定期お届けの野菜セットにお入れしている紙の「農園便り」 の内容を基にしつつ、ウェブサイト用に一部書き換えたものです。
<平成21年11月11日-平成22年3月31日 太一 記>
平成22年3月31日/旧暦二月十六日(水)
昨年10月にタネを蒔いて育ててきた春系(サワー系)
キャベツの収穫を始めました。
今期のこの作型のキャベツは虫の発生が極めて少なく
品質良好です。キャベツは比較的乾燥した栽培条件を好むと
言われますが、春系キャベツは水分含量が多そうなので
定植後に降雨の多かった今期の天候が適していたのかも
知れません。
収穫期が始まったばかりで結球部がまだ小さめですが、
外葉がきれいなので外葉を付けたままお届けしています。
品種名:タキイ交配 春波
花盛りのなずなと一緒に生育中
青色の網はヒヨドリ及びカラス対策
3月30日、ナ11
平成22年3月25日/旧暦二月十日(木)
胡瓜、南瓜、ズッキーニ、茄子、トマト、ピーマン、
伏見甘長唐辛子、鷹の爪唐辛子の種子を昨日蒔きました。
水利組合の送水パイプ敷設作業がようやく一応完了し、
自分たち自身の作業に注力する気分が復活してきて、
年初の予定より半月遅れで蒔きました。発酵熱を利用して
育苗箱(トロ箱)を加温する踏み込み温床のための草は、
水利組合のため池の堤の草を野焼きの前に刈り集めて
運んでおいたので、気分が盛り上がりさえすれば二日間で
温床作りからタネ蒔きまで完了しました。
今年はタネ蒔きが遅れたので、特殊品種は後回しにして
より早く、より確実に収穫に至る少数精鋭の必須品種だけを
第一陣で蒔きました。単純に言えば一代交配雑種(F1)
優先です。販売用としては必ずしも都合は良くない
けれども地道に長期的に取り組んでいきたい在来固定種の
茄子、ピーマン、南瓜は今年はもう少し気温が上がってから
第二陣として蒔こうと思います。伏見甘長唐辛子と
鷹の爪唐辛子は自家採種の在来固定種の栽培が既に
軌道に乗っているので、第一陣に加えました。
平成22年3月15日/旧暦一月三十日(月)
14日(日曜日)に、予定より半月遅れでようやくじゃがいもの
種芋を植え付けました。同じく半月遅れで人参のタネ蒔きもしました。
火曜日に41mm、水曜日に4mmの雨が降り、さらに土曜日の早朝に7mm、
そして当日の未明にも1mm未満の雨が降ったので土の水分がまだ多く、
耕したりうねを作ったりするのにはあまり適さない状態でした。
しかしこの日(日曜日)を逃すと、翌日(月曜日)再びまとまった
量の雨が予想されており、一体いつ植えられるかわからなく
なると判断して植え付けとタネ蒔きを決行しました。
幸いにして午後からほんのわずかですが薄日も差して、
種芋の植付けやタネ蒔き自体は支障なくできました。
遅れていたじゃがいも、人参に加えて、こちらは適期蒔きですが
蕪、大根、コールラビ、リーフレタスのタネも蒔きました。
そして適期より一週間遅れで、オニオンセット栽培の玉ねぎ
のタネも蒔きました。
前述の通りタネ蒔き自体は支障なくできましたが、
その前のうね作りは土の水分が多くて土の中の空気を
追い出してしまう状況だったので、蕪、大根に虫が
多く発生しないか心配アリです。
そして翌日の月曜日(今日)、予報通りたっぷりの雨が
降っています。昨日植え付け・播種を決行した判断は
正解でした。
平成22年3月9日/旧暦一月二十四日(火)
アブラナ科野菜の「とう」の最盛期が過ぎ、花盛りになりつつ
あります。花が咲くと茎が硬くなって食用には適しません。
今週お届けする「とう」は、「とう」の立つのが比較的遅い小松菜
(東京黒水菜)又はF1種はくさいです。来週はもう「とう」のお届けは
ほとんどないかも知れません。
一方、同じく「とう」の仲間であるブロッコリーは、
収穫時期の早い在来固定種の自家採種「ドシコ」に続いて
一代交配雑種(F1)でいずれも「タキイ交配」の「グリーンハット」
と「グリーンビューティー」の収穫期が終わり、「エンデバー」も
ほぼ終わり、今週は「チャレンジャー」をお届けします。
例年収穫期間が最も長い「エンデバー」が、今年は頂花蕾が
先週一週間で一気に終了となり、残るは収穫時期の最も遅い品種
である「チャレンジャー」のみになりました。2月10日頃、一時的に
気温の高い日(4月並)が続いたためか、「エンデバー」と
「チャレンジャー」の収穫時期が例年より前倒しになっているようです。
3月に入り、じゃがいもの種芋を植え付けたり人参の種子を
蒔いたりする時期ですが、雨の日が多く土が乾かないので
うね作りや植え付けなどの作業がまだできずにいます。今週もまた
雨や雪との予報なので、来週の天気に期待しています。
1月24日に始めた水利組合のパイプ設置作業がまだ完了して
いません。3ないし4名でもうあと2日間くらい作業すれば完了
しそうなのですが、天候の影響で作業のできない日が多く
3月にずれ込みました。私自身が敷設の責任者なので、
この作業が終わらないと本来の自分の仕事になかなか
集中できません。そういう意味でも、今週末から来週初めに
かけて穏やかな天候が続いてくれることを願っています。
暖かくなってえんどう豆類のつるが伸び始めたので 支柱と網を設置し、春二番、春三番の強風に備えて 倒れ防止のひもを張りました。
今回お届けする野菜
大根(F1 福太郎)、葉玉ねぎ(タキイ交配 シャルム)、
ブロッコリー(タキイ交配 チャレンジャー)、アブラナ科野菜の「とう」
(小松菜又ははくさい)、春菊、人参(新黒田五寸)、さつまいも
(高系14号)、じゃがいも(普賢丸) <8品目>
えんどう豆類のうねに「ゴーヤーネット」を張った
ところ。その左は玉ねぎ、右はブロッコリーとキャベツ。
青色の網はヒヨドリ及びカラス対策。
3月3日、ナ11。
平成22年2月19日/旧暦一月六日(金、雨水)
旧暦一月に入りました。
旧暦では十月から十二月までが冬、一月から三月までが春です。
二十四節気の立春は冬の月である旧暦十二月のうちに既に過ぎました。
二十四節気の大寒は旧暦十二月の目印となる中気、雨水は旧暦一月の
目印となる中気です。両者の間にある立春は中気ではない単なる節気
ですから、旧暦十二月に入る場合と一月に入る場合があります。
今年の場合は十二月中に立春が入りました。何はともあれ、
立春を過ぎ旧暦一月に入ればもう、二重の意味で春です。
昨日は時折雪が舞い今日も寒風が吹いて寒いですが、
植物たちは旧暦一月が春の始まりの月であることを
証明してくれています。田畑では自然に生えている草
(世間で言うところの雑草)が、冬の間止めていた生長を
再開しましたし、チンゲンサイやタアサイ、大阪しろな、
蕪、大根などアブラナ科野菜の多くに「とう」が立ち始めました。
例年より一か月遅れで収穫期を迎えたブロッコリーも、アブラナ科野菜の
「とう」の一種です。ブロッコリーは寒の戻りのため肥大が遅い
ので、今週は通常より小さいものをお届けします。
今回お届けする野菜
小松菜、大根(F1 福太郎)、葉ねぎ(九条太)、
ブロッコリー、アブラナ科野菜のとう(大阪しろな又はタアサイ)、
人参(新黒田五寸)、さつまいも(高系14号)、
生しいたけ又はじゃがいも(普賢丸) <8品目>
大根:他の大根よりも「とう」の立つ時期が遅い
一代交配雑種(F1品種)です。
ブロッコリー:水に入れると水面に白い粉のような
薄い膜が浮くことがありますが、これはブロッコリーから
出てくる自然のものです。虫やその分泌物などが付着している
場合以外、基本的に洗う必要はありません。
とう:とうにはやがて花が咲き種子ができます。
ですから、とうには次の世代の生命にとって必須の成分が
凝縮していると言えます。ミネラルが豊富に含まれており、
独特の苦みがあります。ミネラル不足が一因と言われる花粉症の
時期に、とうが食べられるという自然の仕組はよくできていると
感心します。
お浸し、味噌汁、野菜炒めなどにして、茎も葉もつぼみも花も
全て食べられます。たまに小さい幼虫が潜んでいることが
あるので、軽く水洗いしてください。
生しいたけ:私たち自身が山から搬出した木を
ホダ木(原木)として育てました。
「とう」の立ち始めた大阪しろな。
採種用として選んだ区画の目印を兼ねて、支柱を立てています。
平成22年2月5日/旧暦十二月二十二日(金)
鹿町町から資材の現物支給を受けて受益者が設置作業をする、
水利組合の農業用水送水パイプ敷設が始まりました。
この事業は麻生内閣の最後の置き土産の補正予算によるもので、
政権交代による執行停止の対象になるかどうかが
なかなか判明せず、今の時期にずれ込みました。
ポリエチレンパイプ(2,310m)や継手類、バルブなどの
資材が1月末から2月上旬にかけて到着し、
2月末までの設置完了を目指して作業中です。
受益農家は9軒ですが、兼業農家も多いので作業する日
ごとに参加できる人4ないし7名ずつで、断続的に作業を進めています。
私たちの場合は新規参入者なので、今農業を営んでいる集落に
受け入れていただいて農業をさせてもらっていることを
大変ありがたく思っています。ですから今回の共同作業の
ようなことで、少しでも集落の人たちのお役に立つことが
できれば大変ありがたいと思い、自分たちの農作業の
日程を調整しつつ積極的に参加しています。
ポリパイプ敷設作業。
道路沿いや田畑の出入口などでは、通行の妨げにならないよう
地中に埋設しています。
平成22年1月20日/旧暦十二月六日(水、大寒)
今日は二十四節気のうち旧暦十二月の目印となる「中気」 である大寒です。16日頃までの寒さが一時的に緩んで、大寒 らしくない暖かさになりました。南寄りの強風が吹き荒れて 昼頃から夜まで雨が降り続きました。このまま春のような 暖かさが続くと、冬野菜類の「とう」が早く立ってしまうので 困りますが、予報によると幸い今週末には再び寒くなりそう だとのことなので、一安心です。
私たちが育てた裸麦を麦麹にすることを、先日麹作りの
専門家のお店に依頼しました。自分たちの自給用味噌作りに
必要な量よりも多く出来上がる予定なので、一部を販売します。
大豆を別途ご用意いただいて一晩水に浸けてから煮てすり鉢か
ハンドミキサーでつぶし、自然海塩を加えた麦麹と混ぜて壷に
仕込めば、一年後においしい手前味噌(麦味噌)ができます。
麦麹の単価は製麹料金が確定してから正式決定しますが、
昨年並みであれば麦麹4.0kgに平戸島産の自然海塩「海の子」
1.6kgを加えた塩切り麹5.6kgが4,500円です(送料別)。
これに大豆4.0kgを煮たものを加えて仕込めば、塩分約12%の
味噌約15kgができます。
塩切り麹5.6kgをご購入いただく場合、その他に必要な主な
ものは大豆4.0kg、自然海塩300g程度、味噌壷8号(容量8升)
1本 又は切立(寸胴型の壷)5号(容量5升)2本 又はその
代わりの熟成用容器、壷に適応する2.2kgくらいの重石兼落し
蓋 壷1本当たり1枚、大きめのすり鉢とすりこ木 又は熱い
ものにも使えるハンドミキサー(例えばbamix)と大きめの
ボウル、容量45リットルくらいのポリバケツ 又は大きめの
すし桶 です。
この中で若干特殊なものは味噌壷又は切立と
それ用の落し蓋ですが、これは常滑焼の「久松」製のものが
インターネット通販でも入手できます。味噌壷は味噌仕込み
専用(傘立てにするという贅沢な使い方もあるらしい)です
が、切立5号は梅干作りや糠漬け作り、たくあん古漬け保存にも
使えます。いずれも陶器ですから、初期投資は少々高く
ついても割れない限り永くずっと使えます。私たちが
同一仕込みの味噌を陶器の壷とプラスチックの容器の
二通りに分けて仕込んで一年間熟成させて比べたところ、
プラスチック容器の分は陶器の分より酸化が進んだ
ようでした。プラスチック容器の分も充分おいしく
賞味できましたが、陶器の壷に仕込んだ分の方が
品質は明らかに優れていると感じました。一年を超えて
更に長期熟成させる場合は、なおさらのこと陶器の壷が
良いと思います。
麦麹(塩切り麹)のご購入を希望される方は、電子メール
でご連絡ください。
taichi.m@qtnet。ne.jp 全て半角小文字で「。」は
半角の「.」に変えてください。
件名は「麦麹購入希望」又は「麦麹問合せ」としてください。
それ以外の件名にされると、迷惑メールと誤認して読まずに
削除する場合があります。
先着順の限定販売です。
ご購入くださる方には味噌仕込みの詳しい手順書を
差し上げます。
霜の降りた朝。
右手前は金町小蕪、その奥は和歌山大根。
中央やや左寄りは裸麦、左上は小麦。
1月17日9時、セ2。
平成22年1月15日/旧暦十二月一日(金)
九州各地で雪が積もった13日(水)は、当地でも5ないし
10cmくらいの積雪となりました。但し午後になっても積もって
いたのは土や植物や屋根などの上だけで、私たちが日常田畑への
行き来で利用する舗装道路は、13日の午後には既に積雪はなく
通常通り通行できる状態でした。
野菜への雪の影響はありました。葉が一旦凍ってから融けた
ことにより、野菜の種類によっては葉がふにゃふにゃに
なりました。これは野菜の種類によって差があり、在来固定種の
大根(宮重、紅心)はかなりふにゃふにゃになり、九条ねぎ、
大阪しろな、小松菜はふにゃふにゃ気味でしたが、タアサイ、
F1品種の大根(関白)、葉玉ねぎ(シャルム)はあまり
影響が残りませんでした。本日お届けの野菜は、なるべく
風雪の影響の少ないものを選んで収穫しました。
吹雪の麦畑。
前日に麦踏みと中耕をしました。中耕時の足跡は雪が
融けやすいのか、積もっていません。
1月13日午後、セ2。
平成22年1月12日/旧暦十一月二十八日(火)
先週の月曜日までに玉ねぎ苗の8割くらいの定植を終えました。
残る貯蔵用玉ねぎ(タキイ交配 ネオアース)と、今年少しだけ
試しに育てている在来固定種の赤玉ねぎ(湘南レッド)は
10月の少雨の影響などのために苗の生育が遅れているので、
定植時期を例年より遅らせて今週末か来週植える予定です。
11月播種で5月頃収穫予定のキャベツを、先週末の土曜日
から日曜日にかけて定植しました。
玉ねぎを植えた場所の南側の隣接地は元々は田ですが、
現在は耕作放棄地となっています。そことの境界の斜面には木が
生えて、かなり背が高くなっていた上に常緑樹もありました。
今は冬至を過ぎたばかりで太陽高度が低いので、せっかく植えた
玉ねぎの苗に日光が当たりにくくなっていました。そこで先週の
水曜日から木曜日にかけて、日影を作っている木を伐採しました。
南側の隣接地はイノシシの巣窟になっていたので、その対策
として昨年末に草やイバラなどを刈り払いました。そのおかげで
今回は伐採後の木の処理に支障がない状態で、切り倒すことが
できました。
かつてそのあたり一面が農地として利用されていた頃には
生えていなかったであろう木々ですが、耕作放棄地になってから
グングン生長して中には大木になったものもありました。
随分大きくなった木を伐採する時は木に対して申し訳ない気持ちに
なります。再び農地として利用するに当たって支障があるので
切らせてくださいと念じながら切りました。そういう気持ちなしに
無造作に大木を切り倒すと、予想外の方向に倒れたり、
倒れた瞬間に木がはねて幹や太い枝に直撃される可能性もあります。
生きている木には大量の水分が含まれていて大変重いので、
細く見える枝でも飛び跳ねて当たると相当な衝撃があり危険です。
今回お届けする野菜
小松菜、大阪しろな、大根(タキイ交配 関白)、葉ねぎ(九条太)、
長崎赤蕪、人参(新黒田五寸)、里芋(赤芽大吉)、さつまいも
(高系14号) <8品目>
大根:前回までお入れした在来固定種の宮重大根に
比べると、辛味が少なくあっさり味の一代交配雑種(F1品種)です。
昔ながらの大根の力強い食味が苦手な方にも、食べ易く親しみ
やすい味です。煮物、味噌汁、大根おろし、浅漬け、サラダなど
多用途に向きます。
寒さのために枯れて葉が落ちて、茎と実(種子)だけになったオクラ。
オクラの茎は頑丈なので、人為的に撤去しないとなかなか朽ちることなく
そびえ立っています。
1月3日、ナ7。
平成22年1月5日/旧暦十一月二十一日(火、小寒)
今日は二十四節気の小寒で、当地ではそれにふさわしい天候となり
ました。冷たい風が吹き断続的に雪が舞っています。寒中お見舞い
申し上げます。本年もよろしくお願いします。
昨日は、朝はおそらくこの冬一番と思われる冷え込みで霜が
降りて氷もしっかりとしたものが張りましたが、その後午前中は
晴れて暖かい日光が降り注いだので、玉ねぎの定植の続きをしました。
寒冷前線の通過に伴い昼頃から急に曇りとなり、13時過ぎには一時
本降りの雨が降りましたが、その後2時間くらい雨の中休みがあったので、
その間に赤玉ねぎ(タキイ交配 猩々赤)の定植の残りを終えることが
できました。残るは貯蔵用玉ねぎ(タキイ交配 ネオアース)と、
今年少しだけ試しに育てている在来固定種の赤玉ねぎ(湘南レッド)です。
玉ねぎの次には11月播種で5月頃収穫予定のキャベツが定植を待っています。
今回お届けする野菜
小松菜、大阪しろな、大根(宮重)、葉ねぎ(九条太)、
人参(新黒田五寸)、里芋(赤芽大吉)、さつまいも(高系14号)、
じゃがいも(普賢丸) <8品目>
宮重大根:風雪で葉が傷んだので今回は 葉を切り落としました。在来固定種大根は今回で終了です。 次回からはとう立ちの遅いF1品種の大根をお届けします。
今からの時期が特においしい、小松菜。
毎年自家採種している食味良好な在来固定種です。
1月2日、ナ5。
平成21年12月29日/旧暦十一月十四日(火)
今回は今年最後のお届けです。
今回お届けする野菜
小松菜、青首大根(宮重)、紅心大根、葉玉ねぎ(タキイ交配 シャルム)、
長崎赤蕪、人参(新黒田五寸)、里芋(赤芽大吉)、
さつまいも(高系14号)、大阪しろな、大浦ごぼう、
くわい、じゃがいも(普賢丸) <12品目>
葉玉ねぎ:3月にタネを蒔き6月に小さい玉ねぎを収穫して
吊り貯蔵し、その種子球(オニオンセット)を8月末に再び植えて
育てました。まだ肥大途上で葉も食べられる葉玉ねぎです。
葉は普通の葉ねぎと同じようにご利用ください。
里芋の親芋:葉を切り落とした跡がある方が上です。
下の方は外見は劣りますが食味はホクホクまたはねっとりして
優れており、上の方は若干ホクホク感が少ない傾向があります。
半分とか四分の一とかに切って複数回に分けて調理する場合、
リンゴを切る時と同じように縦方向に切って(中華の回し切り)、
いずれの切片にも上部と下部が均等に含まれるように
切り分ければ、食味の偏りを防ぐことができます。
大阪しろな:結球しない白菜の一種です。
大浦ごぼう:太くて短い種類のごぼうです。
太いものは内部に空洞を生じることがありますが、そういう性質を持つ品種です。
私たちが野菜畑として使っている農地は全て田を畑として使う
転作田であるため、作土層の下に硬い耕盤があり、そこに根が
入り込み収穫時に先端が折損(欠落)したものがあります。
くわい:通常は角状に伸びている芽を付けたまま、
球形の部分の皮をむいて煮るか蒸すかします。
独特の苦味があります。薄く切って油で揚げて
くわいチップスにもできます。
たくあん用の白首大根(和歌山)を収穫しました。
この後、水で洗って芯(生長点)を摘み取ってから後方の竹竿に吊るしました。
一輪車に載せているのは、採種(たねとり)用に20本選抜した分です。
12月27日、ナ4。
平成21年12月18日/旧暦十一月三日(金)
旧暦十一月になりました。旧暦では十、十一、十二月が冬ですから、
十一月は冬真っ只中の月です。17日(木)からこの冬一番の寒さになって
います。当地でも今朝は雪が降っています。
これから新暦2月にかけては、露地栽培では種子を蒔いても寒くて
なかなか芽が出ないし育ちにくいので、新たなタネ蒔きはしません。
今年最後のタネ蒔きとなったグリンピース、絹さや、スナップえんどう、
味噌用裸麦(第二陣)、うどん用小麦(第二陣)は、今週月曜日までの
暖かさのおかげで無事に芽を出してくれました。これから新暦2月に
かけては寒さに耐えながらゆっくりゆっくりと育ちます。
9月に播種して育苗してきた玉ねぎを先週末から順次定植しています。 収穫は来年5-6月の予定です。10月に雨が少なかったので何回も水やりを しましたが、それでも水不足で苗の生育が遅れました。 昨年に続いて今年もうねを黒色のポリマルチで覆って植えるので、 その保温効果によって生育の遅れを取り戻してくれることを期待しています。
今回お届けする野菜
小松菜、水菜、大根(宮重)、紅心大根、葉ねぎ(九条太)、長崎赤蕪、
里芋(赤芽大吉)、じゃがいも(普賢丸)、さつまいも(高系14号) <9品目>
水菜:名前に似合わず油との相性が良いので、
野菜炒めに適しています。お浸しなど油を使わない料理にも向きます。
宮重大根:葉もおいしいです。大根葉には消化吸収されやすい
状態のカルシウムが多く含まれていると言われています。
紅心大根:内部が紅色です。紅色の大根おろしができます。
紅心大根100%では色が濃いので、宮重大根の大根おろしと混ぜた方が
色が美しいかも知れません。各人の好みにもよりますが、特に中心部は濃色なので
白い大根おろしと混ぜた方が色が上品だと思います。種子は専門の
種苗会社から購入しましたが、ごくたまに内部が紅色でない個体があります。
もしもそのようなものに当たった場合は、お手数をおかけしますが
ご連絡ください。次回代品をお送りします。
葉ねぎ:根も含めて全体を食べられます。
根は刻んで味噌汁や煮物に入れるか、房状のまま天ぷらにするとおいしいです。
小松菜、水菜、大根、葉ねぎ、蕪:一般市場流通品は生育が旺盛で
揃いの良い一代交配雑種(F1<エフワン>品種)が主流ですが、
今回お届けする分はいずれも、F1品種に比べると生育の旺盛さや
揃いは劣る代わりに食味は味わい深く優れる、在来固定種です。
しょうがは終了しました。
平成21年12月8日/旧暦十月二十二日(火)
さつまいもに続いて秋作じゃがいもの収穫を始めました。
今年の秋作じゃがいもは、種芋を植え付けた直後の9月や
育ち盛りの10月に雨が少なく、最後の追い込みで芋が太る11月に
雨が多くて日照が少ないという、あまり都合の良くない気候条件でした。
収穫期の直前に土の水分が多い状態が続いたためか、
外観不良で販売不適なものの比率がやや高いですが、
幸いにして食味は良好です。この時期まで待った甲斐あって、
小さい芋にもちゃんとでんぷんが蓄積されていてほくほくしています。
当地ではじゃがいもは春と秋の年二回栽培します。
春作の芋を秋作の種芋に、秋作の芋を春作の種芋にするので、
収穫後3か月くらいで芽が出る休眠期間の短い品種を育てます。
これを暖地二期作用品種と呼び、有名な品種ではデジマ、ニシユタカ
などがあります。男爵やメークインは二期作用品種ではなく、春作で
収穫した芋を秋に植えてもなかなか芽が出ずうまく育ちません。
平成14年から16年頃にかけて、いろいろな品種のじゃがいもを
育てて比較しました。最終的にデジマ、ニシユタカ、普賢丸の3品種
を比べた結果、食味はデジマが優れていると感じましたが、
デジマは残念ながら芋が大きくなり過ぎたり、外面に大きい溝ができたり
して外観品質不良の発生率が高かったです。
普賢丸は芋の大きさが適度に揃い、中身の食味も優れるのですが、
皮に渋味があります。皮ごと食べると渋味がやや気になるのですが、
総合的に検討して現在は普賢丸だけを育てています。
油を使って調理すれば渋味はあまり気になりませんが、
薄味の煮物やポテトサラダなどで、渋味が気になる場合は
皮をむいてください。
今回お届けする野菜
小松菜(東京黒水菜)、タアサイ、大根(宮重)、
蕪(白色は金町小蕪、赤色は長崎赤蕪)、葉ねぎ(九条太)、
お多福しょうが、人参(黒田五寸)、じゃがいも(普賢丸)、
さつまいも(なると金時と同じ高系14号) <9品目>
11月下旬から12月6日にかけて麦の株ぎわの草をかすり取り、
12月7日に管理機で条間を中耕しました。8日には一回目の
麦踏みをしました。
左の3条は味噌麹用の裸麦(御島裸)、右の4条はうどん用の小麦(チクゴイズミ)
12月9日撮影、セ2
平成21年12月4日/旧暦十月十八日(金)
11月8日から22日まで雨が多すぎて困っていましたが、
23日から26日まで雨が降らずにいてくれて、しかも25、26
両日は貴重な晴天に恵まれたので、ようやくさつまいもを
収穫することができました。今年のさつまいもは芋の大きさが
全般的に小さく、栽培面積当たりの収穫量も少ないです。
これは、夏から秋にかけて少雨乾燥傾向だったために
葉があまり繁茂せず、その結果光合成産物であるでんぷんが
あまり多く生成されなかったのが原因だと思います。
さつまいもは乾燥に強いと言われますが、それは乾燥しても
枯れにくいという意味であって、生育期前半や半ばには
適度に雨が降ってくれないと、生育が進みません。そして
収穫期を迎える秋には晴天が続いてくれると、最後の追い込みで
でんぷんを蓄積して芋が太ってくれるのですが、今年は
どちらかというと逆になってしまいました。
でも何はともあれ収穫できました。品質面では、ネズミに
かじられた不良品が今年は少なかったです。昨年はネズミ
による食害が多かったのですが、これは酷暑少雨に備えて
乾燥防止のためさつまいものうね間に麦わらを敷いたのが
ネズミの隠れ家になったのが原因ではないかと考えました。
そこで今年はわらを敷きませんでした。一年だけでは
結論は出せませんがこれが良かったのかも知れません。
その代わり、昨年は全くなかった
さつまいも表皮の黒あざ症状が、今年は少し発生しました。
これは10月頃の少雨乾燥によるものではないかと思います。
さつまいもを植えた場所の中でも、土が乾燥しやすい一部の
場所にだけ発生したからです。黒あざ症状は食味への影響は
ありませんが、水分が抜けやすくなるので貯蔵可能期間が
少し短くなります。
さつまいもの保存適温は10℃から15℃までの間です。
低温では腐るので冷蔵はしないでください。温度が高い分には、
15℃を超えても暖房をした室温程度なら数週間程度は
問題ありません。
今回お届けする野菜
小松菜(東京黒水菜)、タアサイ、大根(宮重)、青長大根(長江青長)、
大しょうが、里芋(赤芽大吉)、さつまいも(なると金時と同じ高系14号)
<7品目>
タアサイ:中国野菜の一種です。クセが少なく炒めたり茹でたり味噌汁に
入れたりと多用途です。
大根:生育旺盛なF1品種ではなく、根も葉も味わい深い在来固定種です。
青長大根:緑色の大根おろしができます。
ズッキーニ跡に、11月30日にニラを定植しました。
セ5、12月9日撮影
平成21年11月24日/旧暦十月八日(火)
一年ぶりにイノシシの被害を受けました。17日に一日中
雨が降り続き、翌18日の朝、野菜畑の様子を見に行ったら
抑制栽培南瓜と収穫終了後も枯れずに残っているオクラの根元が
派手に掘り返されていました。その他にもトマトの跡地や来年の
夏野菜の予定地なども部分的に大きく掘り返された他、イノシシの
足跡は電気柵で囲った圃場の全域に多数残っていました。
しかも、なんと電気柵で囲った内側にイノシシが一頭残留していて、
私が見回りを一周終える頃になって草むらから姿を現し、障害物
競走のハードルを越えるように全速力で電気柵を飛び越えて、
隣接の耕作放棄地(イノシシの楽園)に逃げていきました。
その少し前にはその隣接地に別のイノシシ一頭がいるのも目撃
したので、夜の間には少なくとも二頭入っていたものと思われます。
電気柵はわずか50cmくらいの高さしかないので、
イノシシの運動能力からすれば全く支障なく飛び越えることが
できますが、通常イノシシは大変用心深いので飛び越えることはせず、
鼻先で調べようとして柵線に触れて感電し、中には入りません。
今回は上方の斜面でクズの根などを掘っていた複数のイノシシが、
じゃれ合ったり争ったりしているうちに斜面を滑り落ちて、
勢い余って意図しないハプニング的侵入をしてしまい、
電気柵の内側に囲い込まれてしまって一晩もしくは一昼夜あるいは
二晩に渡って柵の内側に留まっていたのではないかと思われます。
その場所は境界線の関係で斜面の下に柵線を張っていましたが、
対策として斜面の上にも柵線を新設しました。イノシシが潜んで
いた草むらは半年振りに草を刈り払って、隠れられないように
しました。隣接の耕作放棄地の一部も草を刈り払いました。
再び侵入されるのを防ぐために現時点ですぐにできる対策は、
三日間がかりでおおむね完了しました。
今回お届けする野菜
水菜、タアサイ、大根(宮重大根)、蕪(金町小蕪)、大しょうが、
里芋(赤芽大吉)の親芋、玉ねぎ(ネオアース) <7品目>
イノシシに掘り返され、なぎ倒されたオクラ
奥の里芋まで掘られなかったのは、不幸中の幸いでした。
今年の春に生まれた子どものイノシシで、まだ
芋の味を知らないのではないかと思われます。
11月18日、ナ7
少しだけ植えていた抑制栽培南瓜は、
イノシシに掘り返されて全滅。草をたっぷり敷いていたので、
堆肥化しつつあった草そのものか、その下のミミズなどが
目当てだったものと思われます。
11月18日、ナ8
中央はそら豆、左右は小松菜。
この程度の足跡と小さい穴で済んだのは
まだ幸いでした。
11月18日、ナ5
平成21年11月17日/旧暦十月一日(火)
10月は雨不足で水やりに苦労しましたが、11月に入ってからは
雨が多く、特に8日以降は雨の日数と降水量が多すぎて困っています。
そろそろさつまいもを掘りたいのですが、土の水分が多いと
ねちょねちょと土がこびりついて作業性が悪いし、
厚さ1cm分生成するのに100年かかるという貴重な土の
損失が増えるので、4ないし5日間くらい乾いた日が続いてから
掘るつもりでいるのですが、そういう日がなかなか訪れません。
あまり先延ばしして霜が降りると芋が傷む可能性が出てくるので、
23日頃までには掘りたいとも思っています。
18日から23日まで晴れまたは晴れ時々曇りの天気が
続いてくれれば一番ありがたいです。
来年の夏野菜の追肥に使えるようにするべく、草堆肥作りに
着手しました。面積5アールくらいの場所に生えていた草を
全部刈り集めたら大きな山になりましたが、これをカッターで
刻んで枠の中に入れて水をかけながら踏んだら、ほんの少しの
体積になりました。ちりも積もれば山となると思って、
冬の間にコツコツと仕込む必要がありそうです。
今回お届けする野菜
水菜、大阪しろな又はタアサイ、生育途上の小さい大根(宮重大根)、
大根の間引き菜(F1福太郎大根)、人参の間引き菜、大しょうが、
里芋(赤芽大吉)、玉ねぎ(ネオアース) <8品目>
平成21年11月11日/旧暦九月二十五日(水)
1か月以上に渡って野菜のお届けを休止して、定期宅配
ご利用の皆様に大変ご迷惑をおかけしましたが、おかげさまで
11月から再開できるようになりました。
休止期間中はコオロギに食べられて幼苗の消滅した秋冬野菜の
タネの蒔き直しや、もともとその期間にする予定だったタネ蒔き、
間引き、草取りなどをしていました。と同時に雨の降らない日々が
続いたので連日水やりもしていました。11月1日に寒冷前線の通過
による雨が112mm降り、8日にも6mm降ったので今は水やりから
解放されています。と思っていたところ10日から11日にかけて
118mmも降り、大豆の取り入れや芋掘りを前に今度は雨の
降り過ぎを心配しています。
野菜のお届け休止期間中に、草堆肥の材料にするための草を
大量に刈り集めたいと思っていましたが、水やりやら何やらで
あまり進んでいません。草の量はまだ足りないので、草刈りは
もうしばらく続ける予定です。
野菜のお届けは再開できるようになりましたが、代わりに
今度は卵のお届けを休止、又は個数や頻度を減らしてお届け
せざるを得なくなりました。満2歳半になろうとしている一期生の
鶏たちが産む卵の品質が低下して、販売不適のものの比率が高く
なってきました。殻が薄くて輸送中に割れたり、ゆでる時に破裂
したりすることが多く、外見では見分けがつかないため安心して
お届けすることができなくなりました。一期生の鶏の数が多すぎた
ために、その次の二期生(昨年生まれ)の鶏は数を減らしたのですが
減らしすぎだったようで、もともと産卵数の少ない冬の時期を
迎えて、販売可能な品質の卵の数が極端に少なくなっています。
今年生まれの三期生の鶏たちの産卵が年末頃に始まり、
年明けから春にかけて産卵数が増加する見込みなので、
そうすれば卵のお届けも再開できるのではないかと思います。
鶏が3年くらいで老化してきて産卵率が低下することは
事前に把握していたのですが、品質の劣化は予想外でした。
当初は産卵率が下がっても、少しでも産んでいる限りは飼い続ける
計画でしたが、この方針を変更して、来年生まれの鶏からは
毎年のヒナ育成数を昨年や今年よりも少し増やして、その代わり
満2歳くらいで肉にしてしまう方向で検討中です。経済合理性の
論法をニワトリに適用するのは、かわいそうな気もしますが、
肉をおいしくいただくことができれば家禽の役割は充分に
果たしてもらえるので、産卵率の低下と肉の食味の変化
について確認しつつ結論を出したいと思っています。
今週お届けする予定の野菜
小松菜(東京黒水菜)、大阪しろ菜、水菜、生育途上の小さい
大根(宮重大根)、大根の間引き菜(F1福太郎大根)、
大しょうが、里芋(赤芽大吉)、玉ねぎ、長茄子
(この中から8品目程度)
11月8日
左はナ1(人参、ねぎ、じゃがいも、ごぼうなど)
右はナ3(10月播種の大根、大阪しろな、小松菜、春菊、ブロッコリーなど)
11月8日、ナ4
大根、大阪しろな、はくさいなど