<平成21年2月23日−平成21年9月29日 太一 記>
平成21年9月29日/旧暦八月十一日(火)
昨日(9月28日)は当地では一日で121mmというたっぷりの雨が 降りました。8月15日に56mm降った後、雨が累積で3mmしか降らない 状況が続いていたところに、ようやく9月12日に36mm、9月21-23日に 59mmの雨が降ってくれたのですが、いずれの雨もカラカラに乾いて いた山の土に吸い込まれてしまい、枯れかけた川や湧き水の流量が 復活するには至りませんでした。それが、昨日の雨でようやく 山の土が潤ったようで、水が表面に流れ出てきました。野菜畑の 土も同様で、うね間通路に久しぶりに水たまりができました。 ほどほどの水たまりが時々できるのは正常なことなので、 これで8月からの雨不足が終息したと言えるのではないかと思います。
秋の雨には水分補給以外にも大きな効用があるように私は感じて
います。それはコオロギの被害軽減です。家で嫌われるゴキブリと
近縁の昆虫であるコオロギは、畑では実ににっくき存在です。
二葉が展開したばかりの白菜やキャベツ、ブロッコリー、
チンゲンサイ、リーフレタス、春菊などの芽を食べて消滅させて
しまいます。防虫網を張っていても、土に穴を掘ったり網を
食い破ったりして入り込んで食べることがあるので安心できま
せん。体の大きいエンマコオロギが特にクセモノです。鶏の餌に
しようと思って捕獲して、プラスチック製の虫かごに入れたら、
虫かごを食い破りました。
夜の気温が下がるにつれてコオロギ被害は減少していきますが、
雨が降ると更に減少が進むように感じます。秋分を過ぎると、
コオロギに食べられて野菜のタネを蒔き直しても遅れを取り戻せず、
春になって「とう」が立って収穫できないことが多くなります。
そのため秋分以降コオロギは急速に減ってもらわないと野菜栽培上
大変困るのですが、今年は秋分の頃から夜の気温が高い日が
続いており、コオロギ被害がなかなか減りません。昨日の雨は
残念ながら冷たい雨ではなく暖かい雨でしたが、それでも
水攻めに遭ってコオロギが減ってくれることを期待しています。
しかしながら今朝も防虫網の中のはくさいの芽が、新たに消えて
いました。
平成21年9月25日/旧暦八月七日(金)
梅雨前半の南寄りの強風、梅雨後半の日照不足、8月中旬から
9月中旬にかけての雨不足の影響が、複合的に蓄積して今になって
表面化したようで、野菜の収穫量が著しく減少しました。昨年や
それ以前の年には、不調な作目(野菜の種類)があっても別の
作目が好調で補ってくれて、皆様へのお届けを何とか継続する
ことができていたのですが、今年は不調な作目が多すぎて全体量が
足りない状況になってしまいました。
私たちが育てた野菜を毎週
又は隔週の定期宅配お届けで食べてくださっている方々には
大変ご迷惑をおかけしますが、しばらくの間野菜のお届けを
休止させて頂くに至りました。供給責任を果たすことができず
大変申し訳なく思っております。
このウェブサイトで受付けております臨時(一回限り)のお届け
も、しばらくの間休止します。
主な野菜の状況は以下の通りです。
パプリカ:梅雨前半の南寄りの強風で地上部が揺さぶられて
根が傷んだ模様で、梅雨末期の大雨による冠水やその後のカラカラ
天気に耐えることができず、大多数が枯れました。定植時に
仮支柱で支えた後、丈が高くなるのに応じて支える位置を高く
していく作業が遅れたことが大きく影響していると思います。
来年は作業が遅れないようにしたいと思います。
また、ピーマンよりもパプリカの方が肉厚で食味が優るという
理由で今年はピーマンを植えず、代わりにパプリカを増やしたのですが、
ピーマンの強靭さを見直して、来年は再びピーマンを育てたいと思います。
茄子:昨年より植える本数を大幅に増やし、その多くが現在も生存して
いますが一株当たりの収穫量が少ないです。原因は肥料と水の不足だと
思います。果菜類は収穫期間が長いので、肥料切れさせないために追肥を
要します。収穫期間中に施しても虫を呼んだり食味に影響したりする
ことのない良質の完熟草堆肥を、夏までに充分な量作っておくという
課題がなかなか達成できずにいます。来年のための草堆肥をこれから
冬にかけての間に準備したいと思います。
また、雨不足のため水やりをしましたが、自然の雨には遠く
及ばなかったようです。昨年までの灌水チューブによる水やりは
流量が足りなかったので、今年は直径25mmのパイプとホースとポンプを
使って流量を確保しました。人がいる間に集中してノズルで散水する
という方法にしたのですが、給水時間が限られたため総量が不足した
ようです。来年は更に改良したいと思います。
胡瓜:四組に分けて時期をずらしてタネを蒔いたうちの最後の 一組の収穫期が、予定より一か月近く早く終わってしまいました。 7月末の大雨で幼苗が水没した影響が残っていたのかも知れません。 水没した時点でもう一組追加で蒔いておけばよかったのかも知れま せん。この経験を来年以降に生かしたいと思います。
南瓜:昨年は植えた数が多すぎて、冬になってもたくさん残って いましたが、冬は根菜類や葉菜類が多くて南瓜の出番がなかなかなくて 持て余してしまったので、今年は栽培面積を減らしました。そのため 今年のお届けは終わりました。野菜セットに加えやすいミニ南瓜を、 来年は多く育てたいと思います。
オクラ:これはまだ健在ですが気温が低くなってきたので、 そろそろ収穫時期が終わります。
ささげ:これも好調でしたが、昼間の時間が短くなってきて 収穫時期がほぼ終わりです。
里芋:水をやり続けた甲斐あって、雨不足の割にはよく育って います。10月後半には収穫を始められるのではないかと予想して います。
さつまいも:雨不足で生長が遅れ気味ですが、散水によって それなりに育っています。11月に収穫する予定です。
しょうが:これから地下茎が太って、10月後半には収穫できる と思います。
大根、蕪、小松菜、大阪しろな:9月19・20日に一組目のタネ蒔き をしました。10月中旬頃から間引菜が収穫できる見込みです。 大きく育った大根の収穫は12月初めからの見込みです。
チンゲンサイ、コールラビ、春菊、サラダナ、リーフレタス: 9月10日から20日にかけてタネを蒔きました。前二者は本日25日にも 一組ずつ蒔きました。収穫は11月以降の予定です。
タアサイ、水菜:9月26日にタネを蒔く予定です。収穫は 10月下旬以降の見込みです。
キャベツ、ブロッコリー:8月末に一組目のタネを蒔き、 コオロギから守るため防虫網の中で育苗中です。収穫は 新暦年末年始の頃からです。
はくさい:9月10日に一組目のタネを蒔き、コオロギから 守るため防虫網の中で育苗中です。収穫は新暦正月頃からです。 24、25両日にも追加で蒔きました。
人参:8月末にタネを蒔いて、現在本葉が出始めている ところです。太く育った人参の収穫は12月以降の見込みです。
ねぎ:8月末に定植しました。活着して(根付いて) これから育とうとしているところです。
じゃがいも:8月末に種芋を植えました。今、芽が 地上に出揃いつつあるところです。収穫は12月の予定です。
玉ねぎ:6月に収穫して吊り貯蔵しているもののうち、
赤玉ねぎ(猩々赤)はほぼなくなりました。普通の黄色い
玉ねぎ(ネオアース)は小さめですがもう少しあります。
野菜のお届けを再開する時にお入れしたいと思います。
来年収穫するための分は、9月10日から21日にかけて四回に
分けてタネを蒔きました。
にんにく:まだ少しありますが、料理にほとんど使われない 方もいらっしゃるようなので、野菜セットにお入れする頻度を 控えめにしています。来年収穫する分は9月末までに種球を 植え付ける予定です。
野菜のお届けを再開できる時期は、今後の天候にもより ますが11月下旬頃になるのではないかと思います。 再開可能になりましたら、お知らせ致します。
9月25日、セ9。
収穫期の終わった胡瓜。
網と釣糸はカラス避け。
平成21年9月18日/旧暦七月三十日(金)
当地では8月15日に56mm降った後、雨が累積で3mmしか降って
いない状況が続いていましたが、ようやく9月12日に36mm降って
くれました。ありがたい恵みの雨でした。畑の土にはほどよい
量の雨でしたが、降った雨水は乾ききっていた土に吸収されて、
余剰分はないようでした。山の土も同様のようで、川や湧き水の
水量は12日の降雨の前に比べて増えませんでした。そして降雨後
一週間近く経過し、土は再びカラカラ状態になってきました。
昨日から野菜畑への水やりを再開しました。
これから10月初め頃にかけてタネを蒔いたり苗を植えつけたり
する予定の場所は、草を刻んで土に混ぜ込みつつ耕起し、菜種油粕
をまいて土に混ぜ込みつつ耕うんし、その後も繰り返し耕うん
することによって、草や油粕の分解促進を図っています。
雨が降らない日々が続いて土壌中の水分不足で草の分解が遅れて
いたので、ポンプを使って水を補っていましたが、こちらも
12日の雨のおかげでほどよく水分が補給されました。14日に耕したら
草の分解がかなり進んでいて、タネ蒔きや植付けに間に合いそうな
状態になりました。
14日に、極早生玉ねぎのタネを蒔きました。玉ねぎは極早生や 中晩生など、収穫時期や貯蔵性の異なる品種を全部で5品種、 計74ミリリットル蒔く予定です。
平成21年9月12日/旧暦七月二十四日(土)
ようやく雨が降ってくれました。8時頃から14時頃まで。 前線の通過による雨とのことでしたが、激しく降ったり強風を 伴ったりすることはなく、穏やかに降り続いて雨量は36mmでした。 大変ありがたい、恵みの雨です。
平成21年9月8日/旧暦七月二十日(火)
当地では雨不足の日々が続いています。8月15日に56mm降った後、
寒冷前線の通過によるという降雨が二回ありましたが、雷は
鳴っても雨はわずかで、累積で3mmしか降っていません。
収穫中の夏野菜や生育中の里芋や生姜、そしてさつまいもにまでも
水やりをしていますが、関里では水源の水量が枯渇してきました。
コンクリ3面張りの水路の外側に漏れてちょろちょろと流れている
貴重な水も集めて、灌水チューブや簡易スプリンクラーを駆使して、
一滴も無駄にしないという気持ちで給水しています。しかし、
完全に利用しようとするとホース内に空気が入って、いつの間にか
水が流れなくなって逆に水の利用率が下がってしまうこともあります。
そうならないように送水経路の途中に受けタンクや空気抜き用の
仕掛けを設けて、その効果を観察して改良したりと、この一週間
のうち延べ丸4日間くらいは水対策に忙殺されたような気がします。
中切の秋冬野菜予定地は草を刻んで土に混ぜ込みつつ耕起し、
菜種油粕をまいて土に混ぜ込みつつ耕うんし、その後も繰り返し
耕うんすることによって、草や油粕の分解促進を図っています。
が、雨が降らない日々が続いているので、草の分解がなかなか
進みません。幸い中切では川にまだ水が流れているので、ポンプを
使って散水して耕しています。
8月31日にタネを蒔いた人参、キャベツ、ブロッコリー、 カリフラワー、春菊のうち、人参と春菊以外は既に芽が出ました。 人参以外は移植栽培用として苗床に集中して蒔いたので、コオロギ 避けの防虫網で覆っています。
9月に入って虫の産卵期が終わったのか、虫に刺されずに赤く 熟したトマトが一か月ぶりに少し収穫できました。
9月6日、セ3。
15mmホースとスプリンクラーで散水中。
右の白い花は、ごま。
平成21年9月1日/旧暦七月十三日(火)
8月31日に、人参、キャベツ、ブロッコリー、カリフラワー、
春菊のタネを蒔きました。じゃがいもの種芋と九条ねぎの苗も
植えました。いずれも場所はナ1です。しかし、土がカラカラに
乾いていてタネを蒔いただけでは発芽しないのは明らかなので、
ポンプを使ってたっぷり水をかけました。とは言え晴天の昼間は
残暑が厳しく、すぐにまた乾いてしまうと予想されるので、
芽が出るまでは毎日水をかけることになりそうです。
タネ蒔き当日に散水を終えたら日没で暗くなり、
ヘッドランプをつけてホースなどの片づけをしていたら、私の
すぐ近く、ほんの3mくらいしか離れていないところにウサギが
来ていました。散水後の涼しさに誘われたのかも知れません。
私がウサギに気付くのよりも一呼吸遅れてウサギも私に気付いて、
一目散に逃げていきました。イノシシ・タヌキ用の電気柵は
ウサギには無効であることが、これで確認できました。
平成21年8月21日/旧暦七月二日(金)
残暑お見舞い申し上げます。
例年より一か月遅れでやってきた、梅雨明け直後のような天気の
中で、秋冬野菜の畑の準備を進めています。
今月末から9月初めにかけて人参、キャベツ、ブロッコリーの
タネを蒔いたり、じゃがいもやねぎを植え付けたりする予定地
(ナ1)、9月後半にタネ蒔きをする大根や白菜、水菜、タアサイ
などの予定地(ナ4)、9月下旬以降にキャベツやブロッコリーの
苗を植え付ける予定地(ナ3)は、菜種油粕をそれぞれ80kg、
200kg、100kg撒いて耕うんしています。
一方、収穫中の夏野菜類は、今週に入ってから雨が降って
いないので水やりをしています。
平成21年8月11日/旧暦 六月二十一日(火)
8月4日の14時に、九州北部が梅雨明けしたものとみられるという 発表がありました。しかしここ鹿町町ではその後、雲が多く風も 涼しくて秋のような日が多く、灼熱の太陽光が降り注いだのは ほんの一時です。雨の心配のない晴天になったら梅の土用干しを したいと思っていますが、未だにできずにいます。
夏らしい夏がなくても、時期が到来すれば秋や冬は来ることと 思います。8月末には秋冬野菜のタネ蒔きを始めます。そのための 畑の準備に9日から本格的に取りかかっています。まずは人参、 じゃがいも、キャベツ・ブロッコリー苗、ねぎなどの予定地の草を ハンマーナイフローターで刻み、耕うん機で耕起しつつ刻んだ草を 土に混ぜ込み、更に菜種油粕を撒いてまた耕うんしました。今後 更に何回か耕うんして、草と油粕を完全に土に返してからタネ蒔きや 植付けをします。作付けまでに同じ場所を5回以上耕すことになり ます。また、9月以降にタネ蒔きや植付けをする大根やキャベツ、 ブロッコリー、玉ねぎなどの予定地もこれから順次準備していきます。
今年のトマトは、昨年立ち枯れが少なかった中玉一品種に しぼって育てたところ、それが功を奏したのか、立ち枯れはごく わずかしかありませんでした。そして果実は今もまだ順調に成って いるのですが、虫が来て収穫困難な時期になりました。赤くなる 前の未熟果に虫が産卵し、赤くなり始める頃に卵が孵化して果実が 軟化し、食用不適になります。残念ながら8月に入ると、こうなる ことは避け難いようです。この対策としては収穫開始を早くして、 虫に産卵される前に収穫期を終えてしまうのが良さそうなので、 来年は今年よりももっと早い時期にタネを蒔きたいと思います。
平成21年8月4日/旧暦 六月十四日(火)
梅雨の初めの頃は中休みの晴れ間が多くて農作物の生長が順調 でしたが、先々週から今週にかけては日差しのない日が多く、 野菜も稲もあまり生長しません。野菜の中でも胡瓜は比較的良く 育ち、実をつけてくれていますが、茄子やピーマン類(パプリカ) などは停滞しています。
8月2日に人参の種子を採取していて、指をムカデにかまれました。
人参の茎(とう)の先端の花の跡に種子ができているところを、
手でしごいて種子を採取しようとした時、そこにムカデがいるのに
気付かずムカデを握ってしまいました。こういう時のために農地の
近くに植えておいたドクダミさんから葉を4枚ほどいただき、
汁を絞り出すようにしながら傷口に押し付けておきました。
30分後にはドクダミを当てたまま軍手をはめて農業機械を
使うことができて、その二時間後にドクダミの葉を外してみましたが
痛みは既にありませんでした。普通の外傷にはヨモギですが、
ムカデにかまれた時はドクダミの葉、蜂に刺されたときは朝顔の
葉が有効と、以前「なずな」の赤峰勝人さんからお聞きしていました。
ムカデにかまれてドクダミの葉のお世話になったのは今回で
二回目ですが、二回とも良く効きました。大したものだと思います。
ちなみに農作業中にムカデに遭遇することはよくあります。
石垣のそばなどでは、首筋に何か落ちてきて這いまわっているなと
思ったら、その後足元に落ちてきたのはムカデだったということが
何回かありました。どうやらムカデは蚊やアブと違って一方的に
攻撃してくることはないようです。私がかまれたのは二回とも、
私よりもムカデの方がびっくりして生命の危険を感じただろうと
思われる状況でした。ムカデは土の表面付近によくいて、土を
豊かにしてくれる仕組みの中で大きな役割を担ってくれているの
だろうと思います。ですからムカデの存在には感謝しています。
ドクダミさえあれば大丈夫なので、ムカデを駆除したいなどとは
思いません。
平成21年7月29日/旧暦 六月八日(水)
24日(金)から26日(日)にかけて九州北部や
山口県などの各地で大雨が降りましたが、当地での
降雨量は293mmでした。時間当たりの雨量が
最も多かったのは、各地で土砂崩れなどが起きた
日曜日の朝だと思います。
日曜日の朝の雨の最中には屋外に出るのが
困難だったので、小降りになってから田畑の
様子を見に行ったところ、野菜畑の多くは
うねの上面まで冠水していました。
先週芽が出たばかりの胡瓜などの小苗は、
植物体全体が水没していました。水没は一時的だったので、
幸いにして今のところ枯死したり弱ったりする
ことなく育っています。
土木的な被害としては、以前から崩落しそうに
なっていた棚田の石垣が、ごく一部ではありますが
壊れました。この田にはもう水を張らない方が良いし、
耕すこともやめた方が良いと判断して、2年半前に
渋柿や枇杷の苗木を植えました。石垣の崩壊が
進まないうちに、木が根を張って土を保持して
くれることを願っています。
私たちが野菜畑として使っているのは 全て棚田です。棚田には利点も欠点もいろいろ ありますが、最大の欠点は地すべりや豪雨で 石垣が壊れるという点ではないかと思います。 一方、棚田の農作物は大雨の被害を比較的 受けにくいと思います。平野部の田と違って、 水は下へ流れていくので、あぜの高さよりも 大幅に高い位置まで水につかることはありません。 傾斜のある畑と違って、農地の中に川ができて 土壌の侵食や流亡が起きる可能性も小さいです。 今回の雨で胡瓜やごま、大豆、小豆の小苗が 水没しましたが、棚田なので穏やかな水没で 済みました。平野部の田なら水深数十cmまで 長時間冠水して窒息死したかも知れませんし、 傾斜のある畑なら土ごと流されて消えて しまったかも知れません。
ここ数年、雨の降り方の分布が極端になり、
豪雨や干ばつが多くなっていると思います。
特に豪雨については石垣の崩壊や表土の侵食・流亡など、
影響が一時的なものにとどまらない被害が心配されるので、
毎回ひやひやします。人の力で水害を防ぐことはできず、
できるのは自分の命を守るために逃げることだけです。
一時間当たりの雨量は30mm以内に、一回当たりの総雨量は
100mm以内に収まりますようにと、ただただ祈るのみです。
水利組合で神官さんをお招きして夏に行う河祭りの時や、
折々に自主的に個人で水源にお供えなどする時は、
干ばつや水害で困ることがありませんようにと
本気でお願いしています。科学で理解したり実現したり
することができるのは、大自然や大宇宙の中のほんの
ごくごくわずかなことだけだと思います。
温暖化ガスによる気候変動のために豪雨が
降る頻度が高くなるからといって、
豪雨に備えて堤防や排水設備などを強化しても、
100%の安全はあり得ません。
人は大自然の変調を招くような行為を慎み、
大自然に逆らわない生き方をすることによってのみ、
繁栄を続けることができると確信します。
平成21年7月24日/旧暦 六月三日(金)
九州北部では新暦で見ると例年よりも梅雨明けが 遅れています。しかし旧暦ではまだ六月に入ったばかりです。 今年は旧暦で閏五月があるために、基本的には長く厳しい夏に なるのではないかと予想されています。しかし、 閏五月があるということは太陽の運行を表す二十四節気 を基準として比較すると、旧暦五月は例年より早く訪れ 旧暦六月は例年より遅く来るということです。 旧暦五月は梅雨(五月雨、五月晴れ)の月で、 旧暦六月は梅雨の明ける月(水無月)ですから、 旧暦閏五月のある今年は、梅雨が長くなる 本質的傾向があるのかも知れません。
牛や山羊を飼っていない上に除草剤を使わない
私たちの農業では、化石燃料で動く刈払機(かりはらいき。
一般には草刈機とも呼ばれる)が必需品です。
その刈払機のエンジンが不調になりました。回転数と
出力が上がらなくなりました。エンジンはガソリンを
燃料とする内燃機関ですから、エンジン本体への
燃料又は空気の供給量が不足しているのだろうと考え
ました。そこで、燃料と空気を混合してエンジン本体に
供給する気化器を調整したり分解清掃したり、空気の
取り込み口を清掃したり、燃料フィルターを外してみ
たり、点火プラグを交換したりしましたが治りませんでした。
もう9年半使っているので老朽化したのかと思いつつ
農機具店の担当の人に相談したら、排気経路が塞がっ
ているのではないかとの助言をいただきました。言われ
たように調べて見ると果たして確かに、燃焼室(シ
リンダー)から消音器(マフラー)へ排気を送る部分に
ススがこびりついて蓄積し、排気の経路が本来のわずか
50分の1くらいにまで狭くなっていました。人体で言えば
便秘の状態です。これを掃除して排気経路を確保したら、
これが同じ機械かと驚くほど快調に動くようになりました。
出すものを出さないと新しいものが入らないのは、
人の心や身体も、機械のエンジンも同じなのだと
認識させられました。
平成21年7月21日/旧暦 閏五月二十九日(火)
6月27日と7月15日の二回に分けて、さつまいもの苗を
計約350本植え付けました。3月に育苗ハウス内の踏込み温床上で
種芋を伏せ込んでつるを出させ、途中で露地の苗床に植え替えて
つるの本数を増やしつつ長さを伸びさせてきました。
一度に350本は採取(苗取り)できないので、6月27日に
約100本採取し本畑に植え付けた後、苗床の種芋に少し残した
つるから新しいつるが伸びたところで、7月15日に
二回目の苗取りと植え付けをしました。梅雨と言いながらも
雨が降りそうであまり降らない日が、二回目の植え付けの
翌日から4日間続いていましたが、昨日から今日にかけて雨が
17mm降ったので、これで二回目植え付けの分も活着して
育ってくれることと思います。
7月16日、セ3。
左側は6月27日植え付け分で、既に活着済み。
右側及び奥は7月15日植え付け分で、
まだ活着していないので若干しおれています。
平成21年7月14日/旧暦 閏五月二十二日(火)
3月に育苗ハウス内の踏込み温床上でタネを蒔いて
育ててきた夏野菜は、ズッキーニ、胡瓜、トマトに続いて
伏見甘長唐辛子、茄子、オクラ、パプリカが収穫期に
入りました。収穫初期は収穫量が少ないので、
お届けする品目の
記載に「又は」が多いですが、徐々に皆様に行き渡る
ようになると思います。
パプリカは完熟すると赤色や黄色になりますが、
当分の間は緑色の未熟果を収穫します。普通のピーマンと
同じように食べられますが、普通のピーマンよりも肉厚で
味わい深いです。市場で流通させる場合は肉薄で一個当たりの
重さが軽い普通のピーマンの方が、同じ重さでも個数が多くなって
見栄えがするので歓迎されると思いますが、私たちの場合は
基本的に陳列販売をしないので、実質が優れるパプリカの方が
適しています。そういう理由により今年は普通のピーマンは育てず、
代わりにパプリカを増やしました。梅雨前線が朝鮮半島付近に
停滞していた時に強い南風が吹き荒れて一部が枯れてしまいましたが、
残りは大切に守っていきたいと思います。枯れた原因は
仮支柱への結束に使っていた紙テープが切れたことでした。
昨年までは麻ひもを使っていましたが、手間暇がかかるので
今回初めて野菜誘引用の紙製粘着テープを使いました。
ところがこれはビニールハウス内で使うことを
前提としたものなのか、風雨が強かった日に多くが破れて
切れてしまいました。結局、従来通りの麻ひもで結束
し直しました。
夏野菜の中でも収穫開始の早かったズッキーニは、
もう収穫時期がほぼ終わりました。高温多湿は苦手なようで、
梅雨入りしてからは雌花の柱頭が奇形になって受粉できなかったり、
雌花そのものが咲かなくなったりして、不調になりました。
先週から収穫を始めたさやいんげんは、直播で4月から育てている
つるありいんげんです。イノシシ用の防獣網を転用してつる植物を
育てるのは、昨冬のえんどう豆で失敗したのでやめにして、
今回はゴーヤーネットを使っています。以前はきゅうりネットを
使っていましたが、きゅうりネットは網の糸が細くて繰り返し
再使用するには強度が足りず、耐用年数が短くもったいないので、
きゅうりネットよりは糸が丈夫そうなゴーヤーネットを昨年から
試しています。
人参は草に埋もれて先週で収穫終了。キャベツは高温多湿になって
収穫不適なものの比率が増大してきて今日で終了です。
7月16日、ナ7。
手前中央はつるむらさき。
右はゴーヤーネットにつるを絡ませたにがうり、へちま、いんげんなど。
平成21年7月7日/旧暦 閏五月十五日(火)
6月29日から7月1日にかけて3日間で230mmという まとまった量の雨が降った後は、数mmずつの雨が降ったり曇ったり 一時的に晴れたりを繰り返す天候となっています。私たちが 所属している水利組合の二つあるため池のうち一つは満水、 もう一つも貯水率90%くらいまで水がたまりました。 土が潤っているところに時々日光が降り注ぐおかげで、 野菜の生長が速くなってありがたいです。 これが毎日雨ばかりだと雨量は少なくても日照不足で生育不良と なるので、時々晴れるのはとにかくありがたいです。
野菜が順調に生長すると同時に、野生の草たちはもっと速く
生長しています。そのため、畑の中の草取りや、農地周辺の
草の刈り払いを連日していますが、草の生育速度になかなか
追いつくことができません。草を茂り放題にしていると、
大雨の時に土が緩んで石垣や斜面が崩れる原因になるし、
野菜などを栽培している場所の周辺は風通しが悪くなって
作物の病気発生の原因になるので、草の管理は重要な農作業です。
昔は牛の貴重な餌だったので、草は近所の農家同士で取り
合いになるほどだったそうですが、今や農作業の動力が牛から
化石燃料で動く機械に代わり、草は農家にとって負担になって
しまっています。草には太陽のエネルギーや大地から吸い集めた
ミネラル分がたくさん貯えられており、これを農耕用の牛に
食べさせれば究極のバイオマス燃料になるのに、文明が進んだ現在は
このバイオマス燃料を、こともあろうに化石燃料を使って
処分しているのですから、もったいないことです。
一部は野菜の敷き草にして最終的には土作りに生かしていますが、
傾斜地など集めにくい場所の草は刈り払いっ放しです。
できるだけ利用率を高めていきたいものだと思います。
7月6日、ナ1とナ2の間より。
右下約半分はナ3(昨年のれんこん、くわい跡)、
その先の右上部分はナ4(玉ねぎ、えんどう豆などの跡)、
ナ3とナ4の境目付近の左はナ6(胡瓜、トマトを青色の防鳥網で
囲っている)、その左の斜面を下ったところにある広いところは
ナ9(大根、ブロッコリーなどの跡)。
里芋などを植えているナ7や茄子、パプリカなどを植えているナ8は、
ナ4の向こう側の下にあるのでここからは見えません。
ここに写っている部分はナ6以外草だらけですが、いずれの圃場も
あぜ(それぞれの下側の縁)の草は刈り払ってあり、
これでも比較的良好に管理している状態です。
平成21年7月3日/旧暦 閏五月十一日(金)
3月に育苗ハウス内の踏込み温床上でタネを蒔いて育ててきた 夏野菜は、ズッキーニ、胡瓜に続いてトマトが今週初収穫を 迎えました。トマトは根腐れで枯れやすい品種を植えていると、 他の品種にまで根腐れが広がる可能性もあるようなので、 今年のトマトは昨年収穫開始後の生存率が一番高かった シンディースイートという中玉品種だけにしました。 大玉とミニトマトは育てていません。梅雨明け後の猛暑に どれくらい耐えてくれるか、注目しています。
今週月曜日に梅雨が戻ってきて、遅れていた田植えの準備を
始めました。月曜日に水張りをして今日代掻きをして、
明日あぜ塗りをして、月曜日か火曜日から田植えの予定です。
今年から販売用のうるち水稲栽培もするつもりで新たに田を
借りましたが、壊れた排水経路の修復が応急処置では効果が
不充分で、田の土のぬかるみが解消されず耕うん機を入れることが
できませんでした。たまたま先月成立した日本国の補正予算で、
耕作放棄地復旧事業として壊れた水路の修理を含む基盤整備を
してもらえる可能性が高くなってきたので、それをいつでもして
もらえるように、新たに借りた田での作付けを今年は見送ることに
しました。そのため今年も稲作は自給用のうるち米と、
若干の特殊米にとどまります。若干の特殊米とは、販売用の黒米と
緑米、及び神事用とヒヨコ用の赤米の予定です。
雨と一緒に南寄りの強風が二日間ほど吹いて、きゅうりや ズッキーニ、収穫開始前のつるありいんげんなどが影響を 受けました。きゅうりは一時的に収穫量が減る程度だと思いますが、 ズッキーニといんげんは残念ながら一部が枯れました。 生存している分に期待したいと思います。
6月21日、ナ6。
「シンディースイート」中玉トマト。
収穫開始の9日前。カラス対策の防鳥網を張る前の様子。
右上の奥の方の青色部分は胡瓜。
平成21年6月26日/旧暦 閏五月四日(金)
旧暦では「閏五月」に入りました。二十四節気には中気と
単なる節気が交互にあり、12の中気が一月から十二月までの
目印になっているのですが、今週火曜日の新月(闇夜)から
次の新月の前日までの今月には、単なる節気である小暑があるだけで、
五月の中気である夏至と六月の中気である大暑のいずれもありません。
そのため今月は五月の次に来る月であるが六月の中気はないということで、
閏五月と呼ぶというのが旧暦の決まりです。
旧暦では四月から六月までが夏であり、通常なら夏は3か月間ですが、
今年は閏五月が加わるので夏が4か月間あります。
ということは、厳しい暑さが長く続く夏になる可能性が高いと言えそうです。
先週末まで10日間続いた梅雨の中休みの間に、中晩生の 貯蔵用玉ねぎの収穫を無事に済ませることができました。 梅雨が戻ってきて今度は水張りや代掻き、あぜ塗りなど田植えの準備を する時です。今は再びの中休みですが、日曜日からは雨が降る可能性が 高そうなので、その雨に助けてもらって田に水を張る予定です。
6月21日、玉ねぎの吊り貯蔵。
葉を束ねているのは「ネオアース」と「猩々赤」。
網袋に入れているのはオニオンセット栽培の
「シャルム」のセット球。
今年は中切の地主さんの農機具小屋の一角を
利用させていただいています。
平成21年6月19日/旧暦五月二十七日(金)
3月に育苗ハウス内の踏込み温床上でタネを蒔いて育ててきた夏野菜は、 ズッキーニに続いて胡瓜が収穫期に入りました。昨年は収穫開始直後に カラスに食い散らかされたので、今年はそうならないように収穫開始前から 防鳥網で囲っています。
先週後半から今週一杯にかけて梅雨の中休みが続いています。先週
の水曜日に37mm降って以来、雨はほとんど降っておらず土が乾いてきた
ので、胡瓜など一部の野菜には水やりをしています。
昨年までは直径15mmの水道ホースで川の水を引いていましたが、
多い時はホースを5系統も使って毎日24時間連続で送水しても
真夏には給水量が足りず、胡瓜や茄子の不調の一因になっていました。
水源と野菜畑との間の標高差が小さく、落差だけに頼った送水では
流速があまり出ないのが根本的な問題でした。
そこで今年は直径25mmのパイプ180mを敷設し、その経路上に
バルブ付きの取水口を3箇所設置し、持ち運びが容易な小型の
エンジンポンプと直径25mm*長さ80mのホースで、各圃場に
ドボドボとたっぷり給水できるようにしました。
川 > (50mmパイプ*20m) > 砂泥沈殿槽 > (25mmパイプ*80
ないし180m) > 取水口 > (吸込用ホース25mm*3m) > (ポンプ)
> (散水用ホース25mm*10ないし80m) > 野菜のうね間通路、
という経路で給水するものです。
今週月曜日までの三日間でパイプの敷設やバルブの設置を終えて、
月曜日から使っています。従来とは比較にならないほどたっぷり給水
できるようになりました。
今年は旧暦五月と六月の間に閏五月が入るので、
長くて厳しい夏となる可能性がありますが、この水やり設備が胡瓜や茄子、
ピーマン類の夏ばて防止に効果を発揮してくれることと期待しています。
梅雨の中休みが続いているおかげで、じゃがいもは外観の比較的きれいな 状態で取り入れることができました。今期のじゃがいもの特徴は、 全体的に大きさが小ぶりで面積あたりの収量も少なかった半面、 腐れなどの不良品が少なく品質は良好です。小さくてもちゃんと でんぷんが蓄積されていておいしいです。
6月21日、ナ6、きゅうり。青色は
カラス対策の防鳥網。
平成21年6月12日/旧暦五月二十日(金)
「梅雨入りしたものとみられる」の発表が今週の火曜日にあ りました。それを待たずに、当地では先週後半から曇りや雨の 日が続いていました。長崎県南部にある長崎市では晴れていても、 県北端部にある当地では曇りという日も何日かあり、一日中断続的に 霧雨が降っていた日もありました。そのような天気なので日照時間が短く、 せっかく収穫期入りしたズッキーニの実がなかなか大きくなりません でした。しかし昨日の木曜日は早速の梅雨の中休みで晴れたので、 ズッキーニが一気に大きくなってくれました。野菜の食用部分が 光合成で作られているのだということが実感されます。ズッキーニの次に 収穫が始まりそうな胡瓜は水分が大好きで、先週から雨不足が 解消されたおかげで着実に葉数を増しています。
今日以降もしばらくは梅雨の中休みが続きそうな
予報が出ています。6月は梅雨の時期であると同時に、
当地では中晩生の貯蔵用玉ねぎやじゃがいもの収穫、
里芋や生姜の中耕と土寄せなど、数日間以上晴天が続いて
くれないと都合が悪いような畑仕事が多い時期でもあります。
作物の生育状況に合った時期に晴天が数日間続いて欲しいの
ですが、梅雨の時期なのでなかなか希望通りに晴れてはくれません。
これは毎年のことで避けては通れない恒例の悩みですが、梅雨に入っても
初めの頃は意外と中休みがあるので、そういう貴重な晴れ間を縫って
畑仕事をしていくことになります。
対照的に水稲栽培の場合は、田んぼの耕起・耕うんや元肥混和さえ
済んでいれば、あとは水張り、代掻き、田植えと、炎天下よりは
雨の中の方がやり易い作業が多いので、雨を今か今かと待ち受ける
状況です。日本人の主食のお米は日本の気候に良く適合していると、
つくづく思います。
6月12日、ナ1。
収穫開始3日前のじゃがいも「普賢丸」。
その右はねぎ、キャベツ、リーフレタスなど。
平成21年6月2日/旧暦五月十日(火)
昨年10、11月に播種したキャベツは、11月15日播種の
「初夏のかほり」に続いて11月22日播種の「YR天空」
も収穫可能になりました。
この二品種はいずれもタキイ種苗(株)の一代交配雑種(F1品種)です。
今期力を入れて10月31日と11月22日の二回に分けてたくさん播種した、
F1品種ではない在来固定種の「渡辺成功キャベツ」は
まだあまり結球していません。結球に必要な葉数が確保される前に
ヨトウムシに葉を食べられすぎて、結球不能になった株も多そうな
様子です。
なるべくF1ではなく固定種の野菜を育ててお届けしたいと
思っているのですが、固定種は食味が良いと言われる半面、
生育の旺盛さではF1品種に及びません。
市場流通の野菜の大部分がF1品種になっていることの
最大または二番目の理由は、この生育の旺盛さの違いにあるので、
差が出ることは当然とも言えます。ちなみにもう一つの理由は、
生育の揃いの良さの違いです。固定種をいきなり
たくさん育てて出荷に不都合が生じがっかりしたという
ことは、これまでにも胡瓜や南瓜などで経験していたのに、
またやってしまいました。固定種への切り替えはまず少数で
試してから、という教訓を今回再認識しました。
キャベツに続いて、3月播種のリーフレタスとコールラビ、
そして夏野菜の収穫一番乗りとしてズッキーニも登場し、更に
中晩生の赤玉ねぎとにんにくも加わって、ようやく
野菜の種類の乏しい状態から抜け出すことができました。
6月1日、にんにくを収穫して12本ずつ束ねたところ。
手前の6束は今年の秋に植える種子球用として確保。
奥の左からの12束は出荷用。奥の右端の1束は出荷不適の不良品。
平成21年5月29日/旧暦五月六日(金)
キャベツに続いて、3月播種のリーフレタスとコールラビが、
小さめながらも収穫できる大きさに育ってきましたが、それでも
野菜の種類が少ないので、今日の定期宅配野菜セットには
鹿町町の隣の北松浦郡江迎町の方がそのまた隣の佐世保市吉井町
(旧北松浦郡吉井町)で農薬と化学肥料を使わずに
育てられた大根を加えて、通常通りの価格分の野菜を確保しました。
例外的臨時措置です。私たちも昨年までは春播きの大根を
育てていましたが、半年かけて畑の準備をしてもおいしい状態で
収穫できる期間が一週間か二週間しかなく、むなしくなって
今年は春播きの大根と蕪をやめました。しかしながら、
そのために今の時期にお届けできる野菜の種類が不足する事態に
なったので、来年はまた育てることになりそうです。
3月から育苗ハウス内で苗を育てた夏野菜は、先週までに全て
露地の畑に定植しました。夏野菜の最初の収穫はズッキーニの見込みです。
昨日からの強風の悪影響がなければ、来週は少しお届けできるのでは
ないかと思います。
平成21年5月26日/旧暦五月三日(火)
昨年10、11月に播種したキャベツは虫食いが多く、
最初に収穫する予定だった10月31日播種の「春波」という品種は
全数鶏の餌になりましたが、11月15日播種の「初夏のかほり」という品種は、
何とか収穫可能になりました。ようやく皆様にお届けすることができて、
ほっとしています。今期力を入れて多く植えた、F1品種ではない固定種の
「渡辺成功キャベツ」はまだ充分に結球していません。
グリンピースは一週間半で収穫期が終わり、スナップえんどうも終わり、
そら豆も今週で終わりです。先週木曜日に30mm弱の雨が降ったので、
リーフレタスとコールラビが急速に成長してくれることを願っています。
先週木曜日に妻の克子が島原半島北東部の有明町にある 長崎県畜産試験場へ行き、前日生まれの「つしま地鶏」のヒナ(ひよこ) 10羽を受け取ってきました。たったの10羽を受け取りに行くには随分遠い 道のりですが、宅配便で送ってもらうのでは弱ったり死んだりするヒナも いるかも知れないので、VIP待遇で迎えに行きました。ヒナたちは今、 私たちの住居である町営住宅の庭に設置した育雛箱(いくすうばこ)の中で、 眠ったり走り回ったり食べたり飲んだり、自由気ままに過ごしています。 育雛箱は100羽収容可能な大きさなので、わずか10羽の彼らにとっては、 随分広々とした屋敷です。成鶏は田畑の近くの鶏小屋で飼っていますが、 小さいヒナはイタチや野良猫から厳重に守ってやることと、 保温のため白熱電灯(40W型を2個)を点灯しておくことが 必要なため、住宅の庭に一時滞在させています。 ヒナが小さい間の主食としては玄米を 与えますが、今年は専ら赤米の玄米を食べさせています。
生後満2日のヒナたち。5月22日。
平成21年5月19日/旧暦四月二十五日(火)
昨年10、11月に播種したキャベツは、結球時期を前に
虫食いが進行し、収穫に至るのはどうも難しそう
な状況になってきました。前年(昨年初夏収穫分)は
結球時期が少し早すぎたものの育ち具合は良かったので、
今回は播種時期を少し遅らせて期待しつつたくさんの苗を
育てて植えたのですが、どうやらほとんど全部鶏の餌になり
そうな様相です。鶏はキャベツも虫も両方とも大好きな
ので、鶏は喜ぶことと思いますが、育てた者としては皆様に
お届けすることができなくて大変残念です。
この時期のキャベツは気温が徐々に上昇して虫や内部の腐れが
発生し易いので、定植した苗のうち皆様にお届けできるのは
良くて半数だと見て、その分多く植えたのですが歩留まり0では
どうしようもありません。
春から初夏にかけての野菜は、虫食いが多く収穫適期がごく短い
という理由で既に大根と蕪の栽培をやめ、小松菜やほうれんそうも
大幅に減らしましたが、当地の土質や気象などを踏まえて、
根本的に営農形態を見直さないといけないかも知れないと
思案しています。
5月10日ナ4、キャベツ(春波)。
平成21年5月15日/旧暦四月二十一日(金)
極早生玉ねぎの一品種目は4月24日に一回だけお届けして 終了した「ジェットボール」ですが、それに続く二品種目 である「チャージ2」がようやく完熟し、収穫しました。 地面に並べて二日間地干ししてから、畑で根と葉を切り落として コンテナに収容しました。6月収穫予定の中晩生品種は、 根と葉の付いたまま吊り貯蔵しますが、極早生は中晩生種ほどは 貯蔵性が高くないので、今年は吊り貯蔵はしません。 来週以降もお届けしますので、旬の玉ねぎをどうぞ味わってください。 なお、「ジェットボール」は今回初めて育てましたが、 露地栽培野菜の端境期にいち早く収穫できて良かったので、 次回(今年の秋)はもっと多く植えたいと思います。
平成21年5月9日/旧暦四月十五日(土)
育苗ハウスで育ててきたトマトとオクラの苗を、 露地の畑に定植しました。ウリ科の南瓜やズッキーニと 違ってトマトやオクラは、今の時期なら防寒対策は不要と考えて 不織布で覆うことはしません。その代わり定植後速やかに 草をたっぷり敷き詰めました。また、トマトは風で 揺さぶられないように竹の仮支柱を立てて麻ひもで支えました。
平成21年5月8日/旧暦四月十四日(金)
3月に育苗ハウス内で播種した夏野菜は、これまでに
ズッキーニ、南瓜、胡瓜、にがうり、つるむらさきを
露地の畑に定植しました。育苗ハウス内は真夏並みの
温度ですが、外の畑は夏野菜にとってはまだまだ気温が
低いので、定植後一週間くらいは防寒用の不織布で覆って
養生しました。不織布を剥がす時には、代わりに草を
大量に運び込んで、ふかふかの布団のように地面に
敷き詰めました。この草は苗への風当たりを和らげて
くれるとともに、晴天続きの時に乾燥を防いでくれます。
夏野菜の栽培期間が終了したら、夏野菜の残さ(茎葉)
と一緒にその場の土に混ぜ込んで、土に返します。
育苗ハウス内のトロ箱に伏せ込んださつま芋の種芋は、
根と葉が出たので露地の苗床に植えつけました。
トマト、茄子、ピーマン類は、トロ箱からポリ鉢に
移植(鉢上げ)して引続き育苗ハウス内で育てています。
トマトは明日定植する予定。茄子、ピーマン類は今月
20日頃に定植する予定です。
5月7日、セ5。
ズッキーニの苗の周りに草を敷き詰めたところ。
平成21年5月1日/旧暦四月七日(金)
グリンピースが何者かに食べられている形跡があり、
ネズミだろうかと思っていましたが、どうやらカラスのようです。
グリンピースだけでなくスナップえんどうも食べられるように
なりました。ギザギザの食み跡の付いた食べかすの莢が
たくさん残されている上、このところグリンピースや
スナップえんどうを植えている場所付近でカラスを
目撃する頻度が高くなっているので、カラスの仕業と
いう結論に至りました。
あと二週間もすれば収穫期が終わりそうな時に
今さらカラス対策の網を張るというのは、あまり意欲が
わきません。しかしながらこのまま放置しておけば
カラスに餌をやっているのと同じであり、結果的に
カラスを増殖させることにつながります。来年以降
カラス対策にますます苦慮することになります。
面倒ではありますが、防鳥網を張って防御しないと
いけません。やれやれと溜息の出る心境です。
ナ4グリンピース。
5月2日に側面と天面を防鳥網で囲いました。
平成21年4月30日/旧暦四月六日(木)
関里の育苗ハウスで育ててきた夏野菜の苗のうち、 ズッキーニは既に18日(土)に定植しましたが、 それに続いて今日は南瓜、胡瓜、ニガウリ、へちま、 つるむらさきの苗を定植し、つるありいんげんの種子を 蒔きました。定植した苗には、夜から朝にかけての 冷え込みで弱らないように、活着するまでの間防寒用の不織布を かぶせておきます。
平成21年4月28日/旧暦四月四日(火)
9月1日播種分のキャベツを先週までお届けしていましたが、
玉の内部でとうの用意が進み、葉の軸の部分にスジが
生じてきたので、今週からは収穫を中止します。
それに続く10月播種のキャベツは4月上・中旬くらいには
収穫開始の予定でしたが、成長が遅くまだ結球していません。
前年は暑い秋と暖冬で成長が早すぎたので今期は播種期を
少し遅らせたのですが、今期は秋の暑さが少なく冬は
それなりに寒かったので、調整の影響が大きく出すぎて
しまいました。
キャベツがしばらく途切れる代わりに、玉ねぎを
お届けできるようになりました。まだ肥大途上ですが
前倒しで収穫します。
旧暦では四月になりました。旧暦では四、五、六月が
夏ですが、今年は旧暦五月と六月の間に閏五月が入るので、
夏が四か月となり例年より約30日長いです。
長く厳しい夏になるのかも知れません。
平成21年4月21日/旧暦三月二十六日(火)
引き続き、一年中で最も野菜の種類の少ない時期で
す。アスパラガスやえんどう豆がもっと多く収穫できると
良いのですが、低迷しています。
アスパラガスはあちらこちらへと引越しを重ねた後、
ようやく安住できそうな場所に落ち着いた後の
収穫初年度なので、来年に期待したいと思います。
えんどう豆類は、今期初めてイノシシ用防獣網を転用して
つるを絡ませているのですが、これが風で揺れて茎や根が
傷んだようで、絹さやえんどうは春一番の強風でほぼ全滅に
近い状態になり、復活しませんでした。スナップえんどうは、
絹さやが防風役をしてくれましたがそれでも五割くらいの
減産でしょうか。グリンピースはそのまた風下で比較的影響が
少なそうなのですが、収穫期はもう少し後です。
ネズミかウサギらしき何者かが肥大前のグリンピースを
失敬している形跡があり(莢の殻だけが散らばっている)、
気になるところではあります。
今の時期の露地栽培では数少ない葉物であるキャベツは、
10月播種の分の成長が遅くまだ結球していません。
その代わりに9月1日播種分のとう立ちも遅れていて、
今はまだその分をお届けしています。しかしそれも、
既に内部にとうが用意されているものが多いようです。
とうの茎の下部の方はスジができて硬いので、硬い部分は
除外してご調理ください。
平成21年4月14日/旧暦三月十九日(火)
人参、大根に「とう」が立ち、ブロッコリーの収穫時期が
終わって、一年中で最も野菜の種類の少ない時期になりました。
昨年末に収穫して暗闇で保管してきたじゃがいもも、
芽が伸び始めて貯蔵期間がほぼ終了です。
野菜の端境期に登場してくれる、
ありがたい存在の一つであるタケノコが
出てきてくれました。前の耕作者が離農して
から私たちが利用し始めるまでの間、十数年間または
それ以上に渡って耕作放棄地になっていたために、
山から田へと竹が進出していました。それを5年間かけて
少しずつ伐採し、元の山まで後退させました。
伐採の初期の頃は田の中など掘りやすいところに
タケノコがたくさん発生しましたが、今は専ら石や
竹の根の多い斜面だけに出ています。掘りにくいので失敗して
食べる部分をツルハシで直撃してしまい、
そのままその場の土に返すものも多いです。
竹が密集しすぎていて、根が多くて掘りにくいし
タケノコの発生密度が少ないので、
今後は竹の間引きをして適切に利用できる竹林として
保ちたいと思います。
タケノコは、収穫後急速に食味が低下する
ということなので、熱処理してからお届けしています。
糠を入れた湯で茹でるのが一般的ですが、
この方法だと水に浸した状態で保管しなければならず、
野菜詰合せの中の一品として宅配便でお送りするのには
あまり適しません。そこで、「百姓屋敷わら」の船越さんが
紹介しておられる方法を基にして、自然海塩を擦り込んで
焼いています。当初はアルミホイルで包んで自宅の
電気式のオーブンで焼いていましたが、塩気の強い
ものをアルミで包んで高温にすることや、
オーブンの消費電力が多いことが気がかりでした。
現在ではアルミホイルで包まずに、野外料理用の
ダッチオーブンで焼いて、推定摂氏50度くらいまで
放冷してから、耐熱温度が100度以上のポリエチレン袋
に入れています。茹でタケノコよりも日持ちするし、
焚き火のダッチオーブンならではのおいしさです。
タケノコ収穫の前に竹の間伐や枯れた竹の片付け
をして、それを燃やす火でタケノコを熱処理し、
残った灰は貴重なミネラル源として野菜を植える畑に
撒いています。
晩春から初夏にかけての端境期を通り過ぎて、
再び野菜の種類が増え始めてほっとするのは、きゅうりの
収穫が始まる頃です。そのきゅうりは先週末にトロ箱から
ポリポットに鉢上げしました。本葉数枚にまで育ったら、
畑に定植します。
昨夜から今日にかけて雨が50mmくらい降りました。
野菜にとって、ありがたい恵みの雨です。
明日は、「雨後の筍」もたくさん出てくるかも
知れません。
ダッチオーブン。
蓋付きの鋳物の鍋です。炭火状になった焚き火の
上に置いて、蓋の上にも炭火状の火を置きます。
中には塩を擦り込んだタケノコを入れています。
所要時間はタケノコの量や火力によって変わり、
45ないし70分くらいです。
平成21年4月7日/旧暦三月十二日(火)
水稲栽培は昨年まで自給用(自家用)限定の小面積で
行なっていましたが、今年から販売用の水稲栽培もすることを
目指しています。そのための場所として新たに
田を6枚(公称約40a)借りることにしました。
イノシシによる掘り荒らしのために
石垣や水路やあぜの一部が損壊しているので、まずは草を刈り払って
状況を確認しました。数年間休耕地になっていた間イノシシ対策が
されていなかったので、イノシシがやりたい放題に掘り荒らしており、
特に水路の損壊は深刻です。コンクリート製ではなく土を掘って
部分的に石で補強しているだけの水路は、イノシシにとっては
ヌタ場の代わりになって特に好まれるようです。
田で水を必要としない時期に水を下流に流す迂回水路
(じょうよけ)が派手に壊されて、
6枚中3枚の田は一年中水が貯まったままになっていました。
これを解消する第一歩として昨日応急的に排水路を作りました。
理論上は入ってくる水の流量より、排水の流量を大きくすれば
次第に水位が下がり、やがては水位0になってくれるはずです。
これによって水位が0になってくれれば、次の段階に進みやすくなります。
晴天が続いている間に、ある程度の目処をつけたいと思っています。
晴天と言えば、2月から3月前半にかけて雨が多く降りすぎて
畑の作業が進まず困りましたが、今は一転して少雨傾向となっています。
5月初めの連休の頃に田植えをする早期水稲栽培を予定している人の中には、
水が不足して田に水を張れないのではないかと心配している人もおられます。
野菜の場合はまだそれほど深刻ではありませんが、予報によると
今週いっぱいは晴天が続きそうなので、今週後半くらいには
一部の野菜畑への水やりが必要になりそうです。
平成21年4月4日/旧暦三月九日(土)
3月21日夜から22日朝にかけて33mm降って以来、
4月3日まで当地では雨が降っていませんでした。
露地栽培で3月にタネを蒔いたばかりの、リーフレタスや
セット栽培用玉ねぎ、コールラビ、小松菜、大阪しろな、
ほうれんそう、ごぼう、人参、にら、アスパラガスには、
乾燥しすぎて過酷な状態になっていましたし、
現在開花中のえんどう豆類やそら豆も
水を欲しがっているところでした。
4月4日の朝から夕方まで、待望の雨がしとしとと9mmくらい降って
くれました。優しい降り方の恵みの雨でした。
もし予報が外れて今日降らなかったら、ポンプを使ってでも
水やりをしないといけないと思っていたので、
降ってくれて大変ありがたいです。
平成21年3月31日/旧暦三月五日(火)
3月前半までの多雨傾向のために
ナ1やナ5の上側(山側)は水たまりができて、
耕した部分は土がねちょねちょになっていましたが、
23日以降雨が降っていないおかげで
ようやく乾きました。ねちょねちょだった部分は
今度は硬くガチガチになりました。
昨日から今日にかけて、硬くなったところを
管理機で耕しました。ナ1上側は未作付地なので
うねを立て直し、ナ5上側はねぎ栽培中なので
うね間通路だけを耕して(中耕)、ねぎに土寄せを
しました。
ナ5のねぎの土寄せを
終えたところ。左はキャベツ。いずれも2月21日
植付け。2月23日付の欄に植付け時の写真あり。
平成21年3月28日/旧暦三月二日(土)
平年より一月早く訪れた菜種梅雨が
終わってからも雨の多い傾向が続いていましたが、
3月23日以降は雨が降っていません。
おかげで夏野菜栽培予定地の土が
適度に乾いたので、畑として使う田のぐるり(外周)の土を
内側に揚げて、排水を良くするための溝を作りました。
前作の時に外周の溝は作ってあったのですが、
耕うん機で耕す時に少しずつ縁が崩れて、溝が狭く、
浅くなってきたので作り直しました。
実は、このぐるりの溝の管理は意外と大きな課題です。
畑の準備をする時、前作の残さや草を土に混ぜ込んで、
更に菜種油粕や米糠や草堆肥を加えて、一週間とか
半月とかの間隔で何回も耕して、有機物を土に返します。
この時外周の縁に少し余裕を持たせて耕せば、ぐるりの溝が
埋まるのを防ぐことができますが、そうすると外周部分に
草がたくさん生えて、次の耕うん時にその草を新たに
土に混ぜ込むことになってしまいます。そして
いざ野菜を育てる時になって、外周部分が窒素飢餓で
ひょろひょろになってしまったり、虫が多く集まったりします。
それに対して、外周部分をきちんと耕すことを優先すると
ぐるりの溝がなくなってしまい、次の雨の後に土がなかなか
乾かなくなり、続きの作業が滞ってしまいます。
耕すごとに毎回ぐるりの溝を作り直せば良いのですが、
土が適度に乾いている限られた晴天の日に
小さい田を一度に何枚も耕すことが多く、毎回
ぐるりの土を揚げることは時間の制約のため
なかなかできません。
小さい圃場を何枚も利用することは、多品目少量栽培を
する上で都合の良いことではあるのですが、このぐるりの
処理に労力と時間が余計にかかることは、小さい圃場の
数少ない、しかし意外と大きい問題点です。
圃場間の運搬が楽で、妻にも操作してもらえる
小さい管理機に装着するあぜ切り機を、
ぐるりの溝作りに使えないかと思い
3万5千円投資して試してみましたが、あぜ切り機は
やはりあぜ切り機でした。溝はできるのですが、
あぜシートを埋め込むための必要最小限の幅の
溝しかできず、何回も通って幅を広げるということは
うまくいきませんでした。
今、土揚げに使っている大きい管理機は、何でもできる
多目的の機械であるがゆえに、土揚げ(片揚げ)に関しては
安定性があまり良くなく、私が耕うんした後を
妻に土揚げしてもらうというのは、ちょっと難しい
状況です。ぐるりの溝の管理は、当分の間
引き続き懸案事項であり続けることになりそうです。
外周の土を内側に揚げた後、
混入した草を土に返すため外周の縁の部分を
管理機で混ぜたところ。
平成21年3月27日/旧暦三月一日(金)
春は芽吹きの季節ですが、野菜に関してはなんでもかんでも
と言っても良いくらい、「とう」が立って花が咲く季節です。
ブロッコリーのように「とう」を食べるための野菜や、
はくさいや大阪しろな、小松菜のように
「とう」がおいしい野菜はいいのですが、
大根や人参、ねぎなどはやはり、「とう」の立つ前の部分の方が
主たる食用部分だと思います。
人参はこれまでお届けしてきた在来固定種の新黒田五寸に
「とう」が立ち始めるたものが多く、
そういうのは根の上部の芯の部分にスジができておいしくないので、
収穫を終了しました。F1品種の「タキイ交配 恋ごころ」は
まだ大丈夫なので、今週からはそれをお届けします。
しかしこれも近いうちに「とう」が立ってお届け終了と
なるでしょう。
大根は12月から1月初めまでお届けした在来固定種の
「宮重大根」が大変良質でおいしかったのですが、
「とう」の立つのが早いので、1月半ばからはとう立ちの
遅いF1品種をお届けしています。「タキイ交配 関白」、
「タキイ交配 でん太」に続いて、現在はとう立ちの
一番遅い「F1 福太郎」をお届けしています。
大根は、長年にわたって日本人が最も多く食べてきた
野菜ですが、昔の人たちは今よりも収穫期間の短い在来固定種だけを
栽培し、収穫適期のうちにたくさん収穫して、たくあん漬けや
切干大根をたくさん作って、長期間に渡って食べたのだろうと
思います。
大根はまた、「とう」が立つ前に生長点を含めて葉を
切り取ってしまえば、畑に残った根の部分はしばらくの間
品質が保持されるのですが、切り取ってからの日数が長くなってくると
次第に不良品が発生してきます。外観上は異常がなくても、
切ってみると中が褐色になっているものが、ちらほらと
生じてきます。不良品に当たってしまった時、すぐに代わりの
大根を畑から抜いて来られる距離に住んでいれば問題ないのですが、
宅配便でお届けする品物となるとこれは都合が悪いことです。
F1品種を最大限活用して、その恩恵を受けるというのが
今のところの方策です。晩抽性(とう立ちの遅い性質のこと)
のF1品種のおかげで収穫期間が長くなり、
長期間に渡って新鮮な収穫物を皆様にお届けできています。
平成21年3月24日/旧暦二月二十八日(火)
ブロッコリーはまず主茎の先端に
頂花蕾という大きい蕾ができます。それを収穫した後、
品種によっては側枝の先に側花蕾という小さめの蕾ができます。
これは小さく切り分けずにそのまま調理できるし、
軸が細くて火が通りやすいので、野菜炒めや
焼きそばや天ぷらにも使いやすく、しかも食味は頂花蕾に劣りません。
私はこのブロッコリーの側花蕾が食材として好きなのですが、
難点は収穫に手間暇がかかることです。
市場流通のブロッコリーは専ら頂花蕾ばかりなので、
市場出荷の農家では頂花蕾専用の品種を栽培することが
多いのではないかと思います。それに対して私たちは
特定少数の方々に継続的に供給しているので、
短期集中収穫ではなく長期間にわたって収穫できることが
望ましく、頂花蕾・側花蕾兼用の品種を選んでいます。
側花蕾を収穫できる品種を選ぶのに加えて、
複数の品種を栽培することによって収穫時期を長くしています。
今期は在来固定種の「ドシコ」、F1品種の「タキイ交配 グリーンハット」、
「タキイ交配 グリーンビューティー」、「タキイ交配 エンデバー」、
「タキイ交配 チャレンジャー」の5品種を育てました。
こうして収穫時期を長くしているブロッコリーですが、
今週で収穫期がほぼ終了しそうです。
頂花蕾は本日でほぼ終了。側花蕾も今週金曜日または
来週火曜日まででほぼ終了だと思います。
ブロッコリーの頂花蕾を
収穫した後に、側花蕾が出てきているところ
平成21年3月20日/旧暦二月二十四日(金、春分)
夏野菜の育苗に着手しました。
昨年の3月から6月にかけて利用した後、風雨にさらされて
傷んでいた温床の枠や育苗ハウスの骨組みを補修し、
ため池の堤で刈り取ってもらってきておいた草を、
エンジン駆動のカッターで刻んで温床の枠の中に入れ、
米糠を混ぜ込んでホースで川の水を撒きながら足で踏みました。
念入りに踏むことによって草の保水力が高まり、
糠が発酵して発熱します。これを踏込み温床と呼びます。
刻んだ草と糠だけの簡易型で、発熱の持続性が劣るので、
数日間ごとに一度糠と水を補給し、切り返し(混ぜ直し)をします。
この熱を利用して高温を好む夏野菜の種子を発芽させ、
幼苗を育てます。
土を入れたトロ箱を温床の上に置き、そこにパプリカ、
伏見甘長唐辛子、鷹の爪唐辛子、茄子、トマト、
胡瓜、にがうり、ズッキーニの種子を蒔きました。
さつまいもの種芋も、土を入れたトロ箱に並べて伏せ込み、
温床上に置いています。
トロ箱に入れる土は、前年の5月に水利組合で
ため池集水路の清掃をした時に、水路のますから
上げた土と落ち葉の混合物を農地の一角に搬入し、
耕うん機や管理機で時々混ぜながらこの春まで
置いておいたものです。
さつまいも伏せ込み用はこれをそのまま使いますが、
タネ蒔き用はこれをふるいでふるって、
木灰を少し混和してから使っています。
平年より早く桜が開花していますが、
高温を好む夏野菜にとってはまだ寒いので、
温床は小型のビニールハウス(被覆材は正確には
ビニールではなくポリオレフィン系フィルム)
の中に設置しています。
夜間や曇雨天の日はハウスのフィルムは全閉にし、
晴天の昼間は隙間を開けて換気します。
右側に積んである草を
中央のカッターに供給すると、短く刻まれて左の温床の枠に
排出されます。軽トラックに満載二杯分くらいのススキが、
刻むと小さい体積になって、温床一杯分になります。
この作業が終わってから、育苗ハウスに
フィルムを張ります。
むらもと農園唯一の
保温用ハウス。3月から5月までの夏野菜育苗
だけ、例外的にハウス栽培です。
平成21年3月17日/旧暦二月二十一日(火)
15日(日)に、今年第一回の電気柵沿いの草切りをしました。
電気柵の柵線に草が届くと漏電して電圧が下がり
防獣効果が低下するので、夏は月1ないし2回草切りをするのですが、
今年もいよいよ草が伸び始めて、草対策に追われる日々の始まりです。
現在私たちが電気柵を張っているのは大屋免字中切と
口ノ里免字関里の二か所です。このうち15日(日)に
草切りをしたのは中切です。中切の電気柵は一周の距離が500mで、
通常なら草切り一周の所用時間は2時間ですが、
今回は草の芽吹きの時期なので
ナイロンコードカッターで念入りに行なった結果、
3時間かかりました。
平成21年3月13日/旧暦二月十七日(金)
10日(火)から11日(水)にかけて、胡瓜、南瓜、西瓜、
ピーマン、茄子、トマト、オクラ、いんげん、モロヘイヤ、つるむらさき、
里芋、生姜などの栽培予定地に菜種油粕260kgを撒き、
耕うん機や管理機で耕して土に混ぜ込みました。
私たちの野菜栽培のミネラル源は草ですが、草ばかりでは
窒素飢餓になるので窒素源を元肥として土に供給します。
窒素源としては、糠が手に入る時は糠を使いますが、糠は世間での利用範囲が広く
需要が多いため、欲しい時に欲しい量が手に入るとは限りません。
鶏に食べさせる分は定期的にほぼ毎週入手して、
一週間分をバケツに入れて保管していますが、
土作りに使う分は量が多くて収容能力がありません。
袋詰めのままだと、カラスにつつかれたりネズミにかじられたりして
袋が破れて散乱してしまいますし、ネズミを呼ぶことにもなります。
従って糠は、畑に供給したいと思う日に手に入れば
使うという、成り行き任せなのが現状です。
糠が手に入らない時は農協で菜種油粕を買ってきて使います。
糠も油粕も、土の水分が適切な範囲内の時に撒いて、
次の雨が降る前に耕うん機や管理機で土に混ぜ込みます。
糠の場合は、撒いたままではイノシシが寄ってくる
可能性があるので、撒いたその日のうちに混ぜ込みます。
そういうわけで天候次第で使う日が決まるので、
前もって糠を予約しておくということが難しく、
糠よりも油粕の方が利用頻度が高いです。
平成21年3月10日/旧暦二月十四日(火)
平年の菜種梅雨より約一か月早く訪れた雨の多い時期も、どうやらようやく終わった
ような気配です。先週までは耕うんやうね作りが進まず困っていましたが、気持ちを切
り替えてイノシシ対策を兼ねて木の伐採、焼却に励みました。それに慣れてきて、
もう少し伐採して畑周辺の環境をすっきりさせたいところですが、土が乾いてきたので
遅れていた畑の準備を始めないといけません。再び気持ちの切り替えが必要です。
晴れてきたとは言っても元々「春に三日の晴れなし」であって、
今週の木曜日は天気が下り坂で、金曜日にはまとまった量の雨が降りそうだという予報が
出ているので、今日と明日の二日間で耕す作業をはかどらせたいと思います。
平成21年3月5日/旧暦二月九日、啓蟄
11月播種のキャベツの苗をナ1に定植しました。 11月15、22日播種の「YR天空」と11月22日播種の「渡辺成功キャベツ」です。
同じくナ1のじゃがいもとキャベツの間のうねの一部に、リーフレタス(緑、赤)、 コールラビ、セット栽培用玉ねぎ(シャルム)の種子を蒔きました。 玉ねぎのセット栽培は、3月に播種して5月に小さい玉ねぎ(セット球)を 一旦収穫して吊り貯蔵し、それを8月末に再び植えて12月に肥大したものを 収穫するというものです。玉ねぎのお届け期間を広げるために、今回初めて 取り組みます。
苗はキャベツ
右のあぜ波で囲っているところは、作成途上のごぼう用うね
右の奥はじゃがいもを植えた部分
平成21年3月2日/旧暦二月六日
相変わらず雨が多くて土がなかなか乾かないので、
土を耕したりうねを作ったりする作業がやりにくいです。
ナ1にじゃがいもを植えました。ナ1には3月中に順次いろいろ
な野菜を植えていく予定です。この一枚の畑(元々は田)の中で、
上側(山側)の一部分はようやく水溜まりが消えたばかりで
まだ水分が多かったのですが、そこが乾くのを待っていると次の雨が降ってくるので、
待たずに全面を耕して端から順番にうねを作りました。
その中の一番下側(谷底側)の一角にじゃがいもの種芋を植えました。
じゃがいもを連作するとそうか病などの支障を生じるので、
4ないし5年くらいは同じ場所にじゃがいもを植えないよう、
輪作を厳守します。中途半端な場所にじゃがいもを植えると、
植えた場所とまだ植えていない場所との境界がわからなくなり、
今後植える場所の制約が増えるので、端から順番に使っていきます。
じゃがいもでは私自身、過去にそうか病の大量発生を経験したので、
植える場所を厳密に管理するようにしています。まるで迷惑作物
という感じですが、じゃがいも自体が嫌いなわけではありません。
ただ、じゃがいもは野菜の中では比較的広い面積を必要とする上、
当地では春と秋の年二回栽培するので、植える場所の余地が
次第に少なくなっていきます。
じゃがいもは玉ねぎ、人参と並んで皆様に人気のある
野菜ですが、連作回避のためなかなか多くは
育てられません。マクロビオティックの食事法では
じゃがいもをなるべく避けて、芋類では里芋を
よく使いますが、里芋はじゃがいもに比べると連作障害が
少ないので、これは畑の事情にも合致した
好都合な食べ方だと思います。
じゃがいもの隣にはごぼう用のうねの場所を確保しました。
これはまだうねの高さが足りないので、
次に土が乾いた時に土揚げして完成させる予定です。
上側の水分の多い場所は予想通り、
耕すことによってねちょねちょになって土の大きな塊ができてしまいました。
その部分は長雨が終わって土が乾いたら改めて耕して、
ねぎの仮植えかコールラビの定植の場所にしようかと思っています。
じゃがいも植付けの4日前のナ1の様子
左の手前の部分には雨で水たまりができている
平成21年2月24日/旧暦一月三十日
私たちの野菜畑の下側の隣接地は耕作放棄地です。 もう10年、いや20年以上放置されているようで、草やイバラが茂り、 ところどころ木も生えています。こういう場所はイノシシの楽園になりやすいので、 先日から少しずつ草やイバラや竹の仲間のダンジュクとかいうのを刈り払っています。 刈り払いながら分け入ってみると、そこはやはりイノシシの巣窟でした。 ヌタ場やねぐらがいたるところにありました。 この作業は更にあと何日か続ける必要がありそうです。
休耕期間が長くなり、木も生えている。
右の石垣の上は私たちが耕作している農地(ナ9)。青色はヒヨドリ避けの防鳥網。
平成21年2月23日/旧暦一月二十九日
この春は雨が多いので土がなかなか乾かず、
畑を耕したりうねを作ったりする作業が、はかどらなくて困っています。
理想的な状態になるのを待っていたら次の雨が降ってくるので、
ある程度のところで我慢して作業を進めています。
雨の合間を縫ってなんとかナ5の畑の準備をして、21、23日に
キャベツの定植と人参のタネ蒔きをしました。
キャベツは10月31日播種の「渡辺成功キャベツ」と11月15日播種の「初夏のかほり」。
人参は「いなり五寸」です。
21日には9月播種のねぎ2品種も定植しました。ねぎは通常なら3-4月頃に仮植えして
夏に定植するのですが、苗が早く育ったので定植のつもりで植えました。
これからネギ坊主が立つ時期なので、収穫に至るまでは紆余曲折があるかも知れません。
ただ、枯れる心配はないと思います。
ねぎに続いてキャベツを定植中
右端のねぎは前年秋に定植したもの