もの。ごくたまにピリ辛のものがありますが、基本的には 辛味はありません。自家採種して育てている在来固定種 です。
茄子(タキイ交配 長者)、中玉トマト (サカタ交配 シンディースイート)、こどもピーマン (タキイ交配 ピー太郎) 収穫量が少なかったので、 1,500円分の枠外の追加の10品目めとして一部の方にお届けします。

伏見甘長唐辛子の写真 伏見甘長唐辛子 
唐辛子の仲間の中でも、辛味(ピリカラ)のない甘唐辛子の 一種。ピーマンやパプリカもこれの仲間です。
8月16日、ナ11


平成23年8月10日/旧暦七月十一日(水)

雨の少ない日々

 旧暦では七、八、九月が秋です。その旧暦七月に入り更に 今週の月曜日は「立秋」でした。しかし今年は旧暦六月の頃 よりも旧暦七月に入ってからの方が、蒸し暑く不快な度合いが 高いように感じます。

 当地では7月8日以降雨の少ない状況が続いています。 7月8日から8月7日までの雨量はわずか24mmでした。そのうち 台風6号の雨は9mmでした。7月22日から8月7日までの雨量は ほぼ0mmでした。そのため連日水やりに追われました。通常 利用している水源の流量が減ったので、灌水チューブや スプリンクラーの設置場所を一日4回くらい変えながら、 夜も含めて24時間連続で給水してやりくりしてきました。
 そしてそろそろ一雨欲しいという願いが切実になっていた時、 8月8日から9日にかけて台風9号の影響で18日ぶりに雨が降り ました。雨量は約7mmだったので水源の山の土の乾燥を解消 するには不充分でしたが、野菜畑の土にはありがたい恵みの 雨でした。
 しかし、9日午後からは再びカラカラ天気になりました。 乾き切っていた土に7mmのお湿りが降っても、充分に潤っては いないのですぐまた乾きます。本日10日午前には水やりを 再開しました。ところが困ったことに、水源の水量が 雨の前より少なくなっており、充分な水やりができない 状況になりました。

 胡瓜、トマトに続いてオクラ、伏見甘長唐辛子、 ピーマンなどが少しずつ収穫できるようになってきました。 茄子は収穫期入りまでもう一息です。エゴマのすぐそばに 植えている一株だけが例外的に生育旺盛なので、来年は茄子の 株間にエゴマを植えてみようかと思っています。
 トマトは例年8月には虫が産卵のために果実の表面を刺して 収穫不適になるのですが、今年は幸いにしてまだやられていま せん。胡瓜は台風被害がないおかげで順調です。乾燥に弱い ので特にせっせと水をやって維持してきましたが、水量が 不足してきたので別の水源の利用を考えないといけなく なりそうです。

9日(火)にお届けした野菜
胡瓜(タキイ交配 青涼白いぼ)、中玉トマト(サカタ交配 シンディースイート)、エンサイ又はヒユナ 又はさやいんげん(ケンタッキー101)、つるむらさき、モロヘイヤ、 エゴマの葉(山川エゴマ)、韮、オクラ(八丈オクラ)、 伏見甘長唐辛子、ピーマン  <10品目>

胡瓜の写真 支柱栽培の胡瓜
青色の網はカラス対策
8月5日、セ3


平成23年7月14日/旧暦六月十四日(木)

じゃがいも不作

 暑中お見舞い申し上げます。
 本州や沖縄などの各地と同様に九州北部でも 今年は平年より大幅に早く梅雨が明けました。 平年よりも10日、昨年よりも8日早いということでした。

 予定より半月ほど遅れて春作じゃがいもを収穫しました。 今年は昨年までの3倍も植えたのですが、結果は著しい不作 でした。
 今年は生育前半の3、4月の雨が少なく、初期生育が 遅れました。一方で梅雨が全体的に前倒しとなったため、 地下で芋が成熟する6月に土の水分が多すぎる 状態が続きました。じゃがいもの 生育にとっては理想の正反対の気象条件でした。 そのため元々芋が小さく量が少なかった上に、 梅雨末期の大雨でうね間通路に水が溜まって 芋が腐ってしまいました。
 種芋を購入して植えた「デジマ」は7月11日には 地中で全部腐っていました。7月7日に収穫して屋内で 保管していた分は、一部を8日(金)に発送した時には 腐っていなかったのですが、その後11日までに100% 腐りました。
 自給種芋から育てた「普賢丸」は同じ畑(転作田)でも 水の抜け易い下側に植えたので、地中で腐らずに残って いる芋があるのではないかと期待しています。 しかし、乾き易い場所ゆえに生育前半の少雨の影響で 収量が少なく、秋作用の種芋が確保できるかどうかも わからない程度と思われます。
 このような状況であるため、今週以降じゃがいもは 全く出荷できません。昨年末の多雨の影響で定植が遅れて 玉ねぎも不作で小さいものばかりだったし、春蒔き人参も 3、4月の少雨の影響で初期生育が遅れ、生育後半は雨続きと なりじゃがいもと同様の要因で不作でした。 夏野菜の胡瓜は比較的好調ですが、茄子やピーマン などは遅れています。お届けする野菜の顔ぶれが 充実せず、申し訳ない限りです。自分たちは連日 胡瓜を食べています。胡瓜の「ばっかり食い」です。

12日(火)にお届けした野菜
胡瓜(タキイ交配 青涼白いぼ)、人参、韮、 えごまの葉(山川エゴマ)、中玉トマト (サカタ交配 シンディースイート)、 つるむらさき、エンサイ又はヒユナ又はモロヘイヤ   <7品目>

手押し除草機による水稲の
中耕除草の写真 循環農法による稲作。
田植えは苗代で育てた大苗を一本一本手で植えるので、 野菜の作業と併行して 二週間かけて約23a植えました。
最初に植えた田は苗が活着して生長を再開したので、 手押し除草機による中耕除草をしました。
7月13日、春田283-1


平成23年6月17日/旧暦五月十六日(金)

早くも梅雨本番

 今年の梅雨は初頭から大変活発です。5月20日から29日まで 梅雨の走りの曇雨天が続いて生じた農作業の遅れを、その後 5月30日から6月6日まで雨の少ない天気が続いてくれたおかげで、 かなり取り戻すことができました。しかし6月10日以降は 梅雨前線の影響を受け続け、早くも梅雨本番です。

 昨年までの7年間くらいは梅雨入りしても6月中は あまり雨が降らず、7月に入って梅雨末期になって短期集中で 降るという傾向の年が多かったので、すっかりそれに 慣れきっていました。そのため、梅雨入りしてもどうせ 6月中は大して降らないから、麦や玉ねぎやニンニクや じゃがいもの収穫、水稲を栽培する田の水張り準備などは 梅雨入り後に着実にできると、梅雨を甘く見ていました。
 しかし今年はそうは行きません。土が乾かず、草を土に 返すための耕うんがまだ充分にはできていないので、 大雨が降って水はいくらでもあるのに水田の水張りが できないという、ちぐはぐな状況です。 物理的に水を張ることはできるのですが、 未熟な粗大有機物が多いままでは田植え後の稲に病気や虫が 発生して生育に支障を来たす可能性があるので、もう一回 耕うんしてからと思い我慢しています。 周囲の稲作中心の農家の人たちは梅雨入り前に準備万端 整えていたので、今年は早々に水張りができて田植えも 順調のようです。私たちは5月に野菜畑の作業を優先して 水田の準備を後回しにしていたので、周囲の人たちとは 違って今困っています。
 麦や玉ねぎの収穫は雨の合間に少しずつ何とかしています。 次はニンニク、セット栽培用玉ねぎのセット球、じゃがいも です。いずれも、できれば土の水分が減ってから掘り上げる 方が作業性も貯蔵性も良いのですが、今年の梅雨は土が 乾かないうちに次の雨が降るので妥協が必要です。 雨の降りそうな天気でさえなければ、とにかく掘り上げて しまうつもりです。

 3、4月に播種した葉菜類、根菜類のうちほうれんそう、 小蕪、リーフレタスは収穫期が終わりました。小松菜、 チンゲンサイは10-12日の大雨で弱り、一気に虫が増えて 収穫不適になりました。大根は大雨で葉の一部が傷んでいる ものもありますが、根は今ちょうど肥大が完了しつつある ところで食べ頃になりました。人参は5月前半までの少雨の 影響で生育が遅れており、徐々に太りつつあるところです。 10月播種のキャベツは例年より2か月近く遅れて先々週 初収穫を迎えました。高温多湿になると収穫前に結球部が 腐ることが多くなるので、小さめでも早めに収穫しています。

今回お届けする野菜
キャベツ(タキイ交配 春波 又は同 初夏のかほり)、胡瓜 (タキイ交配 青涼白いぼ)又はコールラビ(タキイ交配 グランドデューク)又は切干大根、大根(タキイ交配 おはる + 同 三太郎)、韮、えごまの葉(山川エゴマ)、 人参の間引き菜、にんにく、さつまいも(高系14号)、 高菜の漬物  <9品目>

大雨の日のズッキーニ、胡瓜
などの写真 大雨の日のズッキーニ、胡瓜、えごまなど
手前の2うねのズッキーニは定植後の養生のため 不織布で覆っています。
6月12日、セ3


平成23年6月7日/旧暦五月六日(火)

夏野菜の苗の定植がようやく完了

 九州北部と山口県が梅雨入りしたとみられると、 6月5日(日)に発表されました。5月20日から29日まで梅雨の 走りの曇雨天が続いて作業の遅れが気がかりでしたが、その後 5月30日から6月6日まで雨の少ない天気が続いてくれた (梅雨入りの発表のあった5日も雨の量は3mmと少なかった) ので、遅れをかなり取り戻すことができました。 農耕と天気の神々様に感謝します。
 育苗ハウスの中で3月にタネを蒔いて育ててきた夏野菜の 苗を露地(屋外)の畑に植えつける定植作業が完了しました。 さつまいもも第一陣として100本の苗を採取して植えました。 苗床のつるが再び伸びるのに応じて、第二陣、第三陣を 採取して植える予定です。

 3、4月に播種した葉菜類、根菜類のうちほうれんそう、 小蕪は収穫期が終わり、リーフレタスと小松菜、 チンゲンサイも終わりが近そうです。代わって大根が間もなく 大きく太り、人参も徐々に太ります。2月末に種芋を植えた じゃがいもは、今月中に収穫を始められると思います。
 10月播種のキャベツは例年より2か月近く遅れて先週 初収穫に至りましたが、まだ小さいものが多く今週は収穫 休止です。高温多湿になると腐りやすいので、梅雨前線が 九州北部に北上して停滞するようになる前に大きく結球して、 皆様に無事にお届けできることを願っています。

今回お届けする野菜
小松菜(自家採種の在来固定種)、チンゲンサイ (トーホク交配 緑陽)、コールラビ(タキイ交配 グランドデューク)、大根(タキイ交配 三太郎)、 韮、リーフレタス、えごまの葉(山川エゴマ)、人参の 間引き菜、にんにく  <9品目>

定植直後のピーマン、モロヘイヤなどの写真 定植翌日のピーマン、モロヘイヤなど
6月6日、ナ11


平成23年5月24日/旧暦四月二十二日(火)

梅雨入り間近?

 5月13日から19日まで一週間晴天が続き湿度も低かったので、 梅雨はまだまだ先のことと思い込んでいました。しかし20日からは 一転して曇や雨の天気となり、23日には九州南部が梅雨入りしたと みられると発表されました。週間天気予報によると九州北部の梅雨 入りも近そうな様相です。今年は菜種梅雨と言えそうな雨がなく 3月から5月初めにかけての雨量が少なかったので、その分梅雨が 早く始まって帳尻が合うという天の計画なのかも知れません。
 育苗ハウスの中でタネを蒔いて育ててきた果菜類の苗のうち 胡瓜、ズッキーニ、南瓜、トマトを露地(屋外)の畑に定植しました が、茄子、ピーマン、オクラなどはまだ畑の準備ができていません。 さつまいもの苗も順調に育っており少しずつ切って植えられそうな 状態ですが、こちらもまだ畑の準備ができていません。
 雨が続くと土が乾かずねちょねちょしているので、耕したり うねを作ったりすることができません。一週間の晴天の間に もっと必死で頑張っておけば良かったと悔やまれますが、 後悔先に立たずです。でも、東京電力福島第一原子力発電所由来の 放射性物質が空から降ってきて農業ができなくなった人のことを 思えば、全く比較にならないほど恵まれています。 たとえこのまま梅雨入りしても、梅雨の中休みはきっとあるでしょう から、その時やれば良いと思うように心がけます。ただ、 その時はニンニクや玉ねぎ、麦、じゃがいもの収穫なども 重なり、大ごとになりそうです。

 昨年12月の多雨の影響で4、5月収穫予定だったキャベツと 玉ねぎの出来が悪く、引き続きお届けする野菜の種類が充実せず ご迷惑をお掛けし続けています。従来から定期的にお届けしている 方々へは、昨年産のさつまいもや自家産鶏卵のシフォンケーキ なども加えて何とか中身1,500円分を確保してお届けを継続して いますが、新規や臨時のお届けはまだ再開できていません。 わざわざこのウェブサイトを見つけてお問い合わせやご注文を 下さる方には、ご期待に添えず大変申し訳ありません。

今回お届けする野菜
小松菜(自家採種の在来固定種 東京黒水菜)、チンゲンサイ (トーホク交配 緑陽)、小蕪(みやま小蕪)、大根 (タキイ交配 三太郎、同 おはる)、リーフレタス、 人参の間引き菜、そら豆、さつまいも、シフォンケーキ   <9品目>

春蒔き小松菜・大根などの写真 春蒔きの小松菜、ほうれんそう、大根、蕪、チンゲンサイ、 コールラビなど。
ほうれんそうは大雨で葉が傷んで、収穫期が2週間くらいで 終わってしまいました。
5月25日、セ9。


平成23年4月19日/旧暦三月十七日(火)

里芋・生姜植え付け

 桜の花の多くが散って新暦4月の後半となりましたが、 北や西から冷たい風の吹く日が多く肌寒いです。3月にタネを 蒔いた人参や小松菜や蕪などは大変ゆっくりと生長しています。 人参の収穫期は6月頃です。2月26日に種芋を植え付けた春作 じゃがいもは、今順次地上に芽を出してきています。この じゃがいもの収穫期は6月頃です。先週末には里芋の種芋と 種子しょうがを植え付けました。これらの収穫期は10月頃です。 近日中に収穫期を迎える野菜はえんどう豆類とそら豆です。 今花が咲いています。
 3月29日付けで書いた、当地での露地野菜の種類が一番乏しい 時期に入りました。昔の人の食生活を現代人にお願いするのは 恐縮なことなので、来年以降は何らかの改善策を講じたい ものだと思います。

今回お届けする野菜
大根(F1福太郎)、キャベツ(タキイ交配 深みどり)、 ブロッコリー(タキイ交配 エンデバーSPの側花蕾)、 小松菜の「とう」又は春菊、玉ねぎ(博多こがね)、 さつまいも(安納芋)、わらび、フキ  <8品目>

たねとり用蕪、大根の写真 たねとり(採種)用の金町小蕪(左)と宮重大根(右)
同じアブラナ科同士でも蕪と大根は花粉が交雑しないので 隣り合わせでも採種できます。
4月10日、セ9


平成23年3月29日/旧暦二月二十五日(火)

露地野菜の端境期

 「グリーンビューティー」に続いて収穫期を迎えた 「エンデバー」という品種のブロッコリーが収穫の盛りを 過ぎました。茎の先端にできる「頂花蕾」はほぼ終わり、 続いて側枝の先端にできる「側花蕾」を収穫しています。 側花蕾は小さくて収穫に手間がかかりますが、軸が細いので 食味はむしろ頂花蕾より優れていると言っても過言では ありません。
 このところ平年よりも気温の低い傾向が続いていますが、 昼間の時間は 冬至から春分を経て夏至へと向かって例年通り長くなって いるので、冬野菜がタネを作るために「とう立ち」する 営みは着実に進んでいます。ブロッコリーが開花に向けて 蕾の収穫期を終えるのもその一つです。チンゲンサイ、 タアサイ、水菜、白菜、小松菜に続いて、大根や人参、 ねぎもそろそろ「とう」が立つ時期です。
 ねぎの場合は、とうの先端の蕾は「ねぎ坊主」と呼ばれ ます。既にねぎの体内ではねぎ坊主の準備が進んで いるので、茎が伸び始める兆しが見られ茎の剛性が強く なっています。でもまだスジっぽくなっているわけではなく 食味は良いので、やや硬めに感じられる茎も加熱調理すれば 柔らかくなり問題なく食べられます。

 ブロッコリーの収穫期がほぼ終わり、人参・大根も そろそろ「とう」が立ち、収穫不適となります。 ねぎもねぎ坊主の茎が長く伸びて花が咲く頃になれば、 ねぎとしての収穫は終了です。キャベツも残りわずかとなり ました。このように、収穫できる野菜の種類がこれから 急速に減ります。
 4月は当地での露地野菜の種類が一番乏しい時期です。 年間を通して毎週又は隔週の定期お届けをしている方々へは、 貯蔵しておいた芋類や切干大根、間引き菜などで何とかやりくり するのですが量に限りがあります。状況によってはワラビ、 タラノメ、フキ、ヨモギなどの山菜、野草を採ってきてお入れ することもあります。元々そういう時期であり、昔の人は そういうものや自家製の漬物などを食べていた時期だと思う のですが、一年中栽培種の新鮮野菜が食べられる現代人に 対してそれをお願いするのは恐縮なことです。
 そのような時期なので、4月は新規の定期お届けや 単発のご注文による野菜のお届けを休止します。 小麦の注文は引続きお受けしております。

 先週末に夏野菜育苗用のハウスの中で、胡瓜、南瓜、 ズッキーニ、トマト、ピーマン、茄子など果菜類のタネを 蒔きました。

今回お届けする野菜
大根(F1福太郎)、キャベツ(タキイ交配 春波)、 ブロッコリー(タキイ交配 エンデバー)、小松菜の「とう」、 葉ねぎ(九条太)、人参  <6品目>

草堆肥作りの写真 野菜の育苗や追肥などに使う草堆肥の仕込み。
草をカッターで刻んで丸い堆肥枠に入れ、水をかけて 踏んでいるところ。
この後乾燥防止のためのシートをかぶせます。
3月26日、鹿町町口ノ里字平


平成23年3月25日/旧暦二月二十一日(金)

小麦販売のお知らせ

 「グリーンビューティー」に続いて収穫期を迎えた 「エンデバー」という品種のブロッコリーが収穫の盛りを 過ぎました。ブロッコリーは個々の花蕾の収穫適期の 期間が短く、気温が高くなると花蕾の生長が速くなるため 更に短くなります。先週の金曜日まで気温が低く、土曜日 から月曜日まで気温が高くなったため、先週金曜日は 収穫量が少なく、その後土曜日から月曜日までの間に 生長が一気に進んでしまいました。 収穫・発送は火曜日と金曜日にしていますが、火曜日に 収穫適期だったものは火曜日に収穫しておかないと、 金曜日にはもう収穫不適となり鶏の餌にするか花を咲かせるか しかなくなります。そのため火曜日のブロッコリーの 収穫量は著しく多くなりました。
 こういう場合、火曜日に収穫したものを冷蔵して 金曜日に発送すれば都合が良く、こういうことは夏の胡瓜 などでもよくあることなので、そのための冷蔵庫を導入 した方が良いだろうかと考えることが時々ありました。 冷蔵庫を買う資金や置く場所がなかったので実現して いませんが、このたびの東京電力福島第一原子力発電所 の事故を受けて、冷蔵庫に頼るのは良くないと思いました。
 九州電力の電力の約40%は原子力発電によるものだ そうです。原子力発電を止めてもらうためには40%節電 しないといけないことになります。これは大変なことです。 出荷前の野菜用の冷蔵庫新設などできません。

 10日から15日にかけて人参、大浦ごぼう、 リーフレタス、セット栽培玉ねぎ、小松菜、蕪、 コールラビなどのタネを蒔きました。先週から今週に かけて夏野菜播種・育苗のための育苗ハウスと踏込み温床 の準備が完了したので、今日か明日にでも夏の果菜類の タネを蒔く予定です。

今回お届けする野菜
大根(F1福太郎)、キャベツ(タキイ交配 深みどり)、 ブロッコリー(タキイ交配 エンデバー、同 グリーン ビューティー)、小松菜の「とう」、葉ねぎ(九条太)、 中葉春菊、人参  <7品目>

小麦を販売します!
 私たちが育てた小麦です。
 栽培地は鹿町町口ノ里。農薬・化学肥料を使っていない 期間は5年間以上。
 品種はチクゴイズミ。うどんや天ぷらに最適の中力小麦です。
 「小麦粉」ではありません。粒のままです。家庭用粉挽き機で 製粉すれば全粒小麦粉(全粒粉、完全粉)になります。 それを粉フルイで篩い分ければ、普通の白い小麦粉と フスマ(皮)に分けることができます。
 価格は600円/kg+送料
 ご希望の方は電子メール(taichi.m@qtnet.ne.jp、全て 半角小文字)等でお知らせ下さい。

えんどう豆の写真 えんどう豆のうねにゴーヤーネットを張りました。
左はそら豆、右の黄色い花はタアサイなどです。
3月19日、セ7


平成23年3月18日/旧暦二月十四日(金)

人参のタネ蒔き

 3月11日(金)午後の東北沿岸太平洋沖地震による 大津波で東京電力の福島第一原子力発電所が放射能漏れ 重大事故を起こし、未だ終息の見通しが立っていません。 原発から漏れた放射性物質が到達している地域では、今後 長期に渡って汚染の影響を受け続けるかも知れません。 地震、津波、原発事故で被災されたり影響を受けたり している皆様にお見舞いを申し上げます。
 今回の原発事故をきっかけに、原発依存を改める方向へ と世の中が動くことを願います。ただ、一方では化石燃料 への依存による気候変動の問題もあるので、一人一人が エネルギーの使用量を減らす努力をしないといけないと 思います。自動車の走行距離の削減や、 電力使用量の40%削減が必要です。
 また、かまどや五右衛門風呂で薪炭を活用したり、 水路や川などに小さい水力発電機を設置したりして、 再生可能エネルギーの活用を進める必要もあると思います。 田舎では馬車や牛車の復活も有望だと思います。
 もちろんまず自分自身が何か始めないといけません。 私はエアコンなし、テレビなし、白熱電球なしの 生活ですが、蛍光灯は頻繁に点滅させると寿命が 短くなると思って、こまめに消さない傾向がありました。 まずはこれを改めて、蛍光灯の寿命よりも節電を優先 させることにしました。

今回お届けする野菜
大根(F1福太郎)、キャベツ(タキイ交配 深みどり)、 ブロッコリー(タキイ交配 エンデバー)、チンゲンサイの 「とう」、葉ねぎ(九条太)、人参  <6品目>

チンゲンサイの「とう」:ブロッコリーと同様に 呼吸が旺盛で、収穫後の消耗が速いです。できる限り早く ご調理又は下処理(茹でたり蒸したり)して下さい。 「とう」はミネラルが豊富です。ミネラル欠乏が一因と 言われる花粉症の時期に、ミネラル豊富な「とう」が出て くるという大自然の営みは素晴らしいと思います。
葉ねぎ:ひげ状の根も栄養素豊富です。房状の まま天ぷらにするか、細かく刻んで味噌汁などに入れる などすればおいしく食べられます。

人参播種の写真 人参のタネ蒔き
春蒔きは毎年、春蒔き用のF1品種である「タキイ交配 いなり五寸」を育てています。
3月10日、春田281


平成23年2月28日/旧暦一月二十六日

じゃがいも植え付け

 春作じゃがいもの種芋を2月26日に植えました。 「普賢丸」29kgと「デジマ」40kgの計69kgを植えました。
 じゃがいもに続いて3月には人参、ごぼう、小松菜のタネ蒔き、 育苗ハウス内の温床での夏野菜タネ蒔きなど、いよいよ 今年の野菜栽培が本格始動します。

じゃがいも植え付けの写真 植え溝を作って種芋を並べたところ。
この後、植え溝と植え溝の間に新しく溝を作り、 そこの分の土を植え溝に入れて 種芋に土をかぶせます。
2月26日、ナ4


平成23年2月25日/旧暦一月二十三日

キャベツ、ブロッコリー収穫開始

 12月から1月にかけての低温と12月の日照不足の影響で 生育が大幅に遅れていたキャベツとブロッコリーが、 ようやく収穫時期を迎えました。平年より1か月半遅れです。
 ようやく収穫時期が到来したと思ったら、3、4月並の 暖かさでブロッコリーの花蕾の肥大が急速に進み、 短期間にたくさん収穫しないといけなくなりました。 収穫時期の気温が低ければ花蕾の肥大が緩慢なので、 少しずつ長期に渡って収穫できるのですが、 今年はその逆になりました。
 ブロッコリーは蕾なので呼吸が旺盛で、収穫後の消耗が 速いです。生では長持ちしませんので、できる限り早く ご調理又は下処理(茹でたり蒸したり)をして下さい。

今回お届けする野菜
大根(F1福太郎)、青長大根、キャベツ(タキイ交配 深みどり 又はタキイ交配 春波)、ブロッコリー(タキイ交配 グリーンビューティー)、小松菜、タアサイと大阪しろなの 「とう」、人参、じゃがいも(普賢丸)  <8品目>

ブロッコリーの写真 収穫適期のブロッコリー
2月27日、セ7


平成23年2月4日/旧暦一月二日、立春

旧暦正月

 旧暦でも新年になりました。明けましておめでとう ございます。旧暦では一月から三月までが春ですから、 正月に「新春」、「迎春」のご挨拶をするのですね。
 今年は旧暦元日と節分がたまたま同じ日でした。 旧暦元日は二十四節気の「雨水」の日の前の直近の新月 (闇夜)の日であり、「立春」は「雨水」の一つ前の節気です。 ですから立春もその前日の節分も、旧暦十二月に来る場合と 旧暦一月に来る場合があります。
 春の始まりを表す二つの目印である旧暦元日と 立春が一日しかずれていないというのは、珍しいことです。 冬から春への移行の兆しが気温の変化という形で今明瞭に 現れているのは、そのおかげかも知れません。

 12月、1月の日照不足と低温の影響で、ブロッコリーと キャベツの収穫時期の到来が遅れています。生長がほとんど 停止したような状況です。キャベツは結球部の締まりがまだ 緩いです。ブロッコリーは小さい蕾が見えているものの、 なかなか肥大しません。
 予報によると新暦2月は気温が高くなりそうですが、 気温が高くなるとブロッコリーの生長が一気に進んで、 収穫適期になると同時に蕾が膨らんでしまって、収穫期が 極めて短くなってしまう可能性があります。そうならない ように、気温の変化は緩やかであって欲しいと願っています。

 ヒヨドリがいよいよ、防鳥網の下のキャベツや ブロッコリーの葉も食べ始めました。対策として、水平に張った 防鳥網の側面の隙間をふさぐために、新たに垂直方向にも 防鳥網を張りました。

今回お届けする野菜
大根(タキイ交配 関白)、紅心大根、青長大根、小松菜、 タアサイ、人参、じゃがいも(普賢丸)、さつまいも (高系14号)  <8品目>

小松菜:風雪で葉の縁が少し傷んでいます。 気になる場合は部分的に切り取って下さい。

前売券あります!

赤峰勝人さん講演会 (2月20日 13-16時、江迎文化会館)  高校生以上500円、定員500人、託児可
 大分県臼杵市の「なずな農園」の親方。「ニンジンの奇跡」 (講談社+α新書)、「循環農法」、「ニンジンから宇宙へ」、 「アトピーは自然からのメッセージ」などの著書あり。
 長崎県内での講演は2年ぶりです。会場は松浦鉄道(MR) 潜竜ヶ滝駅から徒歩約2分。
 翌日(2月21日)には、料理教室も開催予定。

防鳥網の写真 2月1日に側面の網を追加。
水平方向(天面)の網は2m*54m*2枚、
垂直方向(側面)の網は2m*54m*2枚。
2月2日。セ7のブロッコリー、キャベツ。


平成23年1月18日/旧暦十二月十五日(火)

ヒヨドリ対策

 15日からの寒波は当地でも強烈で、寒さに強い冬野菜たちの葉も 一部が風雪で傷みました。
 春菊やサラダ菜は寒さにあまり強くないので 不織布で覆っていますが、それでも葉が傷んでいます。大根は 比較的寒さに強いので何もかぶせていませんが、紅心大根 の葉は枯れたようにカサカサになりました。 青長大根や普通の大根の葉も一部がふにゃふにゃになっています。 大根よりも寒さに強い小松菜は、一部の葉が傷んだので 一時的に収穫可能なものが少なくなっています。 タアサイは小松菜よりも寒さに強いようで、外見上の 変化はありません。

 寒波が来ても梅の花は時期が来たら咲くようです。 隣の畑の梅の大木に昨日ちらほらと花が咲いていました。 私たちの畑の梅はまだ咲いていませんが、蕾の膨らむ兆しが 見られます。

 一方、今の時期の困った常連であるヒヨドリたちが今年も 野菜畑に接近してきました。10日くらい前に周辺の山林から ビービーという下品な鳴き声が聞こえるようになった時点で、 キャベツとブロッコリーをヒヨドリから守るための網を 張りました。昨日は野菜畑のすぐ近くまで来ていましたが、 今のところは網で守ることができています。ただ、 この状況がしばらく続くと、今度は網の隙間から勇敢に 侵入するようになるので、近いうちに網の枚数を追加して 更に厳重に囲わないといけないかも知れません。

今回お届けする野菜
大根(タキイ交配 関白)、紅心大根、青長大根、 {タアサイ+小松菜}又はタアサイ、サラダ菜、 玉ねぎ(タキイ交配 ネオアース)、人参、じゃがいも (普賢丸)  <8又は9品目>

冬野菜畑の写真 ブロッコリー、キャベツを防鳥網で覆ったところ。
左の奥の白色は春菊とサラダ菜の防寒用不織布。
1月18日、セ7。


平成23年1月16日/旧暦十二月十三日(日)

玉ねぎ定植

 雨に明け暮れて累積降水量が294mmに達した12月の余韻で、 今月も月初から雨がたくさん降りました。1月2日に32mm、3日に13mm、 6日に3mm降りました。が、その後14日迄は計1mmくらいにとどまって くれました。おかげで水分過多だった土がようやく乾いてきました。 10日には、3月収穫予定のブロッコリーと4-5月収穫予定の 春系キャベツと5-6月収穫予定の玉ねぎの苗を植える場所の、 うね立てをしました。まだ水分含量が多く、うね立て作業に 最適な状態ではありませんでしたが、もし再び雨が降ると またまた延期になるので敢行しました。
 結果的には14日まで少雨の日が続いてくれたので、 あと3日くらい待ってからうね作りをする方が土の状態は より良かったのですが、そこまで予知することが できないのは、神様ではない人の限界でしょう。

 何はともあれようやく畝ができたので、本来の時期 よりも1か月以上、品種によっては2か月遅れて、 14日に玉ねぎの苗の植え付け(定植)を始めました。 定植が遅れても葉が枯れる時期はあまり遅れないので、 その分玉の太り方は少なくなると思います。が、 とにかく植えることができて、小さくても収穫できそうな 状況になったのは幸いなことです。

14日にお届けした野菜
大根(タキイ交配 関白)、紅心大根、青長大根、タアサイ、 小松菜、玉ねぎ(タキイ交配 ネオアース)、人参、 じゃがいも(普賢丸)  <8品目>

前売券あります!!

食育祭 (1月23日アルカスSASEBO)  大人300円、小中高校生100円
 NPO法人「食品と暮らしの安全基金」(旧 日本子孫基金) 代表の小若順一さんの講演もあります。

赤峰勝人さん講演会 (2月20日江迎文化会館)  高校生以上500円、定員500人、託児可
 大分県臼杵市の「なずな農園」の親方。「ニンジンの奇跡」 (講談社+α新書)、「循環農法」、「ニンジンから宇宙へ」、 「アトピーは自然からのメッセージ」などの著書あり。
 長崎県内での講演は2年ぶりです。会場は松浦鉄道(MR) 潜竜ヶ滝駅から徒歩約2分。
 翌日(2月21日)には、料理教室も開催予定。

玉ねぎ定植の写真 玉ねぎ定植。
草への対処のため、玉ねぎには2年前からポリマルチを 使っています。
今期は定植が遅れたので、保温効果にも期待しています。
1月14日、ナ7。


平成23年1月4日/旧暦十二月一日(火)

新暦新年の幕開けも降水量多し

 新暦新年、明けましておめでとうございます。
 12月2日に49mm、12月7-8日に76mm、11日に2mm、13日に62mm、 15-17日に9mm、20日に29mm、21日に32mm、26日に13mm、28日に3mm、 30-31日に19mm降り、12月の累積降水量は294mmでした。
 新暦新年になって雨は降りやんでくれることを願っていましたが、 1月2日に早速32mmも降り、3日にも13mm降りました。もうほぼ あきらめの気分です。4-5月収穫の春系キャベツと5-6月収穫の 玉ねぎの苗は、もう定植適期を過ぎているので、植えることが できればそれだけで幸いです。あとは3月以降に じゃがいもや人参などを植える場所の準備ができるように、 2月に雨があまり降らないことを願いたいと思います。

今回お届けする野菜
大根(宮重)、紅心大根、蕪(金町小蕪)、ミニはくさい (タキイ交配 お黄にいり)、葉ねぎ(九条太)、人参、 じゃがいも(普賢丸)、さつまいも(高系14号)   <8品目>

12月31日朝の雪
の写真 長崎市で積雪10cmとなった12月31日朝、
当地での積雪は少しでした。
12月31日10時、関里。


平成22年12月28日/旧暦十一月二十三日(火)

今月の雨の教訓

 12月2日に49mm、12月7-8日に76mm、11日に2mm、 13日に62mm、15-17日に9mm、20日に29mm、21日に32mm、 そして26日に13mm降り、12月の累積雨量は272mmになり ました。今日28日も寒冷前線の通過により、 断続的に雨が降っています。
 土はずっと水分が多く、耕したりうねを作ったりす る作業に不適な状態が続いています。3月収穫予定のブ ロッコリー、4,5月収穫予定の春系キャベツ、5,6月収穫 予定の玉ねぎの定植は大幅に遅れて、年明けになりそう です。
 3月以降の収穫への影響は必至ですが、これは 良き教訓になりました。前述の野菜は今年の春に 基盤整備が完了した広い田(春田276-イ)に植えるつもり で準備を進めていました。しかし水はけが予想以上に悪く、 ブロッコリーやキャベツには適さないと判断し、途中で 予定地を中切のナ7に変更しました。その結果、準備開始が 遅れたところに12月の雨続きの天気で待ったがかかりました。 実績のない場所を利用しようとする時は、予備の場所の 準備も並行して進めておくべきでした。

今回お届けする野菜
大根(宮重)、紅心大根、蕪(金町小蕪)、コールラビ (タキイ交配 グランドデューク)、はくさい(タキイ 交配 無双)、葉ねぎ(九条太)、春菊、人参、じゃがいも (普賢丸)  <9品目>

宮重大根:一代交配雑種(F1)ではない 在来固定種です。
紅心大根:内部が紅色です。紅色の大根おろしが できます。紅心大根100%では色が濃いので、 普通の大根の大根おろしと混ぜた方が色が美しいです。
コールラビ:別名蕪甘藍(かぶかんらん)。 キャベツ(甘藍)の仲間ですが、食味や用途は蕪に 似ています。下の方の皮は硬いことがあるので適宜厚めに むいてください。回し切り(りんごや西瓜のような切り方) にして味噌汁やスープに入れるとおいしいです。 油との相性も良く、菜種油で炒めると甘味が出て大変 おいしいです。
葉ねぎ:ひげ状の根も栄養素豊富です。房状のまま 天ぷらにするか、細かく刻んで味噌汁などに入れるなど すればおいしく食べられます。
じゃがいも:皮に若干渋味のある品種です。 油を使って調理すれば渋味はあまり気になりませんが、 気になる場合は皮をむいてください。

野菜セットとは別枠での販売受付中! 塩・醤油・ 餅は野菜セットと一緒にお届けします。

自然海塩(平戸島の「塩炊き屋」さんの 「海の子」) 600g 800円
 海水中のニガリ分(各種ミネラル)が、多過ぎも 少な過ぎもしない適度な比率で含まれています。

長崎県産原料の丸大豆醤油(チョーコー 醤油(株)の国産丸大豆醤油 こいくち) 500ml 620円
 原料の小麦、大豆、米はいずれも長崎県産100%。 脱脂加工大豆や甘味料、アミノ酸等の人工添加物は 使われていません。塩の産地は記載なし。
 「食育祭inながさき」の実行委員会とチョーコー醤油(株) さんの熱意から生まれた商品です。地元産、国内産を 選びたい方にお勧めです。

マクロビアン愛用の丸大豆醤油(小豆島の 丸島醤油(株)のマルシマ純正丸大豆醤油 こいくち)  900ml 735円
 マクロビオティックの食生活(正食)の実践者から 50年以上に渡って愛用されている醤油。原料は大豆、 小麦、塩だけという醤油本来の作り方であり、 脱脂加工大豆や甘味料、アミノ酸等の人工添加物は 使われていませんが、原料の産地は記載されていません。
 全世界のマクロビオティック実践者に長年愛用されて きた実績を重視する方にお勧めです。

玄米餅  1個50g程度 8個入り1,000円
 私たちが育てた「緑米」という種類の糯米(もち米) で作る、玄米丸ごと100%入りの餅です。 餅取り粉として、きな粉を使っています。
 {臼と杵で搗いた白い餅}よりも、うまい!  

12月28日発送の野菜
の写真 12月28日発送の野菜
1セット分


平成22年12月25日/旧暦十一月二十日(土)

じゃがいも収穫

 寒さが厳しくなってきてじゃがいもの茎葉が 枯れてきたので、じゃがいもの収穫を進めています。
 当地では春と秋の年二回じゃがいもを露地栽培します。 3月初めに種芋を植えて6月に収穫する春作では、 花が咲き終わった後、茎葉が自然に枯れる頃に収穫します。 (花のほとんど咲かない品種もあります。) 9月初めに種芋を植えて 12月に収穫する秋作では花は咲かず、茎葉は自分で 枯れる前に霜や風雪に当たって枯れます。 いずれの場合も、収穫するのが早すぎると芋への でんぷん蓄積が不充分で、ホクホク感がなく いくら加熱してもゴリゴリしておいしくありません。 ですから茎葉がある程度枯れるのを待って収穫します。

 品種によっては、茎葉がちゃんと枯れてから収穫しても、 小さい芋はゴリゴリしておいしくないことがあります。 私たちはここ数年「普賢丸」という品種だけ育てていますが、 この品種は小さい芋もゴリゴリではなく おいしい傾向があります。でんぷんの蓄積が 芋の肥大に大きく遅れを取ることなく、 肥大とほぼ同時にある程度のでんぷん蓄積が 進む性質を持っているのではないかと思います。
 とは言え、小さすぎる芋よりはある程度大きい芋 の方がホクホクしています。 大きい芋はホクホクしているがために煮崩れ し易いので、煮込む料理にはやや小さめの芋 の方が適しているとも言えます。

昨日お届けした野菜
大根(タキイ交配 関白)、紅心大根、青長大根、 タアサイ、小松菜、サラダ菜、人参、じゃがいも(普賢丸)、 さつまいも(ベニアヅマ、高系14号)   <9品目>

じゃがいも:皮に若干渋味のある品種です。 油を使って調理すれば渋味はあまり気になりませんが、 気になる場合は皮をむいて下さい。
さつまいも:他の野菜と同様に皮と身の間に 有用成分が多いので、皮は剥かずにご調理下さい。 保存適温は10℃以上です。最適温度は10ないし15℃ですが、 30℃くらいの室温に何週間か置いても品質の劣化はないので、 暖かい部屋で保管して下さい。7℃以下になると次第に腐るので、 冷蔵はしないで下さい。

12月25日、じゃがいも収穫
の写真 じゃがいも収穫
品種:普賢丸
一株ずつ三股鍬で掘ります。
12月25日、ナ1


平成22年12月21日/旧暦十一月十六日(火)

またまた、雨

 12月2日に49mm、12月7-8日に76mm、11日に2mm、 13日に62mm、15-17日に9mm、20日に29mm、そして今日 (21日)は32mm降り、12月の累積雨量は259mmに なりました。
 19日には半ば無理やりに3月収穫予定の ブロッコリーのためのうねを作りましたが、土が ねちょねちょして凸凹の多い仕上がりになりました。 玉ねぎ用のうねも作りたかったのですが、 小さい苗をたくさん植える玉ねぎ用のうねは、 でこぼこでは困るのでその日はあきらめ ました。
 何とか年内には玉ねぎと4月収穫予定の キャベツのうねも作りたいのですが、雨の多い状況が 解消されないとどうにもなりません。

 秋作のじゃがいもの一部を19日に収穫しました。 今週からお届けします。
 今期のじゃがいもは生育前半は 少雨乾燥の天候が続き、収穫直前になって雨が多く 水分過多となりました。そのため収穫直前に急に芋が 太って、芋の内部と外部の生長が釣り合わず中心部に 空洞ができているものがあるかも知れません。
 空洞があっても変色していなければ良いのですが、 褐色になっている場合は調理時にその部分を 切除する必要があると思います。もしそのようなものが あった場合は、お手数をお掛けしますがお知らせ下さい。 次回代品をお送りします。

今回お届けする野菜
大根(タキイ交配 関白)、紅心大根、青長大根、 タアサイ、大阪しろな、人参、じゃがいも(普賢丸)、 さつまいも(ベニアヅマ、高系14号)  <8品目>

紅心大根:内部が紅色です。 紅色の大根おろしができます。紅心大根100%では 色が濃いので、普通の大根の大根おろしと混ぜた方が 色が美しいと思います。種子はISO9001とISO/IEC17025認証の タキイ種苗鰍ゥら購入しましたが、ごくたまに内部が紅色 でない個体があります。もしもそのようなものに当たった 場合は、お手数をおかけしますがご連絡ください。 次回代品をお送りします。
青長大根:内部が緑色です。美しい緑色の 大根おろしができます。辛味が比較的強いので、 量を控えめにした方が良いかも知れません。

12月15日、収穫直前のじゃがいも
の写真 収穫開始4日前のじゃがいも
品種:普賢丸
12月15日、ナ1


平成22年12月14日/旧暦十一月九日(火)

また雨

 12月2日以降の多雨傾向がまだ続いています。11日に 寒冷前線通過で2mm、13日には低気圧から伸びる前線 の影響で62mmの雨が降りました。2日以降の12日間で 計189mmです。土は既に水分が飽和状態になっているので 雨が降るとすぐ水溜まりになったり、川の水量が増えたり します。
 田畑の土を耕したり畝を作ったりする作業ができない のは、もはやあきらめの気分です。飽和状態なので それ以上降っても影響はあまり変わりません。 こうなったら降るだけ降っていただいて、その後 再び雨の少ない時期が到来してくれるのを待つだけです。

今回お届けする野菜
大根(タキイ交配 関白)、蕪(金町小蕪)又はコールラビ (タキイ交配 グランドデューク)、水菜、大阪しろな、 小松菜、人参、春菊、南瓜(タキイ交配 鉄かぶと)   <8品目>

水菜:名前とは違って油との相性 良いです。
コールラビ:別名蕪甘藍(かぶかんらん)。 キャベツ(甘藍)の仲間ですが、食味や用途は蕪に 似ています。下の方の皮は硬いことがあるので適宜厚めに むいてください。回し切り(りんごや西瓜のような切り方) にして味噌汁やスープに入れるとおいしいです。 油との相性も良く、菜種油で炒めると甘味が出て大変 おいしいです。

12月12日、ため池の堤の影切り作業の写真 雨の多い日々の中で、水利組合の共同作業は 天候に恵まれました。
ため池の堤に隣接の山林からせり出してきた 木を切る「影切り」作業。
12月12日(日)、甲頭ため池


平成22年12月10日/旧暦十一月五日(金)

今度は多雨

 11月13日から12月1日まで雨のほとんど降らない日々が 続きましたが、12月2日以降は一転して雨の多い日々に なっています。12月2日は前線を伴った低気圧の通過により 49mmの雨、12月7-8日には寒気の流れ込みにより76mmの雨 が降りました。蒸発量の少ない今の時期にこういう量の雨 が降ると土がなかなか乾きません。そのため3月以降に 収穫する予定のブロッコリーやキャベツ、玉ねぎなどを 植える場所を耕したり畝を作ったりする作業ができずに います。
 少雨の期間中には何回耕しても水分不足のため草が 土に帰らなくて畑の準備が進まず、今度は雨の降り過ぎで 耕すことができません。なかなか人間の都合の良いように ばかりはいかないものです。ただ、一方では既に定植済みで 盛んに生育している野菜たちにとっては恵みの雨だった ので、感謝しないといけません。

 これから年末にかけて葉菜類の種類が豊富です。 しかも今年は虫食い少なく品質良好です。お届けする野菜の 種類や量を通常の中身1,500円分よりも増やすこともでき ますので、ご希望の方はお知らせ下さい。

今回お届けする野菜
さつまいも(安納芋)、 大根(タキイ交配 関白)、蕪(金町小蕪)、水菜、 タアサイ、大阪しろな、サラダ菜、人参  <8品目>

12月10日、春田276-イ 水たまりの写真 最も水はけの悪い基盤整備田。
基盤整備後数年間は水はけが甚だ悪いので、 野菜栽培にはあまり都合が良くありません。
12月10日、春田276-イ


平成22年12月7日/旧暦十一月二日(火、大雪)

イノシシ対策

 冬になってイノシシの出没の多い状況が続いています。 電気柵で囲っている部分にも入りました。 地形の制約のために斜面のすぐ下に電気柵を張っているところから、 勢い余って侵入したものと思われます。 電気柵は心理柵なので周囲の生息密度が高くなると こういうことが発生しやすくなります。
 対策として、周辺の休耕地の草を刈り払ったり 箱わなによるイノシシ捕獲を依頼したりしています。

 佐世保市に吸収される前の北松浦郡鹿町町が 平成20年度までに、隣接の町との境界沿いなどにワイヤーメッシュ という金網の柵を設置し、その完成直後にはイノシシの出没が 減りました。しかし完成して1年経過した頃から、イノシシが 柵を破壊して通過するようになり、完成後2年弱となる今冬は ワイヤーメッシュ柵設置前と同じくらいのイノシシ出没状況 になっています。
 耕作放棄地がイノシシの巣窟になるので耕作放棄地解消が 有効なイノシシ対策になると思います。 しかし、農業の疲弊により耕作者が減っていく中、 耕作放棄地は解消どころか増えるのを防ぐのさえ困難です。 将来、日本国の財政か経済が破綻して食糧の輸入が できなくなり、多数の失業者が農村に移住して 耕作放棄地を耕作するようになれば解決するかも知れません。

12月10日、斜面下の電気柵の写真 イノシシの侵入箇所になったと思われる場所。
右上部分は電気柵の外側で、草を刈り払う前は イノシシのよく来る場所になっていました。
斜面の土を掘り返しているうちに滑って、 電気柵を潜り抜けて左下の部分へと侵入した ものと思われます。
12月10日、春田276-ハ、ニ


平成22年12月3日/旧暦十月二十八日(金)

恵みの雨、降る

 12月2日(木)は、前線を伴った低気圧の通過により 当地では49mmの雨が降りました。11月11-12日に25mm 降った後、12月1日までの間には4mmしか降っていなかった ので、生育中の野菜たちにとっては20日ぶりの恵みの雨と なりました。

今回お届けする野菜
大根(タキイ交配 関白)、タアサイ、チンゲンサイ、水菜、 小松菜、蕪(金町小蕪)、はくさいの間引き菜、 さつまいも(高系14号、ベニアヅマ)、 里芋(赤芽大吉)  <9品目>

12月5日、セ7 冬野菜の写真 生育中のブロッコリー、キャベツ、大根など
12月5日、セ7


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